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経済審議会地域経済・社会資本部会(第5回)議事録

時:平成11年4月22日

所:共用第2特別会議室(407号室)

経済企画庁

日時 平成11年4月22日(木) 14:00~16:00

場所 共用第2特別会議室(407号室) 

経済審議会地域経済・社会資本部会(第5回)議事次第

  1. 開会
  2. 21世紀型社会資本整備のあり方について
  3. 閉会

(配付資料)

  1. 資料1  経済審議会 地域経済・社会資本部会 委員名簿
  2. 資料2  21世紀型社会資本整備のあり方についての主な論点

(参考資料)

21世紀型社会資本整備に関する資料集

経済審議会地域経済・社会資本部会委員名簿

部会長

森地  茂
東京大学大学院工学系研究科教授

部会長代理

安土  敏
サミット(株)代表取締役社長 企業小説家

石川 嘉延
静岡県知事

井上 繁
(株)日本経済新聞社論説委員

北村 浩子
(株)キンスイインターナショナルリゾート代表取締役

小林 重敬
横浜国立大学工学部教授

坂本 多旦
(有)船方総合農場代表取締役会長 全国農業法人協会会長

生源寺 眞一
東京大学大学院農学生命科学研究科教授

戸所  隆
高崎経済大学地域政策学部教授

中邨 秀雄
吉本興業(株)代表取締役社長

長谷川 逸子
長谷川逸子建築計画工房(株)代表取締役

林 淳司
川崎重工業(株)取締役副会長

溝口 薫平
(株)由布院玉の湯代表取締役社長

宮脇  淳
北海道大学大学院法学研究科教授


〔部会長〕

 ただいまから、第5回の地域経済・社会資本部会を開催させていただきます。

 本日は、大変お忙しいところ、また遠路をお集まりいただきましてありがとうございます。

 本日の検討テーマは、21世紀型社会資本整備のあり方についてでございます。まず、資料2「21世紀型社会資本整備のあり方についての主な論点」の中で、1の「社会資本整備における国と地方の役割分担」及び2の「21世紀型社会資本整備の優先整備分野」について、事務局より説明をお願いいたします。

〔事務局〕

 それでは、説明させていただきます。本日用意しました論点は3点、ただいまの2点と、4ページの3の「社会資本整備・運営システムのあり方」でございます。まず、前の2点についてご説明させていただきます。

 今回の議論につきましては、前回、まちづくり・中山間地域の活性化という、ある意味では縦糸のような議論をしていただいたわけですが、今回は、それをつなぐ横糸のような議論にさせていただければと思います。

 1の「社会資本整備における国と地方の役割分担」ですが、ここは基本的には、去る3月に閣議決定されました第2次地方分権計画の方向に基づいて記述していますが、なお地方の方で更にこういう視点で検討が必要だということを書き加えております。

 枠の中ですが、社会資本整備と書いてございますが、ここでは主に公共事業のことを指しております。

 「社会資本整備を進めるに際しては、効率的な事業の推進と個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図る観点から」、これは国と地方の役割分担の明確化ですとか、国の役割の重点化を図るということが分権計画にありまして、「国の事務事業のうち地方公共団体にゆだねることが可能なものはできる限りゆだねる」ことになっております。国はそういう意味では「全国的な見地から必要とされる基礎的又は広域的事業に限定し、それ以外は地方公共団体にゆだねる。また、」従来補助事業というのは1事業ずつ国が(各省と言ったらよろしいでしょうか)指定をする、いわゆる箇所づけということをやっておりましたが、今回、「地方の自主的な判断を促進するように」と「統合補助金」ということが言われております。こういうものを活用する。さらには「地方税・地方交付税等の地方一般財源を確保した上で、社会資本整備に係る国庫補助事業」自身を限定するという方向が打ち出されております。

 また同時に、「地方の自己決定と自己責任システム」を明らかにするということも書いてございまして、こういう意味から、ここで書き加えていますのは、「地方の住民の受益と負担の対応関係をより明確化」する。すなわち自ら納税した資金がいかに自分たちの身近に提供されるサービスにはね返ってくるか、そのサービスに自分たちは満足するか。ある意味では、交付税交付金のような話でありますけれども、ではどこでそういうサービスの資金が補填されているか。自分たちがそういうサービスを本当に望んでいるのであれば、さらに税を取ってもらってもいいという話が出てくるかもしれません。

 一方、行政のサイドからしますと、そういうことをすると情報公開の徹底ですとか、あるいは効率性を追求しないといけないことになる。あるいは他の地域とどういう部分で差別化をしているか、そういう説明責任みたいなものが同時に出てまいります。そういう住民との関係を明確にした上で、「将来にわたる社会資本の選択とその優先度、サービス水準の明確化が必要」になってまいります。さらに、広域行政に対応した計画策定手法といいますか体系、今まさに国土審議会において年限を切って検討されるようですが、そういう計画策定手法なり体系の確立を図ることが必要ですし、個別の事業評価の徹底等を通じて効率的な社会資本整備を促進する。これは後ほどご議論いただく3の方の議論とも関係してまいります。

 それから、2の「21世紀型社会資本整備の優先整備分野」ということで、2番目の論点に入ります。

 社会資本については、今までご議論いただきましたように、「まちづくりや地域経済・中山間地域等の活性化に対応した社会資本の整備を進め、新たなる時代に向けて個人が『夢』を追求できる社会の実現に資する」ということです。

 参考資料ということで、前回お配りしました「『経済社会のあるべき姿』を考えるにあたって」の抜粋を1ページに付けております。こういう大きな枠組みの中で今回の社会資本を考える必要がありますが、まずその前提にもう一つ公共投資基本計画というのがございます。これは1995年度から2007年度までの計画が策定されていますが、社会資本が21世紀初頭には全体として概成されるということを言っております。

 その背景として、人口がピークに達するまでの間が日本の社会資本のストックをつくる最後の時期だという認識に立ってそういう表現をしております。そのために、限られた財源を最大限に活用するということもうたっております。いわゆるフローからストックの時代に向けての最後の段階という認識でございます。

 こういったものを踏まえつつ、「あるべき姿」でうたっています3つの柱・視点、1多様な知恵の社会を支える社会資本、2少子高齢社会にふさわしい社会資本、3環境にやさい持続的発展社会を支える社会資本、この3つの切り口で整理をしてみようとしております。もちろん、こういう形で整理をしますと、ダブりが出てきます。これは事務局の方で整理をしたいと思います。

 1点目に、「多様な知恵の社会を支える社会資本」ですが、多様な知恵の社会ということで、高度な情報通信技術に支えられたネットワーク型の経済産業構造を基盤とし、各主体による積極的な情報発信と迅速な情報交換が進められることで実現する。いわゆる情報が行き交うことによって新たな知恵となる、そのような認識でございます。

 2ページ目をお開きいただきたいと思います。そういう観点で、情報ネットワークの整備をどのようにするか。まず、情報ネットワークというのは、基本的には、従来、民間主導とする市場経済の原則に基づいてやるという方向できております。そうしたときに、行政側、官側については、その環境整備を図るという役割分担をしております。ここでも、そういう役割分担の原則に立ちつつ、情報アクセスをグローバル化、低コスト化することを主眼にして、日本列島の中核に世界最大の高速・大容量をもつネットワークの形成を実現。これは、先ほどの「あるべき姿」の中にも書いてございます、「日本が世界に先駆けて独自のシステムを開発し、そのモデルを提示する」ということにも関連するのですけれども、一方で、日本国民自身に世界最高水準の情報通信事業環境を提供するということ、これがひいては技術立国としていろいろな先々のチャンスを形成する。そういう切り口もあるかもしれません。そういう観点での高速・大容量をもつネットワークの形成でございます。

 さらに、高速・大容量をもつネットワークは、幹線網というところで考えていますので、それをより住民に身近なところまで引くという意味で、政府と地方自治体による道路、河川、下水道等社会資本の維持管理のために光ファイバーを敷設するということですが、その敷設空間を民間に開放して、民間の光ファイバーを敷設する。その一体的な整備によって国土情報スーパーハイウェイを形成しようというものでございます。

 これは参考資料の2ページ目、「現在の光ファイバーの整備状況」が書いてございます。第1種通信事業者が形成している幹線系、住宅までの加入者系という部分です。既に幹線系については光ファイバーの敷設は概ね終わっていまして、あと加入者系を2005年を目処に100%光ファイバー化するということで進めております。

 参考資料の3ページに、国土情報スーパーハイウェイはなかなかわかりにくいので、図にしたものがございましたので、載せております。ここに書いてありますように、道路、河川、下水道を管理するための光ファイバーケーブルを通す空間がございます。光ファイバーそのもので、それぞれの施設のいろいろな維持管理なり行政情報のサービスをするわけですが、その光ファイバーケーブルの空間を利用して、様々な民間の情報が流れるようにということで考えているものでございます。

 資料に戻っていただきたいと思います。それと同時に、先ほど申し上げました技術立国として高いレベルの技術開発を可能とするという観点に立って、技術開発の積極的支援、次世代インターネット関連技術、衛星通信、さらには最近よく言われています、成層圏に飛行船を浮かばせて通信衛星の代わりにするというようなものです。

 さらに、その技術革新の成果を活用できるように、通信分野への多様な主体の新規参入を促進するための規制緩和の推進が必要となっております。

 これによってどんな地域からでもアクセスできる。さらに、そういう条件を確保することによって、いろいろな能力のある方々が地域に住んで行動ができる。様々なことが可能になってくると思います。

 2番目の「公共サービスの情報化」につきましては、よく言われています電子政府。日本の場合、国・地方公共団体のホームページはまだ完全にできていないようですが、これも行政サービスを一箇所で受けられるようなワンストップサービスとか、さらに、後ほど出てまいりますいろいろな分野での住民参画、そのための情報公開が必要になってまいります。その意味でも、電子政府という観点での情報化というものが必要になってまいります。

 それから、「情報通信技術と交通関連社会資本を統合的に計画・整備・運営し」と書いておりますが、これは参考資料の4ページにございます。将来のインフラというのはすべてスマート化する、情報通信技術と融合化した状態になって、効率的な管理とか利用ができるはずだ。それならば、同じ情報通信技術を共通で使えば、そのインフラ同士が結びつくのではないか。また、その全体で結びついたものを全体のネットワークとして活用すればいろいろな使い方ができるだろう。そういう発想で検討したものでございます。ただ、そうは言っても、なかなかイメージしにくいので、まずは情報通信の社会資本ということで交通というのに特化して議論すれば、話はしやすいかなと。スマートというのも、マルチメディアのそういう構築物と交通との統合ということで頭文字を取って「スマート」と名付けたわけでございます。

 下の図で見ていただきますと、今ほどご説明したような、交通という人が・物が・金が移動するシステムと、それぞれの情報が移動するシステムという、様々な個人・政府・企業が個々に今はいろいろな情報化が進められていますが、それを共通のプラットホームをつくって効率的に結合させよう、こういう議論をしておりまして、今年の1月にそういう考え方をお示ししたわけです。

 3番目に「国際競争力強化のための基盤整備」ということで、国・地方・都市の競争力、特に国際競争力。これは何かといいますと、いろいろな分野のサービス水準ということだろうと思います。まず1つは、物流のサービス水準。都市の物流のコストをいかに安くするかという観点、あるいは生産のチャンスの増大といいますか、ということで、高速交通機関や国際ハブ空港・ハブ港湾の整備とアクセスの容易化。さらには、仕事のしやすさという意味での通勤時間の短縮等々の課題。それから、海外の直接投資をする条件としての道路とか公園とか下水道の都市の魅力ある生活環境、外国人の子供たちも含めた教育システムというものが必要になってくる。それから、外資を含めた企業の投資を活性化ということで、これは都市再開発をするにあたっての民間投資誘発型のイメージをもって書いております。さらに、ここには書いてございませんが、都市なり地域なりの風格という意味で、観光とか文化とかという基盤整備も必要となります。

 2点目に、「少子高齢社会にふさわしい社会資本」。やっと高齢者とか弱者に配分できるようなコンセンサスが出てきた時代になったということもございますが、まず少子高齢社会において、社会全体の生産性の向上を図るための、ここに書いてありますような分野の整備なり検討が必要。それから、高齢者なり女性の社会参画を促すという意味で、1つは、ユニバーサルデザイン化。今まではバリアフリー化ということで、ある特定のハンディをもった方々をイメージしてデザインをするということでしたが、誰でも使えるというふうに発想を転換して、ユニバーサルデザインということを言っております。それから、3ページですが、安心で快適な生活環境の形成。これもよく言われております、高齢者福祉施設の充実。高齢者・交通弱者に安心を与えるバリアフリー化というので、幅の広い歩道ですとか、エスカレーターとか、スロープとか、エレベーターといったものをイメージしていただければと思います。それから、生活しやすい社会環境の整備ということで、デジタル化、情報化、医療等々の技術開発とかソフト面の対策。それから、安全確保のための交通安全対策等。それから、自然災害・事故災害から生活を守るための防災対策。これに、環境とも関係するのですが、「楽しい空間づくり」というのをどういうふうに入れるかというのを今、議論しております。

 それから、部会長から問題提起をいただきました、「人口減少期を踏まえ、量的需要の減少に対して質的向上に視点を置いて社会資本整備を進めるべきではないか」。現在でも、質的に不十分な状態でありますが、人口が減少すると、例えば、民間が主体となってやっております鉄道のような社会資本整備の場合、必要な追加投資がなされないおそれがある。さらに、そういう分野は、かなり老朽化もこれから2010年に向けて進みますから、更新投資の必要性が出てきますが、必要な更新投資がなされないおそれがある。それをどのように考えるかという問題でございます。これは社会の置かれた環境に応じて、官民の役割分担というのを変えないといけない可能性があるという問題提起と受け止めまして、こう書いております。

 3点目に、「環境にやさしい持続的発展社会を支える社会資本」ですが、1に「環境との調和」が書いてございます。これは今回の計画の中でもかなり大きなウェイトを占める議論ですが、社会資本の観点に立ちますと、広域的・循環的な廃棄物処理・リサイクルシステムの整備等、最終的にはゼロエミッション社会の実現ということでございます。これを社会資本でいいますと、こういうシステムをきちんと整備させるための空間といいますか、例えば新しい生産拠点とか、リサイクルの場合のインバースマニュファクチャリングの空間とか、あるいは都市部の遊休地とか、地方の空いている工業用地等の利用の見直しにもつながるような、そういう検討をした上で全体的な配置を決めることが必要になってまいります。それから、環境保全型の道路交通システム・エネルギー体系の形成。それから、積極的な環境創造のための緑化や多自然型社会資本等の環境整備事業、多自然型ということで各分野が事業を新たに行うということ。

  例えば、参考資料の25ページで、建設省の事業の紹介をしておりますが、今までに失われた原風景の復元をするとともに、生態系を考慮した施設整備をしよう。1つの目的を達するための施設整備ですが、それに付加する新しい評価軸、生態系との共生、他の生物との共生、失われた風景を復元するというようなものを掲げておりますが、いずれにしても、これはかなりメンテナンスのコストがかかるものですから、NPOとか、コミュニティーとかと一緒になって維持していくという思想でやっております。ある意味では、こういったものをもう少し広げて、100年の視点で、そういう大きな方向性が必要なのかと思います。同じことが景観についても言えると思います。今、いろいろなところで景観に配慮した施設整備をどのような形でやろうかと、全体の景観計画をどういう形で決めようかということで検討中ですが、そういう視点が必要だと思います。

 2「安全な国土の構築」ということで、日本の場合には、他の先進諸国と違いまして、日本全国が自然条件が非常に厳しい、あるいはいつ地震が起きるかわからないという、確率論的な話もありますが、そういう中での防災・震災対策のあり方。それから、国土と環境の保全の効率的な手法ということで、阪神淡路大震災のときにもずいぶん議論が出たのですけれども、リダンダンシーといいますか、緊急時に防災スペースとして、あるいは防災のためのルートとして、どういう形でそれぞれの施設に余裕をもたせるか、都市空間に余裕をもたせておくか。そういう空間をどういう形で、子供たちなり市民に知らせておくか、そういうことが必要でございます。それから、安全性や環境の絶対化の見直し。これにつきましては、絶対に壊れないもの、絶対に壊してはいけない環境ということで、社会資本整備のときに従来問題がございましたが、これもある意味では絶対化するものでなくて、数値化をしつつ、合理的な選択をする。そのときには、それぞれの地元の方々との意見交換、十分な意志疎通というものが必要になってまいりますが、そういう観点での検討が今後必要になるだろう。

 1点目と2点目、ちょっと雑駁な説明でございましたが、以上でございます。

〔部会長〕

 ありがとうございました。

 それでは、以上の説明を踏まえて、「社会資本整備における国と地方の役割分担」及び「21世紀型社会資本整備の優先整備分野」について、ご議論お願いいたします。

〔A委員〕

 個々にはいろいろ議論させていただきたい点もあるのですけれども、とりあえず口火を切るということで……。

 1の「社会資本整備における国と地方の役割分担」、ご説明によると、この文章の前半部分は、分権に関わる国の基本的な考え方で書かれている。それはそれで、この内容は間違っているとかいうことではなくて、よろしいと思うのです。ただ、特に2の「21世紀型社会資本整備の優先整備分野」というお話が出てきて、それとの関連で考えてみますと、1の4行目に「国は全国的な見地から必要とされる基礎的又は広域的事業に限定し」と書いてある、これはあくまでも地方と国との役割分担という意味では正しいのかもしれない。しかし、これから大きな時代の変り目にリスクの大きな新しい社会資本整備をどうするかという議論がもう一つ入ってきているはずで、それが実は2以降のご説明ではないかと思っております。

 特に情報ネットワークを含めて、時代の変り目における社会資本整備をどうするかという議論。それは、おそらく、ここで基礎的・広域的事業以外に、モデル的なとか、あるいはリスクを負って先駆的につくり出すべき社会資本、将来的にはこれは自治体が担うべきことかもしれないけれども、しかし、国がとりあえず分担して、その先駆けを行わなければいけない、そういう分野がきっとあるはずです。

 そのことも、新たにこの審議会としては議論をして付け加えておくべきではないかという感じがいたしました。

 とりあえず、その1点でございます。

〔B委員〕

 これは3の方と絡んでいるので、どちらで言ったらいいのかよくわかりませんけれども、1つは、21世紀型社会資本整備ということで新しいものに取り組もうとした場合に頭を切り換えておかなければいけないのは、従来のようなハード中心の発想から、ハードとソフトというものを対等の立場で考えていくという発想に切り換えることが非常に重要だろうと思います。

 2つあると思うのですが、1つは、新しい21世紀型の社会資本を整備するにあたって、デザインといいますか、計画あるいは設計を通じた段階で、従来以上に、それを使う人の視点に立った、使いやすさというか、そういうものを重視する形で計画を決めていかないと、またつまらないものがいっぱいできてしまったということになりかねない。もちろん、従来型の社会資本でもそれは重要ですけれども、より一層そういう視点が重要になってくるのではないか。いわば、ソフトの独立といいますか、そういう面をより重視したお金の使い方というか、従来の公共事業費はどちらかというと、ハードの付属物としてソフトを扱われていたという考え方を改めていくことが必要ではないかという気がします。特に高齢者の福祉施設などについては、その点が非常に重要だろうと思います。

 それから、同じく今の問題の2つ目として、これはむしろ3の方の問題かもわかりませんが、維持ということが非常に重要な要素になってきますので、ものをつくることプラスそれを運営する。例えば介護とか福祉ということになると、どうしても人手がかかるわけですけれども、そういう費用を含めたトータルとしての公共支出という観点を入れていかないと、多分うまくいかないだろう。そういう意味で、従来のような公共事業費的な配分の発想というか、予算の計上の仕方・使い方ということではなくて、それを少し違う方向に切り換えていくことが、これからは大事になってくるかなという気がいたします。

〔C委員〕

 2点あります。1点は、3に関わるかもしれませんが、先ほど、社会資本を21世紀初頭にほぼつくり上げてきて、そして、それを今度はどう維持していくかということがあるかと思うのですが、1の「社会資本整備における国と地方の役割分担」との関係で、例えば、アメリカでデトロイトあたりを行きますと、かつて整備されていた高速道路が穴ぼこだらけだとか、いろいろかつての社会資本の整備されたものがメンテナンスができていないものが非常にあるわけです。ところが、ノースキャロライナなどは今、活性化しているがために、非常にその辺がよろしい。地域経済がどういうふうに動いてくるか、その経済の状況とかなり密接に社会資本のメンテナンスが連動してくる。地方分権化されてきたとき、かなりその辺の格差が出てくる。これをどういうふうにコントロールしていくかというあたりが、かなり課題になってくるのではないか。特に、日本列島を見たときに、アンバランスな面がより一層出てくる可能性があります。それをどうするかという視点が1つあるかなというふうに感じます。

 2点目は、景観とかが出ましたけれども、今、植栽とかということについてはかなり急速に整備されてきていると思うのですけれども、そういう中で1つ困った問題が出てくるのは、ある程度いい状態に木々がなってきたと思うと、メンテナンスでばさっと切ってしまったりということが起こってくる。それは東京でも、私の知っている方たちが、せっかくきれいになってきたのを何で伐採してしまうのだろう、と言っております。これは結局、葉っぱが落ちるとか、鳥が集まってくるとか、そういったこととの関連が出てくるのです。これは1つは教育の問題といいますか、非常にメンタルなところとの関わりが出てきまして、そういうあたりをどのように入れ込んでいくのか、この辺はトータルに考えないと、せっかく整備されたものがうまく動かなくなるということがだんだん起こりつつある気がするのです。その辺を考慮する必要があるのではないかと思います。

〔D委員〕

 1番目の国と地方の役割分担のところで書かれている趣旨はまことにごもっともで、こうなってほしいと思うのですが、そのときに1つだけちょっと懸念いたしますのは、真ん中辺に「統合補助金を活用」とありますが、この趣旨も全く賛成なのですけれども、実は統合補助金という名において補助制度を運用するときに、例えば、補助金でありますから、いずれにしても配分するわけです。配分にあたって、事実上の箇所づけを前提に、要するに地方における個々の事業の積み上げを前提に補助金を決めるということにすれば、統合補助金の名に値しないわけです。ですから、配分にあたっては一定の指標で、例えば、人口規模とか経済規模とか、あるいは分野でいえば年齢構成とか産業構成とかいろいろあると思うのですけれども、客観的な基準による配分基準をメインにしないと、今と同じように中央省庁がすべてコントロールするという方式になってしまう。そのところがないように、ぜひお願いしたいのです。そのような記載の方法があるかどうか、これは工夫をお願いしたいと思います。

 それから、2の方ですけれども、これも視点としてはまことに重要だと思うのですけれども、ここで人づくりに関連して申し上げます。すべてこれらの社会資本が仕上がって、それを運用するのは人です。時代が変わり、力点が変わってくると、それに即応したような人材教育投資をどうするかということが非常に大きい問題になると思うのです。

 現状で考えてみますと、各地域に公共ホールがたくさんできた。これがただ乱立して問題だということの指摘があるのですけれども、これを有効活用するためには、公共ホールのマネージメントについての人材が今不足していることが非常に大きい問題なのです。そういう面での、例えば公共ホール運営のマネージャー養成の学部も全国の大学を見てもほとんどない。あるいは、公共ホールを活用するには、相当広範に俳優とか、要するにプレーヤーの養成機能があってしかるべきだと思うのですけれども、これも不十分。今後,こういう面にも投資が向いていくべきではないかと思うのです。これを公共でやるのか、あるいはPFIもしくは全く民間投資で行うのか定かでない面がありますけれども、公共が相当先導的にやらないとうまくいかないのではないかと思うのです。

 地方団体でも、私のところも含めて、そういうことをやろうということで少し取り組むつもりでいるのですけれども、そういう動きを支援する意味でも、こういうところの中にそういう記述があると誘導効果が出てくるのではないかと思います。

〔E委員〕

 先ほど、植栽のメンテナンスなどをどのように行うかはメンタルなことだというようなお話とか、あるいはこれからはソフトとハードが対等な時代に、同時に考えていく時代にとか、利用形態からのお話とか、今の人づくりのこともそうですけれども、本当に利用する人たちと、私たち設計をしたりする者が具体的に対応するシステムというものを持たないと、今言ったようなことが現実化しないわけです。そのシステムというものができていない。

 ときどき、行政が段取りをしてくださると、これこれ演劇グループの代表と、これこれ管理組合の担当とというようにすると、その方々が代表であるということではなかなか生の声が聞こえなくて、結局聞いていないと同じような状態になる。あるいは、議会を通してこれこれに決まったのだから、市民の代表が決めたことで、それは1つの意見交換の中からできているはずであると言う。しかし、木が繁っていて、それが日影になる、落ち葉が落ちる、それをどう考えるかということは、実際そのことを体験しないとなかなか人間というのは感じたり意見が言えないものなので、できた後でないと意見が出てこないというのが現実なのです。

 そこで、もう少し具体的に、そういうつくっていくプロセスの中での対話のシステムというものを、代表者でなくて、本当に積極的に社会に意見をもっているような住民たちとやっていけるようなことを作らなければいけない。

 しかし、これは議会制度という地方の行政のあり方をみていると、ときどき、私は直接そういう人たちと意見交換を100回も繰り返しながら設計をするということをするのです、できるだけ様々なレベルの人と会おうと思って。しかし、それを非難されるのは、大体が市会議員の方とかです。それは、議会というものを通して議論できているのに、なぜ直接会話をする必要があるかということになるわけです。

 ですから、こうしたシステムというものを社会的にきちっと作らないと、今言った利用形態を通して建築をつくる、あるいは参加する人たちに、様々な意味で参加しながら、人づくりもしながら、様々な施設とか都市をつくっていくということはなかなか難しいことになっていくと思うのです。

 非常に勢いよく社会を進めて来る中で、近代化というか工業化を進めてくる中で、相当対話システムが失われてしまっているということで、いろいろなところでトラブルが起こっているように私は感じます。こうしたことは、安全都市をつくるというようなところのレベルでとてもいつも問題になります。

 例えば、子供の博物館とかをつくるときに、安全、安全と言って高い手すりなどをどんどんつくっていったりすると、子供にはこのうえなくおもしろくない、冒険心のないものになるわけです。遊園地をつくっても、そうです。トラブルがあるとすぐ、それを頑丈なものにしてしまうと、もう子供は使わない。本当に使うお母さんや子供たちを交えて議論すると、どちらかというと、安全よりおもしろさを選んだりするわけです。

 ですから、そうした具体的なことがなく、いろいろなことが安全というレベルで、町中に、河川に、あらゆるところに手すりを付ける。非常に頑丈だと思って花火大会のときにみんなで押し寄せたら、それは壊れるという事件が起こったりするのも、安全というのは絶対というのがないわけです。

 たくさん安全な防備がなされて、特に今はバリアフリーということでいろいろなことが行われている。横断歩道の近くにいる人が、あの身障者のための音楽が鳴るのをいつも聞いていることの、すごさ、たまらなさもあるわけです。

 そういう過剰なサービスは、国鉄でも、すべてのところでいろいろな音が流れています。今東京にいると、それこそ選挙のための街頭演説は、誰も聞きたくないし、騒音なのに、こういう選挙カーが回るのかと。彼らに、もっと効率的な聞き方ができる方法をなぜ考えないのかと思ったりしながら今出てきたのです。そうした騒音とかも、安全をスピーチするためにたくさんあって、そのことのために都市はいらいらすることにもなっているというようなことです。

 安全というのももっとメンタルな面でと、先ほどお話がありましたけれども、生活感覚というか、そうしたことでいろいろ安全とか、あるいはそういうことの報告ということももっとなされて、もっとデリケートに考えていかないと、バリアフリーにもなっていないし、逆にそうしたことのためにノイローゼになっている人もたくさんいるということがあるわけです。ですから、バリアフリーのためのいろいろな装置というのも、もっともっと本当に科学技術的にも発展させなければいけないのではないかと思うものもたくさんあるわけです。

 そういう意味で、実際に使う人たちの意見を引き出すことが今、あらゆることを決定することに大切なのだけれども、そのシステムというものは本当にできていないと思います。

〔部会長〕

 先ほど、書いてないけれどもということで言われたのは、観光、文化、楽しい空間、土地とか、この辺について書いてないということは、どういう表現をしたらいいのかわからなくて書いてないのだろうと思いますので、ぜひご意見を伺いたいと思います。

〔F委員〕

 観光の前に緑化の話ですけれども、例えば、8月の終わりぐらい、台風の前になりますと、まだ暑い時期ですけれども、すぐ葉っぱが落とされて切られてしまうわけです。私は、まだ9月はとても暑いし、今度は秋を迎えてそれが黄色く色づいてくるというのもとてもいいと思っているので、なぜ切るのですかと申入れをしたのですけれども、台風になったり、いろいろほかの事業との関連で後になると忙しいからということで、8月の終わりぐらいに葉が切られてしまって、本当に緑があるのはわずかな季節だけです。日本は特に四季がありますから、そうでなくても、いつも緑があるわけではありません。そのかわり、そういう変化があります。それなのに、切られてしまう。それは予算がないのだとか、そういうふうに聞いたことがあります。

 道路にしても、今は広い道路がとられるようになったのですけれども、あとわずか道路の側に、1、2mの余地が取れれば、全部緑化ができて、桜並木とかが長期にわたって後に残る資産になると思うのですけれども、そういうことが全く考えられていないと思います。それが結果的には観光ということにつながってくると思うのです。

 戦後今まで、観光というのは、本来はその地方とか国の風光・風土を見るというふうに聞いておりますけれども、とかく歓楽だとかレジャーとかいうことで、何となく自然増になってきて、21世紀は世界的に観光産業といいますか交流産業、そういうことが言われております割りには、今までの、国内にしても、海外からのお客様を迎えるにしても、大変お粗末ではなかったかという気がしております。そういう視点では、観光というのは本当に広い意味での1次産業といいますか、農業とか水産に関連してきますし、伝統文化ということになりますと、文化庁の方にも関係してきます。大正時代の保養地だとかを見てみますと、文部省の名所指定を受けたところがイコール保養地になって、それが国立公園とか環境庁の方につながってきていると思います。またそれが、文化庁の方に関連してきています。そういった意味で、観光は運輸とか、今度は建設省と一緒になるということですけれども、運輸・建設よりもっと広い広域的といいますか、広い視野・視点で、そして国際的にも海外からいらしていただいて、もっと日本をしっかり観ていただくということ。私たち日本人としても海外に出れば出るほど、自分たちの日本の自然環境とか伝統文化、そういうものに対する歴史的なものもしっかり知る教育もしていくということで、もっと広域的や多方面からの観点から観光を考えていただければと思います。

〔部会長〕

 こういう切り口はできないのかと思うのですが、財源制約下で交付税、先ほどのご指摘のこと、そういうのはどちらかというと供給サイドのお金の回りで所得格差を何とかしていこうという発想ですが、それに財源制約が付いてくると今度、消費サイドでお金が回るようなそういう仕組みを考えなければいけない。というのは、観光というと、まだ日本のお役所、一般の市民も、そんなことにお金を使うのかという発想がどうしても出てきますので、少し言い方を変えて、観光だけでなくて、移住とか、大都市の人が、K委員がおっしゃるように、地方にお金を回したくなるような、そういう仕組みを作ることによって、それがどれだけの交付税に相当するかと考えますと、小さな町ですと、大都市からほんのちょっとの人が行っただけで相当なプラスになる。そういう切り口を少し考えるというのはいかがですか。

 楽しいとか、この辺も、この厳しい経済状況でそんな贅沢は……という話ではない切り口を提示することが必要かなという気がいたします。

〔D委員〕

 観光、文化、楽しさの問題ですけれども、私は、そういう面でのさっきの人材の養成というのは非常に大事だと思うのです。例えば、観光のあり方を考えた場合に、結局は、観光分野にどういう人材がいるかと。I委員みたいなセンスを持った人がどれだけ、その業界に入って来て頑張ってくれるか。その頑張りようによって、手段はいくらでもあるのです。例えば、グリーンツーリズムを普及させようと思ったら、今の農水省の補助金をうまく活用すればいくらでもできる。問題は、そういう発想に立って引っ張る人材をどう確保するかということが非常に重要です。

 美しい農村、美しい街並みをつくれば、その美しさにもいろいろな基準がありますが、どれが美しいかは、例えば経企庁や、国の省庁や、あるいはどこかの県庁が「これが美しい」と統一基準を決められません。それはそれぞれの地域の歴史・風土いろいろなものを背景にして競ってもらえばいいと思うのです。問題は、そういうことが非常に重要だということをどこかに入れてもらう必要はあると思うのです。

 しかも、観光は非常に大きな経済の一分野です。文化も、私はそうだと思うのです。そういうことは記述してもらうと同時に、それを盛んにするには人材の養成です。ですから、大学なり、専門学校なり、そういうところの人材養成も必要だと思うのです。そういう学部、学科、機関ができるように、その必要性を説くとか誘導するとか、そういうことが重要ではないかという感じがするのです。

〔A委員〕

 今のお話と絡むのですが、私、社会資本の地域差、あるいは時代差に対する感度の良さのようなもの、それをどういうふうに確保していくかということが重要で、地域が異なり、地域が活かすべき魅力が異なる、そのことをどうやって社会資本整備したことによって活かしていくかという発想がないと、画一的にあるものを整備すればいいと、そういう段階に終わってしまう。

 どうやって感度の良さを引き上げるかというと、恐らく、企画・立案から本当はよい人材がいなければいけない。管理の面で人材がいても、だめなのです。企画の段階からいい人材がいて、この地域にはこういう社会資本整備が必要で、そのことが地域を活かす、そういう整備ができるという感度の良さをどのように確保できるかということが、1つ大きな話題ではないかと思っております。

 もう一つは、先ほど、楽しい空間という議論がございました。楽しい空間という議論は、今日のペーパーでたまたま2ページの3「国際競争力強化のための基盤整備」の一番下に、「外資を含めた企業の投資を活性化するための」というふうに書かれているのですが、こういう書き方もあるのですけれども、もう一つは、日本に外国人がいろいろな経済活動をするために来て、日本の都市空間が楽しく美しいかというと、その辺でものすごくほかの国から置いていかれているわけです。聞くところによると、今日本にいる海外から来られて経済活動の中心になっていらっしゃる方は、サントリーホールから20分で行ける圏域の中にできるだけ住もうとしているというお話を聞いております。それは要するに、文化的な施設と、それと一体となった優れた環境をもった住宅市街地を求めている。それが今後、日本が国際経済的な立場を確立していくためのある意味での幅広い社会資本ではないかというふうに考えると、これは3の環境という議論の中に、あるいは全体の議論になるのかもしれませんが、そういうところをきちっと書いておくべきではないかと思っております。

〔G委員〕

 全体的に大変結構だと思うのですが、特に、21世紀型の社会資本整備のあり方ということが問題になるのですが、実は日本は、20世紀の社会に遅れてきたところがかなりあって、書き方としては、未来を指向するということで、そのこと自身はよくわかるのですが、遅れてしまったことを取り戻すという視点がやはりいるのではないかと思うのです。

  例えば、安心で快適な生活環境の形成の中に、安全確保のための交通対策、電線類の地中化ということが挙がっているわけですが、いくら国土情報スーパーハイウェイができようと、インターネットがどうなろうと、今のあの東京の異常な電信柱が出ている状況を残しておいて、どうして21世紀なんだと。これは19世紀ではないかと思うのです。

 したがいまして、こういう表現の形としても、いわばそれがマストであるということを表現するためには、20世紀に対応し損なったところを対応するのだということのような、ちょっと強い表現がないといけないのではないか。

  特に通勤時間の短縮の問題も、徐々に短縮していくなどと言っているうちに、今生きている人はみんないなくなっちゃうわけです。やはり、1日も早くそういうことが必要だと思うので、優先順位の中でも、未来に指向するものと、過去を手直しするものの、過去を手直しする方法について何か表現があったらいいのではないかという感じがします。

 それと関連するわけですが、先日も話が出ていましたが、日本は私権が非常に強くていろいろなことができないのだという話があるのですが、私は、そういうことについての知恵が出きっていないことがあるのではないかという気がするのです。例えば、高度・高層利用するということについても、用途地域あるいは土地をまとめた人に対するものすごく大きな見返りがあるというような条件にしますと、喜んで土地を提供する人が出てくる。そのかわり、その人たちが大儲けしちゃう。その大儲けをすることを、みんなが焼餅をやいて「ずるいじゃないか」と言うとできないので、土地を提供した人にはうんと儲かるようにしてあげれば、予算がいらないで、その人たちがどんどん進んで高層化していくというようなことがあると思うのです。

 そういう種類のいわば市場メカニズムを利用した国土の改革のようなものを、例えば、電信柱や交通の問題で言いますと、この間テレビで見た話ですけれども、アメリカでは、酔っぱらい運転をした人から自動車を取り上げちゃう、罰金として。これはものすごい罰金ですけれども、絶対に酔っぱらい運転はしなくなると思うのです。

 不法駐車が今あんなにあって、いくら道をつくっても、あれだけ東京都のどこに行っても不法駐車をする中で、これを取り締まるにはまた警官が余分にいるという話にすぐなるのですが、そうでなくて、不法駐車をしたら罰金10万円とか、あるいは50万円とかいう強烈な罰金を科すことによって、不法駐車をゼロに持っていくということはできるのではないかと思うのです。

  シンガポールでも、交通渋滞を避けるために車の値段を非常に高くすることによって車の数をコントロールしている。これはマーケットメカニズムを使って車の数をコントロールしているわけです。

  そういうことも含めて、何か従来の枠とは違うやり方で、私権の強い人がうんと儲かって、儲けさせてあげながら、もっと高度利用したり、あるいは不法駐車をなくしたりするようなことを並行しないと、社会資本を投下したものが十分に活用されないという問題があるのではないかという気がするのです。

 その辺、これを伺いますといろいろと難しい問題があるようですけれども、政策を実現するための罰金のようなものは大いに科していくシステムを作って、私権の制限でなくやる方法を何か提言できればいいのではないかという気がします。

  最後にもう一つ、観光の問題ですが、一番大きな問題は、今のこととも関連しますが、外国人が来て日本で車の運転ができないわけです。これは今の東京で、普通の外国にいた人が車を運転して外へ出るといったら、恐らく出るまでにぶつかっちゃって動きがとれなくなるというひどい状態。この辺をまず解決しなければいけないということ。

 もう一つ、標識が全日本的にどういうのでしょうか、ショッピングセンターとかどうでもいいところはみんな英語で書いてあるのに、肝心な標識はほとんど英語がないです。外国から来た人は全然わからない。英語と中国語ぐらいの標識が基本的に全部整備されなければ、観光立国ということは非常に難しいと思うので、そういうことも21世紀型の社会資本整備の中には入れるべきではないかという気がいたします。

〔C委員〕

 私は、20世紀というのは、地域から全国ないしは世界へと進出していくものだったと思うのです。ところが、21世紀というのは、逆に地域へ回帰してくる。その前提はネットワークで非常にスムースだということですけれども、そういう中で地域として、例えば都市というものを考えたときに、私が地方都市で生活してみて、大都市の生活との絶対的な違いというのは、動きにくいということです。都市内部は動きやすくなければならない。その点で、公共交通がとにかく不便である。

  これはまちづくりの方で議論すべきことなのかもしれませんが、ここに公共交通をどう入れ込んでいくかという視点がここにはないと思いますので、そのあたりを入れていただきたい。これはバリアフリーとの関連、高齢社会との関連もあるのかもしれませんが。その場合に、公的資金も何らかの形で入れないと公共交通は成り立たないのではないか、と思います。

 もう一点は、公共交通が成り立つためには、実は地方の都市の中心というのはなぜ人が歩かないかというと、歩いてもつまらないのです。東京へ行きますと、私なども非常に運動させられるのです。東京というのは、結構歩くのです。地方は、ちょっとしたところでも車に乗ってしまうから運動不足になる。ところが、東京は自然に歩く。やはり楽しいのです、都市文化といいますか。そういったことを考えたときに、歩いて楽しいまちづくりということがあり、そうなってきますと自分たちも楽しくなりますから、きれいなまちづくりをしますし、観光にも役立っていくのだろう。アーバンツーリズムなり、そういうものと連関してくるのではないかと感じます。

 もう一点は、大臣が知価社会ということを盛んに言われるのですけれども、私も、知的インフラというものがこれから非常に重要になってくるだろうと思うのですが、ここのところで、教育システムというのがあったと思いますけれども、大学なり、生涯学習時代になったときに、全国的にどういうふうにその基盤を整備していくかということをかなり強力にやらないとまずいのではないか。

 といいますのは、例えば東京以北を考えますと、全国の面積のほぼ半分あるわけです。ところが、ここに人口が20%。そして、大学生がどのくらいいるかというと11%しかいない。どこか中心のところに吸い上げられていて、これが帰ってこない、今のところは。それで先ほどからの人材不足なりいろいろな問題を抱えていると思うのですけれども、そういうものをどのようになくしていくかという社会的なインフラ整備ということが必要ではないかと思います。

〔H委員〕

 今のC委員の話に関連して、交通と高齢社会ということになりますと、路面電車を普及するということがいろいろな意味で、これは環境についてもプラスにもなりますし、そういう視点というものがあってもいいかなと思います。

  それから、先ほどのG委員の話に関連して、道路の外国人からみてのわかりにくさということですけれども、道路に名前があるのは当然ですけれども、それとともに、記号と番号で区分けをすると非常にわかりやすいです。イギリスとかフランスでハンドルを持った経験もあるのですけれども、いずれもそれでやっていますので、つまり外国語が仮に読めなくても、Aの何号に出ればいい、その次はAの何だとかいうことで大変わかりやすいです。そんなことを感じました。

 資料2のペーパーに戻りまして、1の「社会資本整備における国と地方の役割分担」ですが、これは実は2つのパラグラフ、前段と後段とに分かれているのですが、よくよく読んでみると多少矛盾しているところもあるのです。それはどういうことかといいますと、税財源の確保の問題のところです。前段は、分権の勧告の文章を大体使っていますのでこういうことになるのかもしれないのですが、「地方税・地方交付税等の地方一般財源を確保した上で」という、地方税はいいのですが、地方交付税です。これはいろいろな評価・見方があるわけですけれども、一種の甘えの構造を助長しているというような側面もあるわけです。というのは、今の地方交付税というのは企業誘致などでその地域が頑張ればその分だけ交付税の算定において減額されるというシステムでもあるわけです。これは、自分のところで稼ぐというよりは、国の方に依存している、そういうことの色彩が強いように思います。

 後段は、これがこれからの21世紀に必要な視点であろうと思うわけですが、「自己決定と自己責任」、これは大事な概念です。しかも、「地方の住民の受益と負担の対応関係を明確」にするという、これは大変わかりやすいわけで、大事なことです。さらに言葉を変えて言えば、地方の課税自主権を認めていくということにもつながってくるわけです。

 全体として後段で言おうとしていることは、地域で必要な財源というものはある程度地域で稼がなければいけない、というようなことがこの文章の背景にあると思うのです。となりますと、さっきの地方交付税のものの考え方と、後段で言っていることとは、実は明らかに違うところがあるわけで、次の世代・世紀を考えるということでいえば、繰り返しになりますけれども、自己決定・自己責任というものの考え方、そして地方の、別の言葉を使えば、自立ということが大事なわけですから、そういうことを色濃く出していくことが1つ必要ではないか。

 前段だけだと、これは分権の勧告の範囲を出ていないです。

〔部会長〕

 ちょっと質問させていただきたいのですが、道路のナンバーリングの話ですが、これは例えば国道1号線が稚内から沖縄まで1本通っていてという格好の方がよい、区間ごとにナンバーリングするより。それから、県道のナンバーリングが、これまた我々にわからない。高速道路にナンバーリングがない。そういうのからみると、全部一回体系を作り直した方がいいと思うのですが、30年来そういう議論をすると、それは無駄なお金ではないか、こういう議論もありますが、その辺はどうお考えですか。

〔H委員〕

 大してお金はかかりません。

 それから、外国の例などで、要するに重要度に応じて1桁、2桁、3桁と区別しています、それだけでもかなりわかりやすい。つまり遠くへ行く道なら、2桁道路とか1桁道路をずっととりあえず走って行って、あと3桁のところに分岐すればいいということです。

 私も、実は初めて運転したときに、その要領でやって非常にわかりやすかった。特にイギリスは同じ左通行で運転しやすいですから、自分の経験を申し上げているのですが、とにかくわかりやすかったということがあります。

〔C委員〕

 アメリカの場合には、インター制度とか、様々な道路が南北の場合には奇数・東西の場合には偶数です。それから、ウエストとか、サウスとか、ノースとか書いています。初めての場合でも、間違わずに動けるのです、大局的には。それから、交通法規も非常にわかりやすい。都市の中でも、例えばロードとストリートで南北とか、あるいは鳥の名前と山の名前とか、そういう1つのコンセプトがあって、それで方向、いわゆる空間概念との関連ができ上がっているのです。そういったソフト面のものがどういうふうにできてくるかということによって、かなり国際化が進むのではないか。今言われたことと関連してです。

〔E委員〕

 アメリカは、山があっても何でも真っすぐに引いていく都市ですから、日本の道路のくねくねした山間を避けていくのとはとても違うから。

〔C委員〕

 全体の方向性としての……。

〔部会長〕

 ナンバーリングの仕方はここでの議論ではないので。

 ありがとうございました。まだいろいろご意見があろうかと思いますが、時間の関係もございますので……。

〔I委員〕

 観光のことで発言をしてよろしゅうございますか。

〔部会長〕

 どうぞ。

〔I委員〕

 観光というのは、関連する産業の裾野がすごく広いわけで、経済的波及効果が大きいということで、地域の活性化にとって重要な産業という位置づけが必要ではないかと思って、その辺の位置づけの問題です。観光業というと、どうも位置づけが悪いのは、教育がそういう面で遅れてきたということを痛感するわけでございます。

 そういう面で、今までは工場立地などが定住人口の活性化の軸になっていた。今後は、交流人口を中心にした投資や雇用の拡大ということでの定住化、そのために観光立県という1つのものを打ち出していく、または交流立県という視点が1つのものの考え方の中に位置づけられてきますとずいぶん変わってくるのではないか。そういう面で、開かれた町とか、どういう人を呼び込むか、魅力を高めていくための地域づくりのポイントというのがあるわけです。

 そういうことを通して、1つは、既存のインフラです。新たな設備ということをしますといろいろな問題点があるので、もう一度既存のインフラの活用というか、その辺の活用を検討していく視点が切り口として大事ではないかということ。

 それから、交流軸を中心にした産業連携による新しい都市づくりという問題。

 それから、今までは観光というのは供給論理が優先する時代だったのですけれども、顧客が選別する時代になっていくことによって、地域の個性化なり、そういうものをもう少しみていく、つくっていく。

 少子化と高齢化というのが過疎化に大きな影響を及ぼしているわけですから、そういう面での交流人口を増やしていくことによって、効果が実質的にできていく。そういう面で、私は、交流人口を増やすときに、観光という言葉が少ない。

 それから、地域密着型産業の振興や地域独自の産業の創出といったときに、農林水産業や観光産業という言葉によってもう少し地域の位置づけができていく、また今まで私たちの町でも町長になると、すぐ、中央からお金をもらってくるというようなことで東京詣でが多いわけですが、お金を生むための、自立するための仕組みを地域の中でどう作ってくださるか。そうすることによって、あまり上京をしないですむ状況というものがその中に生み出されていくのではないか。

 もう一つは、私たちみたいな観光というのは、大変税収を上げておりますと、過疎債がもらえません。その周辺の過疎のところがたくさんの補助金でハードの建物が建っていく。しかし、そのソフトは育っていない。私たちは、ソフトというのを自前でやっているために、ソフトはあるのだけれども、ハードのものができていない。この辺で、地域連合とかいうものの枠をもう少し広げていけるような仕組みがあればと思います。

〔部会長〕

 今のお話にも入っておりますので、3の「社会資本整備・運営システムのあり方」のご説明をお願いいたします。

〔事務局〕

 4ページ目でございます。最初の枠囲みの中に書いてございますので、これまでの「公共投資」という、ものをつくるという視点から、21世紀型の社会資本整備に対しては、「公共サービスの提供」へ。整備から運営へとシステムを変化させるということを1番目に書いております。これによりまして、効率性・透明性・柔軟性を一層高めることが可能になります。

 このため、以下に書いてございますようないくつかの項目に取り組むということでございます。

 まず(1)「事業評価の拡充」でございます。これは既に公共事業についていろいろ非難をされましたときからの課題ですが、特にあのときにすぐやりましたのは、新規事業採択時の事業評価を手がけて、現在は、事業採択後の再評価事業を採択したけれども、反対なりで事業環境がなかなか整わなくてできないのものを、その時点でもう一回、本当に必要な事業であるか見直す 、こういうものにも取り組んでいるわけです。

 これは国として各省庁全体で会議を設けてやっております。そういう対象事業を地方自治体まで拡充して自治体でもやっておられると思いますけれども、全体で取り組むという姿勢。それから、個々の費用効果分析というのが各分野で大分まとまってきております。なお、さらに言えば、そのまとめ方も各分野ごとにばらばらなところがございまして、これは基本的なところを統一化して、全体としてまとまりのあるような運営の仕方、統一的な運用をする必要がある。それから、そのときに出されました評価をどのように判断するかという、評価をより的確に正しく判断するという意味で、第三者を含めた評価体制等の拡充が必要であるということです。

 さらに、事業完了後の事後評価システムということで、当然、事業前・事業採択後・事業完了後というのが、また次の同じような事業のシステムの中にそういうデータなり分析の手法というのがフィードバックされる。ある意味ではサイクルとして導入すべきであるということでございます。

 資料の方をちょっとご覧いただきますと、資料の27ページ以降に、各省庁における事業評価に対する取組を紹介してございますが、29ページに、全体の「政策評価の事例」ということで、昨年の6月に、経済審議会の役割部会で議論した結果を載せてございますが、「一般的な政策評価のルール」ということで、手順をいろいろなところから聞きまして、あるいはこちらの方でこういうものが必要ではないかと考えたものでございます。30ページの下ですが、いろいろ考えていきますと、政策ルール化を図っていく過程では、先ほど申し上げましたような第三者評価の導入による客観的あるいは透明性のある評価が必要であるということ。2点目には、再評価システムについても、全体にということ。申し上げたいのは、3点目の最後のパラグラフのところですが、国の役割ということで、評価手法の開発や評価の実施に関して地方公共団体に対する情報提供を行うということと、もう一つ、それぞれの地域における社会資本整備の現状と、それによる各地域の生活環境の利便の度合いや経済活動の現状等を客観的に評価し地域指標として公表することも有用である。ここはいろいろPFIで問題になっているような部分もありますが、それとはちょっと違った切り口で、社会資本それぞれの客観的な指標化、あるいは総合化するということ。これがそれぞれの地域の本当に不足している社会資本の内容をあらわすものであるということで、検討が必要ではないかと考えております。

 本文の方に戻っていただきまして、(2)「時間管理概念の導入」でございます。こういう評価をするときに、全体がそうですけれども、時間価値といいますか、時間軸を取り入れるということです。これは枠囲みの中に書いてございますが、費用や便益の時間価値を公表して、情報を共有する。

 これはどのようなときにということですが、例えば事業の遅延がもたらす時間的損失というのをあらかじめ皆さんにお知らせすれば、いろいろな段階で、また役所間の調整とか、関係者間の調整というものに、共通の問題意識をもって、それの解決に向かって取り組もうということ。

 一番簡単な事例でご紹介いたしますと、参考資料の31ページです。本来であれば事業を完了して何かの理由でそれが使えないということであれば、その施設なりそのもたらすサービスによって、その地域全体に及ぶであろう効果というのを金銭評価して示すというのが1つです。一方で、その工事にいろいろな場面で金利がかぶさっている資金を手当てしているということで、例えば31ページに書いてございますのは、純工事費は1,500億円の工事がいろいろな事情があって開業予定年度に工事はできたけれども、開業が遅延した場合に、例えば5年遅れたとすると、1500億円に対して約800億円という半分ぐらいの金利の負担が出てくる。そのような金銭的な価値をもって、では今の問題点を、これだけの損失をかぶるプロジェクトに対してどこら辺で見切りをつけるか、折り合いをつけるか、そういうことで時間管理概念を入れる必要があるということです。

  同時に、入札時にそういう時間価値を加味するということで、現在、総合評価制度というのを指向しているわけですけれども、工期を短くして、より効用を早く出す、あるいは工事を短くすることによって周辺の環境への影響が少なくてすむ、そういうものを含めた取組が必要になってくると思います。

  それから、(3)「PFIの推進」でございます。PFI( プライベート・ファイナンス・イニシアチブ) ということで、民間の金融機関といいますか、いわば民間の目でもって公共サービスを考えるという、公共サービスの市場化ということでも言っておりますが。この枠囲みの中に書いてありますように、民間の技術力、経営力及び資金力を活用した効率的な事業執行をする。現在の公共サービスに比べて、民間が行うことによってより効率的で、コストも安く、より質の高いものが出てくる。これは物をつくるばかりではなくて、公共サービスを提供する機関全般にわたってという、そういう観点での取組を今全体で進めております。

 ただ、後ほどご説明いたしますが、いろいろ公共サービスを点検するという視点というのがなかなか全体に行き渡っていないこともありまして、私どもが広報しないといけないなと思っております。

  もう一つ、日本でいろいろな民活事業、民間の資金を使ったり、民間のノウハウを使ったことをやられていますが、こういうシステム的にPFIを取り入れて事業をするという、ある意味でわかりやすくて、なるほどと思うような、先導的な事業を早く形成させる必要があると思っております。

  それから、「税制、財政、金融上の適切な支援」ということは、当然、公共施設をつくって運営するということを、従来は公共サイドがやっていましたので税もかからないし、金利の負担もかからない資金を使っていた。イコールフッティングでない競争条件下での募集になりますので、そういう観点から、競争条件を中立化して取り組んでもらうということが必要であると考えております。

  (4)「アカウンタビリティの向上と幅広い国民関与の促進」ございます。幅広い国民各層、これは住民をはじめとした関係者ということで、共に考えてつくっていくということで、PI(Public Involment)方式の積極的活用ですが、いずれにしても日本で今すぐに取り入れたとしても、住民サイドが公共が提案するものに対しての具体的な対抗案ができるか。次のページでございますが、その場合には、例えばNPOという主体に住民サイドのアドバイザーとして一緒にやっていただく。あるいは、公共サイドがコンサルタントを住民サイドに派遣して対抗案を作っていただく、ということも考えられると思います。さらに言えば、住民サイドと行政サイドの案を調整するような、調整役というのはどう考えるのか。話し合ってゆっくり作っていくというふうになれば、ある程度スケジュールを決めて議論するということにしないといけませんので、そのあたりの議論がまだ抜けております。

 それから、政策評価のための公共サービスの成果・目標を定量化して、進捗状況を定期的にチェックする必要性もあるでしょう。

 住民の満足度を継続的に把握する。これは社会資本の整備水準や公共サービスの内容について、参考資料の38ページに、各自治体でそれぞれの住民の皆さんに、過去、住民意識調査ということでやられています。これを適宜継続してやって、時代が変われば住民の満足度も変わりますし、公共サービスもどんどん新たに追加するもの、あるいは質を変更するものがありますので、これをやっていく必要があります。

  それから、貸借対照表など企業会計的要素の導入。これは必ずしも社会資本に限らず、行政サービス全般にわたる問題ですが、ストックとしての社会資本の状況をきちんと情報公開する。ある意味では、時価の評価というのも入れた形でオープンにするということになっております。

 (5)「事業間連携の強化」でございます。地域連携というのをこの中に入れ込んでいるわけですが、社会資本の観点からの記述になっておりまして、若干あっさりした記述にしております。計画段階から行政機関相互間の連携体制の整備による効率性を図る。

 「機能分化を通じた」というのは、いろいろなところに隣接しているところで、重複的な投資を避けて、効率的に必要なものをより早くつくって、共同して使う。これは、隣接した地域同士でなくても、道路等でネットワークされていれば、多少離れたところであっても、仲間が見つかればいいというようなイメージを持っております。

 その場にあっても、先ほど来、話が出ていましたような人材の育成と交流というのが必要になります。

 (6)「施設の有効利用」でございます。既に整備された社会資本は、耐用年数というのがありますので、維持・更新。だんだんハードのものの質が劣化をするときにどうするかという問題が出てきますけれども、社会資本のそれぞれのライフサイクルコストの把握と、将来そういう維持・更新を含めたコストはどれぐらい、どういう形でかかるか。そうしたときに、それをそのまま更新して同じサービスを続けるのか、あるいは更新しないでだんだん朽ちるに任せるか、完全にやめるか、こういう選択も当然に出てくると思います。

 それから、行政地域を越えた施設の相互利用の促進ということで、地域連携と同じことですが、情報を活用していろいろなことができる。地域間の協定を策定して実際にそれぞれの住民同士が交流し合うということかと思います。

 利用の平準化ということで、時差通勤、相乗りということで、参考資料の41ページに広島での事例を載せておきましたが、これも1つの有効利用の観点でございます。

 施設の運営のための人材育成。これも先ほど出ておりました。

 ということですが、一方、実際の市町村レベルでどういうふうに社会資本というのを将来考えておられるのか、あるいは現実の社会資本をどう考えておられるのかというのをアンケートをとっております。参考資料の43ページです。先月、慌ただしかったのですけれども、全市区町村長(政令市特別区も含みます)に、今の社会資本の状況なりサービスの状況を聞いております。回収率が1,100、全体の1/3のほどの回収がありました。クロス集計ということで、これは国土庁の方の整理でこのように、三大都市圏とその他の地域、それぞれ人口別に区分けしたものということで拾っております。

 44ページを見ていただきますと、施設・ハードの整備状況を全体としてどう考えておられるか。基本的に首長さんご自身にお答えいただきたいというリクエストをしております。ご覧いただきますとわかりますが、地域別・人口規模別でみてまいりますと、「全体としては行きわたってきた」が、特に三大都市圏政令市特別区の方からの回答が3割を超えております。「まだまだ不十分である」をご覧いただきますと、地方の中枢都市(中枢都市というのは30万人以上の都市と県庁所在都市ということで整理しております。) はかなりの不足感がございます。「まだまだ不十分である」というのは地方圏が三大都市圏に比べると多い、これも表で明らかです。地方圏その他の市というのは、まだまだ不十分である。回答が少ないのが、個別にまた分析をすると出てくると思うのですが、こういう形になっております。

  ソフトの部分は、次の45ページですが、そういう公共施設を使って住民に対して行っている公共サービスを全体としてみたらどうですか。曖昧な聞き方ではありますけれども、そういうハードとソフトで書き分けて聞いております。そうすると、先ほどのハードのときと同じように、政令特別区の場合は、かなりの部分が「大筋として満足している」ということです。今回のこの答えの中では、先ほどの地方中枢都市というのは「不満足な部分も多々ある」というのはあまり回答がなくて、逆に、三大都市圏の上記以外で5万人未満の大都市周辺の地域については、かなり不満足な部分を、全体のサービスとして認識をおもちです。

 地方連携ということでいろいろ聞いております。こういう聞き方と、前々回の資料で中間報告でお出ししたときには、細かな分野別、施設の老朽化も含めたような形で聞いておりますが、まだ完全に集計の突き合わせができておりませんので、今回は大まかなところだけでご容赦いただきたいと思います。46ページですけれども、「地域連携による行政サービスの提供について」ということで、「既に進めている」というところが、三大都市圏で言えば10万人規模のところ、地方圏で言えば5万人から10万人規模のところです。三大都市圏で言うと30万人規模、地方圏で言うと10万人から30万人規模という、二番手の都市というところですが、地方連携について「ある程度進むと思う」というところの答えも含めて、全体と比べてですけれども、評価が小さいということです。

  最後に、47ページですが、行政サービスに関する民間活用の可能性について。現在の公共施設の整備状況なり利用状況なりを踏まえた上で、一度、市町村の行政全体の総点検を、民間活用も含めて、するようなお考えがございますか、ということで聞いております。「既に実施済み」「行う予定」の答えもいくつかございますが、大都市圏に多いということです。地方圏で、取り組みたいという答えがいくつかあったわけですけれども、地方中枢都市からは若干低めのお答えがあったということです。さらに言えば、「とくに予定がない」というのは、人口規模が小さくなればなるほど多い。あらかじめ、大体こうなるのかなと予測をしていたような感じになっております。

  今回の課題の論点3の整備から運営へ、官から民へという話のときに、どの程度それぞれの地方公共団体の皆さん(これは政令市以下の市町村です。)にアンケート調査をしました。こういうのを踏まえながら、いろいろPFIについても、全体の社会資本整備のあり方についても、広報をしていかないといけないと思った次第でございます。

 以上でございます。

〔部会長〕

 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの事務局の説明につきまして、ご質問、ご意見をどうぞ。

〔H委員〕

 社会資本整備・運営システムのあり方、ここで「システムのあり方」というのは、言ってみればソフトの問題で、大事な問題をそれぞれ触れていて大事なことだと思います。

 その中で多少補足的な意見になるわけですけれども、4ページの「時間管理概念の導入」に関連してですけれども、これに加えて許認可の標準処理時間というものも、ある程度行政単位ごとに設定したらどうかと思うのです。というのは、規制緩和にいろいろ取り組んでいるわけですけれども、すべて規制がなくなるわけではなくて、例えば、安全であるとか、人間の健康に関するような問題とか、そのほか、ある程度社会的な規制が必要な分野もあるわけで、許認可というものはある程度はあるであろう。そういう場合に、申請を出したけれども、いつ許可がおりるかわからないということがあったのでは、もう一つの社会的なコストにもなるわけで、そういう視点も必要ではないかと思います。

 アカウンタビリティに関連したことですが、日本の行政は、稟議とかを中心として、いわゆる集団主義です。これは経営も同じわけです。海外の場合には、かなりの行政事務について、個人対応型というか、わりと属人型に処理しているということも多いわけです。

 例えば、街の中にポスターが張ってあって、ある公共事業について、道路なら道路をつくるという場合に、計画の概要と同時に、役所の担当者の名前だけではなくて、上半身、あるいはポーズをつくったような写真まで載せて、要するに「私が担当です」と、ご意見のある方はどうぞ連絡してくださいと、電話番号とか、あるいはEメールのアドレスなどが書いてある。これは大変わかりやすいです。

 日本の役所の文書では、そういうのは見たことがないわけです。逆に言えば、誰が一体責任者なのか、もちろん調べれば、何課の課長が担当とか、何課の誰が担当しているということはわかるわけですけれども、ただ、一般の住民にとっては、役所というものが縁遠くなっている。顔の見える……云々ということがよく言われますけれども、これからは、ある意味ではそういう顔の見える行政。だからといって、その1人にすべてを押し付けるということではなくて、つまり、担当窓口はこの人である、そういうことをもっとわかりやすくするのも1つの方法ではないかと思います。

〔E委員〕

 公共建築の中でも、かつて公民館と呼ばれていたときは、市民たちが自分たちで学習の企画をしたり運営をしていた。しかし、今生涯学習というときになって、少しハイレベル化すると、行政が中心になり、大学の先生が来て、カルチャーセンターのようになったりしている。あるいは、公会堂と言われているときは市民の活動が非常に盛んだった。伝統芸能などが行われていたが、専門コンサートホールとなると、行政が中心にその高度なるものを運営しなければいけないということで、行う。そして、そうした行政人が大変問題なのは、専門として雇用されていない事務業の人がやっていく。そして、専門の芸術家たちと非常にコラボレーションが下手である。そうした異業種の人の思考の仕方というものに非常に抵抗をして、結局、行政が中心にいて運営をしようとするということで、非常によく使われないという結果や、人材を民間から採用することがなかなかうまくいっていないということを、私は公共建築をつくりながら感じるのです。

 こうした専門家の時代で、コラボレーションが下手というのは、建築をつくっていくときでも、いろいろな社会で言えることで、行政と芸術家の問題だけではないわけですけれども、施設は十分にある、しかし運営者をうまく採用できない行政というものがあって、そのことで、芸術家たちはたくさん公共と関わりたいと思っているのに、できない。

 私たちの国は、社会資本整備というような、こういうレポートを書くときに、芸術とか、芸能とか、文化とか、日本人が大変豊かに育ててきたそうした内容というものを支援するという言葉がない。非常に個人に属するものとなっている、この国は。ヨーロッパに行くと、公共が支援するものとなっている。

 これはすごい古くからの歴史でございますが、阿国や、世阿弥や、戦前・戦後の芸術家と国の関係とか、そうしたことからか、なかなか芸術家たちとか芸能の人たちと社会というものの、公共というところでの支援が非常に低い国で、そうしたことが国の内外のこうした資料に出てこないなと思うのです。

 私、あるときに、建築家を大勢連れてイタリアの古い都市の見学に行ったとき、ウィーンの大学の先生がレクチャーしてくれて、戦前はイタリアの旅行者はアメリカ人であって、それはリッチ旅行であるために、ホテルとか衛生とかを非常に完備した。戦後すぐ来たのはドイツ人で、大変知的な旅行をする人たちで、歴史というものをちゃんとしないとアルバイトができないために、大学も行政も大変な資料作りを行った。現在は、日本人が来ると、ファッショナブルな洋服を買いにくるだけであって、ご飯を食べにくるだけであって、単なる消費的な喜びのないものを持ってきてくれる人たちである、と言うわけです。しかし、ウィーンに行ったって、それからミラノに行ったって、オベラハウス、コンサートホールに日本人が山ほどいるのです。チケットの予約もすごい。日本人は音楽大好きで、オペラも大好きで、そしてお金をはたいてもそういうものを聴きに行っているわけです。

 人口として大変な人たちが、ヨーロッパの音楽家とかを好きでいるわけです。そうした人たちを、その地域できちっと支援してあげられない。

 私がある街でつくったときに、何でコンサートホールがいるのだろうと思って、友人に調べてもらうと、東京の上野でオペラがベルリンフィルで行われるというと、ピアのチケットがその地域だけの人だけで10%は売れて、新幹線を使って聴きにきて、夫婦で来たら10万円もかかって聴きにくるということをしているという。それならば、コンサートホールもあっていいだろうといってつくると、実際に大変な稼働率で音楽を聴く人がいることがわかるわけです。うまく企画すれば。

  そうしたように、そういう文化的で芸術好きな日本人というものについての、公共、国の言葉が少ない。

 どうしてか、そこのところを支援するという歴史がなかったということで、一方で、文化施設をたくさんつくるのですけれども、そうしたことの中に、本当にそうしたものを運営する能力のある人たちが雇用されない。雇用されるチャンスを私はいっぱい作りながら、建築をつくって、紹介していくけれども、1年ももたないうちに行政の人とトラブルがあって、才能を活かさず東京に戻ってきて、商業施設に勤めてしまうということも、2度ぐらいあります。

 なぜか、そこのところに行政と専門家のコラボーションというものがうまくいっていなくて、そうした芸術家というか、そういう専門の企画者・運営者が雇用されないために、立派な施設が生かされないということがあるように私は思っています。

〔C委員〕

 社会資本整備・運営をやる場合に、政策的にアメとムチという形を常に入れていく必要があるのではないかと思うのです。

 先ほども公共交通ということを申し上げたのですけれども、例えば、今私が生活しているあたりですと、自家用車が非常に発達していて、1軒当たり3台、4台というのは当たり前です。それにどのくらいお金がかかっているかというと、大衆車でも1年間で、通常使ったとして減価償却等をしますと60万から、ちょっとしたのは100万かかる。それが1カ月何ぼかという形でやっていきますと、かなりお金がかかっているというのがわかるのですけれども、多くの方は、一ぺんに買ってしまって、そして税金もどのくらいかかっているかというのがわかっていない。したがって、バスとか電車に乗るよりは自動車に乗っている方が安いという感覚が非常にあるわけです。これがあるがために、自動車はどんどん増えて、バスは減ってしまう、こういう悪循環になる。

  そこで、自動車をもつことに対しては保有税を、消費税のように痛みを感じる形で入れるとか、そういうものをしながら少なくさせて、そして車をもたせないようにしながら、かつ公共交通の方にその金を回していく、そういうシステムづくりをやらないと、どんどん社会資本整備したところで、うまく使えなかったりする点があるのではないか。

  あるいは今、公共施設とかいろいろなものが言われていますけれども、一体これがどのくらい金がかかっているのかということがなかなか理解できないです。何億とか、何十億とか、こういうお金できますと皆さんよくわからない。これが個人で言うといくらかかっていますということを、わかりやすく示してやることも必要ではないか。

 例えば、私がよくすることですけれども、学生に4年間でお金をいくら大学に払っているか、そして何回講義を受けるか、全部で割りますと1回の1時間半の講義というのが、公立大学で自分が払っている金であっても3,000円から4,000円かかっているのです。それに公費がかかるとどのくらいかかるか。それで、2,000円の教科書を買うというのを「ものすごく高い」と言うのですけれども、さぼる。この辺のバランスを示しますと、大体、目の色を変えてだんだん出てくるようになる。それから、教師に文句を言いだす。これは実は評価システムと関係してくるのです。

 わかりやすくすることによって、実は、自治体に対しても、あるいは大学に対しても、いろいろ厳しい目になってくる。この相互の緊張関係というものがないと、なかなかうまく進まないのではないか。その辺も入れていく必要があるかと思っています。

〔J委員〕

 先ほどの文化、芸術ということに関しては、施設の問題があるというふうにおっしゃいましたけれども、最近、私が考えるに、やっと高齢化あるいは長寿化してまいりまして余暇ができてきたのではないか。だからこそ、文化面あるいは芸術面というのに、21世紀には力を入れていかなくてはならないのではないか。

  かように思うのですが、スクラップ・アンド・ビルドではないですが、今の関西には、千里ニュータウンとか、泉北ニュータウンとか、「ニュータウン」と付くところがいろいろあるのですが、この千里ニュータウンに至っては、40年前にできた新しい町ですが、この町がそのときはニュータウンであったのですが、今やオールドタウンになってしまっているわけです。若い者は皆、そのタウンから出て行ってしまう。そして、お年寄りだけが残ってしまっている。こういうところに社会資本の整備ということが必要ではないか。今言うように文化、芸術というものを、こういうところに設備をはっきりして、長寿社会でも行けるような社会資本の整備ということが非常に大事なのではないか。

  これから数年たちましたら、恐らく、ほっときましたらゴーストタウンになってしまうような現実でありますので、ここを整備することによって、これから高齢化・長寿社会というのがうまくいくのではないか。こういうことが、私は、今大事なことではないかと思っているところでございます。

〔K委員〕

 もう皆さんから、すばらしい意見、お答えが出ております。抽象的な意見になって申しわけないのですが、十数年前にチーズの勉強でスイスに行って、2000人の村に1週間滞在したのです。あまりにもきれいなのです、箱庭なのですけれども。そのチーズ士の方に質問してみたのです、なぜスイスってどこへ行ってもこんなにきれいなのか、と。大変な公共投資と公共維持費がかかっているのですか、と聞いたら、とんでもない、税金でこんなスイスなんかは守れないということでした。

 国民が、一介の村人がそういう発言をしており、また、冬でも朝9時までに、施設があるところで消防車が入れないところはない、雪が除けてあるという。

 芝生を家にもってもいいけれども、年3回は刈り込まなければいけない。また、そのような規制があるのかないのかはわかりませんが。

 日本でも親父が農業をやっていた頃は、自分の所有地の隣の国道や用水路等の公共施設は農家が管理していたのです。

 さっき、都会に木が生えているけれども、それが葉っぱが落ちるから嫌だ。しかし、緑をくれという。また、よくテレビ等を見ますと、経済対策で社会資本や公共施設を整備するという。社会資本整備というのは経済対策のためである、というようなイメージに国民はとっているのではないか。国民が、自分のことなのだという意識がない。

 私、昔、道の駅というのを言いだして、今、あれだけの道の駅ができるとは夢にも思わなかったのです。そうした意味で、もうちょっと国民をどう引っ張り込んでいくかということで、PFIにちょっと興味をもっているのです。

 戦後一気に50年でこんな国を作り上げたものですから、無理もないところもありますが、経済が成長せず、税金が増えていない今、このあたりでしっかり社会資本の整備と各々の役割について議論しておかないと、ちょっと気になるなあというのを感じております。

 国民の役割、生活者の役割、そして地区の役割、町村の役割、県の役割、国の役割というものを、社会資本整備やその運営システムの中で明確なものにしていく必要がある。皆さんがもうご発言になっているのですが、それを痛烈に感じましたし、私の親父などを見ていてもそれを感じている。これは難しいことかもしれませんが。

〔D委員〕

 事業評価制度の問題ですが、これをやるときには非常に影響が大きいので、「客観的評価システム」という言葉がありましたけれども、私どもとしては、非常にこわいなという感じがするのです。

 というのは、生半可な評価制度にしてしまいますと、それで死命を制せられてしまう。例えば、どういうことかと言うと、今、我々のところで空港をつくっていますけれども、静岡県で空港をもつことの評価について、何を基準に評価をするのか。出てくる論拠としては、ほとんど過去のデータしかないわけです。しかし、私の立場からすると、過去のトレンドとか趨勢ではなくて、開港することによって未来に何が開けるかという、そういう観点でいろいろ考えると、それらも加味した評価をすべきなのです。それについて、かなり不確定要素がありますけれども、そういうものもある程度加味したものがないと、過去のいろいろなトレンド、経済成長率とか、人口動態とか、例えばそういうものばかりを持ってきて、これが評価基準ですと。この評価基準も、統一的な運用とか評価基準と言っていますから、例えば、これを政府が出した場合に、非常に影響が大きいわけです。ですから、これは必要だと思うのですけれども、相当慎重、入念に、あまり安直なものは作ってもらいたくないなという気がするのです。

 「時間管理概念の導入」ですが、これも非常に重要なテーマだと思うのですけれども、例えば、例示で出てくるものが、私はこれで出てきてがっかりしたのです。というのは、時間管理で本当に考えなければいけないのは、本当に必要なのは、もともと1,500万円の事業が5年とか一定の年数がかかるという、本当にそんなにかかるのかと、そこからいかないとだめです。何年経過したらいくら金利が乗りますというのは、単純に数学的に出てくるわけで、むしろ、5年とか10年かかるということそのものが、本当にそれだけかかるものなのかという評価をすべきだと思います。

  そのためにも、例えば同種の事業であれば、他国ではいくらでできているとか、土地代を除いて、例えば工事費はいくらでできている、何年でできている、むしろそういう評価をすべきではないかと思うのです。

  ぜひその辺もお願いしたいと思います。

〔部会長〕

 私がお答えするのも変なのですが、実は、昨日、空港とかのマニュアルを策定して、オーソライズが終わったのです。その中では、例えばイギリスの道路の評価、エージェンシーがした道路の評価は、すべてのことが分析で数字が出て、プラス環境でこうだとか、地元でこうだとか、首長さんはこういう意思をもっているからこうする、というのが全部ありまして、その数字だけでプラスマイナスではなくて、そこに意思が入る、そういうのを含めた評価になっています。

 後段の方は、この時間概念は、私がどうしても入れてほしいと思っていることなのですが、例えば、まず最初はこうやって公表するというところからだと思いますが、将来は、5年の工事を3年でやると、それだけ便益が早く出ます。そうすると、直の入札の金額で入札するのではなくて、両方足してトータルとして国民にとって一番いいところが札を落とす、こういう格好ができるのです。イギリスの道路については、そういう格好のものが始まっています。

 ただ、急にそんなことを言ったって、なかなか難しいので、まず公表の辺からスタートしていくのかなというのが私のイメージなのです。

〔D委員〕

 それなら賛成なのですけれども、どこの団体でも、どこの区間の事業は何年でやりますということは公表して取りかかるのです。問題は、遅延するのは、大部分が用地買収の難航です。あともう一つ問題は、私が申し上げました、仮に用地が完買したときに、2年でこれが仕上がりますというのは、果たして適切かどうかという問題です。ですから、今先生がおっしゃったように、時間概念を導入して入札するというのは非常におもしろい案なので、そのような評価が出てくるとおもしろいなと思うのです。

〔部会長〕

 トラブっているのは、いくらに相当しているかということを、少なくとも意識しながらやってください、こういうものです。

〔G委員〕

 今の時間管理概念のところで、民間企業で言いますと、ちょっと信じられないような話です。時間管理概念を入れるということそのものがちょっと違うのではないかと思うのです。金利であるとか、この辺がいろいろ法的規制の問題で難しいと思うのですが、資産を確保してから稼ぐとかいう種類の話が……。

 例えば、今、井の頭通りの拡張をやっているわけです。これは環六から環七に向けてほぼ終わっているのですが、なぜあれを道にしないのかと、いつも通るたび不思議に思っています。そのまま放ってあるわけです。あれを民間の企業がやりましたら、必ず、あの場所を駐車場に貸して、1台2万円から3万円取るのです、東京ですと。あのまわりを全部駐車場に貸したら膨大な収益が上がるものを、そのままただ囲って用地にしているわけです。

 今の時間の概念と金利の概念が一緒になるわけで、むしろ、資本を投下する額であるよりも、その投下された資本がコストとしていくらかかっているかという、私どもで言う資本費という、資本費の償却と金利を合計した資本費という概念。

 資本費で予算を立てて、いくら以内の資本費で収めろという管理をする。そうすると、今、用地の買収で遅れてくると、虫食いで買っていくわけです。虫食いで買っていくと、全部買うまではそのまま放っておくということは、民間では絶対にしません。例えば私どもでも、店舗用地を買いまして、全部を買い切れないときにはどうしているかといったら、ほかを買い切るまでの間は、住宅展示場に貸すわけです。そこで稼ぎながら、その金利負担をカバーしていくということをしているわけです。

 いろいろ規制の問題等々があると思いますが、我々から見ると、信じられないことで、そこに時間管理概念を入れるというようなのんびりした話ではないのではないか、と。もっと採算意識をもってくれたら……。ちょっと考えられないことだという気がするのです。

〔A委員〕

 今の話と関連するのですが、特に3の文章は、恐らくこれから文章化するのだろうと思います。そのときに、例えば事業評価の拡充の議論は、最初の、地方、将来にわたる社会資本の選択と優先度の議論がベースにあって、これと関連して、単純な評価ではありませんよという、そういう説明をぜひ付け加えるべきである。そういう複合的な表現をぜひ入れてほしいという感じがいたします。

 それと関連して、「時間管理概念の導入」も、これだけをポンと出すのではなくて、実は、それが重要だから、1つはPFIという手法をできるだけ活用するという議論。もう一つは、アカウンタビリティの向上です。

 私、いろいろな公共事業に絡んで住民といろいろトラブルあるものに関わっていますけれども、公共団体の説明力が圧倒的に低いです。その問題が非常に大きいです。ですから、そのことと絡んで、この議論を説明的に表現しておかないといけないなということを申し上げておきます。

〔B委員〕

 これは意見というよりも、問題提起ないしは質問になろうかと思います。また元に戻って恐縮ですけれども、国と地方との関係のところの最初に、「自己決定と自己責任システムの確立」、さらには「受益と負担の対応関係をより明確」にしていく、これは非常に重要な視点です。これがないと、恐らく地方の活性化というのはできないだろうと思います。そういう意味でこれは非常に重要なことです。

 問題は、どうやってこれを財源の面から実現していくのかという方法論です。結局、現在、地方交付税交付金だとか、あるいは特に各種の補助金という形で、いわば所得再配分をしている。完全に受益と負担の関係を徹底したら、地方では何もできなくなってしまうということなので、恐らく、所得再配分というのは絶対不可避のことだと思いますけれども、そのやり方で、結局お題目に終わっちゃって、何もできないということになりかねない。補助金などでは、メニュー補助金ということがよく言われますけれども、こういうことを徹底していくことは1つの方法だと思いますけれども、それを徹底していけば、最終的には、普通交付金みたいに基準財政需要みたいなものを客観的に決めて、あとはもうお金は基準で渡すけれども、口は出さないよという形になるのでしょうけれども、そこまで徹底してやるのかどうか。

 その辺の、いわばお金の配分の仕方の問題、再配分の問題というのは、どこら辺までこの報告書で触れられるのか、あるいはそれは非常に難しい問題だから、本当の方向性ぐらいしか示唆できないということなのかどうか。その辺をできれば教えていただきたいと思うのです。

〔事務局〕

 このような形で書きましたのは、1つは、確かにいろいろなものを地方でつくる場合に、今ですと1本1本を国と交渉してつくるという話ですが、財源をブール化しますと、その地方で使用できる財源がどのくらいあるかと。その使用できる財源の中でどのプロジェクトをどういうふうに優先的にやっていくのか、それを判断するときに、それをもらったというか、自分が利用できる交付金なりも含めて、どれだけ投入するのか、それでさらに料金をどれだけ徴集するのか、このような形で選択を迫る。そういうような形で利用できないだろうか。若干そういう観点をここに入れたつもりです。

 ですから、一つ一つのプロジェクトについて、もちろん受益と負担の関係を明らかにするのですが、それはその一つ一つのプロジェクトが是か非かという問題もありますが、それと同時に、Aというプロジェクト、Bというプロジェクトがある場合にどれを優先的につくるか、そういう判断に資するということがもう一つ重要ではないかと、こういう観点で入れたわけであります。ですから、文章がそういう意味で正確でなかった点があるかと思いますが、意図はそういうことも含めてあるつもりでございます。

〔B委員〕

 すると、要するに財源をできるだけプール化していくということで、この問題を、その仕組みの中でうまい解決を見いだしていく、こういう考え方ですね。

〔事務局〕

 はい。

〔B委員〕

 そういうことしかないでしょうけれどもね、多分。わかりました。

〔部会長〕

 ありがとうございました。まだいろいろご意見があろうかと思いますが、時間がまいりましたので、本日の審議はここまでとさせていただきます。

 なお、さらにご意見がございましたら、事務局までご連絡をいただきたいと思います。

 次回以降の日程等について事務局からお話しいただきます。

〔事務局〕

 次回は、5月12日水曜日の15時から17時まで、場所は経済企画庁内404号会議室でございます。また、次回は、今までのご審議に基づきまして、事務局において報告書案を作成しまして、ご議論いただく予定にしておりますので、よろしくお願いいたします。別途開催通知を郵送し、ご案内させていただきます。

  なお、前回の部会でも申し上げましたが、当初の日程を若干変更しまして、第7回の部会、次々回を予定しているところでございますが、日程が大体決まりましたので、この場をお借りしてご報告させていただきます。次々回の第7回の部会は、これで最終ということで今考えておりますけれども、5月31日の月曜日、恐縮でございますが、18時から20時まで、場所は経済企画庁内 407号会議室でございます。これも別途開催通知を郵送させていただきます。

  以上でございます。

〔部会長〕

 それでは、第5回の地域経済・社会資本部会の審議は以上にいたしたいと思います。本日は長時間、大変有効なご議論をありがとうございました。

以上

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