経済審議会企画部会(第5回)議事録

経済企画庁

経済審議会企画部会(第5回)議事次第

日時 平成11年1月27日(水) 14:00~16:00

場所 経済企画庁特別会議室(436号室)

  1. 開会
  2. 企画部会の今後の進め方について
  3. 「新たなる時代の姿と政策方針」の策定手法の多様化について
  4. 広報委員会の設置について
  5. 閉会

(配布資料)

  • 資料1 企画部会委員名簿
  • 資料2 「新たなる時代の姿と政策方針」の諮問文
  • 資料3 経済審議会の今後の運営について
  • 資料4 企画部会の今後の進め方について
  • 資料5 「新たなる時代の姿と政策方針」の策定手法の多様化について
  • 資料6 広報委員会の設置について

経済審議会企画部会委員名簿

部会長
小林 陽太郎 富士ゼロックス(株)代表取締役会長
部会長代理
香西 泰   (財)日本経済研究センター会長
委員
跡田 直澄  大阪大学国際公共政策研究科教授
荒木 襄   日本損害保険協会専務理事
伊藤 進一郎 住友電気工業(株)専務取締役
角道 謙一  農林中央金庫理事長
小島 明   (株)日本経済新聞社論説主幹
小長 啓一  アラビア石油(株)取締役社長
佐々波 楊子 明海大学経済学部教授
ポール・シェアード ベアリング投信(株)ステラテジスト
嶌  信彦  ジャーナリスト
高橋 進   (財)建設経済研究所理事長
長岡 實   東京証券取引所正会員協会顧問、日本たばこ産業株顧問
中西 真彦  ベンカン(株)社長
那須 翔   東京電力(株)取締役会長
樋口 美雄  慶応義塾大学商学部教授
星野 進保  総合研究開発機構理事長
堀  紘一  ボストン・コンサルティング・グループ社長
松井 孝典  東京大学理学部助教授
水口 弘一  (株)野村総合研究所顧問
村田 良平  (株)三和銀行特別顧問、外務省顧問
八代 尚宏  上智大学国際関係研究所教授
吉井 毅   新日本製鉄株代表取締役副社長
吉川 洋   東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授
鷲尾 悦也  日本労働組合総連合会会長

〔 部会長 〕 おはようございます。ただいまから、第5回の企画部会を開催させていただきます。

本日は、委員の皆様にはご多忙のところをお集まりいただきましてありがとうございます。

今月の18日に経済審議会総会が開催されまして、そこで、小渕総理大臣から「新たなる時代の姿と政策方針」の策定につきまして諮問が行われました。

当部会では、去年12月まで将来の経済社会に対する長期ビジョン等を念頭に置きながら、現行経済計画のフォローアップを行ってまいりましたが、今後は、「新たなる時代の姿と政策方針」を策定するにあたり、総論としての大きな方向性を検討すると同時に、ほかの部会での議論を総括をし、全体の取りまとめを行ってまいりたいと思います。

なお、今回から企画部会の委員として新たにお2人の方に加わっていただきましたので、ご紹介いたします。まず、財団法人建設経済研究所理事長の高橋進委員でございます。それから、もうひとかたは、今日は欠席でございますけれども、ベンカン株式会社社長の中西真彦委員でございます。

それでは、次に、事務局から、先日の総会で行われました「新たなる時代の姿と政策方針」の策定の諮問の内容、それからそこで了承いただいた経済審議会の今後の運営について紹介いただいて、部会の今後の進め方についても、説明をお願いいたします。

〔 事務局 〕 お手元の資料1が企画部会委員名簿でございます。資料2からご覧いただきたいと思います。

資料2は、先週の月曜日に小渕総理大臣から豊田会長になされました諮問文でございます。諮問文は、そこにございますように、「内外の歴史的な大転換期にあたり、『新たなる時代』の我が国経済社会のあるべき姿と、その実現に向けての経済新生の政策方針いかん。」とございまして、ここで「計画」という言葉が使われておりませんが、現行計画に代わるものとして策定するもので、これまで13本計画がございますが、位置づけとしては同じでございます。

その下に説明がございまして、ざっとご覧いただければと思いますが、「内外情勢の変化が大きくかつ速く、今や、歴史的発展段階の転換をも感じさせるものがある。」というところから始まり、「多様な知恵の時代へと進んでいる。この新しい人類文明において、我が国は積極的かつ創造的な役割を果たすべきである。」とございます。

その下に、「従来の経済計画の発想を超えて、我が国のあるべき姿を探究する必要があると考える。」ということで、ここで斬新なビジョンを提示せいというふうに言っておられるのだろうと思います。

それから、説明が続いておりますが、サブスタンスとしては、その2つ下のパラグラフにございます、「今後、これまで蓄積された労働・資本・土地等の生産要素を最適活用し、情報化を一層推進することにより、市場メカニズムを通じた効率性を最大限に発揮できるよう、構造改革を抜本的に前進させる必要がある。」ということで、構造改革のいわば総仕上げを考えるということであろうかと思います。それから、「これを通じて、新しい経済社会のシステムに対する不透明感を払拭するために、個々人が自らの好みを選択でき、かつ、全体としては調和のとれた安心と安全が確保できるような経済社会の具体像とそれを実現可能とする政策的道筋を明確に示すことが求められている。」ということで、ここでは経済だけではなくて、社会的なシステムについても具体像を求められているのかと思います。

その下のところで、「こうした時代認識を踏まえ」とございますが、「平成11年から21世紀初頭までの10年間程度にとるべき政策の基本方針の策定を求めるものである。」とございまして、最近では5年程度の計画が多いわけですが、ここでは「10年間程度」ということで長い期間が提示されております。

最後に、「策定にあたっては、全国規模で広く国民の生の声を聞くとともに、海外からも意見を求めるなど、内外に開かれた活発な議論が求められる。」ということで、策定手法について問うておられまして、これは本日の議題の3番目でお諮りするテーマでございます。

次に、資料3でございますが、総会で「経済審議会の今後の運営について」ということで提出したものでございます。4枚の紙からなっております。まず、1ページ目では、現在、当部会が置かれておりますが、当部会のほかに、新たに4つの部会を設けるということが書かれております。「『構造改革推進部会』『国民生活文化部会』『グローバリゼーション部会』『地域経済・社会資本部会』の4部会を設ける。また、会長、各部会長等によって構成される『基本理念委員会』を設け、新たなる時代の基本理念に関する考え方のとりまとめを行う。」とございます。これは各部会に共通する考え方のいわばプラットホームを作るような場として、各部会での議論の整合性を保つことを目的としているものでございます。

2で、「各部会の下には、必要に応じて委員会等を置くことができることとする。」とございます。後ほど本日の議題としまして、先ほどの策定手法の多様化と関連し、広報委員会についてお諮りを申し上げたいと考えております。

3で、「各部会の検討内容について」は、後ほど見ていただきます。

4で、従来からございますが、計量委員会、首都機能移転委員会の2つの委員会につきましては、「経済審議会の下に引き続き存置する。」と書かれております。

2ページに、「各部会の検討内容について」とございます。まず、当企画部会では、先ほど、部会長の言葉にもありましたが、総論としての大きな方向性としての議論を行うということで、その3行下に、「各部会の検討事項を整理するとともに、各部会での議論を総括し、全体の取りまとめを行う。」とございます。

恐れ入りますが、4ページに経済審議会の検討体制図を付けております。先ほど申し上げました基本理念委員会がございまして、企画部会、構造改革推進部会、国民生活文化部会、グローバリゼーション部会、地域経済・社会資本部会とありまして、このように一応並列に並んでいますが、当企画部会では、総括的部会として全体の議論を総括していただく役割があるということが、2ページの企画部会のところに書かれております。

構造改革推進部会では、先ほどの諮問文の中にもございました、構造改革の「進捗と必要性を点検し、抜本的な改革を実現するための問題を整理する。」とともに、その「必要な諸課題とその方策を明らかにする。また、構造改革の経済効果について数量的な分析を行う。」とございます。

国民生活文化部会では、「国民の生活と文化を規定する人口、教育、環境、資源、社会保障等が経済に与える影響及びその対応策について検討する。」とございまして、その下に括弧で4つ具体的に書かれてございます。

グローバリゼーション部会では、「世界の動きを踏まえて、我が国の世界における位置づけ」ということで、「金融、情報、資源、商品、労働等世界的な課題への対応を検討する。特に、円の国際化や経済協力のあり方」など、それから「我が国の経済、経営の構造改革(制度調和)の必要性」というものが特記されております。

1ページめくっていただきまして、地域経済・社会資本部会では、「国際競争力のある都市、独自の産業や文化を持つ地域造りとともに、良質な生活空間の拡大、ゆとりのある生活時間の創出、高齢社会にふさわしい社会」というのが列記されていますとともに、「

それぞれの地域の多様なニーズに対応した21世紀型社会資本の戦略的・効率的・効果的整備のあり方」といった項目出しになっております。

今ご覧いただきましたように、各部会の検討課題の中で多少重複しているところもあり、そのあたりも整理する必要があると思いますが、今の予定では、2月の前半ぐらいまでには何とか4つの部会を立ち上げていただいて、検討項目なども整理をしていただき、審議を始めていただきたいと考えております。

さて、次に資料4、「企画部会の今後の進め方について(案)」でございます。まず、「趣旨」としまして、先ほどご覧いただいたことが繰り返されていますが、読みますと、

「新たなる時代の姿と政策方針」を策定するあたり、総論としての大きな方向性
として、規格大量生産社会から知価社会へ、少子高齢化、環境制約の高まり等と
いった経済社会の歴史的展開、マクロ経済の展望について検討する。また、経済
社会のあるべき姿を描くとともに、その実現のための政策方針について検討する。
各部会の検討事項を整理するとともに、各部会での議論を総括し、全体のとりま
とめを行う。」

とございます。

「検討テーマ」として、4つ柱を立てております。まず1つ目の柱は、「経済社会の歴史的転換の本質は何か、またそれにより何が変わるか、具体的にイメージできるよう明確化する」ということで、その下に「まる」が4つございますが、1つは、少子高齢社会において、「日本経済が目指すべき方向と日本人の幸せ感の尺度(価値観)はどのように変わるか。」

2つは、「知価社会」と言ったり、「多様な知恵の社会」と言ったりしますが、そういったものの特徴は何か、あるいは情報化とソフト化は経済社会にどのような影響を及ぼすのか。

3つは、「グローバル化の進展と日本文化」ということで、グローバルスタンダードが今、毎日のように言われていますが、全面的に入り込む分野は何か。その際、日本的スタンダードというもの、日本的スタンダードとして守られるべきものと利権保護はどのように考えるか。グローバルスタンダードと日本のシステム・制度が融合した新しい姿はどういうものか。このあたりは昨年の展望部会・役割部会でも多少議論はしていただいたところですが、こういう問題があろうということで出しております。

4つは、大きな問題として上の方で「少子高齢化」「知恵の社会」「グローバル化」と並べていますが、もう一つ、「環境制約」というものがあろうと思います。これが商品とか、産業とか、生活といった面にどのような影響を及ぼすのかということでございます。

2つ目の柱は、「マクロ経済の展望」でございます。1つは、a)として「マクロ的変化のトレンドとそのリスクをどうみるか」ということでございますが、この中では、人口動態、少子高齢化の展望、特に労働力人口の減少による成長率の低下が全体として経済の縮小をもたらさないか。2ページにまいりまして、現在、一般に人口問題研究所の中位推計を使っていますが、それをさらに下回るのではないか、さらに少子化が進むのではないかという恐れも指摘をされております。そういった問題をどのくらいまで視野に入れるのか。それから、これは大変難しい問題ですが、移住労働者についてどう考えるか。それから、年齢別就労構造がかなり変わってくるであろうということで、これをどう考えるかということを書いております。人口がらみの話でございます。

それから、技術進歩がらみの話として、何が技術進歩を引っ張っていくか。ここでは、社会システム・制度のあり方が変わっていくことによって引っ張る、情報化・ソフト化が進むことによって引っ張ると考えてよいか、と括弧書きで書いてみました。

それから、リスクという意味では、ストック化社会ということでしょうが、ストック価格の変動が大変大きな問題をもたらす恐れがありますが、こういった問題も少し視野に入れなければいけないのではないか。

ここでは、変化のトレンドとリスクということで、人口・少子高齢化、技術進歩、ストック価格の変動の3つの点を挙げております。

b)として「新たなる時代の姿」を描くわけですが、どのような指標が有効であろうかということで、例としていくつか書いております。

c)として、そういった指標をどのようにプレゼンテーションすべきかということで、従来からの指標、新しい指標それぞれについて検討しなければならないのではないかと考えております。

どのような指標かというのは、書いてみましたが、なかなかそれぞれ難しい問題で、新しい指標を考えるということと、そのプレゼンテーションを考えるということ、私どもとしてはタスクフォース的なものを設けて作業を鋭意進めなければならないと考えているところでございます。

3つ目の柱として、「経済社会の『あるべき姿』」でございます。こちらは3つに分けております。まず、a)「国家としてのあるべき姿」というところから始めてみました。やや散文的になっておりまして恐縮ですが、まず「住みたい国の条件とは何か」ということで、国なり、国民なり、企業からみて「住みたい国」ということですが、柔軟なシステム・制度、起業、新技術等の活力ある創出、応報(努力が報われるという意味)と安全ネットがきちんとしていることかと思いまして括弧に書いております。その2つ下に書いてあります「国内的にどのような国を目指すか」というのは、ややこちらと似たようなことを言っている感じもしておりますが、まず、住みたい国の条件とは何かということが1つございます。

それから、「世界の中での日本の位置づけ」というのが常に問われますが、「尊敬される国」の条件、あるいは世界経済秩序に貢献するためのコストをどう考えるかというような問題があるのではないかと思います。

それから、「国内的にどのような国を目指すのか」ということで、ここで3つ書いていますが、1つは、「住みたい国」とかなり重複しますけれども、競争原理の徹底と平等主義の相克により起こる社会秩序のアンバランスあるいはバランスをどう維持するか。2つは、環境整備に重点を置いているのですが、「夢」や「自己実現をしやすい社会」を実現するための環境整備をどう考えるか。3つは、都市や中山間地域のあり方。括弧で(安心・ゆとり・楽しさと国際競争力のあるまちづくり、地域から独自の産業や文化が生まれる環境)と書いていますが、生活空間の拡大の絡みも出てきますが、こういったあり方という問題があろうかと思います。

それから、「新たな秩序をどう形成するか」を4つ目の「まる」に書いていますが、世界的な課題、先ほどのそれぞれの部会の検討事項の中で「金融、情報、資源、商品、労働等世界的な課題」と書いてございましたが、そういった課題を乗り越え、どう貢献するか

という話や、国内的には価値観が多様化していますが、その中で、いかに社会的秩序ある

いは規律を維持していくのかというような問題もあろうかと思います。

今、説明をお聞きになりながら感じておられると思いますが、先ほどのグローバリゼーションの問題とか、世界の中での位置づけという問題は、グローバリゼーション部会に強く関わっていますし、競争原理の徹底などについては構造改革部会に強く関わっていますし、「夢」や「自己実現しやすい社会」とか価値観の多様化という話については国民生活文化部会に強く関わっていますし、都市、中山間地域のあり方は地域経済・社会資本部会に強く関わっていますし、それぞれの関わりがあるということでございまして、全体としてここで一応概括的に項目立てをしてございます。

b)「経済主体のあるべき姿」、2ページ~3ページにかけてですが、3つ「まる」を書いております。まず、「経済主体の主役の交代」というのを総論的に置いてみました。官から民へ、国から地方へとよく言われますが、もう一つ、組織から個人へというのを付けております。

それから、「企業のあるべき姿」、操業・起業の促進、新技術・新業態の発生・普及等によるダイナミズムの追求というのは、総会でのペーパーにも書かれておりました。資本効率本位といいますか、ROEの重視とか、あるいはコーポレートガバナンスというものもあるのではないかと考えて書いております。

それから、「個人、NPOのあるべき姿」というところは、会社人間に代わる人間像、家庭のあり方、生涯設計、人と人とのつながりということでのコミュニティネットワーク、あるいは、これはある意味で一番重要なことだと思いますが、個人の意識変革という問題があるのではないかと思います。このあたりにつきましては、先般の経済主体役割部会でもずいぶんご議論いただいたので、蓄積があると思っております。

c)「システム・制度等の具体的なあるべき姿」は、いわばこのセクションのまとめとして書いていまして、「新しい日本型システムはいかなるものか」ということについて、ある意味で各部会でのご検討と極めて密接に関わるものであろうと思います。「まる」が6つございまして、1つが、「労働・資本・土地等の生産要素の最適活用」。効率性ということでございます。2つが、「安心できる社会保障」。3つが、「人的資源大国」と付けてみましたが、新たな社会を支える人材育成、教育、高齢者(ここに「及び女性」というのを本来入れるべきですが)の雇用・社会参加といった人的資源大国というのがあろうかと思います。4つが「環境と調和した社会(リサイクル社会の具体像)」という問題、5つが「社会資本整備、情報との融合、PFIなどの新しい手法)」の問題、6つが「官の役割」の問題。官の役割のところはいろいろあると思いますが、官民協調の廃止というのをとりあげてみました。こういったところが新しい日本型システムとしてあるべき姿としてまとめる1つの参考として項目を立ててみたものでございます。

最後に、4)「『あるべき姿』実現のための政策方針」でございます。これはあるべき姿をa)b)c)と書いてまいりまして、それを実現するための政策方針全体の設計なりをどう考えるかということでございます。a)、b)は時間軸が逆になっています。b)の「経済再生のための優先政策」があって、その向こうに「あるべき姿」の政策方針ということですけれども、「『あるべき姿』実現のための」というので、時間を逆にして政策方針の全体設計の方から書いております。ここは、3)ができて、c)を受けて、それを実現するためにということですので、考え方的なものをちょっと書いているだけで、まだあまりよく考えていないところでございます。

重要なこととしては、政策の整合性とプライオリティーをきちんと取りまとめることだろうし、ここに「例えば」として書いているのがいい例かどうかはわかりませんが、「例えば、構造改革の過程で失業を深刻にしないための労働市場改革を先行的に推進」しなければいけないとか、そういうことがあるのだろうということで書いております。それから、「財政のサステイナビリティ-」という問題も重要であろうと思います。

それから、b)「経済再生のための優先政策」として2つ書いておりますが、「金融システム安定化」は極めて重要であるし、「民需主導への確実なバトンタッチ」ということも極めて重要であるという意味で、例として書いております。

以上が、これから検討していただくにあたり、検討テーマを4本柱に立てて全体のイメージをつくったもので、何回か申し上げましたように、それぞれの部会でご検討いただくことを踏まえながら、全体としての議論を進めていっていただければと考えております。

4ページにスケジュールがございますので、ご覧いただきたいと思います。本日第5回から第13回まで、9回日程を置いてみたものでございます。考え方としましては、今ご覧いただいたテーマを柱立てに分けてそれぞれ打順を決めているものですが、それぞれの検討項目の連関性が高いものですので、一応このように入れておりますけれども、より柔軟に考えなければいけないかと考えております。ご覧いただきますと、「主要テーマの検討1)」とありますが、これは先ほどの1)をここでやるという意味ではなく、1回目という意味でございます。第6回、第7回は、「歴史的転換」とか、「あるべき姿」ということで、先ほどの番号で言いますと1)とか、3)のa)、b)というところを中心に少しご議論いただいて、先ほどの立て方で言いますと、3ページのc)新しい日本型システム・制度の議論を3月ぐらいにしていただいて、それから、マクロ的な話もその前後にしていただき、4月の上旬には、「描く際に示すべき指標を中心に」となっております。1つの目安ですが、そういった流れで、かなり濃密なのですが、進めてまいりたいということでございます。

2点目は、「6月中旬 「新たなる時代の姿と政策方針」(案)とりまとめ」とございまして、6月を一応のメドと考えたいということでございます。

3点目に、このスケジュールでは、「5月上旬 総論・概案取りまとめ」とございまして、このあたりで概案を取りまとめて公表して、内外の意見を聞いてみたいという気持ちをもっているということでございます。総論・概案を取りまとめるには、各部会でも概括的な取りまとめをお願いしなければなりません。そういったかなりタフなスケジュールになるのでございますが、月2回ぐらいお願いをして、ハイペースでご面倒をおかけしますが、お願いしたいと考えております。

なお、今、「検討項目」でご覧いただいた中に、例えば、移住労働者問題とか、組織から個人へとか、会社人間に代わる人間像とか、ある意味で大変な難問が入っております。後でご説明しますが、シンクタンクなどとも共同作業をやってみまして、そういった面での作業の効率化を図っていってはどうかと考えております。

以上、資料2~資料4までをご説明させていただきました。

〔 部会長 〕 ありがとうございました。

それでは、今の資料2、3、4に絡んで、企画部会の今後の進め方についてご意見をいただきたいと思います。ご自由にどうぞ。

〔 A委員 〕 途中で退席させていただきますので、僣越ですけれども、先に発言させていただきます。

今回の作業は、恐らく2010年ぐらいを念頭に置きながら、10年ぐらいの長いことを展望しようということになると思いますが、そのときに一番大事なのは、10年もたつとイシューが変わってくるのではないか。つまり、現在我々が非常に苦労している問題というものは、3年ぐらいの創造力の世界だと思うのです。それが10年先になるとどうなるのか。ちょうど我々が1990年に何を考えていたかというのと同じでありまして、かなりイシューが違ってしまうだろう。

そのときに、作業される方々はもう十分ご存じのことを言うだけなのですけれども、10年先ぐらい、わりと定量的にいろいろ検討されることが重要ではないかという気がするのです。

定量的というのは決定論ではなくて、いろいろなセンシティビティ、条件が変わったときにどのくらい動くのだろうか、そういうことをテストしながら、要するにイシューを発見するということだと思うのです。

かたや、2010年までに、今のところ国際的な約束になっていることというのは結構あるわけです。例えば、COP3で決めた京都会議でのCO2 の問題とかいろいろありますから、そういうのを含める。それから、わりあい信用できるのはデモグラフィックデータで、人口についてはまあまあ信用できるだろう。そうすると、そのときに、この中にも出ていましたが、中位推計と低位推計とどうかという場合に、どっちを使いますかという話ではなくて、中位推計のように動いたらどういう状況、低位推計のように動いたらどういう状況になるだろう、何に影響するだろうか、例えば、住宅問題1つとってもどうなるか、こういう話になるだろうと思うのです。

少し定量的に、むしろ、長いからこそ定量的にいろいろと検討されることによって、そのことが結論を導くというよりは、恐らく10年後における課題がどうなるか。

言いだしたらキリがないと思うのです。例えば、アジア諸国の我々の近隣諸国の所得水準はどのくらいになるだろうか、そうすると、日本列島へ来る人はどのくらいいるだろうか。それから、労働力の問題も出ていましたが、どういう状況になっていれば、どういう労働力の交流関係になるか、そういうのを全部一応シナリオでいいから定量的にいろいろやってみることが重要で、そうすると、総合的に新しいイシューが出てくる。今のイシューにあまりとらわれない方がいいのではないか。

恐らく、いろいろな問題があると思いますが、1つそういう観点で、10年後に起こるイシューというのを極力捜し出していただきたいということが、1点目のお願いです。

第2点は、これはちょっと乱暴な議論かもしれないのですけれども、例えば世界の中での日本の位置づけで、尊敬される国だとかいろいろなことが書いてありますけれども、どのくらいの深さでやるのかということだと思うのです。例えば、例がよくないかもしれませんけれども、本当に日本は核の傘を取ってしまうのかどうか。つまり、平和を言う以上、核の傘の下から、インドの核実験に対して文句を言っていることが本当にいいのかどうか。それは日本人の覚悟の問題であります。恐らく、日本人がそういう覚悟をすれば、もっと自立精神が発達するとかいうことになるかもしれないとか、そういう問題です。

それから、円の話が出ていました。今、円が3極通貨の中で重要だと思いますが、我々の10年後以降を考えてみますと、円は1つでありまして、むしろ、私はイエーシアと言っているのですけれども、アジアの共通通貨問題をどのように考えるか。そのときに、アジアというのはどちらかというと、これから主権国家をつくろうという非常に強い状況にいるわけです。そういう中で、EUのような形でうまくスムースに行くかどうかという大問題があるわけです。しかしながら、そういう中で、円ということを言うのが2000年の段階でいいのか、それとも、我々はイエーシアの中の円だということを言うのがいいのか、これは日本の国策として非常に重要な問題だと私は思っているのです。つまり、円だけがよければいいとかいう話ではない。ヨーロッパでマルクが、ユーロの中のマルクだいうのと同じように、日本人がアジア人になるのか、日本人のままでいるのか、こういう問題だと思うのです。

したがって、そういうことまで議論するのか、それとも、ここに書いてあるように、この程度のことで一応やればいいかということ、これはある意味では我々の覚悟の問題を要求されているのだなという印象を非常に受けました。

以上2点、ご無礼でございました。

〔 B委員 〕 この前の部会でも、計量分析の重要性と、そうではなく今度はむしろ多様な方法でアプローチするのか、というのが論点になっていたかと思います。

今のご発言は、ベーシックなものだけはきちっと押さえてほしい、というようなご発言だったと思うのですけれども、私自身も、10年後にはかなり確定的でわかるようなことは、なるべくベースポイントとして押さえた上で、その中でこの10年というものを考えてみたいと思うのです。

今、10年前の1990年とおっしゃいましたが、1990年と申しますと、ちょうどバブルが崩壊し始めた時点です。その後を考えてみますと、99年の今日まで、これだけキャリーオーバーがあるということを予測した人はなかなかいなかったのではないか。

10年というのは、考えてみますと長いようだけれども、非常に難しいかなという気がいたします。と申しますのは、今の円の国際化の議論にしても、86、87年のときには、かなり議論された記憶がございまし、それから、「豊かな社会」というような標語が一時期非常にはやったように思います。ですから、長期というよりも、中期で一番難しいところかと思っております。

ですから、今抱えている問題というのを、せめて5年で、5年ぐらいは今のモデルでいって。折衷的な案で申しわけないですけれども、最初の5年は今の処理の話、その上で、中長期でどういうようなことが言えるかというのを指摘していただいたらよろしいのではないか。

もう一つ、この表を拝見しますと、最後のところの6月上旬、6月中旬は「政策指針」ですから、そういった側面、望ましいのが個の確立であり、規制緩和であり……云々なのだけれども、その中で、政策の役割というものをどのように考えていくのか。例えば、それが非常に二律背反的なものも含むかと思うのですけれども、なおかつ少し遠いような政策というものが最も望ましいのか。

私自身が考えておりますのは、この10年なり、長期成長の過程で足りなかったのは、先ほど、非常に難しい問題として移住労働者の問題を挙げていただいたわけですけれども、アジアにしても、非常に多様なものの許容性というのが足りなかったのではないかと思っています。と申しますのは、バブル期にしても、今回にしても、一方の方向に多様なものを許容していたのだったら、カウンターバランシングパワーが働き得たのではないかと思っております。その多様なものへの許容性というので、「多様な知恵……」というのですけれども、多様な参加者がある、多様な発言があるということをどうやって官の方でお進めいただけるのか、これは非常に二律背反的なものを含むのですけれども。それが1点です。

それから、それをするには政府の規模の話、どこまで介入するのが最も望ましいか。

それから、「豊かさ」といった場合に、フローでの豊かさではなくて、ストックとしての豊かさをもうちょっと求めたらどんなものか。それは80年代の後半に出ていた議論だと思うのです。「豊かな社会」というのが一時はやりました。それは非常に雑駁な感想でございますけれども、希望でございます。

以上でございます。

〔 C委員 〕 初めて参加させていただきますので、まだ様子がわかりませんけれども、感想的なことといいますか、ある意味では、当然にお考えになっていたことばかりかもしれません。

1つは、この政策方針を定めるにあたって、総合的な観点からの判断が必要だろう。当たり前の事なんですけれども。もちろんここにもありますように、従来にない考え方なり、10年先を見越しての思い切った提言なり、それは非常に重要なことで、メリハリのついたものにすべきだと思います。ただ、最近の論調として、一部の識者の方の発言等でも、ある一面からみただけのことでもって全体を律するといいますか、そういうきらいがなきにしもあらず。政府に係わる政策の方針ということについては、総合的な価値判断。その「総合的」というのは、利害集団の単なる妥協調整とかいう意味ではなくて、10年先の国民にとって本当に幸せは何だというところの総合的な判断ということをぜひお願いしたい。これは当たり前のことと言えば、当たり前のことかと思います。

2番目は、若干各論的であるし、企画部会でやるメインのテーマかどうかは知りませんが、私の今まで関わってきたこととの関係でのことでございますけれども、社会資本整備についていろいろな議論が現在なされていますが、私は、経済基盤の面でも、また生活基盤の面でも、まだ非常に必要な分野が多いと思います。その場合に、政策課題というものを明確にする必要があるだろう。この部会なのか、地域経済・社会資本部会の問題かもしれませんが、そこら辺は明確に位置づけて出していくべきだろう。その場合に非常に求められているのは、いろいろな意味での透明性ということかと思いますけれども、そういったことに関連する整備手法なども必要かと思います。

3番目は、これもマイナーと言えばマイナーな話かもしれませんが、国・官と民との役割と言った場合、地方公共団体のあり方に対する基本的な考え方という視点も、特に同列に設けるかどうかは別として、必要ではないか。国と別の意味での公的な立場として地方公共団体があって、それが、ここにも一部ありますが、まさに官と民との役割分担という意味では非常に大きく関わっている面がありますし、また国際的な面でもある。それから、地域住民、まちづくりとの関係でも、基本的な公共団体のスタンスなり考え方なりというものが、これからの日本の経済社会の枠組みにも相当影響するところがあるので、その視点というものもいろいろな面でお考えいただく必要があるのではないか。

以上、思いつくままに3点申し上げました。

〔 部会長 〕 例えば、資料4で事務局が整理をしたいくつかのことについて、例えば、これはおかしいのではないかというのではなくて、検討テーマとか基本的な認識のついて発言したいことがございます。1つは、もともと計画ということから、方向とか指針というのは、従来のやり方とか考え方を、とにかく思い切って変えようではないかということです。なぜ変えようかということは、この前も何回かご検討いただいたように、ずっと一生懸命やってきたけれども、計画と実際の齟齬があまりにも大きいということが1つあります。もう一つは、日本の経済をマクロで見ると、明らかに日本自身としても問題だと思っているし、アメリカあたりにしてみれば、自分のところもいつまで続くかというのが心配なのに、これで日本が全然立ち上がらないと大変なことになる、何とかしてくれというプレッシャーがある。ミクロで見ると、実際にいろいろなアンケートなどを見ていても、本当に大変だと思っている人の比率というのは案外少ない。企業でも、いいところもあるし、悪いところもある。いずれにしろ、そうは言いながら、トータルとしてはこれは何とかしなければ、財政問題もこのままではパンクすることは目に見えているし、金融を含めてシステムが変わることは、これはもうしょうがないし、むしろ大いに歓迎すべきことだけれども、その変わるプロセスの中で不必要な社会不安などが起きないようにしていくためにはどうしたらいいか。そういうところについても、どうも必ずしも、今までいろいろ書いてきたシナリオはうまくいっていない。いずれにしろ、思い切って方法を変えようと言っているわけですが、そういうことに関して、僕自身は、個人としてはちょっと違和感を感じるのですが、これは大臣はいらっしゃらないですけれども、例えば、規格大量生産から「多様な知恵の社会(知価社会)へ。「知価社会」は賛成ですけれども、「規格大量生産社会」というのは、僕のイメージからいうと、70年代ぐらいで終わっているのではないかという感じがしているのですけれども、依然として現在は「規格大量生産社会」という言葉であらわせるような社会なのかどうか。もう既に「知価社会」に入っていたのではないか、程度の問題だと思うのですが。

もう一つ、一方で、今までに何度かアメリカだって大変な時代があったではないか、それがここまで大変革した。それはレーガノミックスに学べとか、その前のカーターさんのときの規制撤廃にあるのだとかいろいろ言われているわけですけれども、僕の知っている限りは、アメリカがやった基本的なアプローチというのは、先に絵を書いて云々ということよりは、当面の問題に対して、1つは、自分たちは力があるぞということ。極端なことを言うと、ある意味で対日・反日みたいなものをバネに使って、やる気を起こして、「日本の企業でできるのに、何で俺たちができないのか」というようなところで、当面の問題から解決していっている。

今度は、当面の問題からスタートするか、あるいは先にビジョンを書いて、ビジョンから引っ張るか。この辺も、企画部会でいろいろ考えなければいけないところだと思います。実際には、個々の問題が、さっきの説明でわかりますように、部会で大体カバーできるようになっていまして、それぞれの総合も含めてですが、企画部会ユニークとしてのミッションというのはどういうものがあるのかというあたりも、少し皆さんからご意見をいただきたいと思っています。

それから、これは言葉尻で、そんなつもりで事務局は書いているわけではありませんが、これを読んだときに、3ページの一番上、「経済主体の主役の交代」というときに「官から民へ」と書いてあるのは、何か今官が主役みたいに聞こえます。もちろん、そういうことで書いているわけでないけれども、この辺は注意して書かないと。あくまでも主役はずっと民であったし、ずっと個人であったわけだけれども、それがフルに生かせないような形の官のあり方とか、あるいは組織のあり方について、もうちょっと工夫をしようとかですね。これは非常に単純明快に書いてあるので、下手すると誤解されるようなこともありますから、「本音が出たのじゃないか」と言われないようにしておかないといけない。

そんなことを含めて、企画部会ユニークというか、ほかの部会もああいうテーマをやる以上はちょっと総論的なところも検討されるのだと思いますし、今度のやり方の中では、総論のところを企画部会が出して、これを前提にしてやってくださいというアプローチをやるようにはなっておりませんので、基本理念委員会というところですり合わせをしながらやっていきます。余計なことを申し上げましたが、一般的なご感想も含めて、その辺、現状をどう認識をしているのか、企画部会そのものとして、冒頭のところでどんなことを議論しておいたらいいのかというところなども含めて、ご意見をいただければありがたいと思います。

〔 D委員 〕 今の部会長の問題提起の「規格大量生産社会から『多様な知恵の社会(知価社会)』へ」というところから申しますと、今、規格大量生産社会の時代ではないのではないかというのは、まさにそのとおりで、そうでなくなったから日本経済が停滞しているのだろうと思うのです。しかし、頭の中にはそういうものが残っていやしませんかと。それは企業側にも、消費者側にも残っていやしませんか、という問い掛けだと思うのです。だから、ここで思い切って議論して、本当に規格大量生産社会ではもう日本経済も国民生活も成り立っていかないのですよということを徹底的に議論して、将来方向を求めることは、出発点の1つだと思います。

それから、私は、大臣のお気持ちはわかるのですけれども、「知価社会」という言葉がまだ少し消化不良みたいな感じがします。皆さんの総意が得られれば、こういう表現でもいいけれども、一度大臣に、こう考えてこういうふうに付けたのだというご意見が伺えればいいと思うのですが。例えば、知的選択の社会だとか、価値観多様化の社会だとか。わからないわけではないけれども、「知価社会」という言葉が何となくまだこなれてないなという感じがしております。

それから、今の「大量生産社会」から移行していくこととも関係しますけれども、全体として、「検討テーマ」の中の、2ページの3)の最初にある「『住みたい国』(国民、企業から見て)の条件とは何か」というところが、出発点ではないか。私、総会のときにもちょっと申し上げたように、これがきっちりとして初めて、将来の方向づけなり肉付けなり、それに対する方策なりが決まってくるのではないかという感じがします。

要するに、どういう人を対象にしてどの程度の範囲でというのはなかなか難しいですけれども、相当程度の人たちが、こういう方向に行くのならみんなで一生懸命に汗を流してでも、苦労してでもやろうという方向でない方向にもし向かって行ったとすれば、非常に無駄な時間を費やすことになるので、そこがまず出発点ではないか。

そうなりますと、最後のスケジュールでおっしゃった、5月上旬に総論・概案の取りまとめという前に、3月の3回までを入れるか入れないかぐらいのところで、企画部会としてか、それとも基本理念委員会の、そのどちらかで、そう大がかりでなくてもいいけれども、国民の各界各層の中から何とか意見を掴むという段階があってもいいのではないかという感じがしております。

〔 E委員 〕 D委員の意見と非常に似ているのですけれども、僕は、20年間新聞社にいて、あと10年間フリーをやっていて、こういう白書とか計画書をしょっちゅう読んでいるわけです。はっきり言って、いつも心は踊らないし、エキサイティングにならないわけです。恐らく、国民もそうだと思うのです。

なぜエキサイティングにならないのか、心が踊らないのかというと、既存の計画を5年延ばしたり、10年延ばしたりして、道路がこれで何千キロになりますとか、下水道が60%になりますとか、そういう数字を出されたって、だれもエキサイティングにならないわけです。

今、非常に不安定で先行きが見えないときに、しかも、団塊の世代が10年か15年後というと、64、65歳ぐらいになるわけです。そういった社会に、自分たちが10年か15年後に、どういう社会が居心地のいい社会なのか、そういう具体的なイメージを出すことがすごく重要ではないか。

その具体的なイメージを出して、それを阻害している規制は何なのか、それを阻害している予算のあり方は何なのか、そこを直していけばこういう社会ができます、というふうになると僕は国民というのはエキサイティングになってくるのではないか、あるいは政治改革なども進んでいくのではないか、あるいは阻害している団体に対して風穴をあけていくこともできるのではないかという感じがするわけです。

3ページの4)のところでは、どちらかというと、何となく書いているのか、その気になって書いているのかよくわかりませんけれども、上記3)のc)を実現するための必要な施策についてまず取りまとめるということは、そういうあるべき姿をまず考えて、そこから、その後の政策の整合性を書けという論理展開になっているとすれば、まさにそういうことを僕はやったらどうかという感じがするわけです。

去年の国民生活白書などで団塊の世代の不安の話を出していましたけれども、10年後、15年後、年金が20万円ぐらいしかもらえないとか、介護の問題がどうなるか、そういうのがわからないときに、一体どういう生活になるのかと思ったら、やはり貯金して守るしかないか、というふうになるのは当たり前なわけです。そうではなくても、今から新しく消費したって10年後は安心できますよ、そういうシステムはこういうシステムですよ、ということを見せてあげるのが非常に大事だし、それでエキサイティングになるのではないか。

そういうものを考える上で、僕などは4年ほどアメリカに住んでいましたけれども、例えばアメリカにいると、ちょっと走らせれば、アウトドアのスポーツ施設だとか、キャンプの施設だとかがいろいろあって、それはみんなただで使えるわけです。100マイルといえば、大体1時間とか1時間10分ぐらいで間違いなく行けると全部計算ができる。北海道では、大体そういう計算ができますけれども。そういう道路事情がある。あるいは、イギリスなどへ行くと、ものすごくデカイ公園があって、土曜日・日曜日になれば家族中で来て、場所取りもしないで、悠々自適で遊んでいるわけです。ああいうのを見るから、我々は、豊かだなと感ずるのだろうと思う。あるいは、北欧とかに行けば、バリアフリーみたいのがある程度きちっとしているから、ああいうのを見ていると、安全だなと思う。あるいは、イタリアあたりに行けば、いろいろな施設があって、安い値段でオペラが聴けたり、音楽会が聴けたりとか、みんながしゃべったりとか、何か楽しそうな生活をしている。そういうものを何か総合したようなイメージが出てくると、例えば、年金20万円でもかなり豊かな生活ができるなと。あるいは、もうちょっと言えば、僕などはいつも言っているのだけれども、高速料金などはほとんど全部ただにしてしまう。アメリカやヨーロッパはほとんどただです。日本では、交通コストが高いということが、地方との往復もできにくいし、色々な年代で生活を惨めにさせていると思うのわけです。

そういうことをすべて解決したような社会というのは、どういうふうに居心地のいい社会なのか。では、そのためにはどこの規制、どこの予算の配分の仕方、どういう構造改革をしたらいいのかという議論をしていくというのが、僕は、一番わかりやすいかなと思う。

その過程の中で、NPOとかNGOと結び合った何かの連携をすれば、もっと安くできますとか、あるいは学校教育の中に介護のカリキュラムなどを取り入れれば、お金なんかなくたって、老人と学生とが交流できるようになりますとか、そういうところからシステムを考えていく。PFIの考え方だって、僕はそうだと思うのです。

そういう議論をしていくと、目標と、それに向かう施策、それから構造改革すべき目標もちゃんと焦点が定まってくるし、国民もはっきりエネルギーを向ける場所が見えてくるのではないかという感じがします。

もう一点だけ、さっき円の国際化の話が出ましたけれども、僕は、去年の暮れから今年の正月にかけて、ユーロの取材でヨーロッパへ行ってきましたけれども、やはりユーロをつくり上げるまでには、20年、30年のすごい歴史があるわけです。最近の円の国際化の話を聞いていると、どうも技術論を出しているのではないのか。規制を緩和したり、市場整備したりすれば円の国際化があるというような議論が何となく横行しているのだけれども、あそこの過程には、例えば、ヒトの移動の自由だとか、モノの移動の自由だとか、共通金利政策だとか、あるいはフランが危機に陥ったときにはマルクが一生懸命助けるとか、そういう非常に大きな国家的な意思だとか、あるいは程度社会が混乱するかもしれないけれども、そこはある程度犠牲をしのぎながら乗り越えていこう。そして最後、国民投票するときに、それの方が全体として豊かな社会になるのですよ、という国家の意思を示すことによってああいうユーロの社会はできてきていると思うのです、ユーロがいいかどうかは別として。そういう意味で言うと、円の国際化とか、アジア通貨というときに、アジアのヒトとかモノの移動の自由を今の日本の社会で認めるだけの度量が日本にあるのか。あるいは、福沢諭吉を付けてアジア通貨にするなどという度量があるのかというと、僕は、とてもないのではないかと思う。

だから、もし本気でそういう議論をするのだったら、そういう社会のあり方とか、アジア人との付き合い方とか、そういったところまで含めて議論しないと、単なる技術論だけでは、僕は、円の国際化とか、アジア通貨などという話にはとてもならないという感じがするのです。

〔 F委員 〕 前回からの議論で、ぜひ計量的な分析をしていただきたいというお願いをしてまいりました。先ほど、A委員から出ましたように、いくつかの外生変数セットを与えて、それによって長期的にどのように変わってくるのかということを知らせる必要があるのではないだろうかと思っています。

そのときに見通すのは10年後でいいかという点ですが、私は、そうではないのではないかと。この10年間の対応が、その後に大きな影響を与えてくるのではないかと思うわけです。特に少子高齢化の問題ですとか、あるいは移住労働者という話が出てきていますので、今の10年後というと、生まれている子は10歳にしかならないわけです。突然、少子化がストップして、たくさんの子供が生まれてきたとしても、経済的な影響というのは10年後ではないだろうと思うのです。この10年間の対応、そこで先送りすることが20年後、30年後の日本社会にどういう影響を与えてくるのかということが議論になるわけですから、計量的なところについてもぜひ、10年でストップということではなくて、その後のところまで含めて数字は出してほしい。それによって、10年間の対応がどのような影響を及ぼすのかというようなことについて議論していただけたらと思います。

2点目は、ビジョンという話が先ほどから出ているのですが、こういう長期的な議論、10年計画の議論をするときによく、景気の変動というのはないのではないか、スムースにそこに至るのではないだろうかという議論になってしまう場合がときどきあるわけです。10年後のあるべき姿、20年後のあるべき姿ということがあるときには、スタティックな分析になってしまって、その間、景気はやはり大きく変動するわけですから、いつ景気がよくなるか悪くなるのか、これはとても見通すことはできないわけですが、そういう景気の変動に対して、政府と民間の役割は今後どうあるべきなのか、あるいは、その効果はどうなのかということも含めて議論していった方が、現実に即した議論ができるのではないかと思います。今出ています「検討テーマ」を見せていただいても、景気に対する対応とか、足元の議論ではあるわけですが、長期的にどういうふうに考えていくのか。公共施策はもうやらない、「小さな政府」ということでずっと行った場合にも、景気に対する政府の役割というのも変わってくるだろうと思うわけですが、そこら辺をぜひ議論していただきたいと思います。

〔 G委員 〕 この部会とほかの部会との関係が、私はまだよくわからないところがございますが、そういう前提で、経済主体のあるべき姿のところで意見を申し上げたいと思うのです。

移民労働力の問題は出ているのですが、経済主体のところの、いわば多国籍化といいますか、経済主体の国籍の問題というと何か変な言い方ですけれども、考えていく必要があるという気がいたします。既に、金融の分野とか、あるいは大型の小売店とか、そういうところには外国資本がかなり出てきているということですけれども、全体として、これまでの我々のものの考え方、あるいは経済政策ということから考えますと、経済主体が多国籍化するということは、前提条件といいますか、環境変化という意味ではあまり考えてこなかったのではないか。これは税制の問題などに非常に影響するのではないかと思いますけれども、しかし、この10年間というレンジをとれば、経営の多国籍化というのは避けられない問題だし、もっと別な考え方をすれば、1つの割り切りではありますけれども、むしろそれを促進するような考え方もあり得るのではないか。グローバリゼーション部会の方で、その種の議論が行われるであろうということもあるのですが、企画部会で、そういう問題についてどこまで検討すべきかということも含めて、ちょっと意見を申し上げます。

〔 H委員 〕 先般来の議論の経過を辿ってみますと、今までの経済計画の見直しということで、ビジョン的なものを非常に強くこれでは出すという話になっているわけです。今までの議論の中に出ましたように、ビジョンという場合に、いろいろな願望なり、理念なり、人によって非常に違うと思うのです。それをまずまとめていくとすれば、一体どこまでの範囲で議論をやるのか。例えばさっき、1つの例として、円の国際化の問題が出ましたけれども、アジアの共通経済圏的なみたいなものをある程度頭に置いていかなければいけない。そういうところまで今回議論を含めていくのか。

さっき、核防衛の話が出ましたけれども、そこまで議論をやるのだとすれば、この5カ月程度の限られた期間では非常に難しいという感じがいたします。議論の範囲・深さ、どこまでやるかということを考慮して議論を絞らなければいけないと思います。

2番目として、「あるべき姿」がいろいろ出てきていますが、これはさっき申し上げましたように、ビジョンなり、理念なり、願望といろいろありますので、これはこれでやり出すとまたいろいろな議論が出ると思いますが、現実に政策としてやっていく場合には、どうしても財政とか、裏づけが出てくるわけです。財政というのは、この間の国会に出ました中期の財政計画でもそうですが、いろいろな理念、願望、あるいは「あるべき姿」をやっていく場合に、制約要因になると思うのです。その制約要因を無視してまでやれないので、その制約要因の中のどの部分を外せばできるかとか、そういうものとの調整が非常にいるのではないかという感じがいたします。

ただ、議論の出発点としては、先ほど来、D委員、E委員がおっしゃるように、まず「あるべき姿」、こういうものをやるのは結構でありますけれども、その制約要因としての財政的な問題を並行的に議論していかないとまずいという気がします。

このスケジュールから見ますと、3ページの3)のc)は、今までの財政計画的なものが基礎にあるようなので、これの前提としては、1ページの2の2)「マクロ経済の展望」、これは恐らく今までの経済計画の流れで出ててくるのだろうと思うのです。これと、前の「あるべき姿」の調和はどのようにとるのか、この辺が非常に難しいのではないかという感じがしております。その辺も、議論のスケジュールとの関係では、もう一度お考えいただければと思います。

それから、3ページの4)のb)「経済再生のための優先政策」と書いてありまして、これはむしろ「あるべき姿」を実現するための優先政策ということではないかという感じがします。あるいは、「経済再生」というのは、ここ何年間のうちにやらなければならない話で、あるいは短期的、あるいはそこまでの経路だという感じがいたしますので、そういう意味では、優先順位をとるとすれば、もっと幅広くやるべきではないかという感じがいたします。

〔 部会長 〕 前段のお話については、何人かのかたが言われたように、1つは、2月早々に各部会を発足することになっていますので、それぞれの部会でかなり自由にやっていただいて、なおかつそういうことを踏まえて基本理念委員会で調整をするとかということで、3月の終わりぐらいまでには全体像を目指す。それについては、各部会でも主な政策論というのも議論されるわけでしょうから、そういうことを踏まえて3月の終わりぐらいまでのところで、どの辺を重点にまとめていくかということについては見当を付ける、そういうセッションというか、タイミングが必要ではないかという気もいたします。5月に入ってしまうと、6月の最終のまとめを控えて、結果的に総花的になってパンチが効かないということになってしまいます。

ただ、部会のところは、なるべくフリーにいろいろご議論していただいた方がいいと思いますので、大体の全体像が見えるようなところをどの辺で、どの場所でやるのかということについては、またご相談させていただきますが、今よりはもうちょっと早めにやらないと間に合わないかなと私も思っています。

3ページの「『あるべき姿』実現のための政策方針」のところは、私の理解からすると、1つは、今までも短期に景気回復のためにやることと、例えば、中長期の構造改革のための施策と矛盾するかしないか、そういう問題というのが常にあって、先にあるべき姿を書いてそれで引っ張るか。そんなことを言ったって「夢」だから、まずやるものだけを先にやって、そこから積み上げよう。そういうことの対比で書いてあるのではないかという気もします。

〔 I委員 〕 これは、前からいろいろ議論が出ていたと思うのですが、経済審議会が誰に対して発信するのかということが重要だと思うのです。国民の一般的なレベルに対して発信するとしますと、国民レベルで現状というのはどう認識しているのか。それから、先ほどから出ているように、「あるべき姿」を考えるときに現状をどう認識するかというのは重要なわけですから、国民レベルでどういう認識がなされているかというのが出発点にならないと、なかなか国民が欲するような社会というのは見えてこないと思います。

そういう意味でここにまとめられているのを見ると、本当にそういうことを認識しているのか。むしろ、先ほどE委員がおっしゃったように、10年ぐらい先の将来に対する不安みたいなものが非常に強くて、現状認識としては、いろいろな経済活動をしている。ここに書いてあるようなものは、確かにバックグランドとして専門家が見ればそうなのかもしれないけれども、本当に大衆レベルでこういうことがすべて認識されていて、今の経済活動につながっているかということは、僕は非常に疑問です。ですから、そういうレベルでどういう発想がなされて、ということをもうちょっと視点の中に入れないといけないのではないだろうか。

僕らは全く経済などは素人で、大衆レベルの知識しかないわけですけれども、突然、計量経済モデルで未来がこうなっていきますからと、そういうものを示されても、本当にそうなのかというところにものすごくギャップがあると思います。

ですから、これからもし今までと変えていくのだとすれば、そういう発想の下に、もうちょっとわかりやすく具体例を、例えば、国民がこれまで地域だとか、社会だとか、国家と日本の場合にはそんなに関わってこなかったわけです。それをこれから非常に積極的に関わるようになりなさい、というのが現在のいろいろな動きだと思うのです。そのときに、過去のシステムそのままで、国民の意識だけを変われと言ったって、変わりようがない。例えば、10年でそれが本当に変わっていくとは僕には思えない。

そのためには、例えば、税制だって何だって抜本的な改革があって、今までと社会のシステムが変わる。だから、こうなるとこういうメリットがあるのだ、という種類のことがない限り、国民が本当にそんなに積極的に関わっていようには思えない。

だから、その辺をもうちょっと考慮に入れたような形にしていただきたいというのが、私の意見です。

〔 部会長 〕 今、I委員のおっしゃったことは、まさに次のテーマにぴったり絡む問題です。今おっしゃったようなことを踏まえて策定手法を従来とは少し変える、多様化しよう。この辺について、またご意見を伺うために、事務局から資料に基づいてご説明をお願いします。

〔 事務局 〕 資料5をご覧ください。「『新たなる時代の姿と政策方針』の策定手法の多様化について(案)(広く内外から意見を求めることについて)」でございますが、以下のような手法の多様化を図ることとしたいと考えております。

第1に、「マスコミへの特集企画」ということで、テレビ・新聞等の媒体で今回の策定を周知するとともに、国民の叡知の結集、実行に当たっての国民の主体的な参加の必要性を求める。

第2に、「シンクタンクへの短期集中委託調査」ということで、3つのテーマについて調査を委託し、結果を公表する。1つに、移住労働者の問題。2つに、会社人間からの脱却等、脱会社人間像を探るための調査。3つに、生活空間の拡大方策に関する調査でございます。

第3に、「国民等からの提言募集」ということで、1つに、インターネットによる意見募集を行う。審議会での議論内容を広く公開し、意見募集を行う。2つに、シンポジウムを開催する。

第4に、「各国有識者からのヒアリング・意見募集等」、海外からの意見を募るということで、各国政府等政策担当者、経済学者、エコノミスト、国際機関の担当者へのヒアリング調査。それから、主要国との経済協議の場を通じて意見交換を行う。それから、英語でもインターネットによる意見募集を行う。

第5に、「モニターによる意向調査」ということで、モニターを委嘱して、アンケートを送付して、今度の策定に絡むいくつかのテーマについて意見を収集する。

第6に、最終的なものができましたら、「ビジュアル発表資料(CD及びDVD)の作成を進める」。単なる文章情報だけではなくて、ビジュアル発表資料というものも整備する。

第7に、「以上で集まった意見提言については、各部会の審議で活用するとともに、企画部会に広報委員会(これは次の議題の先取りで恐縮でございます)を置き、委員長から記者レクの際に適宜公表する。」ということでございます。

以上でございます。

〔 部会長 〕 ありがとうございました。

例えば、シンクタンクがいいかどうか、短期集中委託調査とかは、あえて新たに調査しなくても、さっきI委員がおっしゃったことなどについては、いろいろなところで、私の知っている限りでも、国民をいくつかの層に分けるとすれば、現状をどう見ているのかということなどについては結構いろいろな調査があるのです。また、それぞれの人たちが将来に向かって、日本はどんな国か、個人の生活をどう夢見ているのか、希望しているのか、これもいろいろありまして、必ずしも日本人が同じ夢を将来に見ているわけではない。ですから、これは、新たに委託をすることばかりでなくて、かなり既存の調査で、わりあい新しいものも含めてあります。これは、それこそ皆さんのネットワークを活用させていただいて、活かせるものはどんどん活かしていけたらいいと考えております。さっきプレゼンテーションしたのはもちろんある。言ってみれば、デシジョンメーカーか知識層というのは、ああいう一般的なものがあるけれども、より広い国民層ではどういう意識をもってなおかつ現状認識をもって、将来に何を希望しているのか、この辺はきちんと整理する必要があると思います。

その意味では、さっきのスケジュールにあった、外部の広い国民の皆さんの意見をどこかで聞くというのも、終わりの方で聞くのではなくて、これもどこかで早めに聞いておくポイントというのを作っておく必要があるという気もいたします。大体スケルトンみたいなものができたところで聞いておかないといけないと思います。

この辺についての方法、あるいは、こんなやり方があるのではないか、あるいはテーマなどもこういうテーマがあるのではないかというご意見がありましたらお願いいたします。それから、先ほどのことに絡んでも結構ですから、ご意見をいただきたいと思います。

〔 J委員 〕 私は、企業にタッチしている者でございますけれども、先ほど来の皆様方のお話とか、小林部会長の采配のふり方に大変私は賛成です。したがいまして、1回ではなく、2回、3回と皆さんのご意見を広く集めるということにおいては、非常に結構です。

ただ、今の企業の実態といいますと、大変厳しいリストラを世界のグローバリゼーションの中でやっていかないといけないという現状があって、つまり、資本の効率ということが前面に打ち出されている。もちろん、そのときには今の短期の対策というのを長期の構造問題に結び付けるような方向で、企業というのは絶えず考えていかなければならない、ゴーイングコンーサーンとしての企業の存在意義はあり得ませんから、将来問題というのを絶えず考えて、10年先の将来問題と短期の今の対策とをどう結び付けるかというので、日夜悩んでいるというのが現状なわけです。

恐らく、日本経済という大きな土壌の中でもっとそれが行われているの思うのです。つまり今、世界的に日本がコストが一番高い国である。人件費だって、税金をみたって、エネルギー代をみたって、土地をみたって、みんなそうですけれども、それが10年後には、最も望ましい社会に直ちになり得るかどうかというのは、さっきのE委員の話ではないけれども、そこにはものすごいキャップがあって、いろいろな制限項目があるはずである。物流をとっても、今の大規模産業形態から、より高度化された産業形態に切り換えないと今の日本経済はやっていけないはずだと思うのです。それでは、その道筋はどういう形にアプローチができるのかとか、そこのあたりは、例えば通産省の産業構造審議会でもある程度議論がされているだろうし、あるいはそのための財政政策については、大蔵省で財政審議会が行われているだろうし、それぞれの持っているモチーフが10年先をいろいろ考えてやっておられるのではないかと私は思うわけです。

ですから、経済企画庁を中心としたこの審議会にいろいろな部会があっても、それはそういったところのものともよく整合性をとりつつ、この会の中に出していただかないと、単に、マクロの見通しの下に計算値だけをはじいたという形の、非常に客観的なさめたものだけが出てくる可能性があって、現実のものになり得ないと思うのです。

したがいまして、この運営に際しては、各省庁の──何も官主体というわけでなく、そこの中で民間の協力を得てもいいわけであって──持っている力というのがエネルギーとしてこの中に入って、ここににおける審議の答案が政府・首相に対して応えられるものとすれば、日本の持っているエネルギーがすべて結集されていかないと意味がないと思いますので、そういう点も広く集めていただければ大変ありがたいと思っております。

以上です。

〔 K委員 〕 資料4の方に戻らせていただきますけれども、いくつかコメント、感想のようなものがあるのです。1つは、1ページの一番下の「人口動態、少子高齢化の展望」というところで、「労働力人口の減少による成長率の低下が」と始まって、労働力人口が減るので成長率が下方に落ちるだろう。そうすると、資本蓄積も滞って、やがて一種の縮小スパイラルに陥るかもしれない、こういう話です。その一番の出発点の「労働力人口の減少による成長率の低下」というのは、今非常によく言われていて、例えば大蔵省のキャンペーンなどでも非常によく使われていることはご承知のとおりです。

しかし、過去のレコードに照らしてみると、説得力はほとんどない議論だろうと思います。つまり、例えば、高度成長期実質で10%ぐらいの平均の成長をしていたわけですが、経済学で、労働、資本、その2つのインプットでは説明できない部分を技術進歩、この3つに分けてみると、10%の成長のうち労働力人口で説明できる部分は1%だろうと思います。残り9が、どちらが4でどちらが5というのは計算の仕方によりますけれども、資本蓄積と技術進歩によるという形になると思います。

その後、10から4にオイルショック後、成長率が落ちても、労働力人口の成長率というのはほぼ1%ぐらいだろうと思います。逆に言えば、オイルショックが終わってから90年ぐらいまでの平均成長率が4%で、90年代は、測り方にもよりますけれども、1%ぐらいになる。3%落ちたわけです。90年代にその3%落ちたのは、労働力人口が減ったから落ちているのだという説明はあり得ないわけで、ここでもその変化というのはほとんどない。

しかしながら、成長率は4から1に落ちているわけです。ですから、失業率がただ上がっている、ということになっているわけです。

私は、今後の人口動態というのは日本経済にいろいろな意味で大きな影響を与えると思いますけれども、働く人が少なくなるのだから、つくれるモノが少なくなるだろう。これは非常にわかりやすい議論ですが、それは日本経済の過去の動きからすると、決してそうではなくて、労働者1人当たりの資本、それから技術進歩というのが圧倒的に成長のパーフォーマンスを決定する上で重要だったと思います。ですから、今後10年ということでも、労働力人口は10年、20年ということであれば減っていくわけですが、繰り返しですが、資本蓄積、技術進歩ということだと思います。

技術進歩だということだと、経済での技術進歩というのは必ずしもハードなサイエンスとかエンジニアリングだけではないのです。しかしながら、技術というは私は決定的に重要だと思います。ですから、必要なことは、私はエンジニアではありませんからこれは言うことは何もないのですが、どれほど今後10年、技術が我々にいろいろな可能性を与えてくれるのかということについて、ハードなエビデンスを得ることではないかと思います。

例えば、情報通信革命ということが言われて、ジャーナリスティックに毎日のように聞くのですか、光ファイバーということ1つをとっても、私が理解している限りだと、イエスとノーと、つまりコストパーフォーマンスを考えるとノーだという意見も含めていろいろな意見があると私が理解しているのですが、そうした、例えば情報通信革命というのがどれくらい今後10年、本当に我々の生活を変えるという意味での可能性を開いてくれるのかということを、しっかりとしたエビデンスをつかまえることが必要ではないか。

何人かの委員の方がビジョンということをおっしゃっていましたけれども、私も賛成ですが、その元にあるのは、技術が非常に大きいのではないかと考えます。

〔 B委員 〕 先ほど、企業サイドと技術の話が出たのですけれども、資料5に「有識者からのヒアリング」云々とあります。

日本の主婦というのが貯蓄からもう1%スペンディングを増やしてくれれば不況なんて一ぺんになくなるというような視点がございます。生活もさりながら、消費の拡大というのを、今度広く内外から意見を求めることの相乗効果として、こんな魅力的なものがあるのだから、「もう少し使いましょう」というと変な言い方ですけれども。

この社会では、生産は美徳という社会が非常に長いこと続いておりまして、私自身は非常に長い間、消費者・主婦をやっておりまして感じますのは、貯蓄も、使ってこそのお金という思想があまりなかったのではないかと思う。

ここの意識調査ですけれども、こんなすばらしい社会、すばらしいものがあるんだよ、というような発想転換を、先ほどおっしゃった、「何かいいことがあるのならみんな頑張るだろう」ということですけれども、頑張って使いましょうというのも、経済の非常に重要な側面でございますので、意識調査もさりながら、消費で最近どこが増えているのかと。

意外と増えているところがあるようなのです。先ほどのインターネット、オーディオビジュアルみたいなもの。最近、私自身もあまりテレビを見なかったのですけれども、スカイパーフェクトを入れて、いろいろないい番組があれば見るということをしています。それから、多様な番組があれば、家中で取っ替えひっ替え見るようなところもございます。それから、真夜中の需要というのもありまして、このごろ夜中見ている人とか、夜中使っている人というかたもいますので、もう少し消費の拡大というのを前面に出した計画、拡大基調というのを作っていただければよろしいのではないかと思います。

〔 部会長 〕 広報委員会が何をやるかとかいうことにも絡んでくると思うのですが、皆さんのご意見をいただくという関係で申し上げますと、例えば、将来どういう社会とか国ができたらいいのだろうかというときに、非常に乱暴な言い方をすると、例えばいろいろな点で、さっきE委員も言われたけれども、問題点はたくさんあるけれども、アメリカというのはナチュラルリソースが非常にたくさんある、国土が広いということは認めるにしても、日本人も向こうへ行って、いろいろな点でアメリカというのはおもしろい、住みやすい。しかし、問題点がないわけでない。最近は、ニューヨークも安全だということは確かになってきていますけれども、例えばアメリカのよさから問題点を引いた、これは非常に理想的ですけれども、具体的にそれが1つの像である。

一方で、日本だってみんな悪いわけではなくて、日本は非常にいいところがあって、具体的にいろいろ問題がある。その問題は何かということなどは、さっきI委員のご意見ではないけれども、いろいろな層が違った見方をしているので、日本のいいところに、今度はその問題点を消していけば、これまた1つの像である。

これは前者のアプローチと、後者のアプローチと似たような結果が出るかどうか、これは何ともわかりませんけれども。

もう一つ、さっき申し上げたように、なぜ、ここでかなり思い切って作り方を変えようというようなことにしたのかということについては、明らかに、経済計画をやってきながら、あまりにもギャップが大きくなり過ぎた。これは事実ですが、ただ、一般論から言うと、多くの人たちがどの程度意識しているかどうかは別にして、少なくとも今、今日的な生活の中で非常に便利なものとして我々が当たり前に受け取っているものなどが、有料であるか無料であるかは別にして、少なくとも50%は過去にいろいろな計画をやってきたことの結果としてできているものだという認識は、あまり多くの人は持っていないのではないか。100%と言ってしまうと、これは非常に問題で、民間がゼロからつくったものもあるし、計画に上乗せしたものもありますけれども、しかし、かなりの部分は、いろいろ非難されながら、過去にいろいろな計画をやってきたことが今のいろいろな良さ──悪さもそうかもしれませんが──を作っているのだということです。

なぜ、こんなことを申し上げているかというと、1つは、経済計画というふうに今まで言ってきたわけですけれども、今度呼び方を変えても、将来に向かって好ましい、みんなが望ましいと思うビジョンを、できれば作って、そのビジョンを実現するためにはこういうことが効果があります。全部いいことばかりではなくて、短期的にはちょっと何かあるかもしれない、と。ビジョンそのものと、実現するアプローチについて、ある程度多くの人たちのセンス・オブ・オーナシップをそこでクリエートできることができるかどうかということが非常に大きなテーマではないかと思う。

やり方を変えたって、みんなそっぽ向いて関心がないのだというと非常に問題ですが、そういう意味で、資料5のところの話と、次の広報委員会も、これはどちらか言うとできたものをどう広報するかというだけではなくて、この辺のプロセスなどを含めて、広報する必要があるのではないか。こういうプロセスそのものの意味だとかを。しかも、結果的には、国民に直接関係のあるプロセスが行われているのだということなどについて、結果が出る前からいろいろな形の広報活動というのはしなければいけないのではないか。それによって多くの人たちが関心をより多く持って、これは誰か関係のない人が作っているというものではなくて、結果的には参画することによって自分たち自身もこういうことを通じて好ましい将来像をつくっていけるのだ、というふうに感じてもらえる人がいくつかの層で少しでも増えれば、これは今回だけで終わりではなくて、先に向かっても続けていかなければいけないので、そこへの1つの新しい取っかかりを作るところに来ているのではないかという気もしています。

そういうことなので、広報委員会のことをここで説明させていただいて、また資料5と資料6と続けてまたご意見をいただきたいと思います。

〔 事務局 〕 資料6をご覧いただきたいと思います。「広報委員会の設置について(案)」でございます。

第1に「趣旨」でございますが、今回の策定に当たりましては、「全国規模で広く国民の生の声を聞くとともに、海外からも意見を求めるなど、内外に開かれた活発な議論を求められる。このため、企画部会の下に『広報委員会』を設置し、内外から意見等を求めるとともに、寄せられた意見及び経済審議会における検討状況を内外に広く周知することとする。」ということで、これが趣旨でございます。

第2に、「委員長及び委員」でございますが、「委員長は、企画部会が指名する。また、委員は、企画部会の委員の中から若干名を企画部会長が指名する」。

第3に、「委員会の活動」でございますが、「寄せられた意見等を整理・集計し、経済審議会における検討状況とともに、随時内外に広く広報する」。

以上でございます。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。

広報委員会を設置するということについて、また、活動というか、ミッションはこういうことだということ、先ほどの資料5との関係でご意見がございましたら伺いたいと思います。

〔 E委員 〕 今、部会長が言ったことは、まさにそうだと思うのです。つまり、高度成長までというのは、日本の社会は物質的な豊かさを求めていたから、どうしたって量的な数値で物事を追っていくようなビジョンにならざるを得ないと思うのです。1980年代ぐらいまでは、道路はどれだけやるとか、テレビの台数がどれだけ増えたとか、住宅が何戸増えたとか、そういう定量的なところで豊かさの物差しを測ってきた。

さっき、「知価社会」という時代にも入っているのではないかと、「知価」という言葉は別として。だけど、それだけではない、何か別の基準、物差しを欲しがってきているけれども、ここ数年間──10年間ぐらいですか──の計画を見ると、依然として、従来型の過去の計画の数量を伸ばすというような経済計画とか、各省庁の計画というのもそういうことになっているために、何か国民との間にとギャップができてきているのではないか。

僕がさっき言ったビジョンというのは、単なる夢物語というだけではなくて、そういう今までの数量ではあらわせないようなことを、例えば、イギリスなどだと、いろいろなところにいろいろなクラブがあって、そういうクラブライフというものが生活を豊かにしている。こういうのは数量ではあらわせないわけです。そういうものに国民は、だんだん豊かさの基準を求め始めてきているわけです、さっきのアウトドアの話にしても何にしても。

それから、介護の話でも、国と自治体と企業と個人がいくらお金を出すかという議論にばかりなってしまうけれども、実際に介護する人はいるのかとか、介護するときの認定をちゃんとしてくれるのかとか、その辺が不安だったら、誰もお金を出すという気にならないわけです。つまり、そういう数量でなかなかあらわせないような部分というものを、国民の声とか、広報委員会とか、そういうところでもうちょっと聞いて、それが納得できるように国民に提示をする。そこからビジョンを描くということが、さっき言った、量から「知価社会」といいますか、「知価社会」という言葉は別としまして、そういう議論になる。

そういう意味で言えば、今までの計画は全部意味がなかったわけではなくて、それはそれなりの、まさにそういう役割を果たしてきたことが今日の日本を引っ張ってきたのだろうと思う。ただ、今の国民は、政府の政策のとおりにやっていても、俺たちの生活とか、企業は 必ずしもうまくいかないということにも気がついてきているわけです。そこのところの修正を、もうちょっとソフト的なところとか、ビジョン的なところの目標を少し変えてやるとか、手法を変えてやるというふうにしないとだめで、それを下からもうちょっと声を聞くということは重要だと思います。

〔 D委員 〕 広報委員会を企画部会に置くというのは結構だと思うのです。ただ、これの運用の仕方ですが、各部会がどんどん立ち上がって始めたときに、なかんずく、国民生活部会部会と地域経済・社会資本部会から、こういうことをもっと聞いてほしいというような注文が当然出てくると思うのです。それは企画部会が受け止めて広報委員会に流すのか、そういうルートを考えておかないといけないかなという感じがいたします。

〔 部会長 〕 先ほども何人かの方がおっしゃって、何でもそうですけれども、現状認識をまずきちんとすることが大切だというときに、なるべく早い事態で、各部会にも役に立つような形での現状認識の仕方についてどういうやり方があるか、どういうポイントについて押さえておく必要があるかということを確認しておいて、それは広報委員会が受けるか、企画部会が受けるのか、そういう作業をなるべく速く一ぺんやるということは必要かもしれません。

〔 D委員 〕 それを早くやっていただけば、またそれがほかの部会に流せますからね。

〔 I委員 〕 ちょっと質問をしてもよろしいでしょうか。今まで、計量経済モデルというものを作るとときに、そういうデータをいろいろなところから集めるという作業はやっていないのでしょうか。そういう種類のことは、全くやってこなかったのでしょうか。

〔 部会長 〕 そんなことはないと思いますが、具体的にはどうですか。

〔 事務局 〕 計量モデルを作るときに、もちろんいろいろなところからデータを集めて、それをインプットしてモデル化するわけですけれども、おっしゃっているデータというのが、例えば、人の意識とか、そういうことでしょうか。

〔 I委員 〕 そういうのも含めて。要するに経済モデルといったって社会のいろいろなものに関わっているわけですから、計数を決めるときに、いろいろな意見というか、データを集めない限り、なかなか決まらないと思うのです。ですから、それに類したデータというのは多分集めているだろうと思っていて、そういうシステムとしてどういうものかあったのかということをお聞きしているのです。

〔 事務局 〕 モデルもいろいろなタイプがございまして、計量モデルという範疇では、なかなかその意識というのは入らないわけです。もっとほかのタイプのモデルでは、モデルにインプットするパラメーターとかをどういうふうに入れるかというときに、人の意識というようなものも反映して入れることもございますが、あまり一般的に、人の意識というものが体系的に入るような形にはなっていない、というのが現状ではないかと思います。

ただ、結果を判断したりするときには、当然、人の意識調査等についても配慮しながら、こういう結果でいいのかどうかというようなことを判断することはございます。

それほど意識というのがベースになってモデルが作られているというのは、なかなかないのが現状であります。

〔 事務局 〕 これまでの計画の作業で意識調査という形でわりとはっきりしたのが、前々回の「生活大国5カ年計画」を作るときに、生活大国部会というのがありまして、生活大国の内容というのはどういうことなのだろうということで、かなり意識調査をする、あるいは広報をするという形で活動したというのが、1つの参考だろうと思います。 それから、今というか、今度改革をしようとする「構造改革のための経済社会計画」、これは中間概要というのを出しまして、それに対して、委員の方々にも何箇所かで公聴会ということで説明をしていただきました。それで、いろいろご意見を伺った。あるいは、インターネットを通じてご意見を伺ったということがありました。

そのほかにも、前のときに、中間概要のみたいなものを発表して、それで意見を伺うという機会があったのですが、今ここでいろいろお話がありますように、国民の幅広いというか、このそもそもの議論になるような意識調査というものをどの程度までやるかということについては、今回、これまでの経験よりもっと幅広くやらないと、今ご議論いただいているような形での意識調査というのはなかなか難しいと思いますが、その一方で、先ほど部会長からお話がありましたように、政府でいいますと総理府とか、あるいは最近は、各シンクタンクなどが中心になっていろいろな意識調査をやっておりますので、それとの関連からみれば、少しクロスセクション、あるいは時代の変遷等も踏まえて活用できるものがあるのではないかという感じがいたします。

〔 F委員 〕 意識調査のときに、平均的日本人像というのは非常に掴みづらい時代でして、価値観は非常に多様化している。そうした場合に、この審議会を見てもかなり年配の先生が多いわけで、年金問題とかを考えるときに、払う方ともらう方と両側の意見がどうしても必要になってくる。あるいは、働き方についても男女とか、そういったところがいろいろ違ってくるわけですから、ビジョンを示すときにも、平均像を示すのではなくて、若い人の、例えば20代はどうなるかとかというようなところまで示せたらと思います。

〔 部会長 〕 それは特に留意して、先ほどF委員がおっしゃったように、むしろ10年より先の方ということになりますと、その辺に直接関連のある人たちというのは、まさに若い人たちですね。それと、性別の問題、あるいは日本人外、基本的には日本が日本人だけでなく、そのほかの人たちが住んでも住みやすいというのが1つの目標なので、調査をするときにそれを十分に考慮に入れてやりたいと思います。

そろそろ予定の時間になっておりますが、広報委員会の設置につきましては、ご了承いただいたということでよろしゅうございますか。企画部会の下に広報委員会を設ける。委員長、委員については、後ほどまたお示しさせていただくことといたします。

このようなことで、企画部会で多岐にわたるテーマを検討し、全体の取りまとめを行うことも含めて、ご了解が得られれば、事務局と共同して作業をしていただけるような民間の若手の方を若干名、部会の特別委員として任命させていただいて、これからの新しい策定プロセスに絡むことですけれども、協力をしていただいたらどうかと思います。ご異論がなければ、具体的にどういう方にお願いするかについては、決まってから、名簿を皆さんにご案内させていただきたいと思います。

それでは、第5回の企画部会はこれで終わらせていただきます。この後、私から、記者クラブで、今日の結果についてブリーフィングをさせていただくことになっております。そのほか、後刻、何かご意見がございましたら、ご遠慮なく事務局の方に直接お寄せいただくようにお願いしたいと思います。

今日の部会はこれで終わらせていただきます。長時間どうもありがとうございました。

──以上──