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第1回 経済審議会 グローバリゼーション部会 議事概要

  1. 日時 平成11年2月22日(月) 14:00~16:00
  2. 場所 中央合同庁舎第4号館共用第2特別会議室(407号室)
  3. 出席者
    • (部会) 八城政基部会長、糸瀬茂、國谷史朗、高阪章、篠原興、下村恭民、髙木剛、田中明彦、浜矩子、ロバート・アラン・フェルドマン、グレン・S・フクシマ、松本大、若林之矩の各委員
    • (事務局)塩谷事務次官、中名生総合計画局長、川本調整局審議官、高橋総合計画局審議官、牛嶋総合計画局審議官、梅村企画課長、宮崎経済協力第二課長、大西計画課長、染川計画官、塚原計画官、青木計画官
  4. 議題
    • グローバリゼーション部会の公開について
    • グローバリゼーション部会の今後の進め方について
  5. 議事内容

     冒頭、塩谷経済企画庁事務次官から挨拶。
     その後、事務局から、資料2「グローバリゼーション部会の公開について(案)」、資料3「「新たなる時代の姿と政策方針」の諮問文」、資料4「経済審議会の今後の運営について」、資料5「「新たなる時代の姿と政策方針」の策定手法の多様化について」、資料6「グローバリゼーション部会の進め方について(案)」(別紙「「あるべき姿」における我が国の国家像をどう考えるか」を含む。)について説明。これらに対する委員からの主な意見は以下のとおり。

    • ○この部会の検討テーマの対象期間は、今後10年間程度ということであるが、政治、安全保障については前提をどのように考えたらいいのか。
    • ○安全保障との関係を考えると、不安定化の可能性もあるという認識を示すことが必要。安全保障の不安定化が経済に与える影響も大きい。
    • ○何をもって「グローバルスタンダード」と言うのか。何が「グローバルスタンダード」と言うのにふさわしいか。「受容」という、受身的な発想だけではなく、積極的な姿勢が必要。
    • ○グローバリゼーションにはプラスの面とマイナスの面がある。マイナスの面が最も深刻に現れるのが途上国である。そのような中での日本の位置付けというのは、世界の中で途上国側に起こるであろう、あるいは起きているグローバリゼーションのマイナス面を克服するのをサポートする役割がある。
    • ○「日本固有の良さ」とともに「アジア固有の良さ」に対する認識を共有する必要がある。
    • ○日本は既に大国であり、大国としてどう振舞うかを考えるべき。
    • ○グローバルスタンダードに関して、広い意味での知的基準をつくりだしていくということも考えるべきである。自分が何を、どのように発信していくのかという見通し、意思を持つべきである。
    • ○知恵そのものが取引されるという側面もあり、また知恵の世界でどのようなスタンダードをつくるかという側面もある。人、モノ、カネの動きというのは比較的分かりやすいが、実際、グローバルスタンダードを作り出すものは、広い意味での知恵である。
    • ○ワンセット主義を考える際にも、どういう方向に比較優位が移っていくのか。そして、その時に基本となるものは、知的能力をもった人材であり、そういった人材をどのようにつくっていくのか。
    • ○何を「グローバルスタンダード」と定義しているか議論する必要があるのではないか。
    • ○欧州諸国やいくつかの東アジア諸国においては、グローバルスタンダードの受容(市場原理の徹底)というよりは、むしろ規制を強化する方向にある。
    • ○安全保障に関して、もう少し長い期間、例えば2020年くらいまで展望した場合に、朝鮮半島の状況の悪化、アジアにおけるアメリカの政治経済的、安全保障面でのプレゼンスの低下を考えると、日本はアメリカに代わって指導的な役割を果たしていかなければならないという前提で考えていた。
    • ○「グローバルスタンダード」という言葉を「市場原理」と言い換え、経済システムあるいは社会システムに「市場原理」を導入すべきか否かという議論をするのも一つの手ではないか。
    • ○自由と社会的秩序のトレードオフについて、今までは公平と効率が代替関係にあったが、今は補完関係になっているのではないか。したがって、徹底して市場原理を導入しない限り、公正な社会は実現できない。
    • ○日本固有の良さについて、具体的にどこがいいのか書いておかないと、どうやって守るかが描けない。日本固有の良さは、犯罪が少ないこと、チームワークがいいということである。悪いところについても、具体的にどこが悪いのか書いておかないと、治すことはできない。
    • ○経済成長について。今の経済水準を守る、ということが暗黙的に含まれているような気がする。どのように今の生活水準を守る、あるいは良くするかということを記した方がより意味が通じるだろう。
    • ○グローバリゼーションの中での国の役割が問われる。その中で国民の生活の安定、特に雇用の安定を守るということが重要である。特に21世紀は人材の時代であり、日本には人材以外の資源はない。
    • ○格差をどう考えていくか。今後、能力主義が強まっていく傾向の中で、所得の格差が拡大していくことが想像される。相対的に格差の少ない社会をどのように維持していくか、という議論も必要。
    • ○グローバルスタンダードについては、我々もその一員であり、その形成過程に我々の事情を反映させるべき。そのためには、コミュニケーションが不足しており、大規模に留学生を海外に送るような語学力の向上を含めた教育制度を整備すべき。
    • ○広報委員会では、アカウンタビリティーを重視し、論旨の作成過程や国民から寄せられた意見に対しての取扱い方法等を公表すべき。
    • ○多方面の意見を参考にしながら、事務方主導でまとめた。ただ、審議の内容を踏まえた形で、適宜追加および修正していく。
    • ○国民からの意見に対しては、適宜、その内容を公表し、できるだけ反映させていく。論旨の策定プロセスについても、公表する。
    • ○市場原理の議論をする際には、そのメリットの影にあるデメリットの分析が重要。その分析により、取り上げる項目、言葉を吟味すべき。例えば、外国人労働力を入れるとなれば、開発途上国等の供給圧力はかなりのものとなり、与える影響は計り知れない。
    • ○経済が社会に対して引き起こす様々な現象を、社会政策の観点からフォローすべき。これが国民に対して正確に伝えられていないために、グローバリゼーションという言葉に不安を抱いている。極言すれば、広く国民に問うことなく、一部の人達によって議論が進められているのではないか。
    • ○資料6と別紙に使われる言葉は非常に曖昧である。例えば、「大国」、「グローバルスタンダード」という言葉を考えても、どんな指標で計るものか分からず、それぞれの定義づけが必要。また、議論の混乱を避けるために前提条件も合わせて明確化すべき。
    • ○言葉の定義については、この場で話し合うよりも、世間一般で使われるおよその意味を以ってそれとした方が良い。
    • ○「大国」を計る指標はGNPが適当。「開放度」という観点からすれば、日本は、輸出がGNPに占める比率は10%を切っており、少なくとも「モノ」と「サービス」については、OECD諸国の中で最も閉鎖的な大国であると言える。
    • ○市場原理はどこにでも存在する。規制や慣行等により、その働き方に違いはあるが、メカニズムは同じ。
    • ○「生活水準」を計る1つの指標は「一人当たりの所得水準」ではないか。
    • ○国際的な労働移動については、受入れ国と想定されている日本だけでなく、送り出し国側や移動する労働者といった3つの視点で検討することが必要。国際的な人の移動に関しては、受入れ国側だけをみるのではなく、送出し国側においても労働力が奪われてしまうといった問題が生じるという認識が必要である。人の移動によって引き起こされる問題は、国内の地域における過疎化の問題というよりは、国家間の過疎化の問題として考える必要があるのではないか。
    • ○地域の枠組みの展望には、今生じていること、例えばユーロの誕生やNAFTAの進展、アジア通貨危機といったものを固定的に考えるべきではない。EU、南北アメリカの地域経済統合の成果を見極めるべき時期はまだ先であるし、中国の成長についても予測し難い状態であり、東南アジアは10年先はそれ程悲観的な状態ではないだろう。
    • ○「自由」と「社会秩序」のトレードオフについては、学校や会社といった組織内の自由がないという日本の固有の現象がある。したがって、「個人」と「社会」といった2分法よりも「個人」と「組織」といった観点から、それが人的資本の形成にどれ程の制約となっているかということを考慮すべき。
    • ○言葉の定義は非常に重要。この部会を「グローバリゼーション」という言葉を使わないで進められないか。
    • ○「グローバリゼーション」の考え方には、単に「市場原理」ということではなく、「国民国家」に対する「グローバリゼーション」という捉え方が必要。また、「グローバリゼーション」によって、従来の秩序が壊されていく力学に注目すれば、それと同時に、地域化、分権化、多様化といった側面が出てくる。
    • ○日本固有の良さについては、何が日本に固有なのか、また、日本のいつの時期に当てはまるのかといったことを整理しないと議論が混乱する。
    • ○確かに定義は大事だが、世間一般で使われるある程度のものを話し合いにより当てていくのが適当。
    • ○参考資料1がグローバリゼーションの議論には有用。
    • ○「大国」は「システムに与える影響の大きい国」のこと。日本は、現在でもその影響度は大きく、如何に自覚的に係わっていくかという問題である。この部会の報告書をもって、グローバリゼーションのあり方を提示し、世界秩序の形成に自覚的に積極的に係わっていくべき。
    • ○個人の帰属先については、その選択肢は“or”ではなく“and”で繋がるように多様化している。
    • ○日本の固有の良さは、高い適応能力。厳しい状況でそれに対応していくのが固有の良さであって、外部環境の変化への適応を拒むのは、それを放棄することになる。
    • ○雇用の安定それ自体、もしくは、市場原理を導入した際に生じる格差がなさ過ぎることが、日本経済に現在の停滞をもたらした原因である。つまり、雇用の流動性の確保をすることが重要であり、格差は受け入れざるを得ない。
    • ○雇用の流動性に関しては、中高年の大企業のサラリーマンは不安が非常に大きいかもしれないが、それ以外の人達はそれほど抵抗はない。中でも、世代間の認識の格差は大きく、若い人達には公平、公正、機会の平等といったものを受け入れる土壌がある。
    • ○市場原理の導入は不十分な状況。そのための制度調和、インフラ整備といった話に持って行った方が生産的ではないか。
    • ○「グローバリゼーション」を誰のために、誰の視点から考えるのかが重要。グローバリゼーションの進展がもたらすプラス、マイナスの両面を考える必要あり。世界的にはエマージング市場経済諸国にマイナス面が現れており、国内的には雇用といった面で不利化する層が生まれてくる。市場原理の良さを活かしながら資本の論理の暴走を抑えるということが、誰のためかという事を考えるときの基本的な視点である。
    • ○業態における規制、保護が未だに多く、潜在的な日本の成長力を低下させている。規制緩和の議論をすべき。
    • ○移民、外国人労働力の導入の問題は、現在のように労働力需給の緩んでいる時に冷静に時間をかけて議論すべきテーマ。当面、政府がなすべきことは、国民に議論するための材料を十分提供することではないか。
    • ○日本の雇用流動性は、固まりでみれば欧州より高い。流動化の捉え方も個で見た場合と企業の内外でみた場合とで違ってくる。
    • ○将来を展望する上で前提を置くのは重要だが、それが崩れた場合のことも議論しておきたい。
    • ○「グローバリゼーション」は「黒船」ではないか。その対応が非常に重要である。
  6. 今後のスケジュール :

     次回のグローバリゼーション部会(第2回)は3月5日14:00~16:00に開催する予定。

なお、本議事概要は、速報のため、事後修正の可能性があります。

(連絡先)

経済企画庁総合計画局国際経済班

Tel  03-3581-0464

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