第4回 国民生活研究会 議事概要

1.日時

 平成10年11月27日(金)10:00~12:00

2.場所

 経済企画庁436特別会議室(第4合同庁舎4階)

3.出席者

(委員)八代尚宏座長、赤池学、河野真理子、小嶌典明、高畑敬一、寺崎康博、福武總一郎の各委員

(事務局)中名生総合計画局長、高橋審議官、牛嶋審議官、大西計画課長、佐々木計画官、塚原計画官、福島経済構造調整推進室長 他

4. 議題

国民生活研究会中間とりまとめ(素案)について

5. 審議内容

開会後、事務局より、家計の将来予測の再推計、少子化対策、国民生活研究会中間取りまとめ(素案)の順に説明。以後、討議に入った。

 委員からの主な意見は以下のとおり。

  • 〇 今の公的制度のままでは、国民が期待するような持続可能な社会保障を提供することはできない。最低限の基準だけ決めた上で、サービスの供給は民間部門やNPOに開放し、利用者が自己責任の下に多様なサービスを選択できるようにするべき。バウチャー制度も、利用は国民に委ねることを基本とすべき。
  • 〇 厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢を65歳以上に引き上げていくことには賛成だが、賃金スライドは行うべき。高齢者の意識調査を見ても、生活の収入を得るためではなく、年金で安心して暮らしながら生きがいを得るために働きたいという結果が出ており、「収入が足りなくなるから働け」というまとめ方はどうか。介護保険については、地方ではなかなか業者等が参入して来ないのではないかという問題がある。
  • 〇 女性の就業率上昇のところで、「M字カーブがおおむね解消される」という想定は大胆であり、実現されるのであれば好ましい。また、今後の政策課題として、高齢者で短期間就業を希望している人が多いので、そうした職業をコーディネートするビジネスへの支援がほしい。
  • 〇 多様な人生デザインの見取り図もあってよい。例えば育児等のコストを見たときに、核家族世帯と三世代世帯ではどう異なるかといった例があると分かり易い。雇用については、地方と都市との違いがあるということも考慮してほしい。2020年といったロング・スパンでは、例えば持続可能な国土を保全していくための環境税の創設といったランダムな課題について議論してみてもいいのではないか。
  • 〇 推計については、前回に比べて予想以上に改善されていると思う。但し、消費については、実質化したデータが後の世代ほど低くなっていることについて、何らかの改善が必要。就業していない高齢者の貯蓄取り崩しも、貯蓄現在高との関係で考えてみる必要がある。労働力の想定については、欧米では早期退職が推奨されているのに、日本だけ高齢者の雇用が順調に伸びていくと簡単に割り切ってよいのか。労働時間も、2020年に年間1600時間代になるといっても、現在そうした水準にあるのはドイツだけである。
  • 〇 高齢者の貯蓄は働いていない場合ある程度マイナスになるのが通常であろう。欧米で早期退職が主になっているのは、高齢で働けば損をするような仕組みがあるためであり、日本ではそうした問題はない。
  • 〇 社会保障は雇用の吸収源になっている。社会保障関連ビジネスの地方での展開のためには、地方に従来型の公共事業でない雇用の場として、社会保障を明確に位置付けることが必要。そこにおいては、「公設民営」の考え方が鍵となる。無認可保育所をもっと認めるべきであり、積極的にいろいろな事業者の参入を促すべきである。「利用者の意思が尊重される仕組み」とは、初めに公的制度でありきではなくて、利用者が制度の必要性についての判断を含めた取捨選択の全ての権利を持っているということを前提としたものであるべき。
  • 〇 保育所の数を倍にするためには、公営のみでは不可能である。法律の問題はあるが、民間主導という方向で提言すべき。
  • 〇 退職金の前払いは、推計にあるほど急速に進むかどうか。実施しているところでもブルーカラーについてはまだ導入されていない。
  • 〇 退職金の前払いは、1つの参考ケースとしてはどうか。
  • 〇 保育は今以上に競争原理を働かせるべき。50‐60代の女性達で、働きたい人は多い。例えばファミリーサポートを行うNPOのようなものが増えることも考えられるのではないか。
  • 〇 社会保障関連の経済活動は、公共事業よりも地方経済を活性化する効果が大きいという試算もされており、今後民間が中心となってこの分野でイニシアティブをとっていくということを積極的に言ってよいのではないか。

委員からの発言が一巡したところで定刻を迎え、閉会。

6.今後のスケジュール

 次回第5回国民生活研究会は、12月9日(水)10:00~12:00に開催予定。

以上

 なお、本議事概要は、速報のため、事後修正の可能性がある。

     (連絡先)

 経済企画庁総合計画局経済構造調整推進室

(担当)福島、押田

TEL 3581-0783(直通)