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第4回構造改革推進部会議事概要

1.日時:

平成11年3月26日(金)14:00~16:00

2.場所:

合同庁舎4号館経済企画庁長官官房特別会議室(729号室)

3.出席者:

水口弘一部会長、五十嵐三津雄、岩田一政、江口克彦、リチャード・クー、草野厚、草野忠義、中条潮、中村靖彦、野中郁次郎、長谷川公敏、濱田康行、村井勝の各委員

(株)三菱総合研究所 開発技術研究センター長 大野二朗氏

今井政務次官、林官房長、中名生総合計画局長、牛嶋審議官、高橋審議官、梅村企画課長、大西計画課長、涌野計画官、塚原計画官、林部計画官、佐久間計画官、荒井計画官、渡辺電源開発官、岩瀬計画企画官、福島推進室長他 

4.議題

:「企業や個人の創造性と自由度が高い経済社会を実現させるための構造改革」について

5.審議内容

 資料2に基づいて事務局から、また、資料3に基づいて三菱総合研究所開発技術研究センター長大野氏から説明の後、討議。委員からの主な意見は以下のとおり。

【1】企業の面からの改革

○日本的風土については全体のトーンとしてぺシミスティックな書き振りであるが、これは適切か。例えば、資料の中で集団志向について触れているが、シリコンバレーを見ても強い「個」とチームが両立しており、西欧のベンチャーにおいても大企業と中小企業のコラボレーションが存在する。二元論的に日本の社会を切るのではなく、日本の持つ利点と欧米の利点を共に生かしていく新しい方向が重要ではないか。

○今の日本は浅薄な批判主義が蔓延している。本質論をやらない、極めて知的に貧困な社会的インフラをマスコミが作っているからである。

○教育については、これまで得意であった技能中心のハウツー的な内容に代わり、新しい概念を生み出す能力が重要になっている。概念化のスキルをいかに蓄積するかについては、ビジネススクールのような大学院教育の質的充実が重要である。

○何らかの仕組みを作ればイノベーションが生まれるわけではなく、イノベーションを行う人を我々が十分評価できず、イノベーションを殺してしまう風土が問題である。

○風土については「ムラ社会」の問題があるのではないか。例えば、ムラ社会の中で創造的なことを言うと波紋を呼ぶので、自分では言わずに国に政策提示をさせるような事例がみられる。これを根底から変えるには教育面での配慮が必要である。

○資料中の施策について優先順位をつける必要があるのではないか。

○ベンチャー支援のため様々な政府の援助がなされているが、実際にベンチャーを起こすニーズやモチベーションが必要ではないか。

○新しい政策を議論するとともに、既に議論された政策がどの程度効果を上げているかについてもフォローする必要がある。

○創業・起業に関する施策に優先順位を付ける場合には、短期と長期に分けて考える必要がある。長期的にみて起業する人が多数出るようにするためには、教育、それも初等教育が重要である。短期的に今すぐ起業を増やすためには、風土ではなく規制が問題である。規制緩和により起業が増えれば風土は自ずと変わるはずである。

○米国の状況が理想という印象を受けるが、米国型の自由な社会は格差を生じる。それが日本において容認できるのか。程度を考える必要がある。

○現在は不況の真っ只中にあり、そのような状況で考え出された施策は、今は説得力があっても不変的なものかどうかは検討する必要がある。

○新しい産業は何をイメージしているのか。ハイテク産業を念頭に置いているようだが、日本中をマイクロソフトばかりにすることが目的なのか。ベンチャー産業の中身を検討する必要がある。

○三菱総研のレポートは自虐的に過ぎるのではないか。本当に悪い部分をもう少し絞り込んだ方が、構造改革の目標を定めやすいのではないか。

○今までは国内のことだけを考えて日本の運営ができたが、今後は外部との関係を考える必要がある。その意味で三菱総研のレポートはネガティブ過ぎることはない。

○開業率について、日本は高度成長期においても米国の約半分しかない原因として、一つには既存の企業が新規事業を展開する場合が入っていないことが考えられる。また、日本ではベンチャーの支援は様々なことが行われているにもかかわらずベンチャーが育たない原因として、創業初期における投資が少ないことが挙げられる。政府系金融機関や銀行が支援を行っているが、金融機関による支援には本質的な限界があると思われる。また、直接金融についても、ディスクロージャーが進まないために、個人投資家が金を出しにくい状況にあるのではないか。

○日本の起業家が事業に無限責任を負うことについて、株主としての企業家ならば有限責任であるが、同時に債務者でもあるので無限責任を負うことになる。無限責任を負うことによって起業の意欲を損なうことは問題ではあるが、有限責任だとリスクを債権者に負わせるという逆の面もあるのではないか。

○ベンチャー支援のための施策については、今まで様々なことが行われてきたが、今までの施策の評価について総括すべき時期が来たのではないか。

○ベンチャーキャピタルが創業初期の企業に投資しない原因は、ベンチャーキャピタルがサラリーマンで構成されており、安全なものしか手を出せないからである。

○日本人は米国には投資するが、国内には投資しない。大学や芸術の分野でも同様に、まず海外に出て活動しようとする。その原因が風土にあるか規制にあるのかはわからない。

○国内に投資しないのは受け入れるマーケットが無いからではないか。ホンダが4輪を作ったときもまず米国で売れてから日本に入って来たように、日本は非常に市場が閉鎖的である。

○規制緩和について、新規参入が自由であればそれだけで緊張が生まれる。例えば、米国の自動車産業は寡占状態にあったが、トヨタが参入したことにより寡占状態は崩れた。

○ベンチャーはハイテク産業だけではない。日本はサービス産業が遅れているから、そこに新規参入を認める必要があるのではないか。

○米国でハイリスク・ハイリターンのジャンクボンド市場が誕生したことが米国経済に貢献したように、そのような市場を日本にも作る必要があるのではないか。

○日本で起業が少ないのは、起業しても元が取れないこと、人生の安定・不安定を考えた場合、起業はマイナス要因たる不安定の度合いが大きいことが挙げられる。また、起業のための動機としては、巨万の富を求めることよりも、今後は社会貢献などの方が重要になるのではないか。

○風土というのは今までの経済・社会の要請に応じて作られたものであることを考えると、もう少し日本の風土を評価してしかるべきではないか。「環境がこのように変わったので社会もこう変わるべき」という書き方の方が分かりやすいのではないか。

○ベンチャーについては、既存の企業が新分野に進出することも考えるべきではないか。

○日本的風土を容認していると改革は中途半端なものになるので、三菱総研のレポートは決して悲観的ではない。

○自由度の高い社会を実現するためには、情報公開、規制撤廃、地方分権が重要である。その意味で規制緩和による新規参入を進めることには賛成であり、経済規制は撤廃する方向でまとめていただきたい。

○起業家が事業に無限責任を負うことについては、有担保主義に則って融資する金融機関の怠慢ではないか。融資する際には、事業の価値を見極めることが必要である。

【2】個人の面からの改革

○能力開発について、日本の大学院でもほとんどが社会人学生というところもあり、やる気のある人は既に行っている。その上で必要なことは、雇用の流動化や奨学金の充実である。特に奨学金については、金さえあれば大学へ行きたいという社会人の声をよく耳にする。その点で能力開発バウチャーには賛成であるが、失業者のみならず新卒者も対象にすべきである。

○労働移動については、年齢が高いほど問題が大きくなる。どういう年齢層をイメージして考えれば良いのか。

○大学院の問題について、日本にはロー・スクールやビジネス・スクールなどのプロフェッショナル・スクールが無いという問題もあるが、企業の側にも大学院で学んだ人のスキルを正当に評価しないという問題があるのではないか。

○「自由な大学設置・運営のための規制緩和」や「大学教育における営利企業等参入のための規制緩和」については慎重に検討する必要がある。社会のニーズに対応することは必要であるが、ニーズは時と共に変化するものであり、今は不況の中で議論していることを認識する必要がある。

○教育については、高等教育の問題について優先的に議論すべきである。

○教育については初等教育から改革する必要がある。学区制を廃止する、学校の設立を自由化するなど抜本的なことをしなければ、多様性は生まれない。

6.今後のスケジュール

次回の構造改革推進部会(第5回)は4月13日10:00~12:00に開催する予定。

以上

なお、本議事概要は、速報のため、事後修正の可能性があります。

(連絡先)

経済企画庁総合計画局計画企画官室

吉野

Tel  03-3581-0977

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