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第8回 経済審議会・国民生活文化部会議事概要

1 日時

  平成11年5月27日(木) 10:00~12:00

2 場所

  経済企画庁特別会議室 (第四合同庁舎4階436号室)

3 出席者

(部会)

清家篤部会長

大田弘子、黒木武弘、鈴木勝利、西垣通、原早苗、ピーター・タスカ、福武總一郎、森綾子、の各委員

(事務局)

堺屋長官、高橋審議官、牛嶋審議官、佐々木計画官、塚原計画官、福島推進室長

4 議題

  • 国民生活文化部会報告(案)について

5 議事内容

 まず、清家部会長より、前回と同様に今回の資料についても最終的な報告書の取りまとめと同時に公開することとする旨、説明の後、各委員の同意をもって、非公開と決定した。

 次に、資料(「国民生活文化部会報告(案)」、「「自由と秩序」について」、「国民生活文化部会において議論を深めるべき論点について」)について事務局より説明した後、討議。各委員からの主な意見は以下のとおり。

(各委員の主な意見)

  • ○サマータイム制の導入について、現在のようなコンピュータ社会では、時間をずらすことは大きなコストと混乱が予想される。このような観点からの考慮がなされていない。昔のように単に自分の時計の針をずらすだけではすまない。
  • ○「個」が中心であるということについて、これは近代個人主義のことを指していると思うが、日本社会ではなかなか根付いてこなかった。自由とは、自己利益の追求という人もいるが、世界観や倫理観を含むものであり複眼的であると思う。日本の倫理観は地域社会で育まれてきたが、この地域社会が崩壊しつつあるとき、これをどう再構成するかという問題がある。
  • ○子供の育成環境の整備について、例えば中学生は現実には部活動でほとんどの時間を取られている。小学生は塾に行っている。「体験学習が必要だ」ということが書かれても、現実では無理。現状を最初に書いたらどうか。
  • ○教育委員会は硬直化しているという印象を持っている。保護者や地域住民が教育委員会から活動資金を得ることを期待するということはやめて、自分たちで何かやっていこうという方向にある。
  • ○学区については、弾力的に運営されてきている部分がある。もし、学区がなくなって流動化していくと、今の地域の子育てが学区単位で成り立っていることに影響が出てくる。整合性がとれるような記述があってもいいのではないか。
  • ○サマータイムの導入は反対。あらゆる機械に時計が内蔵されていることから、混乱が生じる恐れがある。省エネ効果も明らかでない。導入にあたってはいろいろな角度からコストとメリットを比較する必要がある。
  • ○教育委員会はかなり硬直的になっているように感じる。
  • ○学校選択が行われるようにするためには、学校自体が選択されるような個性のある運営がなされなければならない。その意味で、報告書に掲げられている学校運営の改善・充実は重要。特に、具体策に掲げられている学校予算の執行や教育課程の編成に関する学校裁量権の拡大のため、行政の関与を最小限にしていくことが必要。
  • ○今の年金制度は特に若い人を中心として不信感が強い。それは、財政再建のために小出しな改革を行ってきたためであり、早急に議論し、抜本的な改革をすべき。積立方式への移行、2階部分廃止、基礎年金部分は税方式へとすべきと書くべき。
  • ○介護や医療には民間企業の参入を認めるべき。非分配制約すなわち株式会社方式を排除することが医療水準を保つことになるということはない。医療サービスは、公益法人と民間法人が競い合うことにより患者のニーズにこたえたものとすべき。
  • ○年金の給付水準についての記述で「交際費等までを含む通常の生活の支出」とあるが、交際費以外についても具体的に書いてほしい。
  • ○年金についての論点の記述は、単に年金の問題だけでなく、世帯の取扱い等の別の観点を含んでいる。給付総額を抑制することで負担は緩和され、制度維持は十分に可能であるので、c)の記述は落としてはどうか。
  • ○保育サービスについては、質・量・使いやすさといった点が大切であり、認可外の積極活用ではなく、むしろ認可施設のサービスを充実させるという方向を示すべき。
  • ○医療や介護は供給が需要を決めている現状である。医療や施設介護については、供給が十分になされている。民間参入を行う必要はないのではないか。
  • ○情報公開については、検証困難な情報については慎重に対応すべき。
  • ○カードシステムについての記述は、この記述だと光カードしか考えられないが、いくつか手段がある。「大容量電子媒体」と限った書き方でなく、広めの書き方にしてほしい。
  • ○学校運営については、私立化の推進が重要。校長も経営感覚を持つ者がなるべき。寄付金も自由に行えるようにすべき。
  • ○施設から在宅へという流れには賛成できない。グループホームのような「中間施設」に対する優遇策をとれば、うまく展開できるようになる。
  • ○「利用券方式」については、括弧をつけて「バウチャー」と書くべき。
  • ○マンパワーの確保は大事だが、最近の議論では質の確保の観点が薄い。准看護婦の活用を図るべき。
  • ○在宅介護だけでは民間企業は参入しない。施設介護もあわせて経営できないと無理。公共財産を活用するためにも「公設民営」の考え方をとり入れるべき。
  • ○「自由と秩序」について。「秩序」という言葉は「既存の権力構造」といった、管理社会的なニュアンスが強い。
  • ○安心・安全について、いいことだが、例えば銀行のペイオフの例のように、絶対的なものではない。
  • ○サマータイムの導入の可否は、エリートや業界といった一部の人々でなく、一般国民の意見で決まる問題である。
  • ○単身赴任について、「家庭生活を優先させることが社会的に成熟しているとはいえない」という判例がある。法的な面がどこまで強いのか考えてみる必要がある。
  • ○年金について、リターンを見込めない投資と人口構造を考えれば不安は合理的であるが、解決策が見えてくれば不安感は払拭される。
  • ○教育について、学校が良くなくても強制的に行かせているから学校の短所が市場的に析出してこない。英国では学校の格付けを行っており、これが学校システム全体のレベルアップにつながっている。
  • ○サマータイムは明るいうちに自由な時間をとりやすくなるという意味で賛成。この問題は省エネなど経済的な視点でよく議論されているが、まず生活の視点を最優先し、その上でメリット・デメリットを議論すべき。
  • ○年金については、問題の先送りをせず、早急に結論を出すべき。
  • ○これまでの教育は平均的な人材の育成をし、企業も平均的な人材を採用してきたが、それでは企業が成り立たなくなり、採用方針を変えてきている。企業も選ばれる側になってきたという視点も入れてほしい。
  • ○自由の対立概念は責任であるべき。大多数の人を自由にする法律に加えて、倫理や道徳全体で秩序が保たれているのであり、この倫理や道徳に政府が関与すべきではない。むしろこの部分については国民で議論するという国民運動を盛り上げるべき。
  • ○自分の周りでは夫婦で年金を40万円もらっている人がいるが、十分暮らせる額であり、時間はNPO活動に使える。
  • ○NPOも雇用の受け皿として給料が支払われるのであれば、きちんとしたものを提供できると思う。
  • ○年金の第3号被保険者問題については、女性の就労を抑制している面がある。

     以上の討議の後、堺屋大臣より、経済成長の必要性、人口減少、脱「会社人間」、教育における個性重視、将来の日本人はどんな夢を抱くのか、等について発言があった。

     また、最後に委員から以下のような発言があった。

  • ○田舎では地域づくりに参加できることが大きな喜び。しかし東京では地域と個人の距離が大きい。「個」と地域の結びつきをどう確保するか、この視点で教育に関する問題も考えるべき。
  • ○経済成長・人口増加が社会の活力維持には必要とのお話があったが、環境・資源の制約や世界的な人口増加が起こっている。今までは人口減少してきたところは衰退しているかもしれないが、21世紀は違うのではないかということを考えてみる必要がある。
  • ○結婚する意義を見出せないことが若い人が結婚しない要因ではないか。子供を育てることにお金がかかる。子供は1人だけにして、その子を大切に育てようとしているのが現在の風潮だ。

 以上の討議までで定刻となり、閉会。

以上

 なお、本議事概要は速報のため、事後修正の可能性があります。

(本議事概要に関する問い合わせ先)

経済企画庁総合計画局計画課

経済構造調整推進室

小林、徳永(内線:5577)

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電話番号 03-5253-2111(大代表)