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第7回経済審議会地域経済・社会資本部会議事録

時:平成11年5月31日

所: 共用第2特別会議室(407号室)

経済企画庁

経済審議会地域経済・社会資本部会(第7回)議事次第

日時 平成11年5月31日(月) 18:00~20:00

場所 共用第2特別会議室(407号室)

  1. 開会
  2. 「地域経済・社会資本部会報告書(素案)」について
  3. 閉会

(配付資料)

  1. 資料1  経済審議会 地域経済・社会資本部会 委員名簿
  2. 資料2  経済審議会 地域経済・社会資本部会報告書(素案)
  3. 資料3  スケジュール(案)

(参考資料)

経済審議会地域経済・社会資本部会委員名簿

部会長

森地茂
東京大学大学院工学系研究科教授

部会長代理

安土 敏
サミット(株)代表取締役社長
企業小説家

石川 嘉延
静岡県知事

井上 繁
(株)日本経済新聞社論説委員

北村 浩子
(株)キンスイインターナショナルリゾート代表取締役

小林 重敬
横浜国立大学工学部教授

坂本 多旦
(有)船方総合農場代表取締役会長
全国農業法人協会会長

生源寺 眞一
東京大学大学院農学生命科学研究科教授

戸所 隆
高崎経済大学地域政策学部教授

中邨 秀雄
吉本興業(株)代表取締役社長

長谷川 逸子
長谷川逸子建築計画工房(株)代表取締役

林淳 司
川崎重工業(株)取締役副会長

溝口 薫平
(株)由布院玉の湯代表取締役社長

宮脇 淳
北海道大学大学院法学研究科教授


〔森地部会長〕

夜分、お忙しい中をお集まりいただきましてありがとうございます。

 ただいまから、第7回の地域経済・社会資本部会を開催させていただきます。

 本日は、前回に引き続き、本部会の報告書(素案)について、皆様のご意見をいただきたいと思っております。

 なお、前回同様、本日お諮りする報告書(素案)に関します資料につきましては、最終的な報告書のとりまとめと同時に公開することとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、前回からの修正点を中心に、事務局より、ご説明いただきます。

〔事務局〕

資料2でございますが、最初に、目次をご覧いただきたいと思います。全体の構成からかなり変えてございます。すなわち、前回、追加論点として別紙でお示ししておりましたが、いわば総論に該当する「21世紀の地域社会のあり方」について、今回は、第1章を新たに設けてございます。その3で、大都市、地方都市、中山間地域等の各地域別のあるべき地域社会の姿を示してございます。4で、それを支えるネットワーク・フットワーク、5で首都機能移転についてもやや詳しく論じてございます。

 これを受けまして、第2章から第4章までは、それぞれの地域ごとのあるべき姿を実現するための戦略的施策が中心になっております。大都市の戦略的施策が、第2章の2「小さな大都市」構想でございます。これは前回お示しした案では、まちづくり一般の議論として書いていましたが、今回は、大都市の施策に特化してございます。地方都市の戦略的施策が第3章の2「独自の産業・文化を持つ地域づくり」で、これも前回案では、地域経済の活性化と書いていたものを、地方都市の施策として位置づけてございます。中山間地域等については、第4章の2で「多面的機能の永続的な発揮を可能とする中山間地域等の活性化策」ということで、前回案では、中山間地域等の活性化策と書いていたものでございます。したがって、第2章から第4章までは、前回案でいう、まちづくり、地域経済、中山間地域等の活性化の内容と基本的には変わってございません。

 第5章と第6章は、それぞれのあるべき姿の実現を支援するための、社会資本整備・地域経営システム、こういう位置づけにしてございます。第5章の「社会資本整備」については、前回案と内容は同様ですが、中身としては、3にありますような「優先整備分野の明確化」、4にありますような「整備・運営システム」、今後のソフト面の対策。第6章の「地域経営システム」については、前回案では、地域経済の活性化の中で「地方自治のあり方の見直し」として書いてありましたが、今回、先ほど申しましたように、全体を通じての支援システムという意味で、第6章として独立させてございます。内容的には変わっていませんが、2の「地域の自己決定能力の向上」、3の「行政の広域化の推進」ということが主なテーマになってございます。

 全体構成は、以上でございます。

 1ページの「はじめに」をご覧いただきたいと思います。「はじめに~歴史的潮流変化の中での国土構造のあり方~」ということで、歴史的潮流変化を4点挙げてございますが、その下に、

 「このような歴史的潮流の大転換に伴い、国土のあり方についても、新たな国土構造の構築が求められている。

 21世紀の国土のあり方としては、これまでの東京一極集中の階層型国土構造ではなくて、個人や地域の自主性、多様性を尊重することにより、効率的で生産性の高い国土構造に転換することが重要である。同時に、その目的とするところは、時間的・空間的ゆとりといった豊かさの増進、国土の安全・安心を実現していくことが基本となる。

 このような観点から、本部会は、まず、21世紀のあるべき地域社会とそのかたちを各地域ごとに明らかにした上で、それぞれのあるべき姿を実現するための戦略的施策と、それを支えるネットワーク化等に資する社会資本整備や地域経営システムのあり方について提言する。」

ということで、目次で申し上げましたような今後の展開を示してございます。

 2ページが、第1章「21世紀の地域社会のあり方」でございます。この部分が、先ほど申しましたように、今回、新たに付け加えた部分でございます。

 1「地域社会と地域政策の変遷」で、最初に、地域社会と地域政策の変遷を概観してございます。すなわち、

 「近代以前の地域社会の経済構造は、自己完結性が高いものである。明治期以降、近代産業が発達し、その自己完結的な特質が弱くなっていった。特に、第二次世界大戦後は、人口・産業の東京一極集中が進み、これは、国富の効率的な増大には寄与した。しかし、その一方で地域の独自性の喪失、過密・過疎の拡大という問題が生じ、東京を頂点とする階層型の国土構造が形成された。その後、地域分散策が採られ、地域間格差は是正されつつあるが、特に、意思決定面における東京一極集中は温存され、階層型の国土構造を転換するには至っていない。」

という概観をしてございます。

 2「地域社会と地域経済の現状」ですが、「このような階層型国土構造は、今日、各地域社会に様々なひずみ・非効率をもたらしている」ということで、大都市においては、人口、諸機能の過度の集中によるいろいろな弊害、また、地方都市においては、国への依存体質に伴う地方の活力の低下、中山間地域等については、担い手不足というような主な問題をここで挙げてございます。

 3「21世紀のあるべき地域社会とそのかたち」ですが、このような国土構造を、内外の歴史的潮流の大転換の下で、どのように変革すべきかという問題意識で、3ページですが、

 「そもそも、地域社会には、様々な機能があるが、地域特性に応じ、これをいかに高度化するかが、地域政策に課せられた使命である。歴史的潮流の大転換を踏まえると、今後の地域政策は、これまでの階層型から、個人や地域の自主性、多様性を尊重することにより、効率的で生産性の高い国土構造に転換することが重要である。同時に、時間的・空間的ゆとりといった豊かさの増進・持続などが基本となるべきである。すなわち、以下で述べるような、大都市の国際競争力、地方都市の突出機能、中山間地域等における国土・環境の保全といった、各地域の特色ある機能を、自立的かつ戦略的に高度化するとともに、地域間の有機的で水平的連携、相互補完により、さらなる高度化を図れるような国土構造を形成することが重要である。

 このためには、地方分権の徹底、高度なネットワークの構築、さらには『対面慣習』の転換、それに加えて首都機能移転に向けた積極的検討が必要。」

という基本的な認識を示してございます。

 (1)「大都市」、まず、大都市のあるべき姿でございます。ここでは、三大都市圏と政令指定都市を対象に考えていますが、「我が国を代表するような高度な都市機能や情報発信機能を発揮」する。同時に、「地方ブロックにおける中枢的機能を果たす」。

 「さらに」というところですが、「国際的な都市間競争に対応できるような都市機能の高度化を図る。業務機能に関しては、国際取引機能などの特化を図るとともに、国際的な人・物・情報の流れのゲートウェイ機能を果たす。

 それから、生活環境の面でも、日常生活とそのフットワークにおいて、『空間』のゆとりと、移動時間の短縮などによる『時間』のゆとりを確保する。

 特に、これからの少子高齢社会にあっては、女性や高齢者にとって、日常生活における移動等が、安全に、かつ短時間に済ませられることが求められる。」

ということで、以下に、現実の課題がいくつか書いてございます。

 4ページにまいりまして、上から2つ目のパラグラフですが、

 「以上を総合的に勘案すると、大都市の機能を十分に果たしうるためには、ゆとりある『空間』の確保、様々な高度な都市機能のコンパクトな集積と地域内外の高度な交通情報通信ネットワークによる、ゆとりある『時間』の創出、さらには、ネットワーク化を通じた、多様で迅速な人流・物流・情報交流の実現が中心的課題となる。

 なお、民間の経営力、技術力、資金力を十分に活用する。」

ということを記述してございます。

 (2)「地方都市」、ここでは、地方中核都市から地方中心・中小都市までを対象にして考えております。

 「大都市に比較すると総じてゆとりはあるが、一方で、業務機能、あるいは教育、娯楽、文化機能などについては大都市に強く依存していろいろな問題も生じている。

 今後は、地域が個性的・自立的発展を遂げることが求められる。

 しかし、そのためには、突出した機能とそれを担う人材が必要である。

 こうした観点から、基礎的な都市機能をさらに高めていくとともに、地域の発展を支える独自の突出機能を創出し、または、その高度化を図っていくことを基本に考えたらどうか。」

ということでございます。

 (3)「中山間地域等」ですが、ここでは、生産力、国土・環境の保全等の多面的機能を今後とも維持することを基本とする。生産基盤、生活基盤の環境整備が必要になりますが、可能な限り経済の効率的視点が欠かせません。

 以下で現状をみておりますが、まず、担い手不足等により地域社会の維持が困難となる。その一方では、一番下の行ですけれども、「都市住民等が定住する、あるいは定期的に訪れるケースが増加している。」

 5ページの「しかしながら」というところですが、「十分な稼得が得られず、都市的生活機能も不足している等の問題が」一方である。

 国土との関係で申しますと、「食料生産力の重要部分を占めている。」

 「さらに、国土・環境の保全等の多面的機能を発揮している。こうした、生産力、多面的機能の維持は、21世紀においても求められる。」

というのが基本的な認識で、こうした観点から、「稼得機会としての産業体制、物流体制等の確立、都市的生活機能の確保、多面的機能への理解の促進」を図っていくことを基本に考えてはどうかということでございます。

 4「あるべき地域社会を支えるネットワーク・フットワーク」の議論で、

 「効率的で生産性の高い国土構造を形成していくためには、人・物・情報が効率的に移動でき、かつ、大都市、地方の双方向、それに加えて地域間の横の動きを生じさせるような、交通・情報通信ネットワークの構築が必要である。

 まず、グローバル化した高速・大容量の情報通信ネットワークを全国に構築するとともに、国際的なゲートウェイ機能を果たす国際拠点とそのアクセスとなる高速交通ネットワークを整備する。このようなネットワークは一極集中型の『一対多』ではなく、『多対多』のネットワークである必要がある。このような地域間のネットワークと併せて、地域内の交通・情報通信ネットワークを有機的に整備する。

 こうして、多様で個性的な地域間及び地域内における、双方向での迅速な情報交流や効率的でシームレスな人流・物流が可能となる。こうしたネットワークは、(6ページに書いてありますが、)リサイクル社会を支える静脈としての機能も果たす。経済産業活動だけではなく、娯楽、文化、旅行等に関する多様な情報と組み合わせたネットワークの形成も可能となる。

 さらに、日常生活においては、各施設の近接化・複合化と併せて、ネットワーク機能を積極的に活用することにより、快適で短時間の移動が可能となるフットワークが確保される。」

というネットワーク、フットワークの議論をしてございます。

 5「首都機能移転」で、前段は、「東京一極集中の是正、地方分権などを一層充実させ、促進する効果が期待される。災害対応力の強化に資する。さらには、新首都が、先導的なモデルを提示することとなる他、人心一新や新たな日本文化形成にとっての意義」など、一般的な首都機能移転の維持・効果を書いてございます。

 「ところで」以下ですが、「東京一極集中の階層型国土構造の下では、実際に顔を合わせないと十分な意思疎通ができず、事が円滑に進まないとする『対面慣習』が、必要以上に人と会うという非効率をもたらしており、情報通信ネットワーク化が進展しても、このような非効率性が解消されない可能性も懸念されている。効率化のためには、必ずしも会わなくても済む、いわば『低対面慣習文化』を根づかせることが必要である。首都機能移転には、現実に対面する機会を強制的に減らすことを通じて、現在の『対面慣習』を変革していく効果も期待される。このようなことから、具体化に向けて積極的検討を進める。」

というような位置づけをしてございます。

 7ページが、第2章「大都市のあるべき姿」でございます。1「あるべき機能と今後の戦略的施策」に書いてありますのは、ただいまの第1章の要約で、あるべき機能を実現するための戦略的施策として、2の「『小さな大都市』構想~ゆとりの『空間』とゆとりの『時間』のまちづくり~」を推進するということでございます。

 先ほども申しましたが、前回案では、まちづくりのところで書いていました内容を、大都市の施策に特化してございます。

 2「『小さな大都市』構想~ゆとりの『空間』とゆとりの『時間』のまちづくり~」は、記述を全体的にコンパクト化してございます。中身は大きくは変わっておりませんが、改めてざっとご覧いただきたいと思います。

 「様々な高度な都市機能がコンパクトに集積し、ネットワーク化された、『小さな都市』構想を推進する。すなわち、生活空間の良質化と拡大により、ゆとりの『空間』を確保する。併せて、それらの近接化・複合化と高度なネットワーク化を進め、移動時間の短縮などを図り、ゆとりの『時間』を確保する。同時に、ネットワーク化を通じて、地域間連携と多様で迅速な人流・物流・情報交流を実現する」、こういうコンセプトでございます。

 8ページの(1)「ゆとりの『空間』~様々な機能の生活空間の良質化・拡大~」で、 1「住宅・買いもの・オフィス空間のゆとり」、2「教育・文化・娯楽空間のゆとり」、3「公共空間のゆとり」、9ページの4「歴史・文化・風土・自然空間のゆとり」といった、ゆとりの空間のイメージをいくつか挙げてございます。

 (2)「ゆとりの『時間』~都市構造のコンパクト化とネットワーク化~」で、1「既成市街地の再編による生活空間の近接化・複合化とゆとりの『時間』の創出」は、既成市街地の再編を通じて各種施設の近接化・複合化を進めてゆとりの「時間」を確保するという考え方であります。具体策としては、ア「計画的な土地の有効高度利用と用途複合の促進」、10ページのイ「市街地の面的整備事業の推進」、ウ「民間事業者に対する資金面での公的支援と不動産の証券化の促進」、11ページのエ「都市中心部における住宅や福祉施設の整備」の促進策を挙げてございます。

 2「交通・情報通信ネットワークの高度化とゆとりの『時間』の創出」は、ネットワークの高度化を通じて多様で迅速な人流・物流・情報交流を実現するとともに、移動時間の短縮等から、ゆとりの「時間」を確保するという考え方であります。具体策としては、ア「交通」では交通ネットワーク、都市内交通から国際交通に至る高度化策。イ「情報通信」では、住宅をはじめとして各種の施設、さらには役所での様々な情報化を挙げてございます。

 12ページの第3章「地方都市のあるべき姿」でございます。1「あるべき機能と今後の戦略的施策」は、同様に第1章の要約でございますが、これを実現する戦略的施策として、2「自立的発展を支える独自の産業・文化を持つ地域づくり~自立型地域構造の構築~」にあります独自の産業・文化を持つ地域づくりを進めるということで、これも前回案では、地域経済の活性化の内容として書いていたものを今回、地方都市の施策に位置づけてございます。もう一度ご覧いただきますと、内容は3つあって、1が、地域都市の安定的経済基盤確立のための密着型産業を振興。2が主眼でありますが、内外市場の競争激化に対応するための地域独自の突出機能の創出。3が、生活基盤についてもより高度化を図っていくということであります。

 (1)「地域密着型産業の振興」が、地域完結性の高い地域密着型産業の振興ということで、1が「地域内商圏の確立」で、ア「中心市街地の活性化による商圏の確立」、13ページのイ「郊外型大型店舗を中心とした商圏の確立」、ウ「投資を集中させることの必要性」ですが、そのいずれかに投資を集中させることが効率的で必要だということで、このウについては今回、新たに記述を追加させていただいております。

 2が「福祉関連サービス等における創業」で、新たな地域密着型産業として、福祉関連サービス、環境関連ビジネス等における創業ということでございます。

 (2)「突出した機能による競争力の強化」ということで、ここでは、移出産業の振興のために、突出機能を活用して、海外も含む他地域からの需要の確保を図ることが重要である。したがって、国際競争力をも有するような独自産業を創出していく。このために、1「地域資源の有効活用」ということで、ア「観光資源、農林水産物、伝統文化・技術等の活用」、イ「既存の産業集積の再生」、ウ「リサイクル産業の振興」。

 2が「突出機能を生み出す文化的基盤の強化」で、ア「知的インフラの整備」、これは情報通信インフラとか、地元大学を中核とした産官学連携。イ「情報発信機能の向上」ということで、地域情報の電子データベース化、イベント開催等を通じた活発な情報発信ということでございます。

 (3)「生活基盤の向上」で、この部分も今回、大幅に記述を拡充させていただきました。大都市と地方都市と中山間地域等の各地域別に議論をする、その差異を明確にする意味で地方都市の生活基盤をどう考えたらいいかということで、若干詳しくしてございます。その考え方は、15ページの第2パラグラフ、「このため、地方都市は、周辺地域の生活の拠点であるという性格に鑑み、日常の都市的生活機能を充たしうる基盤の確保を優先的に図る。また、高度化された機能については、都市規模も勘案しながら、地域の特色を活かした重点整備を図るとともに、ネットワーク機能を活用して、周辺地域間の相互活用を進める」という考えを、書かせていただいております。

 1が「基礎的な都市的生活機能の確保」ということで、都市基盤施設や各施設の更新、整備により、基礎的な機能の確保を図る。また、新しい時代の基本インフラとして、情報通信ネットワークについては高度なものを整備する。

 2が「地域の特色と地域間連携を活かした機能の高度化」ということで、教育、文化、医療、あるいは商業、広域レクリエーションなどについては、地域の特色を活かした高度化を図る。それから、各種施設について、相互利用あるいは共同運営といった、地域間連携による高度化を図る。それから、「さらに」以下にありますのは、大都市の機能、各地の特色ある機能については、ネットワークを活用した地域間の相互補完的な機能分担により、その享受を可能とする、こういう考え方を示してございます。

 16ページの第4章「中山間地域等のあるべき姿」でございます。1「あるべき機能と今後の戦略的施策」は同様ですが、「これを実現するための戦略的施策として、意欲ある人材の確保・育成、独自産業の創出、都市的生活機能の効率的な整備、集落機能強化と多面的機能に対する国民意識の醸成等を推進」するとしてございます。

 その内容が、2「多面的機能の永続的な発揮を可能とする中山間地域等の活性化~持続的な地域社会の再生~」で、これは前回案では「中山間地域等の活性化策」となっていたものです。内容的には同様ですが、改めてざっとご覧いただきますと、(1)「意欲的な人づくり」、1「多様な担い手の確保・育成」ということで、ア「地域の人材活用と条件整備」は、地域内の人材の活用策です。この中ほどで、「経営者」としての視点を持つべきということで、そういった記述を今回加えさせていただきました。17ページ、イ「UJIターン等の居住・受入れ等の推進」は、地域外からのUJIターンの希望者に対する居住、研修、就業の支援などの措置であります。

 2「担い手づくりに向けた体制整備」ということで、具体的には、新たな産官学連携体制の構築などを挙げてございます。

 (2)「個性的な産業づくり」、18ページの1「既存産業の活性化」、ア「活力ある農林水産業等の展開」にありますのは、多彩な気象条件や地域資源を活かした、独自の農林水産業の振興などであります。イ「地域資源等を活用した産業の振興」は、その他の地域の特徴的な資源を活用した内発型地場産業の振興策であります。

 2「新たな産業の創造」ということで、ア「総合観光産業の構築」を特記してございます。

 19ページにまいりまして、イ「地域資源等に着目した新たな産業の展開」ということで、リサイクル産業ですとか、風力発電、バイオマス発電といった次世代型環境産業の推進を挙げてございます。

 (3)「都市的生活機能の確保」ですが、これについては前回案では、中山間地域等の活性化については、人づくり、産業づくり、地域づくりという3つの柱でお示ししていましたが、今回、地域づくりのところを(3)「都市的生活機能の確保」と(4)「集落機能の強化と多面的機能に対する国民意識の醸成等」というように分離させていただきました。その心は、先ほどと同様ですが、大都市、地方都市、中山間地域等での生活機能の差異を明確にする趣旨で、(3)の記述を独立させて充実したということであります。

 (3)「都市的生活機能の確保」ですけれども、各種の施設整備が必要になりますが、フルセットで持つことは非効率であるということから、施設の集約化、連携、機能分担により効率化を図る。さらには、交通インフラ、情報インフラ、消費インフラについても、具体的なイメージを書いてございます。特に、消費インフラのところをご覧いただきますと、郵便局等による、コンビニ的施設の設置や在宅福祉支援サービスの供給等既存組織の効率的活用ということにも言及してございます。

 (4)「集落機能の強化と多面的機能に対する国民意識の醸成等」ということで、20ページの1「集落機能の強化」が、統合あるいは連携といった集落再編による集落機能の強化。2「多面的機能に対する国民意識の醸成とその発揮に向けた取組み」ということで、取組みの内容としては、耕作放棄の防止を内容とする協定を結んだ農業者に対する直接支払いとか、基金を活用した地域保全システムの整備。3「都市との交流・共生の促進」ということで、具体策としては、一番下の行にありますような、グリーンツーリズム、ブルーツーリズムの推進や、観光基盤整備、最後にあります、自然体験学習、農林漁業体験学習等の実施ということを挙げてございます。

 22ページの第5章「21世紀型社会資本整備」、これは基本的に前回案と同じであります。1「基本的考え方」の最初のところに書いてありますが、

「社会資本整備は、各地域のあるべき姿の実現を支援するための基盤整備を担うものでなければならない。

 ここでは、21世紀型社会に対応して、優先的・重点的に整備すべき社会資本分野を明確にする」。

 ということで、具体的には3点ありますが、3「21世紀型社会資本整備の優先整備分野」にあります13の3つの柱に即して優先分野を明確化してございます。

 まず最初が、1「多様な知恵の社会を支える社会資本」で、具体的には、23ページの1「情報通信ネットワークの整備」ということで、ア「高速・大容量の情報通信ネットワークの形成」は、市場経済の原則に基づき、日本列島の中核に世界最大の高速・大容量を持つ情報通信ネットワークの形成を実現する。イ「国土情報スーパーハイウェイの構築」は、それを支援する意味で、社会資本と民間光ファイバーとの一体整備による国土情報スーパーハイウェイを構築する。

 2「公共サービスの情報化」ということで、ア「電子政府とワンストップサービスの実現」、イ「スマートインフラの整備」、具体的にはETC(ノンストップ自動料金収受システム」などの高度道路交通システムの整備、24ページですが、汎用電子乗車券の実用化や、EDI(電子データ交換)の普及等ということであります。

 3「国際競争力強化のための基盤整備」ということで、ア「国際交通体系とアクセスの整備」、イ「快適な生活基盤の整備」、ここでは、よりわかりやすい標識の設置とか、道路番号の体系的な整理ということも書いてございます。

 (2)「少子高齢社会にふさわしい社会資本」で、1「社会の生産性の向上」ということで、移動時間の短縮などに資するものとして、鉄道の整備の話、道路の交通の話とか、道路の交通容量拡大策のハード面・ソフト面の施策を挙げてございます。

 2「安心で快適な生活環境の形成」ということで、ア「歩行空間・公共空間のバリアフリー化とユニバーサルデザイン化」、歩行区間・公共空間のバリアフリー化と情報機器を含めたユニバーサルデザイン化の促進。イ「高齢者・女性等への支援の充実」、高齢者福祉施設とか保育所の整備の促進策を挙げてございます。

 (3)「環境にやさしい安全な持続的発展社会を支える社会資本」ということで、1「環境との調和」、ア「ごみゼロ社会の実現」は、ごみゼロ社会実現のための広域的な廃棄物処理とリサイクルが一体となった循環型システムの構築の施策。イ「影響にやさしい交通体系の形成」は、路面電車、自転車の利用促進などの環境にやさしい交通体系の形成。ウ「良好な環境の保全と形成」ですが、この「さらに」以下で、歴史・文化・風土や自然環境の効率的な保存について言及してございますが、これについては前回案では、まちづくりのところで書いてございましたが、各地域に共通するテーマですので、こちらに移動してございます。

 2「安全な国土の構築」で、ア「防災・震災対策の促進」、イ「効率的な国土と環境の保全手法の検討」ですが、今回、ウ「首都機能移転の検討」を追加してございます。ここに書いてありますように、「首都機能の移転は、災害対応力の強化に資することから、その具体化に向けては積極的に検討を進める」と書かせていただいています。

 4「社会資本の整備・運営システム」ということで、ソフト施策の展開ですが、27ページの(1)「事業評価の充実」で、1「新規事業評価と再評価の拡充」、2「事後の評価システムの導入」、3「定性的な項目の客観的評価」、安全性や環境保全等定性的な要素についても評価に取り組んでいくということでございます。

 (2)「時間管理概念の導入」ですが、これまで事業評価あるいはコスト縮減といった、効率化が進められてきましたが、事業の時間的効率性を意識した事業促進という取組みは十分ではなかった。今後は、事業の遅延がもたらす時間的損失を算出公表し、その公表を通じて、各種の調整の促進を図ることとし、その制度を確立する、と書かせていただいています。

 (3)「PFIの推進」。

 (4)「アカウンタビリティの向上と幅広い国民関与の促進」で、28ページの1「PI方式・NPOの活用」。2「社会実験の推進」は、今回、記述を追加してございます。すなわち、「新しい施策の導入に当たっては、場所や期間を限定して試行・評価する社会実験を積極的に実施する」ということを追加して書きました。3「公共サービスの目標の定量化と住民満足度の把握」は、公共サービスについて目標を定量化した上で、その達成状況を定期的に公表・管理する。同時に、住民満足度も継続的に把握をする。4「企業会計的要素の活用」、企業会計的要素を導入した会計書類により、ストックとしての状況を示す。5「情報公開の徹底」が、これらの各種情報について情報公開を徹底するということでございます。

 (5)「事業間連携の強化」で、1「行政機関相互間の連携・調整体制の整備」は、長期的な計画の策定段階から各種の行政機関相互間において、連携・調整体制を整備して、例えば、広域的な計画の策定等により効率化を図る。

 29ページの(6)「既存社会資本等の有効利用」ですが、1「適切な維持更新等」を今回新たに追加してございます。すなわち、「社会資本ストックについて、機能が十全に発揮されるよう適切な維持更新に努める。この際、少子高齢化等に対応して、施設の廃棄や他の用途への転換も選択肢とする」ということで追加してございます。2「ライフサイクルコストの評価」、3「利用の平準化」、4「住宅ストックの有効利用」でございます。

 30ページの第6章「地域経営システム」は、先ほど申しましたように、前回案では「地域経済活性化」の中の「地方自治のあり方の見直し」というところで書かれたものを独立させたというところで、内容的には変わっておりません。主眼は、1「基本的考え方」のところですが、地方自主財源の拡充と地方交付税制度の見直しにより、中央政府への財政的依存体質から脱却を図る。これにより、地域の自己決定能力と自己責任を強化する、という趣旨であります。

 2「地域の自己決定能力の向上」が、その内容です。(1)「地方税の充実・確保と課税自主権の強化」、(2)「地方債発行に際しての国の関与の縮小」、(3)「地方交付税の算定方法の簡素化と規模の縮減」、地方交付税については算定方法の簡素化と、自主財源の拡充に伴う分の規模の縮減により、地方交付税の機能を地方公共団体間の税源偏在の是正に特化させていくということでございます。

 31ページの3「地域間連携と行政の広域化の推進」ですが、(2)「行政の広域化の推進」、まず市町村合併を推進すべきということですが、「さらに」以下では、中長期的には、府県合併も視野に入れて検討する。その上で、道州制の意義について幅広い観点から検討を行うとしてございます。

 4「住民参加の拡充」は、前回案では、まちづくりのところで書いてございましたが、地域づくり一般の課題として、こちらに移してございます。すなわち、住民をはじめとする利害関係者等の地域づくりへの積極的参加と合意形成を促進するための、官民の情報交流の強化策を挙げてございます。「一方」以下のくだり、最後のパラグラフ、これは今回、これまでのご議論を踏まえて追加してございます。すなわち、合意形成に至るまでの利害調整は、近年一層難しくなっており、行政としてのタイムリーな意思決定をいかに行うかが大きな課題となっており、この対応として、高い識見を有する専門家の調停に委ねることも考えられる。いずれにしても、行政の適時の対応と判断、あるいは地方議会の活発な議論及び迅速な決定が望まれる、とさせていただきました。

 参考資料をご覧いただきたいと思います。2枚紙の(参考資料)が付いてございますが、これは、ただいまの31ページの3の(2)「行政の広域化の推進」に関する参考資料でありまして、こういった現状を踏まえて、さらにご議論を深めていただければという趣旨でございます。

 1枚目は、「市町村合併推進策の拡充について」ですが、現行の推進策として、合併後のまちづくりのための地方単独事業に対する財政支援措置。交付税については、5年間、合併しなかった場合の交付税を全額保障するという措置が現行ではございます。ご承知のように、分権一括法案の中では、この合併特例法の改正が盛り込まれていて、内容としては、交付税の算定特例の期間、5年間を2倍の10年に延長する。新しい合併特例債を創設するということが盛り込まれております。

 2枚目は、「道州制と都道府県合併について」ですが、地方制度調査会等の答申を抜粋させていただいております。昭和32年の第4次答申では、市町村の充実強化を図る。現行府県は廃止し、ブロック単位に、新たな中間団体及び国の総合地方出先機関を設置し、ということで道州制的なことが明確に言われております。ところが、昭和40年の第10次答申では、府県の性格及び府県と市町村の二重構造は、変更しない。ただ、府県合併は効果がある、といった答申になっております。45年の第14次答申では、道州制、都府県合併のような問題については、国民的合意の形成をまつことが適当、といったように時代によってかなり議論がぶれてございます。最新の論としては、平成5年の臨時行革審で、道州制の意義等について国として幅広い観点から具体的な検討を行う。昨年の地方分権推進計画では、都道府県合併も視野に入れ、中長期的に検討を行う、という答申等がございます。

 以上でございます。

〔森地部会長〕

どうもありがとうございました。

 今日は、堺屋長官にご出席いただいておりますが、7時過ぎまでしかお時間がないようですので、先にご発言をいただきたいと思います。

〔堺屋経済企画庁長官〕

先生方にはいろいろお世話になっておりまして、この部会にもっと出席すべきなのでございますけれども、国会でいろいろと今、中央省庁再編の法案などが審議されていまして、全員拘束などということがありまして、なかなか出席できません。大変失礼いたしております。

 この部会も、そろそろまとめの段階に入ってきたわけでございますが、これからの日本を考えますときに、地域経済・社会資本の問題は極めて重要であろうかと思います。

 ここにも記述してありますが、日本の地域政策は、昭和初め、昭和16年ごろの決定がございまして、日本全体を有機型地域構造にするというような決定がございました。有機型というのは、人間の体のようにするということです。人間の体であれば頭は1つだということで、全国の頭脳機能を1つに集める。それは首都東京でなければいけない。

 頭脳機能というのは、産業・経済の中枢管理機能と、情報発信機能と、文化創造活動である、こう定めました。そして、各地に地方中核都市をつくりまして、北海道なら札幌、東北6県なら仙台、中国なら広島とする。ここは地方限りの頭脳機能をもつ。各県限りのものは、県庁所在地に置くという、段階的なヒエラルキーをつくりました。

 そして、すべての文化創造活動、情報発信機能、産業・経済の中枢管理機能を東京に集めることにする。その手法として様々なことがとられました。例えば、産業・経済の中枢管理機能を東京に集めるためには、各産業別、職業別に全国団体を作り、この全国団体の本部事務局は東京都に置かせるという政策をとりました。

 私が通産省に入りました1960年代は、まさにこの政策を継続し、強化する真っ最中でございました。この方針に反して地方に、東京以外に、全国団体の本部があると、一日も早く東京へ来なければいけない。その対象になりましたのが、大阪にありました繊維業界、名古屋にありました陶磁器業界の2つでございまして、繊維業界については再三圧力をかけておりましたけれども、なかなか成功しませんでした。ところが、うまい具合に68年に、あの日米繊維交渉、これを折衝するにあたって、まずアメリカと折衝する前の条件は、紡績協会が、各種団体が東京に本部を移すことだ、こういう話をいたしました。

 当時の局長室に、「敵は米国にあらず、大阪なり」という有名な看板を掲げられて、新聞にも出たことがあります。

 いろいろ折衝したのですが、なかなか職員も大勢おられてそう簡単にいきませんで、日本繊維工業連合会という屋上屋の団体をつくりました。

 銀行協会などもずっと東京にあったのですが、銀行協会長は東京にある銀行からしか出さないということがずっと続いて、三和と住友はダメということになっておりました。それが、70何年でしたか、本社機能を東京に移すことを条件に、まず住友銀行、次いで三和銀行が会長銀行になりました。それぞれ、会長銀行になると勲一等がもらえる、こういう仕掛けになっております。

 それから、名古屋の陶磁器工業会も70何年に移転しまして、今は、陶磁器輸出組合だけが名古屋に残っております。

 同様に、情報発信機能につきましても、非常に厳格に東京集中を行いました。吉本さんも東京へ進出しておられるようでございますけれども。そのもとになっているのは、NHKにつきましては全国放送は東京中央放送局から行う、民放につきましてはキー局は東京都にしか置いてはいけない。準キー局というのが大阪や、名古屋や、福岡や、札幌にあります。キー局でなければ全国番組編成権がないのです。準キー局は、キー局から番組と時間を割り当てられて放送するという仕掛けになっていまして、近畿地方だけとか、中国地方だけというのならいいのですが、それ以外はダメ。だから、例えば、広島カープという球団が広島球場で試合をやっているときでも、これを全国放送するときには東京のキー局でなければ放送できないというので、東京のテレビ局から全員が行っているというような仕掛けになっているわけです。

 それから、全国的な文化創造活動を東京に集めるという仕掛けはどうしたかといいますと、特定の目的をもった文化施設は東京以外につくらせない。これは補助金交付規則で決めた。他のところでは、汎用性のある、劇場でいいますと多目的ホール、体育館でいいますと一般体育館(これはバレーボール、バスケットボールが2面取れる平場があるということが条件であります)、展示場でいいますと一般団体用展示場・美術館でなければいけない。格闘技専門の体育館とか、歌舞伎専門の劇場とかいうのは、東京以外につくってはならないということにしたのです。これも厳格に守られていまして、今でも、格闘技専門の体育館というのは、東京には、国技館、武道館等4つほどありますが、東京都以外ではまだないです。それから、歌舞伎座も、最近は南座が改装して、松竹座も民間ではやっていますけれども、国立劇場は両方とも東京へつくったというような形で、かなり厳格に守られております。

 そうしますと、劇団や楽団をやる人のうち、素人は多目的ホールでも、歌舞伎は歌舞伎らしきものができますが、劇団や楽団を本格的にやる人は本物のところでないとできませんから、結局、東京でないと劇団はやれないということで、関西歌舞伎はなくなりました。シンフォニーも13か14が東京にある。25のうち6割以上が東京にある。ニューヨークでも5つぐらいなのに、東京だけ13も14もあるような格好になっている、というような仕掛けを作りました。

 何でこんなことをしたのかというので、そのもとになりました帝国国策要綱というのをひもといてみますと、結局、全国で規格大量生産をする。そのためには、同じ規格の商品が全国で売れなければいけない。それには、情報が共通であり、規格が共通であり、文化が共通であることがいい。いわゆる情報格差の是正ということを言いました。

 そうしますと、地方は何をすればいいかというと、手足の機能をします。つまり、農業と製造業で頑張れ、地方の地域開発は、必ず工場誘致であるということを言いました。これが第1次の全国総合計画に出ております「工業先導制の議論」。当時の先輩たちが考えたのでありますが、大変優れた議論でありまして、地方は大型の製造業を誘致する以外に成長する可能性はない。それ以外のものは従属的産業で、製造業で従業員が養われると、その人たちが買い物をすることで商店街もサービス業もはやる。地方には、都市施設としても、そこに住んでいる住民のための、医療機関や教育機関や多目的ホールをつくるのであって、外から、遠くから来る人のためのものをつくるのではない。地方の都市機能についてはそういう定義を下しました。それをずっと続けてきたわけです。

 その結果、1ページに書いてありますように、日本の社会はキャッチアップに成功いたしまして、規格大量生産型のシステムでは非常に優れたものになりました。

 ところが、多様な知恵の時代になるとそれではいけないのではないか、というのがこの部会に対する私たちの問題意識でございます。

 だから、地方は多様化しなければいけないのではないか。それぞれに個性をもたないといけないのではないか。こういう問題意識で私たちは出発してまいりました。

 その結果、まず、大きく分けて3つのタイプ、大都市、中規模都市、中山間地域等というものがあり、そのそれぞれにまた個性ある地域づくりをしていく。それぞれが特色ある突出した機能による競争力の強化という、第3章の2の(2)でございますが、これが1つのこの報告書のポイントでございます。空間的ゆとりとか、時間的ゆとりとかいうようなものもベーシックなものでございますが、突出したこの報告書の特色というのは、突出した機能による競争力を強化した地域というものを考えるべきではないかという点にあります。そのために、意欲的な人をつくり、個性的な産業をつくり、都市的生活機能を確保し、というような積み上げを行っているわけでございます。

 この報告書の中で、一つ抜けておりまして、皆様方にお尋ねしたいのは、地域のコミュニティとは一体どうなるのかという問題であります。この点がこの原案では十分に尽くされておりません。これは大変難しい問題でございます。地域というものが、ある市で経済が完結しているとか、ある郡で経済が完結している、そういう経済機能とか、あるいは防衛機能とか、そういうことがだんだん薄まってまいりまして、最後に残っていた情報機能も、最近、戦後になってなくなった。地域の中での噂よりも、全国的・世界的にマスコミで流される話の方がおもしろい。隣の娘さんのボーイフレンドの話よりもダイアナ妃の方がずっと親しみがあるというのが現在の特徴でございます。そういう時代に、地域コミュニティというのは、いかなる機能をもっていくのか。

 会社人間が衰えてくることは明らかでございまして、終身雇用の衰退とともに、会社人間という考え方は衰えてくるでしょう。それで人々の所属するところがどこへ行くのか。一人ひとりが個として自立して生きられるほど強い者ばかりではありません。そうだとすれば、この個は何に帰属するのか。それは、家族なのか、地域なのか、あるいは宗教や趣味の会なのか、いろいろ分かれるでしょうけれども、その場合の地域とは一体どういう概念で、どういう結束軸で結びついたものなのか。それに対して、行政や企業はいかに対応すべきか。

 今は、地域コミュニティというのはほとんどゼロに等しいわけでございます。昔は、何か不名誉なことをする人がいたら、まず親類の面汚し、つまり家族でありました。その次は、村の恥、地域コミュニティでありました。今、“団地の恥”なんていうことは聞いたことがありませんで、全く地域コミュニティがなくなっているしるし、帰属意識がなくなっているしるしですが、これから一体どのようになるのか。

 現在、地域を保っているものとしては、学校と、選挙です。学校の通学区域というのも、果たしていいか悪いか大問題でございまして、通学区域の多様化・弾力化、あるいは廃止ということも、学校選択の自由から出てくるだろうと思います。また、私立学校を容認していくと、それも変わると思います。

 残るのは、選挙と反対運動だけだというような形になるのか、という説もありますが、この地域社会というのを一体どう考えるかというのが1つの課題と残された問題です。

 その地域社会のあり方と全く遊離して自治体の形というのがありうるのかどうか、これもまた大きな問題です。

 今度、介護保険ができると、また地域の問題というのは大変重要になってきまして、新聞でも報道されていますように、1人当たりの保険料が1,700円のところから8,000円のところまでできるということになりますと、どういう地域を選択するか大変重要な話に変わってまいります。

 そういう、従来の社会資本形成とは違った人間関係、ネットワークとフットワークの関係も出てくるだろうと思っております。ぜひ、こういうところでも先生方のご意見を伺いまして、できるだけこの報告書に組み入れていきたいと考えております。

 大変難しい問題を並べ立てたようでございますけれども、ぜひ皆様方からのご意見を伺いたいと思っております。よろしくお願いいたします。

〔森地部会長〕

どうもありがとうございました。

 それでは、皆様のご意見で前回から修正していただいたところを中心にご説明をいただきました。それから今、長官からのお話がございました。どこからでも結構でございますので、どうぞご自由にご発言をお願いいたします。

〔A委員〕

3ページでありますけれども、「対面慣習」を転換して「低対面慣習」にするということですけれども、確かにこのことは必要なのですが、むしろ、今、来なければならないというシステムの方が問題ではないか。

 大阪などでも、あるいは京都などで、どうしても対面してやらないとならないというものもあるので、その辺はどうなのかなということ、ちょっと疑問に感じるのです。

 例えば、国との関係でいうならば、呼びつけ型でやっている。そういうシステムを変えるという、慣習というよりシステムの問題ではないかということです。

 それから、4ページで地方都市、コンパクトというのが地方都市から抜けたのですが、これは前回に私が申し上げたことに関連していろいろしていただいたのですが、地方都市の場合も、実は車社会になっていて、市街地が非常に拡大する。そして今、いろいろな問題が起こっているということがありまして、この点でコンパクト化という言葉は必要ではないかということです。

 それから、6ページで首都機能移転、ここで「新しく建設された首都」と書いてあるのですが、首都というのはこういう書き方をすると、東京との比較でいくと問題になるので、首都機能都市というふうにされた方がいいかと思います。

 それから、「首都機能移転には、我が国の国土構造を二極分散型に転換し」とありますが、こうなると、新しい首都機能都市と東京都と二極分化していくというふうに取られかねない、そういう意味なのかなとも思うのですが、これは、多軸多極連携型ということで新しい国土のグランドデザインの言葉にした方がいいかなということです。

 それから、13ページのイ「郊外型大型店舗を中心とした商圏の確立」とあるのですが、これは、先ほど言った地方都市のコンパクト化ということと関連するのですが、これを入れますと、今、地方で郊外にかなりたくさんショッピングセンターができていくことにならないかと。目茶苦茶まさに多極化していくということにならないかなと、このあたりの整合性をちょっと懸念するのです。

 以上のところで、特に「郊外型大型店舗を中心とした商圏の確立」というのは、公共交通を中心に地方でもコンパクトなまちづくりをして、そして環境共生型にしようということ。そのときに、かなり崩してくるのが車社会であり、郊外の大型店開発。ここのところをどう整理するかというあたりをちょっとお考えいただければと。以上です。

〔森地部会長〕

逐一お答えいただいていると時間が不足してしまうので、それぞれご発言を先にいただきたいと思います。関係することでも結構ですし、違う視点でも結構でございます。

〔B委員〕

先ほど、長官のコミュニティの話がございました。確かに、この議論をやっていくと、ベースにあるコミュニティの議論が1つ重要な議論としてあると私も思います。

 地域コミュニティというのは非常に揺れております。今、我々のまちづくりの分野でこういう考え方が1つ出されております。それは、コミュニティを2つのコミュニティのインタラクティブな関係でとらえていったらどうかということです。

 1つはテーマコミュニティ、もう一つはローカルコミュニティです。ローカルコミュニティというのは、ご案内のように、従来から地域に根ざして活動しているコミュニティ、なかなか活発な活動はできないわけですが、しかし、このローカルコミュニティがなくていいという議論ではない。そのローカルコミュニティをある部分で活性化する機能をテーマコミュニティという形で別建て、ある意味でローカルコミュニティが縦軸の底辺を支えるコミュニティだとすると、テーマコミュニティはある意味で横軸だと考えています。

 その地域地域の特性に応じて、その地域の特性を活かすための活動をやる、そういういろいろな活動が動いております。例えば、私のすぐ身近では、横浜に大きな自然公園をつくるために10年ぐらい活動していたグループがあります。ある目的をもって、ある地域にあるものをつくりたい。それは首都圏でもめずらしいような新しい形の公園をつくりたい。そういう呼掛けに応じて、その地域の人を中心にしながら、それに呼応して、インターネットその他を通じて、首都圏という広がりで賛同した人たちが集まって、その活動に参加している。そのテーマコミュニティの人たちが、逆にローカルコミュニティの人たちを、ある意味で促して、一緒に活動しましょう、そういう動きを始めております。

 こういうテーマコミュニティとローカルコミュニティという2つのコミュニティ。今までは、ローカルコミュニティか、あるいはテーマコミュニティかという議論だったのですが、2つの動きがお互いに関係を持ちながら地域を形成していくというようなあり方が、我々まちづくりの面から見ると1つのあり方ではないかと考えております。

 ついでに、もう一つ。この議論の中に、例えば、地方都市でもコンパクトにつくる、大都市でもできるだけコンパクトにつくろうという議論がずっとあって、それをネットワークでつないでいこう。ツールとしてのいろいろなネットワークはあるわけですが、実際に人々が動く、その動き方の1つのツールとして、公共交通というものもそれなりに理解していかなければいけない。

 そのときに、これはむしろK委員のご専門なのですけれども、先日お聞きした話では、例えば、ある私鉄がある地域バスを走らせる、そこの運転手さんを募集した。それは、年間所得 200万で働く、そういう運転手さんはどうかということでした。 200万の運転手さんだと、バスに7人ぐらい乗れば十分採算になる。ところが、今、全国で走っている営業バスというのは、所得 600万とか、 700万とか、 800万と非常に高い所得の方が運転しているものですから、実際は毎日何百人という方が乗らないと採算がとれない。そのために、バスの運転ができない。東京都内を含めていくつかそういうバスの仕組みが動いていて、そんなに多く乗らなくてもバスが運転できる。

 私、以前に新潟の地域づくりをやっていて、その新潟の高校生の話を聞いたのです。その新潟の高校生は、自分の村の中だけにとどまっていて非常に退屈である。できたら、どこか中心に行きたい。しかし、中心に行く手段がない。今ある手段を使って行くと、片道 1,000円かかって、往復 2,000円かかってしまう。小遣いが 3,000円でどうして行けるんだ、そんな話を聞いたことがございます。

 もう少し簡便に動かせるツールを用意するというような議論が、極めてベーシックなのですけれども、こういう中に組み込まれている必要があるのではないかという感じもいたしました。

 とりあえず、その2点だけです。

〔C委員〕

地域のコミュニティというのが成熟していない1つの問題としては、小さい単位では、和歌山の砒素事件ではないのか、と。あのコミュニティが成熟していたら、ああいう事件は起こらなかったのではないか。非常に小さい単位ですけれども、今、和歌山では、ああいうところをどういうふうにお考えなのかと、後をどのようにお考えなのかということ、ちょっと気になりました。

 大変いい問題の提起をいただいたのではないかと思っております。

〔D委員〕

今のコミュニティの話ですけれども、私は、農村なり山村を相手に仕事をしていくことが多いのですけれども、私自身は都内に住んでいて、全く違うコミュニティを体験し、勉強しているわけです。当たり前のことですけれども、農村部の場合には、非常に定住性が高いわけです。都市部は流動性が高いという面があって、それぞれにいい面があるのですけれども、都市部の流動性の高さというのは、ある意味で匿名性という、人間にはこれも必要だという意味で非常にある意味で貴重な部分があるわけです。農村部は、葬式関係といいますか、全員名前がわかるし、誰々さんのところにお嫁さんが来たというのも全部わかるわけです。それぞれに特色があるのですけれども、恐らく農村部でも、この報告書でももう少し強調していただきたいのですけれども、もう少しオープンになっていただきたいということがあるわけです。

 定住性がベースにありながら、もう少し流動的な人をある部分受け入れるようになることによって、その定住性のある部分のコミュニティも一皮むけたものになるのではないかと思うのです。そこがむけないままの古色蒼然たるものを維持しようと思っても、これは維持できなくなるだろうと思うのです、若い人はそういうところから出て行ってしまうという意味で。

 今、B委員がおっしゃったのは、逆に、ある意味では非常に流動性なり匿名性で特色づけられるところに何らかのプロジェクトなり、合意形成なり、あるいはある時間的な視野でもってものを考えていく、そういう要素を加味したという言い方ができるだろうと思うのです。

 そういう意味で、流動性なり定住性がそれぞれに特徴であって、ベースとして必要だと思いますけれども、それだけでは、やはりうまくいかないという面がいろいろ出てきているのだろうと思うのです。

 これは一種の感想みたいな話ですけれども、今ちょっと申しましたが、中山間地域等のところにつきまして前回、私、いろいろ申し上げて、かなり入れていただいたので、かえってますます盛りだくさんになってしまったような気もするのですが、1つは、もう少し開かれた中山間地域等に、制度的にも検討する面も含めて、そういうトーンがあっていいのではないかという気が私はいたしました。やや漠然としたコメントでございますけれども。

 それから、言葉づかいですけれども、19ページの(3)と(4)、これを分けたというお話で、その心についてはそれで良しとするものでありますけれども、「都市的生活機能」と都市的機能というものの言い方がちょっと……。上下水道、医療・福祉施設、教育・文化、交通・情報通信施設、確かに都市はそれが集積しているわけですけれども、これは都市でなくてもあるわけで、ある意味では文化と言っていいのかどうなのか。都市的生活機能というふうに言ってしまうとちょっと正確でないような気がするのと、私自身の持論としましては、中山間地域等と大都市、中小都市それぞれに個性なりコントラストのはっきりした国土形成ということを考えますと、都市的なものが中山間地域等にも……という言い方は、そういうメリハリの効いた国土づくりなり、あるいは地域社会づくりというものに、足して2で割るような感じを、これは表現の問題ですけれども、もたらすような感じがいたしますので、ここはお考えいただければありがたいと思います。

〔K委員〕

レベルの問題をあまりばらばらにやらないで、まとまってやれ、こういう意図でお書きいただきたいということでしょうか。

〔D委員〕

心は良しとするのですけれども、全体の中での表現という意味です。

〔E委員〕

30ページの地方経営システム、非常にテクニカルな話で恐縮ですが、(3)の地方交付税の記述のところで、算定方法の簡素化というのは、簡素であることに越したことはないのですけれども、単純に簡素化だけを特記されますと、現在の算定方法について我田引水的に異論を述べる方々はおられるのですけれども、これはそれぞれの地域にとってみると客観性・公平性のあるようなものとして定着していると思うのです。ですから、算定方法の簡素化ということを特記したことについて問題意識が理解しがたいのです。むしろ、削ってもらってもいいのではないかという気すらします。

 それと、「地域がより自主的・主体的に財政運営を行えるようにする」というくだりですけれども、これも非常に気になるところです。地方交付税については、現状でもこのようなことがあるということについて、地方団体側に認識がないのではないかと思います。自主財源の拡充に伴って、地方交付税の規模が縮小するということについては、これは裏腹の問題ですから結構な話なのですけれども。もしこういうことでならば、要するに地方交付税の算定についてもっと地方団体側の意向がよく反映されるような何か仕組みをもっと考えるとか、というような記述ならまだ良いですが。

〔K委員〕

最後におっしゃったのは、地方の何……。

〔E委員〕

地方団体の意向がより反映されるような仕組みを考えるとか、そういう方法ならまだいいかもしれない。

 現在でも、毎年毎年どういう算定方法を採るかというのは、最終的には国会で法律で決まっているわけです。

〔F委員〕

地域コミュニティという問題で、地方におりますと、魅力のある村とか地域を自分たちがつくっていくという基本があって、地域の人たちがどういうふうな試みですか、そのために私たちは農業に商業とか観光というものを加えての異業種のバザール的なものをいろいろな面で組み立てていきながら、出合いの場といいましょうか、それを通して、今度はまた、外からの人たち、交流人口を広げていく。町の固定の人たちに、新しい情報とか新しい人を出会わせる場を地域でつくっていく、それを積み重ねていく。

 それから、ものの仕組みも、今まではどちらかと言いますと、資本に専従する生産構造で地域に行っていたわけです。いるものをつくっていく、そういうようなものを求めるという、市場経済の中で消費という1つのものの視点に持っていくと、地域が変わっていくのかなという気がしております。

 そういう新しい結びつきの農山村で生み出される水や空気とか食材などの生命資源と、都市部の資本によって生み出される交通とか、情報とか、エネルギーの生活手段をどういうふうに組み合わせて、お互いの補完関係を地域の人たちが生み出していく以外にない、その努力が必要ではないかと思います。

〔K委員〕

市場経済化という言葉は大丈夫でしょうか。反発が出ないでしょうか。私は、全く賛成なのですが。「また都会の人が農村のこともわからないで」と言われそうな気もするのですが、D委員、その辺はいかがですか。

〔D委員〕

F委員がおっしゃるのであれば、私も、特に抵抗はないですけれども、要するに、市場経済なり、あるいは自由度を拡大すべきところと、しっかりベースとして確保すべきところをきちんと見分けて政策なり、あるいはそこに入る方々の活動も行われるということだろうと思うのです。

 発言ついでに、よろしゅうございますか。

〔森地部会長〕

どうぞ。

〔D委員〕

今のF委員のご発言は、全く私も同感でございまして、まさにそういう打てば響くような地域からの盛り上がりなり、それに対していろいろ支援する、それから政策のメッセージ性、これが特に中山間地域等の場合には大事だろうと思うのです。なかなか元気が出ないようなところでありますので、どうかすると、非常に弱者保護的なセンスで考えてしまうようなこともあるのです。それの必要な部分はもちろんありますけれども、むしろ、今おっしゃったように、地元から積極的に手が上がってくるものに対しては、これを支援する。そういうような政策のメッセージ性というのは必要だろうと思います。

〔K委員〕

それは社会資本のところではないでしょうか。中山間地域等のところに書くのですか。

〔D委員〕

これはある意味で共通だとは思いますけれども、とりわけ元気づけといいますか、地域からの発意ということが大事、どこも大事ですけれども、中山間地域等はとりわけ重要だろうと思います。

〔G委員〕

自分の仕事を通じて、コミュニティということは大変問題意識をもって見ているのですけれども、生涯学習という場をつくる機会が大変多くて、生涯学習センターといって高齢者から子供までやってきて活動するところですけれども、そうしたところに新しい文化とか芸術というものを通しての結びつきというのが非常に高まってきているように思うのです。

 サラリーマンである男性たちも、将来、自分の趣味を持つとか生きがいを持つためにやって来るというような場の形成も、このごろできつつ、考えられつつあるわけです。

 かつては、会社とか、あるいは生産の場とかいうことで、コミュニティというのは共同作業をするということを通してできてきたのが、次の時代には、文化とか、芸術とか、ある意味では知的な、そして教養というような部分で新しいグループが生み出されつつあるということです。この間もお話がありましたけれども、こうした中に、これからは芸術というものを人々が積極的にたしなみ、そしてグループをつくって活動していく時代に、そうしたものを積極的に支援するという言葉がどこかにもう少し書かれてほしい。文化とか芸術という言葉が少ないというお話があるわけですが、私もそれをいつも感じているのです。そうしたところに何か新しいコミュニティが起こっているというふうに、私は、地方で特に感じます。

 今、私、初めて「魔笛」の舞台の美術をやっているのですけれども、そうしたものをつくろうとするとすごいお金がかかるわけですけれども、オーケストラも、歌手もみんなプロですけれども、市民のボランティアで衣装も舞台設備もつくっているのです。そうすると、すごいものができるのです。

 そういうようなことも呼びかけると、ボランティア精神や、あるいは芸術活動の先にあるようにして起こりつつあるという実感がありまして、そういう地域に新しいコミュニティというのが、テーマコミュニティというか、それよりもう少し文化的・芸術的な活動の中にも起こりつつ、新しいグループがあると感じているわけです。

〔H委員〕

いくつかわからないことや疑問を感じることがあるのです。第1に、いろいろなところに「突出した機能」という言葉が出てきて、それを1つの軸にして競争力のある地方都市をつくるという表現があるのですが、すべての町が突出した機能を求めていくとどういうことになるかということが、私にはよくわからないのです。

 実は、これは変なアナロジーになるのですが、私はスーパーマーケットもやっているわけですが、特色のあるスーパーマーケットをつくろうと思った企業は大体ダメになっています。それよりも、本当に基本機能みたいなもの、例えば、鮮度のいいもの、あるいはお客様が本当に満足するような容量とか価格とか、その基本的機能を満たそうとして努力をしたら、結果として特色が出てきて、サバイブしているわけです。特色を出そうということを意識的に考えると、例えば、今のスーパーの例でいえば、高級なものを置くとか、地方名産を置くとかいうことになってきたところは大抵、それこそ効率が悪くなってうまくいかなくなってくる。

 これはまちづくりでも同じことで、突出した機能が、もともとあればいいです。富士山があるとか、湖があるとか、地方名産の産業があるとかいうところは別ですが、大多数の町にはそれほどのものはないのではないかと思います。むしろ重要なことは、突出した機能であるよりも、基本的機能。例えば、いい住宅地あるいは仕事・職場、それからショッピング、レジャー、その他の今言われた芸術でもよろしいのですが、そういう基本的なものを満たすようなものがあって、それに何か突出的機能が付け加われればいいというようなことではないかと思うのです。

 「突出した機能」が突出しているところに、何か無理があるというのか、私は、地方の実情がわからないものですから、それほど各町や村や都市が突出した機能などをつくれるものなのでしょうか。これが第1の疑問です。

 第2が、「低対面慣習文化」と「対面慣習」ということが出ています。これはよくわかます。非常によく理解できるのですが、一方で、人と人とが会わねばわからないということは、いっぱいあるわけです。例えば、経済企画庁の皆さんがどんな方であるのか、あるいは堺屋長官も、私は以前から何度か実際にお会いしたことがありますけれども、大抵の人は、堺屋長官の本当の顔色とか、本当の声とか、出入りされる姿とか、いわば空気や何かで人というのは親しくなったり好感をもったりする、もともとそういうものだと思うのです。したがって、対面するのが何となく悪いことで、会わないでやれば効率よくうまくいく如きニュアンスは、明らかにおかしい。むしろ、同じ人とばかり会っているのがまずいのであって、大いに対面をすべきだ。会ったことがない人と大いに対面をするカルチャーこそ重要なので、表現の問題ですけれども、対面慣習があまりよくない、非効率な対面慣習を転換し「低対面慣習文化」を根づかせるというのは、人間の本姓に反するのではないかという気がいたします。表現をちょっと考えられたらどうかなという気がいたします。

 それから、コミュニティの問題です。先ほどの長官の宿題ですが、私は、個人的な意見としては、これはどうしても最後は趣味になっていかざるを得ないと思います。私は、都会にずっと暮らして、東京世田谷に住んでいるのですが、コミュニティはないです。隣に住んでいる人が誰かわからないという中で何十年住んでいます。一方で、非常に親しくしている友人たちが、人口8万ぐらいの地方都市にいる。そこに、私はよく遊びに行くのですが、すばらしいコミュニティがあるのです。皆さん仲がよくて、趣味を中心に集まったりしながら、酒を飲み、ともに語り、忘年会をみんなで開くなんていうことを見ていると、本当にうらやましい。

 つまり、こういうコミュニティがあるないというのを、例えば、大都会に住んでいる我々から見たら、現在の地方都市の、少なくともいいところには既に立派なコミュニティがあるように見える。一方で、そういうものはどういうものを中心にしてなっているかというと、現実的には、趣味というようなものになってこざるを得ないのではないかと思います。

 最後のは感想ですけれども、質問としては、突出した機能というのがそんなに各地方都市でありうるのかということと、対面を悪いことのように言うのはどうかということです。

〔I委員〕

コミュニティの問題ですが、皆さんのご発言にあること、それぞれそのとおりだと思うのです。多くの中山間地域等も、最後に残っているのが葬儀ですが、これすらもはや難しい状況が出始めています。その辺では、集落の再編というテーマが上がっております。

 コミュニティについては、私は、もはや瞬間移動に近いような形で我が国ができておりますから、農村に住んでいても、あまり不安を感じていない。多様化したコミュニティにならざるを得ないだろうし、複合的コミュニティといいますか、そうしたコミュニティにならざるを得ないと見ているわけです。全く東京から農村の中山間地域等の田舎に入ってきて、それなりに彼らはそのコミュニティをつくっているようでございまして、それは、すごい人たちだと僕は非常に感じております。

 特別大きな問題というのは、先ほども意見が出たような問題は起こると思いますが、どこかで個人の帰属先はつくっていかなければいけない。そのためには、多様化・複合的コミュニティであろうと思いますので、それをベースにした1つの社会のシステムづくりというのは必要ではないかと思っております。

〔J委員〕

私も、H委員がおっしゃいましたが、低対面というところは大変疑問を感じております。これから、もっと情報の時代になればなるほど、逆に、そういう交流というのは増えてくるべきではないかと思います。

 それから、31ページに書いてあります地域のことです。地域のコミュニティというのを、先ほど、「村の恥」と長官がおっしゃったときに、私はすぐに和歌山のことが浮かんで、あそこはあまりそれがないところでないかと、ふっと頭をよぎったのです。むしろ、いい形で残っている地域のコミュニティはあるのですけれども、31ページの「住民間で対立する案件については」、専門家の方をというのは、とてもうれしく思っているのですけれども、その後の「幅広い住民」というのが、先ほど長官は、戦後の都市機能というかまちづくりで、遠くからとか外から来る人のためでないまちづくりをしたとおっしゃっていましたけれども、この住民というのは、従来型のそこにいる住民ではなくて、この「幅広い」というところが、先ほどおっしゃった遠くから来られる方、そういうような方だということが中に入れば、逆に、昔の町内会とか、先ほど「うらやましい」とおっしゃいましたような地域のコミュニティが新しい形で、そして、インターネットとかで国際的な情報も飛び交うような中で出てくるのではないかと思います。

 地域だけだと、今まで政治的とかいろいろどろどろしたものへ、東京や海外の方々が交流されることによって、いい形に進んでいるようなところを少し例を見ております。そういう意味では、低対面ではなくて、もっと積極的な交流ではないかと思いますし、地域も外から来る人のまちづくりと、交流をするという体制、それを意識して専門家の方である程度お考えいただければと思います。

〔E委員〕

コミュニティの話ですけれども、私も、I委員がおっしゃるように、重層的にいろいろな住民の間の交流のネットワークというか、輪ができつつあるように思うのです。ですから、コミュニティというのはどうあらねばならないという一様のパターンを決めて、それをおすすめ品として提示するというのはいかがかと思うのです。

 それより、もしコミュニティの問題に触れるとすれば、既存の社会資本の他用途への転換ということがありました。ああいうことをもっと行いやすいようにする。これは一種の規制緩和だと思うのですけれども、文部省関係の施設が多いわけですけれども、公民館として補助金をもらって使ったら、公民館の看板は絶対に外せないとか、利用についても厳しい制限があって、そこではアルコールは一切ダメだとか、学校も、一旦は学校としてつくったらなかなか地域開放しない。これはそれぞれの地域でかなり努力していけばできないわけではないですけれども、もし国で旗を振るとすれば、そこのところをもっと全体緩和するムードをつくる方向へ力を入れるべきだと思うのです。

 地域でべったり付き合わなければいけないということについて、困った場面というのは災害のときしかないです。特に、阪神淡路大震災のときなどでも、非常に地域の付き合いの濃密なところとそうでないところでは、救助救出について非常にスピードが違って、それが生死の率を分けたというぐらいです。これもなかなか強制するわけにいかないと思います。

 それから、突出した機能というのも、わからないわけではないですが、もうちょっといい表現がないのかと思います。私どもも、突出した機能が必要だというのは、いくつか思い当たる事例がございます。しかし、例えば、静岡県で静岡市を考えますと、プラモデルの全国の出荷額の7割を産出しているわけです。ですから、この突出した機能をもって、これ自身が世界的に見ても非常に注目される見本市をやっているのですけれども、静岡市がプラモデルだけで食べていけるかといったらそんなことはないわけです。ですから、意味はよくわかるのですが、これだけ突出して書かれると非常に誤解を呼ぶのではないかという気もするのです。モノカルチャーではすまないのではないかと思うのです。

〔A委員〕

長官のご発言以来、コミュニティが問題になっていますけれども、私は、その問題については、地域産業が活性化してくる形にすれば、ある意味では自然に新しいコミュニティができてくるかなと思うのです。と申しますのは、中山間とか地方都市をいろいろ調査していますと、現在の社会そのものがサラリーマン養成社会であって、一般的に言うよい大学へ行って、そして東京なり大都市に行く、こういう人材の循環システムになっていて、地域に人が残らないのです。商店街の跡継ぎもいない。

 結局、商店街でも、旦那衆がいるところというのはそれなりのコミュニティを持っている。ただし、支店ばかり集まっているというところはできないというところがありますから、その地域の産業というものが活性化することによって、ある意味では、新しいコミュニティが自然にできてくるかなと思うのです。

 それを含めて、最後の「地域経営システム」の「基本的考え方」あたりに、多面的に評価をする評価システムというものをうまく入れていただければということです。といいますのは、社会資本とか事業についての評価システムはあるのですけれども、地域のコミュニティとの関係で言いますと、地域のコミュニティを支えているその地域産業に携わっている人たちとかを含めての評価というのが、非常に低いというか、あまり評価されない。地域がそういう評価システムを持っていない。その面で多面的に、こういった事業評価以外に、評価できるような、経済活動全体をその地域を担う人たちの評価できるようなシステムというものを持つことによって、新しい活性化してくる人材が生まれてくるではないか。その辺の理念的なものが第6章のあたりにあればいいなと感じるので、お考えいただければと思います。

〔F委員〕

先ほど、独自性というのがあるかというお話ですが、私は、地域の特性という1つの点でものを見て、その評価の物差しをある程度作っていくことで違ってくるのではないかとも思っています。そのために、地域がどれだけのメニューを持つか、そのメニューの豊かさが独自性であったり地域性という1つのものをかもし出していく相対的なものになるのかなと思っております。

 そういう面で、観光ですと、空間的快適性というのが今すごく求められている。それを地方に置き替えると、その辺に魅力ができていくし、また、そういう視点に立つとものが見えてくるのではないかと思います。

〔K委員〕

事務局からまとめてお話しいただく前に、私からも、細かい話をいくつかと、少し大きな話を1つ申し上げたいと思います。

 細かい話から先にしますと、まず、24ページの、前回大分長くご議論いただいた道路の番号の体系的な整備。これが国際のところに入ってしまっているので、3のイのところですが、この最後に文章を付けて、このことが大都市の人たちがより地方に、中山間地域等に行きやすくなるのに役に立つ、そういうたぐいの文章を一言入れておいたらどうかと思います。

 26ページのウのところ、「歴史的に優れた建築物の保存」となっているのですが、建築物というと、ちょっと限定しすぎで、例えば、街道筋だとか、港だとか、林だとかありますから、建築物ではなくて……。建造物でも林まで入るのか、そういう言い方は変か、後でいいアイデアがいただければと思います。

 「建築物」と、それから「他の建築物」と、建築物が続いていますので、もうちょっと広がりのあるような、空間とか、建造物とか、そういう格好にした方がいかがかと思います。

 27ページの(2)「時間管理概念の導入」の2行目、「地元調整の促進等の取組みは」と、住民とのことだけが入っているのですが、ここは、事業の促進等の取組みは不十分であって、下の方にむしろ「地元との」という話を入れた方がいいかなという気がしました。

 大きな話としては、自主財源のところ。私はこれは、事務局にお願いしながら、自信がなくて、E委員に伺った方がいいかと思いますが、十何年か前に、住民税をふるさとに納めたらというような議論があって、それがたしか10万円以上免税になるような、ああいう仕組みができたと思うのです。ああいうもの、つまり自主的にお金を持っていけるような(税金と別に)仕組みというのは、例えば、林野庁がやっておられたとか、あるいは牧場の牛の話とか、それぞれあまりうまくいかないようですが、人々が自主的にお金を持っていけるような仕組みをもう少し工夫したらというのを入れたらどうかということを事務局には相談したのですが、それは今の税制とかの仕組みにかなり抵触する話なのでしょうか。

〔E委員〕

寄付を拡大するということで、悪いことではないと思うのです。ぜひ、そういうことを奨励したらいいと思うのです。

〔K委員〕

特にほかに問題がなければ、そのようなことを考えたらどうかと思います。

 最後のコミュニティのところですが、今、大分議論が分かれていたのですが、違うシナリオでお話しになったことも含めて、B委員の「テーマコミュニティ・ローカルコミュニティ」というお話、D委員の「開かれた中山間地域等」というお話、F委員の「異業種バザール的な出会いの場」というお話、G委員の「文化・芸術を通じたコミュニティ」というお話、I委員の「複合的・重層的コミュニティ」というお話、E委員の「災害に関わるコミュニティとのかかわり」というお話、それから、それを国がプロトタイプを出すのかというお話とあるのですが、出し方としては例示的にやるのか、あるいは地域経営システムの問題として、コミュニティの何か複合的な工夫をそれぞれの地域でやったら、という程度にとどめて例示するのか、あるいはもう少し違う扱いをするのか、この辺を事務局の方でご意見がありましたら伺ってみたいと思います。

〔H委員〕

コミュニティで、先ほど言いかけみたいになりましたが、私がよく行く地方都市のコミュニティに私も所属したような形になってしまっているのですけれども、非常におもしろい活動をしているのです。講演会をやったり、ゴルフをやったり、酒を飲んだり、音楽会をやったりということをやって非常に楽しい会をやっているのです。なぜその会がうまくいっているか、その仲間たちがうまくその地方都市に根づいていっているかというと、非常にいい幹事役がいて、それが遊び心をかなりもっていろいろな企画を練っているうちに、そういう集まりが非常に発展してきているということです。

 例えば、私どもの同窓会も考えてみると、学年によっていい幹事役がいた同窓会は非常に長く続いて発展していっているのに、幹事役がいないとなかなかいい仲間がいても集まることさえなくなるということを考えると、これも実は人間の問題で、そこにコミュニティの中核をつくっていく人間が必要で、その人間には、ある遊び心のようなものと、人望、あるいは非常に世話好き、技能みたいなものがいる。よく一部の政治団体などが、あるいは宗教団体が、仲間を勧誘するためにそういう人を意識的に育成したりしたことがあったようですけれども、地方コミュニティを本当に育てていこうと思ったら、そういうコミュニティ中核・幹事役の育成みたいなことが非常に必要になるのではないかと思います。

〔森地部会長〕

それでは、たくさんご意見をいただいたので、事務局の方からまとめてお話しいただきたいと思います。

〔事務局〕

いくつかご意見いただきましたので、なるほどなと思うところがほとんどでありますので、そこは文章表現上工夫してみたいと思いますが、いくつか,私どもの書き足りないというか、あるいは思いが少し伝わらなかった点を述べてみたいと思います。

 1つは、先ほどの低対面慣習あるいは対面慣行というお話が出ました。例えば、首都機能移転のところで、6ページにそのことが書いてありますが、ここで言う「対面慣習」というのは、次にありますように、必要以上に人と会う。イメージいたしましたのは、例えば、同じ人が1日のうちに何回も同じ会場で会う。いろいろな方が会うのはいいのですが、どこの場所に行っても、同じメンバーが場所だけを変えて会う、主催者だけが違う、このような傾向というのはあるのではないだろうか。それはちょっと行き過ぎなのではないか。そのようなことが起こりうるのも、結局は、あまりに簡単に集まりやすいからということで起こっているのではないか。これがもう少し離れて、時間的にも離れれば、そこまでの顔出しというか、慣行というのはなくなるのではないか、という意味合いで「必要以上に」と書いたつもりではあるのですが、なかなかその辺が……。対面慣習そのものを否定するわけではもちろんなくて、その大切さもわかっているわけですが、そこまで行くと非効率ではないか、こういう意味合いを込めて書いたつもりであります。

 もう一つ、コミュニティの問題を先ほどからお話しになりまして、今、部会長からも、どういう形で処理をするのか考えてほしいということで、私ども、もちろんこれを考えて次回に提案するわけですが、コミュニティというのも、冒頭に長官からお話がありましたが、これからの21世紀というのは、集団というよりは、一人ひとりの個というものがより独立的にというか、まさにそういう形で行動するだろう。その個の社会にあって、ではばらばらで、みんな一人ひとりで生きていけるかというと、そうではなくて、どこかに仲間を求め、あるいはネットワークを求めながら活躍するというか、生きがいを求めていかなければいけない。そうすると、その1つの受皿としての地域コミュニティというのもあるだろう。ただ、そういう地域コミュニティというのは、そういうものとして本当に機能するものになっているのだろうか、あるいはそういうものとして機能するためにどうあるのだろうか。その受皿として、地域コミュニティというのは存在しうるだろうか、という問題意識であったというような理解いたします。そのときに、逆に言うと、そういうように機能する地域コミュニティを都市につくり、あるいは地方につくり、あるいは中山間地域等につくりと、どういうふうにやったらいいのだろうか。そういう問題でもあるかなと思っておりまして、今いただきましたご意見を、拳々服膺しながら、もう一度お考えをお伺いしたいと思っております。

 ほかの部分についていただいたところで、もう一つ、突出した機能というところ、これだけをコメントさせていただきたいと思います。突出したという意味は、基礎的な部分については、完全にある程度満たされて、その上で、特徴的に売りというか、そういうものがないといけない。1つだけ飛び離れて売りという、モノカルチャー的な売りだけでは、それは当然に突出したものにはならない。1つの基盤の上に立って、その上で「あの地域はここが優れているんだな」と、その優れたところが売りになるような、そういう意味合いで突出したという言葉を使ったつもりではありますが、その辺がもう一つ言葉として誤解を与えるようなものであるとすれば、もう少し考えたいと思います。

〔H委員〕

特色ある。

〔事務局〕

特色だけだと、もう一つ抜きん出たというのですか、リードしていけるというか、まさにその売りになる、そういうところがやや薄いのかなと考えて、そういう言葉を使ったつもりではあったのです。

 以上でございます。

〔E委員〕

最後に一言だけ。全般にどこに入れてもらったらいいのか、さっきかちずっと見ていて、何となくどこにも入りにくいような感じがするのですが、私が前から何度も申し上げています、いくら理想的なデザインとか構想を立てても、実際に社会資本整備するということになると、実務的に非常に問題になるのは、いかに具体的に土地を取得できるかということにかかわる場合が多いわけです。ここについて、土地基本法もありまして、土地の所有権について、公共の福祉の観点から制限できるということは書いてあるのですけれども、この発想、思想、考え方はいくら強調してもし過ぎることはないと思うのです、現状の日本を見ますと。成田空港の第2滑走路の例をご覧いただいてもわかると思うのです。ああいうものを放置したまま、いくら事業評価制度云々などと言ったって、地方で実際に事業をやる身からすれば、何を言ってるんだ、という気持ちが実はあるのです。ですから、そこのところをどこかで強調してもらいたいと思うのです。そういう思想を涵養するというか、啓発するという意味も含めてどこに書けないものでしょうか。それをお願いいたします。

〔森地部会長〕

31ページの最後が、そのつもりなのですが、やや弱気な表現になっております。また、お考えをいただきたいと思います。

 まだいろいろとご意見があろうかと思いますが、時間の関係もございますので、本日の審議につきましては、ここまでとさせていただきます。

 なお、さらにご意見がございましたら、事務局までご連絡いただきたいと思います。皆様のご意見を踏まえて、もう一度これをバージョンアップしていただいて、次回にご議論をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 それでは、今後のスケジュールについて事務局からご説明をお願いいたします。

〔事務局〕

次回の第8回は6月23日水曜日の午後3時から、場所は本日と同じ会議室(407号室) でございます。改めてご通知申し上げますけれども、よろしくお願いいたします。

〔森地部会長〕

それでは、第7回の地域経済・社会資本部会の審議は以上にいたしたいと存じます。本日は夜分、長時間のご審議、誠にありがとうございました。

以上

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