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第3回経済審議会地域経済・社会資本部会議事概要

1 日時:

平成11年3月31日(水) 15:00~17:00

2 場所:

経済企画庁共用特別第一会議室(404)(第4合同庁舎4F)

3 出席者

(部 会)

森地茂部会長

安土敏、石川嘉延、井上繁、小林重敬、坂本多旦、生源寺眞一、中邨秀雄、長谷川逸子、溝口薫平 の各委員

(事務局)

今井政務次官、中名生総合計画局長、高橋審議官、牛嶋審議官、梅村企画課長、林部計画官、安井計画官、涌野計画官、渡辺電源開発官

4 議 題

・21世紀型社会資本整備について

・森地委員意見発表、井上委員意見発表

5 議事内容

 森地委員より「社会資本整備について」及び井上委員より「21世紀型社会資本整備のあり方」について意見発表。これらに対する各委員からの主な意見は以下のとおり。

  • 人口減少期の社会資本整備については、これまで投資してきた社会資本整備の維持管理をどうするのか、既存の社会資本をどのように使用していくのか、が大切な観点となる。また、従来より「都心居住の必要性」を議論してきたが、仮に東京都心部と郊外部に20万人の居住空間を新設する場合には、既存の、人口が集中し社会資本も集中している東京都心部の方が、数千億円の単位でプラスの効果があるとの試算が打ち出された。東京に人口回帰が行われているという事実を社会資本整備との関係で議論すべき時期にきていると思われる。
     また、PFIについては、公共投資型と公共サービス提供型に分けると、PFI先進国では公共サービス提供型であり、我が国は公共投資型の色彩が強いものである。今後、社会資本のソフトの整備を充実させる必要があるとすれば、PFIに公共サービス提供型としての役割を持たせていくべきであろう。
  • 新全総が閣議決定される際に、政策的な人口予測をしたために、常に東京の社会資本が過小供給となったおそれがある。またPFIについては、取組当初の段階では、政府が適正利潤を考慮するのではなく、大きなリスクを負ってもよいのではないか。最初はもっとドラスティックに原則を外してでも行うようにすべきだ。
  • PFIは、従来の公共事業の隙間を埋めたり、新たな公共サービスを提供できたりするものであると期待している。これまでは、経済企画庁が統計を出して、地域間の格差を示してきたが、今後は、その格差を地域の個性としてより積極的に考えていくようにするべきだ。
  • 公共が提供する公共サービスは、できるだけ均一の方が望ましい。一方、民間が提供するサービスは、利潤や個性が重視される。その間を埋め、できるだけ均一で個性的なサービスを提供する主体は、NPOであると考える。そこの棲み分けをしていく必要がある。
  • 道路で言えばピーク時に極端に混雑が集中している。ピーク時をもう少し平準化する工夫を議論してもよいのではないか。地方中小都市でもフレックスタイム制、オフピーク通勤をするとかなりの効果が見られる。公共投資の配分については、分野別の配分をどうするかが問題。各公共工事にしても、各省庁が策定する5カ年計画をもって対応するため、始期も終期もバラバラ。縦割り行政の最たるものである。公共投資基本計画に一括して規定し、分野別投資を決めるのが良いのではないか。また国家政策的に地方を誘導していきたいのであれば、補助金ではなく、税制・融資で行うのがよい。豊かさ指標を練り直し、国が一種の格付機関の役割を果たすのがよいのではないか。
     また、時間管理の一環として土地収用制度について見直すべきだ。都市計画策定後に行政側が速やかに土地収用できるような仕組み、つまり土地利用を規制する都市計画法と土地収用法との間の関係を連携させて、その仕組みを明確にすべき。土地の収用に関し、都市計画決定の意味、位置付け等行政側に土地買収をする際の武器を持たせるべき。
  • 東京に通勤ラッシュがなければ地方の若者が皆、東京に来るだろう。これからは、地方と都市の交流の視点が必要。PFIに関しては、国民が参加していくという認識を持てるような政策をすべき。
  • 公共事業によっては、最後まで完成しないと何の役にも立たないにもかかわらず、時間がかかりすぎている事業がある。それは、地元の雇用維持の期待もあるが、地方経済が公共投資依存から脱却し、集中的に実施するのはどうか。また、技術や制度の問題点もあろうが、漁港のプレジャーボート港への利用のように既存の社会資本の多目的使用への門戸を開いてもよいのではないか。景観やアメニティーにも配慮して、過剰な社会資本や失敗した社会資本を取り除くということも大切である。従来費用対効果分析は、ある特定のプロジェクトを実施すべきか否かの判断基準として使われてきている。その場合には、効果の分析が甘くなる。個々のプロジェクトの影響の相互関係や、その他のプロジェクトとセットで、あるいは広域的な分析を行うべき。選択肢の中から選ぶということが必要。
  • PFIでは、人材も含めた施設の運営への積極的な関与が重要である。我が国の建築は造る側の論理で行われ、利用する側の論理が無視されてきた。観光については、外国人に本当に見てもらいたい大切な文化とか伝統とかを壊すような観光政策をしてきた。地方の観光政策は戦後全く上手く機能していない。
  • 都市を整備していくということに偏った議論になっている。むしろ地方の魅力をどのように高めていくかということが重要ではないか。都市ではなく地方の公共投資を重視すべき。また観光については、従来の観光政策はホテルや旅館の数等を優先し、そこにある環境とか自然とか、景観保存への投資を軽視してきた。今後は景観保存への投資を重視していくべきではないか。農村は、食料危機問題への解決手段となるので、農村を維持していく投資をすべきである。
  • 社会資本はいつの時代でも十分ではないのではないか。どの時代に何が大切であるか、時間概念のほかに各時代のマスタープランが必要。マスタープランには攻撃型社会資本整備と守備型社会資本整備の考えを明確にすべき。このマスタープランができれば、地方において何を開発すべきか又は何を残すべきか(景観等)が明確になるはず。高速道路の渋滞には料金所の設置数が多いことも原因となっている。料金支払をプリペードカードのようなものでできるようにし、渋滞を解消する方策を考えるべき。
  • 中山間、つまり人口減少地域を考えると、農業や林業が中心であるが、所得の割合を見ると、農業や林業以外からの給料が大部分を占める。地域社会の維持の源泉となる所得がないのに農業の部分だけを整備しても無駄な投資となってしまうことになる。農業のみで経営が成立しない地域に対しては、フロー重視の政策をし、ストック重視の政策は控えるべきである。保全ということが必要なところは地方がやるべきであり、地域のゾーニングをそろそろ行うべきである。
  • 中山間では、集落は明治時代からの小さい形態が依然として続いており、これを広域的な集落に組み換えるシステムが重要。中山間は「都市の里山」であり、都市も中山間地域も一緒になって考えるべき。
  • 中山間地域について国土保全の視点でどのように社会資本整備をしていくかについては、相続や税制上の問題を改善していくことにより、ある意味で解決できるのではないか。
  • 国の中央省庁が山の天辺から海岸まで、あらゆるところにまで整備を決定していく、そういう仕組みがおかしいのではないか。地方のやり方は地方に任せておく。これは地方分権や公共投資の配分の問題に関係していくが、これをまず解決していくべき。都市のための中山間地域の整備という側面がある。
  • 今の市町村を単位として地方分権を強力に推進していくのは、危険であると思われる。計画権限を地方に渡しても公共事業の発注権限は絞った方がよいのではないか。
  • 社会資本整備は、現状においても都道府県だけで対応できるだろう。道州制よりも、都道府県の合併を進めていくのがよいのではないか。そのような合併により政令県(人口450~500万人)を形成していく。そうした政令県には国の地方支分部局の権限をすべて与える。
  • 社会資本というモノを造るよりも、そのモノをどのように使うのか、それを使う人材をどのように育成していくのかが大切。国の保全に影響力を持つ経済力を担うのは都市であるが、従来からの都市における社会資本という観点ではなく、都市の空間なり環境なりをどのようにつくり出すかということを考えないと、次の時代を支える都市にならないのではないか。
  • 現実や現状を見極めた上で、あるべき姿に向かうため大胆な発想が必要。それもできる所からやっていくことにより、それが全体の構造改革へ波及するきっかけになるかもしれない。

(本議事概要に関する問い合わせ先)

経済企画庁総合計画局社会資本班

堀江

TEL:03―3581―0764

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