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第7回 経済審議会・国民生活文化部会議事概要

1 日時

 平成11年5月13日(木) 10:00~12:00

2 場所

 経済企画庁特別会議室 (第四合同庁舎4階436号室)

3 出席者

(部会) 清家篤部会長

井堀利宏、大田弘子、黒木武弘、ピーター・タスカ、永井多惠子、浜田輝男、原早苗、福武總一郎、 森綾子、湯浅利夫、の各委員

(事務局) 今井政務次官、中名生総合計画局長、高橋審議官、佐々木計画官、塚原計画官、福島推進室長

4 議題

  • 国民生活文化部会報告(素案)について

5 議事内容

 まず、清家部会長から、今回の資料については最終的な報告書のとりまとめと同時に公開することとする旨、説明の後、各委員の同意をもって、非公開と決定した。

 次に、資料(「国民生活文化部会報告(素案)」、「国民生活文化部会において議論を深めるべき論点について」)について事務局より説明した後、国民生活文化部会報告(素案)について、討議。各委員からの主な意見は以下のとおり。

(各委員の主な意見)

  • ○「個」の自由の中で、「自由と秩序のバランス」とあるが、これは常に保っているべきで、「秩序から自由へ力点を移す」といった書き方をすべき。
  • ○「企業も選ばれる」だけではなく、「個人も選ばれる」ということを書き込むべき。個人の能力開発についてもこの観点から書くべきである。
  • ○家族構成員の個別化が進展し、大家族から核家族へ移っている現在、育児、介護という生活保障の機能は切り捨てられているのではないか。
  • ○「単身赴任自体が問題で避けるべきもの」と書かれているが、家族の主体的な判断で単身赴任を行う場合もある。書くのであれば、中立的に書くべきではないか。
  • ○追加論点で出すのなら、「教育委員会」について素案にもっと書き込むべき。
  • ○「確定給付型も選択可能」ということをどの程度強調するべきなのか。政策的に確定拠出型に誘導するというのなら、それをはっきり書くべき。
  • ○「個」について、夫婦の対等なパートナーシップがなければ、夫が家庭に戻っても意味がない。また、「男性が家庭でストレスを癒す」という表現は、男性からのみの視点である。
  • ○会社で培った能力を持った人がNPOに参加すれば、NPOは質の高いサービスを供給できる。また、NPOのコーディネート機能を高めるため、NPOセンターの整備が必要である。
  • ○「男性のコミュニティ活動への参加」について、コミュニティ活動はこれまで女性が行ってきており、かつ今後も行うという、女性の参加という視点も加えるべき。「好みの縁」は「志縁」(自分が選ぶ志の縁)の方がよいのではないか。
  • ○NPO活動推進の具体策について、補助金や助成金の制度、コミュニティ・ビジネスについても加えるべき。
  • ○全体的に「都市に住む男性が書いた文章」という印象がある。女性の視点や地方に住む高齢者の視点が欠けている。
  • ○生活保障については、年金、医療、介護しか書かれていないが、地方の高齢者には具体的に示せないが他に何かあると思う。
  • ○「安全ネット」としては、都市に住む人にとっても年金、医療、介護以外にもあるのではないか。
  • ○「男性が家に帰ってストレスを解消する」という表現があるが、男女共に労働時間の短縮が必要という視点で書いてほしい。また、家族の機能として「経済的側面」の機能も重要になるという点に、男女の賃金格差の是正が必要であることを含めて書いてほしい。
  • ○「子供の育成環境の整備」については「自然体験活動」が主題だが、この表現方法(「・」で書き出す方法)だと「その他」として書かれていることが目立つ。この文章の冒頭に、主題についても書いてはどうか。
  • ○「政府や企業が積極的に取り組んでいく」という部分には、例えば、教育期間として企業は長期休暇を認める等、具体策を入れてほしい。
  • ○「学童保育」については、東京では公立が多いが、全国的には民間で行っているところが多い。公的に組み込むということを最初に主張してほしい。
  • ○「女性の再就職」については、女性が職場に戻ったとき、待遇が悪くなる。賃金や処遇が悪くなることのないようにするということを主張してほしい。
  • ○「個の自由が放縦されると生活破綻や社会秩序の維持を困難にさせる」とあるが、「利己主義」と「個の自由」が混同されている。
  • ○年金制度については、現行制度が世代間に大きな不公平を強いている点が抜けている。世代間の公平を確保することが重要。その観点から、積立方式についての議論が必要。
  • ○厚生年金は廃止しなくとも民間が担うということもあり得るので、「廃止(民営化)」ではなく、「民営化」とするべき。
  • ○企業年金については、従業員の受給権を整える必要があることを書くべき。
  • ○年金について、税制を含めて年金制度全体を通じてのあり方を議論すべきとの視点を入れるべき。
  • ○高齢者にとっての雇用だけでなく、高齢社会における現役世代からの働き方、雇用制度のあり方という視点で書くべき。
  • ○医療において、もう少し利用者の選択の機能を働かせるような取組みが必要であり、不要な規制は緩和するべきということを書くべきである。
  • ○「住まい方」の問題に触れるべき。「生活」という面では重要である。ライフスタイルに応じた住み替えが可能となるよう定期借家権の問題や賃貸を増やす等の具体策を書き込んではどうか。
  • ○企業中心だけでなく、行政への過度の依存体質が問題。市民の依存体質を改めるため、規制緩和を行い多様な主体の参入を認めるべき。
  • ○個人に権利をどう渡すか、具体的なものが必要。教育、介護等にバウチャーを導入するというところまで踏み込むべき。
  • ○国民を信頼しているのだということを、言葉だけではなく制度的に具体的に示すべき。もっと大胆に国民の側にシフトするということを示すべきである。
  • ○職業紹介についても、公共的なものはやめるというぐらいの意識が必要。
  • ○「住民主体の地域づくり」の視点が「文化」とも考える。
  • ○教育、社会保障については、公共から民間に渡すべき。学校も私立化すれば人件費も安く済むはず。現在のままでは多様性は生まれない。地域に教育権を委ねるべきである。
  • ○介護については、社会福祉全般についての考え方を入れてもよいのではないか。人として尊厳を持って生活できるよう自立支援をする、というような理念を入れるべきではないか。
  • ○福祉についても個人への所得移転、地方への財源の委譲を重視するべき。
  • ○「個」というぼやけた表現ではなく、主体性といったらどうか。これには客観性も含まれる。
  • ○人は、自らがやりたいことと能力的限界があることの両者を踏まえつつ自らの進路を選んでいく。そういう意味で、子供たちがサラリーマンを目指すだけでなく多様な進路の選択をし得るよう、公的な進路相談支援機関を整備すべき。
  • ○ヒューマンリソーシーという視点がない。次回のサミットのテーマともなっている。ものづくり、サービス産業化に伴って求められる人材、例えば国際的に活躍するプロデューサーが欠けていると言われている。
  • ○「学校選択の自由」という文言がない。それがないと校長の裁量権限を拡大しても意味がない。イギリスでは学校評議会で予算が決められる。それによって地域主導が進んだ。このような大胆な改革なしでは変わらないのではないか。
  • ○今の教育には、二重構造があり、みんな仲良くやろうというのが学校、それでうまくいかないので塾というようになっている。指導要領はあるが、それを確認する統一試験はない。公的な資格機関の整備が必要。大検のようなものを普遍化していけばいいのでは。教育を年齢で切っていくのではなく、資格でつなぐようなものにすべき。
  • ○高齢者の主体性を考えた場合、医療機関の情報公開が必要。これにより自らの病状、医療機関の評価等の情報から老人が主体的に医療サービスを選択することができる。
  • ○自由を重視するのならば、自己責任を伴うこと、またそれを越える部分についてはセーフティネットの整備が必要という視点で書いてほしい。
  • ○「はじめに」の部分で、「個」が中心になるという視点で雇用・医療・年金もひと括りにしているが、この3点は、国民不安にどう答えるかという観点から出てきており、「個」とは違う観点のはず。ていねいに視点を書くべき。
  • ○厚生年金については、1階部分は強制加入で2階以上は積み立てなり企業年金なりにすべきという世論もあることから、廃止すべきかどうか、という点をきちんと書いておいた方がいい。
  • ○「自由と秩序のバランス」に違和感を覚える。「自由と責任のバランス」ではどうか。
  • ○単身赴任については、中国ではかなりあるが、他の国ではほとんどない。「個の自由化」という視点から見ると、単身赴任を自分で選択するならば問題はない。夫婦で一緒にいたいが、制度的にできないのならば、その理由(データ)とかを教えてほしい。イギリスでは海外転勤はあるが、家族も一緒に行き、企業はそれに対して援助する。
  • ○素案に直接載っていないが、間接的な話としてお話しする。生活文化の小さな変化では何がいいかと多くの人に聞いてみたが、サマータイムの導入という回答があった。サマータイムについては、25年ぐらい議論されている。一般の人々がサマータイムについてどう思っているのか、きちんと調査して、導入についての提言を行ってはどうか。
  • ○人材育成については、子供の育成は、小学生ではなく中学生や高校生の方が問題である。中学生や高校生は部屋にこもりがちになり、親や地域との接触がなくなる。地域との関わりを強めていく方法を考えていくことが重要。欧米ではボランティアをしたことがある方が有利となるが、日本でも学校教育の中に取り込んでいくといいのではないか。
  • ○年金の役割については、「通常の支出」は、通信費や交際費等どこまで指すのかを考えていくことが必要。生活保護との関連も考えるべき。
  • ○介護保険については、市町村長の悩み・心配として、1介護の認定基準、2介護体制、3介護保険財政をいかに確保していくのか、が挙げられる。1については、アンバランスが出てこないか等、保険制度としては難しい問題である。2については、介護をするマンパワーがどれくらい確保できるかという問題である。3については、すでに市町村にとって国民健康保険制度が重荷になっており、また、介護保険料を徴収すれば、高齢世帯にもかなりの負担となるという問題である。これらの問題は、市町村に対して国が保障するから大丈夫だということを言う必要がある。
  • ○「個」が主体となることの裏には、各自に自助努力が求められているという側面がある。このため、自助努力が必要だという意識改革を行うことが必要である。
  • ○知識教育も大事であるが、今後は、人間としてどう生きていくかということを教えていかなくてはいけないと思う。心の知能指数を高めていく方向へシフトしていくことが大事。
  • ○少子化は市場や産業構造が大きく変化する大問題。女性が働きやすい環境を整備するだけで本当に子供が増えるか疑問。年金や介護で人生の後半を国民全体で支えるならば、人生の前半にあたる子供の育成についても国民全体で支える仕組みを作るべき。
  • ○「寝たきり老人ゼロ作戦」というのがあるが、医食同源という言葉もあるように、食べ方や食の改善等からも高齢者の健康について考えるべきだと思う。
  • ○「自由と秩序」をどのように捉え、どう考えていくか重要な問題である。
  • ○市場の機能を重視すべき。医療や福祉といった分野についても競争があった方がいいと思う。これは地域の間についても言える。いい社会保障サービスをする地域は伸びていき、そうでないところは過疎になっていくのではないか。
  • ○単身赴任及びサマータイムについて、単身赴任しているときの地域コミュニティとの関わり、といったように、これらを種に議論を発展させていくことが重要と考えられる。

 以上の討議までで定刻となり、閉会。

以上

 なお、本議事概要は速報のため、事後修正の可能性があります。

(本議事概要に関する問い合わせ先)

 経済企画庁総合計画局計画課

 経済構造調整推進室

 小林、徳永(内線:5577)

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電話番号 03-5253-2111(大代表)