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第4回 経済審議会・企画部会議事概要

1 日時

: 平成10年12月11日(金) 14:00~16:00

2 場所

: 経済企画庁特別会議室(436号室) (第4合同庁舎4F)

3 出席者

(部 会)

小林陽太郎部会長、荒木襄、角道謙一、佐々波楊子、嶌信彦、長岡實、那須翔、樋口美雄、星野進保、松井孝典、水口弘一、村田良平、八代尚宏、の各委員

(事務局)

堺屋大臣、林官房長、梅村企画課長、中名生総合計画局長、高橋審議官、牛嶋審議官、大西計画課長、涌野計画官、荒井計画官、安井計画官、塚原計画官、佐久間計画官、林部計画官、佐々木計画官、渡辺電源開発官、福島推進室長、岩瀬計画企画官

4 議題

  1. 経済計画フォローアップ報告(案)について
  2. 新しい経済計画の策定について

5 議事内容

事務局より資料2「『構造改革のための経済社会計画―活力ある経済・安心できるくらし―』の推進状況と今後の課題(案)」について説明の後、堺屋大臣の挨拶。その後、討議。堺屋大臣の挨拶、及び各委員からの主な意見は以下のとおり。

(堺屋大臣挨拶)

 平成7年の村山内閣の時と現在とでは、状況が異なっており、現行計画は現実に合わなくなっている。現行計画では、構造改革が進んだ場合の経済成長率を3%、構造改革が進まなかった場合の経済成長率を1 3/4%としており、楽観的なバラ色の夢を描いていた。しかし、現状の厳しい経済情勢に対応し、来年からは新たに経済計画も作り直したいと考えている。

 今度の計画では、もはや「計画」という発想でよいのか、ということが問題。経済計画は一つの目標をもって国が経済をリードしてきた時代の発想で、今や国の統制・規制・指導が減り、民間企業あるいは個人の活力で生きる時代になった。戦後の社会は、先行投資型財務体質や集団的意思決定といった日本的経営で規格大量生産を目指す社会であった。そこに属した人間は会社人間であり、終身雇用に守られてきた。血縁社会や地縁社会ではなく、職縁社会であった。しかし、こういった全体像が崩れつつあり、その中で、少子高齢化、グローバル化、ソフト化といった変化が出てくるだろう。こういった時代に、日本のあるべき姿を考えていかなくてはならない。そのような意味では、「成長率」などの数字をどのように示すかも検討課題であると考えている。成長・開発・進歩というキーワードが、安全・平等にかわり、そしてそれにも飽きて、ゆとり・豊かさ・活力という言葉にかわったが、これも今では空虚な言葉になってきた。次の計画で、新しい概念が生まれてくることを期待している。

 また、経済計画の策定の過程において、多くの人々に幅広く参加していただくことも検討すべきだと考えている。以上のようなことを総合して、次の新しい経済計画をつくりたい。

 不況の中で、自分たちの将来が見えないという大きな問題があり、それを考慮すると、財政・年金といった現実の問題から、日本の誇りと主張をどこに求めるか、という点までも考えた、大きな図表が必要である。


(各委員の主な意見)

  • ○時代認識は大臣のおっしゃる通り。経済計画は5カ年というイメージがあるが、5カ年というのは中途半端ではないか。もっと長い目で見た展望等、計画期間について、柔軟な発想から策定しないといけないのではないか。
  • ○数字でものをはかる、ということではなく、身近な生活感覚から理想の姿を描くことが必要ではないか。逆に、それを阻害する規制は何か、などを議論する方法論も必要。
  • ○東アジアの危機は外生的な要因であるように書いてあるが、必ずしも外的要因ではない。日本の不況も影響している。
  • ○国民負担が増えればデフレになるということは当初から予想されたが、それを支えるだけの成長力がなかったということ、つまり潜在成長力が予想外に低下したという認識が必要。潜在成長率の低下に見合った、低成長型の財政リストラの方向をどうやっていくのかを考えないといけない。
  • ○構造改革の進展が遅かったということは率直に認めているのではないか。従来型の計画策定をやるとすれば、楽観的すぎても厳しすぎてもよくないから、その意味で、今は経済計画を策定するには難しい時期である。
  • ○新しい計画策定にあたって、経済成長率等の基本的な数値は必要。また、成熟経済というものを、どのように受け止めるかが問題。成熟経済を回避できないものとして運命論的に受け止めるのではなく、日本を立て直すにはどうしたらいいのか、TFPはなぜ落ちているのか、ということをもう一度考えるべき。
  • ○成熟とは停滞を意味しない。成熟化の中にも、常に新しいものがでてこないといけない。計画の意味として、新しいものが出てくるにあたり阻害となるものを取り除くのが政府の役割であり、自己責任により企業、個人から新しいものが出てくる、という明確なメッセージが伝わるものであればよい。
  • ○予測そのものは意味がないのではないか。数字を並べても意味がない。
  • ○今まで計画どおりに実現したことはまずない。ある程度の数字は必要だとしても、相当程度フレキシブルなものでなくては、展望の策定は難しいだろう。
  • ○リスクは常について回るものであり、リスクの発生を数字が乖離した言い訳として使ってはいけない。常にリスクはあるものだという前提で経済計画をつくり、もしリスクが発生した場合は計画で想定した数字は当然変わる、という前提での政策をたてることが大事。リスクをもう少しはっきり想定し、リスクを常に考えた上での政策をきちんと考えておき、リスクが起こったとき迅速に行動することが必要。
  • ○計画と現実の乖離のところが重要。やはり構造改革をどう評価するか、ということが中心にならざるを得ない。構造改革の評価として、各分野ごとの構造改革の進捗状況がどうか、という点でミクロ的にすぎており、むしろ相互間の評価とか全体の評価が必要。どうして他の分野に波及しなかったか、という点をもっと掘り下げるべき。
  • ○構造的な失業の解決、社会的弱者に対する手当てと、アメリカ式資本主義を持つのか、というのが展望の基本的な論点。具体的な国民の関心を踏まえたものでなければ、数字があろうとなかろうと意味がない。
  • ○なぜ構造改革が波及しないか、と問われたとき、制度的補完性だけではなく、要因として規制があるという認識も必要。もっと規制を緩和しないといけない。個々の規制がどれくらいの経済効果があったのか、ということを経済審議会として何らかの計量的な方法で分析するよう努力すべき。また、リスクの認識が大事であり、リスクに強いシステムにしておくことも必要。
  • ○90年代のバブル崩壊後の経済運営に対する問題点というものを考えるべきであり、前の経済計画である「生活大国5カ年計画」が途中で破綻した状況を繰り返したという意味からも、一言、90年代の展望に関するもっと中長期的な反省や批判を加えることが必要ではないか。
  • ○バランスシート調整について数量的な裏付けはあるのだろうか。また、バランスシート調整の遅れと成長率の低下は、どのような因果関係にあると考えるべきか。
  • ○6大改革をはじめ様々な政策が同時並行的に行われたが、政策の転換はなかった。認知ラグをなくし、政策転換をはやくすれば、今のような事態を避けられたのではないか。
  • ○成熟社会といったとき、それは単に数字で表れるものではない。生活の有り様が「成熟」ということである。今後、数字上では、かつてのような成長社会は実現しないのだから、その意味で、成長率や物価指数などではない、成熟社会の姿を表せるような別の物差しが必要ではないか。
  • ○計画の目的と掲げられた数字とがどう関わっているのかをわかるようにしないと、意味がない。また、「計画」というと固定的なニュアンスが強い。おさえるところは数字でおさえるものがあればいいのではないか。
  • ○不良債権処理については、プラザ合意以降(86年、87年)からの金融面の改革については指摘されているので、もっと期間を長くとって考えるべきではないか。
  • ○人々の将来不安の解消について言えば、我が国は経済的・社会的には決して心配することはない状態にあると考えるが、どうだろうか。
  • ○特に不良債権問題については、今、急に出てきたわけではなく、遅れ遅れの対応になってきた、という問題認識が必要。
  • ○99年度にはマイナス成長にはせず、また2000年度に軌道に乗せる、ということが本当に可能なのかということを、新しい計画策定時にどう関連づけるかが課題である。

なお、本議事概要は速報のため事後修正される可能性があります。

(本議事概要に関する問い合わせ先)

経済企画庁総合計画局計画課

西岡、堂本

TEL:03-3581-1041

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