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第4回 経済審議会 グローバリゼーション部会 議事概要

1.日時:

平成11年4月9日(金)14:00~16:00

2.場所:

中央合同庁舎第4号館官房特別会議室(436号室)

3.出席者:

(部会)八城政基部会長、田中明彦、糸瀬茂、國谷史朗、高阪章、篠原興、下村恭民、高木剛、グレン・S・フクシマ、浜矩子、松本大、若林之矩の各委員
(参考人)一橋大学社会学部依光教授、関西学院大学経済学部井口教授、三井情報開発株式会社総合研究所社会経済研究センター三好主任研究員
(事務局)堺屋経済企画庁長官、中名生総合計画局長、川本調整局審議官、高橋総合計画局審議官、牛嶋総合計画局審議官、梅村企画課長、大西計画課長、染川計画官、塚原計画官、青木計画官

4.議題:

・国際的な労働移動への対応について

5.議事内容:

牛嶋総合計画局審議官より資料「移民・外国人労働者に関する論点ペーパー」、依光委託研究会座長より参考資料1「「国際的な労働移動に関する調査」報告書概要」を基に説明。
これに対しての質疑応答は次の通り。  
〇日本に望ましい労働者を受け入れるにはどうしたらいいか、という議論がなされているが、そもそもそういう人達が来てくれるような状況が今日本において形成されているのか、そういう人達が入って来た時にどう受け入れる土壌があるのか。もう少し別の観点から議論をしていくべき。
〇英国における外国人労働者ないし非アングロサクソン英国人達の位置付けを考えていると、この人達をどのように開かれた、多様な社会の一部として、有機的に取り入れていくか、という問に対する回答はイギリスにおいても出ていない。そういう人達の未来をどのようにすればよいかといった対応も出来ていない。海外の事例も含め、もう少し具体的なイメージを持ちながら、議論すべき。
〇外国人労働者の問題を少子高齢化の問題と結びつけるということは正しいことなのか。グローバル化の話も受身であり、少子高齢化の話ももっと前向きに捉えるべき。
〇今回の資料はいくつか論点があり、労働力不足が一部の部門で顕在化するのではないか、技術移転をどうやって図るのか、文化を国際化していくべきではないか、それぞれ違ったベクトルのものをいっしょくたに議論しているので、別々に考えるべき。
〇送り出し国の雇用創出について考えると、経済発展に携わってきた者の立場から言うと、人・物・金とよくいうが、その他に「箱」というものがあると思う。国民というユニットの中で人的資本形成を考えるということを真面目にやらないとならない。雇用が余っているから外に出す、というようなところは真面目に取り組んでいないからもっとシリアスに取り組むべきである。それによって送り出される労働者の福利厚生も高めることができる。
〇労働力が足りないところに労働力を受け入れたら、その国の生産性を高めることに繋がるのか。また送り出し国の福利を高めることに繋がっていくのか。
〇グローバルにみて、低賃金で雇用の余っているところから足りないところに動かせば福利が増すという問題ではない。余剰労働力の送り出しは、1つの発展途上国という枠の中の人的資本形成の取り組みに対するモラルハザードを産むという側面を考えて行かなくてはならない。
〇技術移転には、いい技術を取り込んでいくというフォワードの技術移転と、日本が有している技術蓄積をトランスファーしていくというバックワードのものと、2種類ある。前者は我々が技術を学ぶためにどういうことをしたらいいのか、後者はどういうのが望ましい技術移転の在り方かということ。
〇セクトラルな労働力不足の解消政策の問題ではない、そこを切り離さないと話がこじれる。
〇日本が異文化に慣れていない。そこで慣れさせるためにも受け入れていくという話は、外国人労働者を受け入れる、受け入れないという問題ではなく、文化の多様化をどういう方法で、例えば教育システムの中で啓蒙していくかという問題であり、これも切り離したほうがよい
〇専門的、技術的職業に従事する人の比重が少ないのは、制度上の問題か、運営上の問題か。それともリビングコストの問題か、言葉の問題なのか。
〇高齢者の労働力、女性の労働力をどうやって社会に活用するかという問題が、外国人労働者の問題が出てくると、ないがしろになってしまう。
〇単純な労働と資本を組み合わせた産業を、日本が主役でないと認識するのであれば、建設現場などに単純な労働を受け入れても構わないと思うし、影響も少ないと思う。
〇大きい製造業は、人的資源が安いところに会社が移るという選択肢もあるので、さほど大きな問題にならないのではないか。
〇大きな問題は日本の雇用慣行が厳然としてあるということ。外国人にとっては、非常に緩慢な昇進・昇格であること、職位が不明確であること、権限や責任が分散していて達成感がないこと、以上のような不満を持つ場合が多い。
〇日本の企業では日本語が出来ないといけないが、それを覚えても世界では通用しない。日本の企業に勤めた後、転職するときに、では前の企業で何をしていたか、ということを示しにくいという点がある。
〇外国人労働者、移民問題を量的にコントロールしていくことは至難の技であろう、ということを認識すべき。
〇マクロの立場で、労働力が減少することは経済成長にとって負に働く、という議論があるが、突き詰めるとどういうプロセスを経てマクロではマイナスに作用するのか、しないのか、或いはそういうプロセスの中で対応策はないのか。そういう議論がない。
〇論点ペーパーの前提は、職種によっては労働力不足になるということだが、労働力不足が予想される職種は何なのか、どういう理由で不足するのか、吟味しているのか。そうだとして職種を限定した受け入れができるのか。
〇中間的な職種というコンセプトで説明されているが、日本の労働市場は職種間区分がはっきりされていないわけで、内部労働市場の中で言えば、中間的職種をどうクリアなものとして整理しうるのか。
〇例えば、一面では所得格差を背景にして、中国やアジア各国など送り出し国の持っている供給圧力はけたたましいものがあるが、どれくらいのオーダーで受け入れようとするのか。この国からは何人とか、国別クォーター制をとっている国もあるが、日本の立場で、国別にクォーターを設けることが適切かどうか、そういった観点からも吟味すべき。
〇論点は日本経済の活性化のために、人の面で何が問題になりそうか、ということを指摘し、その人の面で何をどうすれば解決できるのかということに集中すべき。その際に発展途上国の成長に役立つとか、国際貢献に役立つとか、日本社会を開かれたものにするとか、ということは少し置いておいた方がよいのでは。
〇労働力人口を減らさないようにすべきか、という非常にマクロな話が出ている一方で、労働力人口が不足するといった職種が存在する、といっているが、それは何か。どのくらい足りないのかをはっきりさせたほうがよい。
〇例えば建設業に従事する人が、現在いる人数を基準として、その人達が高齢化していくからだんだんいなくなる、と考えるのは果たして適切か。21世紀の経済社会を考える場合に、そんなに家を20年ごとに建て替えるような社会を作ることがいいのか。家を100年置きに建てるとなると、そんなにその分野で経済成長を図らなくてもいいのでは。そうなると人が不足するという議論が成り立つのか。
〇知価を高める人々、工学部、農学部、理学部など、理科系の卒業生は今後20年にかけて増えるのか。今後、大学に入る子供たちは減っていくが、その中で理科系志望の人の割合が今と同じだとした場合、その少ないエンジニア、サイエンティストの供給で、日本の経済成長、生産力は大丈夫か、つまり日本の技術革新を生み出す人達が減るということが最大の日本の問題であり、ではその人達を外国から取り入れるにはどうしたらよいか。
〇社会的インプリケーションについて固定観念がある。例えば、日本が外国人を受け入れた時に、どういう摩擦が起きているか。或いは外国人から見て日本が魅力的な所がどうか。もう少し実証分析をしないといけない。そうでないと、何世代にも渡る複雑な社会的インプリケーションをよく捉えないで意思決定することになり、極めて危ない。
〇日本に80年代以降に来ている労働者或いは不法就労者は、日本しか来る所がないからきたわけではなく、世界中のいろんな国と比較したうえで日本を選んで来ている。やはり人間を相手にして、社会的なインプリケーションを持つ問題を扱う場合は、もっと現場に下りてフィールドの事実を踏まえて議論すべき。それまではイデオロギー的議論はしないほうがよいのでは。
〇移民労働者・外国人労働者の定義、分類を分けて考えることは重要だ。多面的な問題なので整理して議論すべきであり、特にこの点で研究会の作業の貢献は大きい。
〇供給国側からこの問題を見ると、日本の外国人労働者問題は、ミスマッチがある。ミスマッチとは、日本側が、期待している労働者のミスマッチ、1つには労働不足を解消するための単純労働者、もう1つは外国人をプロフェッショナルなものとして受け入れて経済の活性化を図ること、である。
〇日本は経済的にも物質的にも豊かで、ある意味では大変魅力的。しかし、日本でプロフェッショナルとして貢献する人達の目から見ると、日本の魅力性は必ずしも高くない。大企業にサポートされて日本に来る人達は企業の方が住居など面倒をみるので不自由のない場合があるが、その他は住居、言葉、国際空港の便利さ、物価の問題、就職の機会、文化的障壁など、プロフェッショナルから見ると魅力に欠ける。
〇もし、プロフェッショナルを受け入れることが日本として重要だ、と考えているのであれば、どうしたらそういう人をアトラクトする、そういうインフラ整備ができるかということに注目することが重要
〇インターナショナルスクールの在り方だが、アメリカの本社から人が駐在しようとして来ようと思っても、数が少なくて子供をインターナショナルスクールに入れられないという問題があり、日本に来たくても来れないという例が目立っている。よって運用面をもう少し緩和することによってインターナショナルスクールの在り方を拡大する方向にもってゆければ、むしろ直接投資を促進することから考えても、解決策の1つとなるのではないか。
〇アメリカやカナダのような移民受け入れ方式が果たして日本で機能するのか、という問題について、量を受け入れるということは決して日本では機能しない。むしろ質的に定着していけるような新しい道を開いて行く方が日本として好ましい。
〇中間的労働者については、従来単純労働者と専門技術職という2種類で議論してきたが、それだけでは不毛である。日本には熟練形成をしている技能職種の部分が広範にあり、これは基本的には国内で熟練形成するのだから、労働者を受け入れるべきでない、という分野がある。その中に技能実習生などという形で、技術移転のための制度が機能し始めている分野もあり、その点についてもう少し考えてみたいという問題意識を持っている。
〇日本が魅力がないという意見があるが、アジアやヨーロッパなどの学生の間では関心が十分高まってきている。もっと日本の大学の講義などをPRし、いい学生をリクルートするくらいのことを考えるべきだが、今回の議論は、日本は魅力がない、というところで止まっている感じがする。
〇今回の資料の中で、各国とも過去何度も移民政策を換えているが、それはそのときの社会情勢に応じて臨機応変に換えているということではないか。
〇経済企画庁のデータは多くの場合仮定に基づいている。それはそれで重要だが、移民の問題でも、ある職種を限定してある期間ある一定のポリシーの下でやってみることも必要。例えば、公務員の職種の中で、外国人に適するものについて、永住的なものだけでなく、一度短期の滞在についてもピックアップしたり、大学で英語で日本の法律を学べるような講義、外国の学生が日本で学ぶ時に奨学金をより多くもらえるような予算作り、語学教育の面で外国人教師を増やす、といったこと。
〇魅力的な国であるかどうか、についても、単純労働者と高度な労働者では全く議論が別。
〇移民について、アメリカはうまく移民を受け入れて成功した例だが、国土の広さや文化の入り混じった国家であること、言語の多さなど日本と違う面があり、一概に日本でもうまく行くとは言いきれない。
〇日本に優秀な外国人が来ないのかという問題があるが、逆に日本から優秀な人材が出ていっているのではという問題もある。そもそも魅力がなくて人材が出て行く日本の社会に、外から優秀な人材を持って来ようということは無理がある。まず国内で日本人にとって魅力的な労働の環境を考える方が最初。
〇移民等を受け入れて多様化していくという手もあるが、日本からの留学生を強くバックアップし、一旦アメリカ等に出して、また日本に戻ってくるという形での、文化の多様性を実現することも可能では。
〇労働力人口の減少への対応という視点での労働力の受け入れについては適当ではないと思う。仮に緩やかに労働力人口を緩和するとしても、恐らく相当長期に相当の人数を導入することが必要。我が国の周辺諸国に、過剰な労働力が存在している中、コントロールは大変難しいと思う。
〇労働力人口の減少への対応としては、高齢者や女性の労働力比率を高めていく、生産性を高めていくということに依るべきと思う。
〇成長率については、労働力人口の他に、資本や技術革新など、いろいろなファクターがあり、労働力人口の減少だけでは議論ができない。
〇中間的な労働者は、概念がはっきりしないが、よく看護婦、介護労働力が不足していて、そういう労働力を供給したらよいのでは、という意見があるが、日本人が好まない職種を他の外国人に恒常的に担ってもらうということは大変困難である。やはりこういう職種は機械化するなり、労働条件を改善するなり、その職種そのものに魅力を持たせないと解決しない。
〇今は外国人労働者の受け入れや移民の受け入れについて長期的視点から冷静に議論するには大変いい時期である。
 
〇負のグローバリゼーションとして、難民の問題がある。東アジアには膨大な労働供給力があるが、これがある時難民となって日本に押し寄せてくる可能性も否定できない。そういった状況に対しどう我々は対応できるかという問題も議論しなくてはならない。
〇開かれた会社にすると、外国人の方が優れているから活躍するのではなく、日本の優秀な人材が活躍できる、という考え方が重要。
〇女性と高齢者の活用が重要。例えば高齢者同士で介護するなど、外国人単純労働者の受け入れを考える前に先に議論すべき。
〇教育を変えるには教員の身分を変えることが重要。終身雇用でない世界に変えるべき。

6.今後のスケジュール:

次回のグローバリゼーション部会(第6回)は4月20日16:30~18:30に開催する予定。

なお、本議事概要は、速報のため、事後修正の可能性があります。

(連絡先)
経済企画庁総合計画局国際経済班
Tel03-3581-0464

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