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経済審議会経済社会展望部会(第11回)議事録

経済審議会経済社会展望部会(第11回)議事次第

平成10年5月18日(金)14:30~16:30

経済企画庁特別会議室(436号室)

  1. 開会
  2. 経済社会展望部会報告書素案
  3. 経済審議会展望・役割両部会合同報告書素案
  4. 閉会
 

(配布資料)

  1. 資料1.経済社会展望部会委員名簿
  2. 資料2.経済審議会経済社会展望部会報告書素案
  3. 資料3.経済審議会展望・役割両部会合同報告書素案
  4. 資料4.経済審議会経済社会展望部会の今後の審議スケジュール

経済審議会経済社会展望部会委員名簿

 部会長     小林 陽太郎    富士ゼロックス(株)代表取締役会長
部会長代理  香西  泰     (社)日本経済研究センター会長
稲葉 興作     日本商工会議所会頭
石川島播磨重工業(株)代表取締役会長
井原 哲夫     慶応義塾大学商学部教授
井堀 利宏     東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授
岩田 一政     東京大学大学院総合文化研究科教授
角道 謙一     農林中央金庫理事長
川勝 堅二     (株)三和銀行相談役
黒田 晁生     明治大学政治経済学部教授
         日本経済研究センター主任研究員
小島  明     (株)日本経済新聞社論説主幹
小長 啓一     アラビア石油(株)取締役社長
小林 佳子     (株)博報堂キャプコ取締役
佐々波 楊子   明海大学経済学部教授
下村 満子     (財)東京顕微鏡院理事長
清家  篤     慶応義塾大学商学部教授
鶴田 俊正     専修大学経済学部教授
中井 検裕     東京工業大学大学院社会理工学研究科助教授
長岡 貞男     一橋大学イノベーション研究センター教授
長岡  實     東京証券取引所正会員協会顧問
 日本たばこ産業(株)顧問
奈良 久彌    (株)三菱総合研究所取締役会長
成瀬 健生    日本経営者団体連盟常務理事
濱田 康行     北海道大学経済学部教授
樋口 美雄     慶応義塾大学商学部教授
  ロバート・アラン・フェルドマン     モルガン・スタンレー証券チーフ
エコノミスト
深海 博明     慶応義塾大学経済学部教授
山口  泰     日本銀行副総裁
村田 良平     (株)三和銀行特別顧問
村本  孜     成城大学経済学部教授
師岡 愛美     日本労働組合総連合会副会長
八代 尚宏     上智大学外国語学部国際関係研究所教授
吉井  毅     新日本製鐵(株)代表取締役副社長
吉川  洋     東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授
鷲尾 悦也     日本労働組合総連合会会長


〔部会長代理〕ただいまから第11回経済社会展望部会を開催いたします。

委員の皆様には、ご多用中のところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

本日、小林部会長がご欠席ということでございますので、恐縮ですが、私が代わりまして議事の進行を務めさせていただきたいと存じます。

最初にご報告でございますけれども、委員の交代がございました。福井委員がご退任になられましたので、本日はご欠席でございますけれども、新たに日本銀行副総裁の山口委員に当部会の審議にご参画いただくことになりました。次回以降、ご出席をお願いできると存じます。

本日の議題は、経済社会展望部会報告書素案及び経済審議会合同報告書素案についてということでございます。前回、当部会でお示しいたしました各スケルトン案に委員の皆様方からいろいろご意見をいただいたわけでございまして、それを踏まえて事務局において素案を作成したということでございます。

まず、経済社会展望部会報告書素案につきまして、事務局よりご説明を願います。

〔事務局〕それでは、お手元の資料2報告書素案に沿って簡単にご説明させていただきます。

資料2素案をおめくりいただきますと目次がございますが、冒頭からお謝りしなければならないことがございますが、右ページの【補論】ライフスタイルの展望ということで、本日お諮りする予定でございましたけれども、作業がまだ進行形でありまして、この部分に関しては次回お諮り申し上げたいと思います。本日は、これ以外のところで計数も含めてご審議を賜りたいと思います。

2ページ第I章でございます。前回のスケルトン案でお諮り申し上げました全体の構成と全く同じでございまして、第I章では、足元から回復に至るフェーズを扱ったものでございます。1.我が国経済の長期低迷の要因ということで、ここでは4点、2ページから3ページにかけて「負の遺産」の問題、「経済の供給面」、昨年来いくつかのショックによって「総需要の低下」した話。3ページにまいりまして、「将来への不透明感」という4つの切り口から簡単にこの間の状況をご説明して、これらは相互に絡んでいることが今日の景気の長期低迷の背景であるというふうにしております。

3ページの2.政策体系における優先度と重点ということでございまして、以上の分析を踏まえまして今後の政策体系の柱ということで、4つの柱からなるパッケージということをスケルトンと同じように書いてございます。

4ページから5ページにかけて、これらを踏まえまして「金融システム」、「不良債権」、「マクロ政策」、「構造調整」、「雇用」という5つの切り口からやや詳しく書いてございます。(1)が金融システム不安の解消、(2)が不良資産問題、5ページにまいりまして(3)が財政構造改革とマクロ政策ということであります。「マクロ政策……」の途中からでございますけれども「時々の経済情勢に応じて、減税措置や公共投資等財政面から弾力的な措置をとることも重要である。その際、低迷を続けている個人消費や住宅投資等に配慮すると同時に、より長期的な観点から……」という文章になっております。

(4)が経済構造改革の一層強力な推進。6ページにまいりまして(5)雇用問題に配慮した政策展開ということで、「現状の厳しい雇用認識を踏まえて、以下の点に配慮した政策展開を行うことが重要」ということで、前回のスケルトンでもご議論を賜りましたけれども、民間活力の導入を通じて、今後、長期的な需要の見込まれる産業での雇用創出を図る。もう一つは、労働市場のルールの整備を図りつつ規制緩和ということ等が入っております。

3.が、回復の道筋ということでございます。まず、不良債権の現状と処理の展望というところでございます。~なぜ不良債権の処理が遅れたのか~ということで、ここではアメリカの1991年ぐらいの状況と比較しつつ、7ページにまいりまして、第2パラグラフ、アメリカとの違いということで、当時のアメリカではマクロ経済が好転したということで、不動産にも底値が見えた、会計上の処理が早くすんだ、不良債権の流動化の3つを述べております。

なお、その後の第3パラグラフは、98年3月期の決算がまだ出ておりませんので、すべて○ということになっております。計数が出次第ここのところ文章も含めて修正を行いたいと思います

続きまして本文の9ページ、第II章我が国経済社会の構造改革後の展望であります。全体の構成は前回と同じでございまして、まず最初に、1.長期的に目指すべき我が国経済社会の方向ということで3つの視点を挙げております。9ページの下段から10ページにかけて「透明で公正な市場システム」、「環境と調和した社会」、「プラスのストックの未来への継承」というキーワードを持ち込んだ後、10ページの2.開かれた「透明で公正な市場システム」ということで、透明で公正な市場システムが有効に機能するための前提条件ということで、ここでは【1】情報開示と市場モニタリング機能の強化ということを強調しております。特に11ページの上から5行目、労働市場における最低労働規準の遵守、性・年齢等による差別の禁止等ルールの遵守をモニタリングする機能の強化とか、労働市場においては……、ということをメンションしております。

もう一つはモビリティーということで【2】労働・資本等の柔軟な移動の確保。前回お諮り申し上げましたスケルトンと同じ内容でございます。

その後、(2)グローバリゼーションの視点から見た透明で公正な市場を入れた後、12ページの(3)新しい経済社会における公正の位置づけということで、まず【1】これまでの公正規準と新しい公正規準~「結果としての平等」重視がもたらす非効率性~。これまでの成長と平等の好循環を保証した仕組みとして、「結果としての平等」を指向した各種の制度や規制の存在があったということを指摘した後、これからはあまり高成長が期待できないという今後のことを考えると、「結果としての平等」を過度に重視し続けると非効率性の罠に入るという警鐘を鳴らした後、13ページの真ん中あたりから、今後の公正の考え方としては、規制緩和をはじめとした構造改革による効率の追求を一層進めることによって、我が国経済のパイを大きくすることが結果的に公正につながるというふうに発想の転換を行う。とともに、情報開示、それに基づく自己責任原則を共通のルールとした上で「機会の平等性」、「再挑戦可能性」を代替的な公正規準とするということで、ある程度の「結果としての平等」を容認することが必要となろうということを言っております。

14ページにまいりまして【2】セイフティネットの基本的考え方を述べております。

若干とばさせていただきまして15ページにまいりまして3.環境と調和した社会。2つ目のキーワードでございます。ここでは、グローバリゼーション・ワーキング・グループからいただいたシミュレーション結果をもとに述べた後、16ページの一番下の2行で「このように本試算からは、経済成長への悪影響を最小限にCO2排出量の削減を可能とするためには、『合同会議対策』を含む技術面での対応が極めて重要」ということを強調させていただいております。

17ページから18ページには、同ワーキング・グループからいただきました見取図ということで、【1】技術、【2】産業構造・企業行動、【3】社会システム・インフラ、【4】ライフスタイル・社会意識、【5】低排出型社会の構築へ向けての施策等ということを書いてございます。

19ページにまいりまして、4.プラスのストックの次世代への継承。3つ目のキーワードでございます。

以下、前回のスケルトンでもご紹介申し上げましたけれども、各ワーキング・グループの基本メッセージをここに入れております。

19ページが(1)柔軟・創造・挑戦型産業構造。産業構造ワーキング・グループのメッセージでございます。20ページが~今後の技術革新の姿はどうなるのか~、技術革新ワーキング・グループのメッセージでございます。その後、20ページから21ページにかけては今後の産業構造のプロジェクションをした後、21ページ雇用・労働ワーキング・グループからのメッセージということで、(2)流動性と安定性を兼ね備えた労働市場。第2パラグラフ「労働市場における競争のためのルール整備、市場モニタリング機能の強化、紛争処理システムの整備等人々が安心して働くことのできる環境の整備を行うことを前提に一層の規制緩和というような文章にとりあえずはさせていただいております。

その後、長期的に見れば我が国経済は確実に労働力減少経済に突入するわけで、それにどう対応するのかということを定性的に22ページから23ページにかけて論を進めております。

24ページは、失業率は今後高まるのかというクエスチョンに基づきまして、雇用・労働ワーキング・グループからいただきました試算等を踏まえて、今後、構造失業率はいろいろな要因によって上昇することが予想されるけれども、この水準は国際的に見てもそれほど高い数字ではないという文章にしております。

24ページの(3)が効率的で魅力ある金融・資本市場。金融ワーキング・グループ、土地・住宅ワーキング・グループからのメッセージでございます。前回のスケルトンと内容は同じでございますので省略させていただきます。

27ページにまいりまして、財政・社会保障ワーキング・グループからいただいたメッセージ(4)世代間公平を基礎とした財政・社会保障制度ということで、まず~潜在的な世代間不公平はどのぐらいあるのか~ということで、世代会計の手法を用いまして、今後、財政構造改革と社会保障改革が進むならば、将来世代の負担超が少しは小さくなってくるということで、世代間の公平性が改善するということで、このことは将来に対する不安感を除去することを通じて、経済社会の活性化につながるというメッセージを書いてございます。

28ページからは、~社会保障制度改革のインパクトは?~ということで、【2】医療制度改革と介護について触れた後、29ページの真ん中~財政・社会保障制度改革による果実~。ここでは、将来世代に過度の負担を残さないという意味合いにおける世代中立的、年齢中立的、ジェンダーフリー。この3つが今後の財政・社会保障改革の果実であろうというふうに冒頭述べた後、世代中立的な話を書いて、その後、エイジフリーの考え方を書く。その後、ジェンダーフリーの考え方を簡単に書いております。

以上、3つのニュートラルプラス2つのフリー、この3つの原則に共通する点として、これまでの世代中心の財政・社会保障の考え方から、個人単位のものへの変化があるということで、ここでは1つの例として3号被保険者の問題を取り上げているということであります。今後、女性・高齢者が重要な働き手となる社会では、29ページの下から4行目ぐらいですが、個人の就業の有無にかかわらず世帯としての給付と負担との不均衡は生じないで、その結果、働く意思に中立的な効果を持つ個人単位の制度が必要であろうということで、こういうふうに切り替えていくならば、少子・高齢化は怖くないという意味のことを30ページの冒頭に書いてございます。

30ページの(5)ゆとりある土地・住宅環境。土地・住宅ワーキング・グループからいただきましたメッセージをここに書いてあります。

(6)プラスのストックが我が国経済に持つダイナミズムということで、前回のこの部会でご指摘がありましたいろいろなことが書いてあるのですけれども、最後は、労働とか資本とか生産性とか技術とか、労働参加率とか、こういうマクロの変数でもう一ぺん集約して書いたらどうかというご指摘もありましたので、31ページ【1】労働力、【2】資本、【3】技術進歩という3つの生産要素の窓から今後の経済社会を定性的に見てみるという構成になっております。

32ページが5.内外経済の長期展望とそのインプリケーションということで、(1)新しいグローバル時代における世界経済の課題と展望ということで、簡単ではございますけれども90年代の簡単なレビュー、それから、2010年を意識した定性的な展望を書いた後、33ページでグローバリゼーション・ワーキング・グループからいただきました今後の成長のボテンシャルの数字をここでご紹介するというふうにしてございます。

あとは、前回、いろいろご指摘のありました各ワーキング・グループからの提言等は、後ろの(参考図表)に、各ワーキング・グループからいただきました図表の中に織り込む形で出してはいかがかということで1つの案を提示させていただいております。以上でございます。

〔部会長代理〕どうもありがとうございました。

それでは、展望部会報告書素案につきまして、これはご議論はどうぞご自由にご発言いただきたいと思います。

〔A委員〕他にもいろいろあるのですけれども、いままで議論を重ねていることですから、特に私は雇用の問題について、立場上発言させていただきたいと思います。

あまり感情的なことを言ってはいけないのですけれども、非常に気に入らないのは、取り分け3ページの2.政策体系における優先度と重点というところの最後の方に「失業の増大等の痛みを伴うものであるが、その痛みは、将来世代のために、我が国経済が21世紀に向けて再生を図るためには避けて通れない痛みであり、これを先延ばしにするならば、……」、失業の痛みというのは、結果として痛みが出るのはある程度やむを得ないし、雇用を何とかしなければいけないと思うのですけれども、結果として出た痛みは、基本的な政策としてこれを和らげるという方向性がなければいけないと私は思うのです。もちろん極端なことをして、雇用を大事にするということだけで全体の構造改革を妨げるようなことはあってはいけないというのを提起されるのはそれなりにわかるのですけれども、この書き方はいかにも失業は当たり前なので、痛みを感じたら将来はよくなるという話になると、ものすごく感情的になるけれども、その間に失業する人はいいのだということですよね。これはやはり国民経済的に本当にプラスであるかどうかということなのです。

それから、労働市場の改革について縷々述べてありますけれども、雇用市場、要するに「結果の平等」の部分についても異議があるのですが、それは百歩譲って、私の意見と違ってもかまわないと思うのですけれども、労働市場の改革が「結果の平等」を大事にするあまりに、労働市場の改革が進まなくて、それで経済の成長が止まるというふうに極端に言われると、本当にそうなのかなと思うのです。根っこに潜んでいる思想が失業はやむを得ないというものであり、私は、非常に感覚的な、理論的に言えないので経済審議会にふさわしくない発言なのですけれども、失業自体があって、それが経済成長につながるとはどうしても思えないのです。やはり人間を扱っているわけですから、そこにおける反作用というのを十分考えて、すぐにセイフティネットだとか、その点を整備しなければいけないということは書いてあるのですけれども、どうも冒頭のところに引っかかって、私はそれを素直に読めなくなってしまう。

例えば、6ページの(5)雇用問題に配慮した政策展開というところの「市場のルール整備を図りつつ……」ではなくて「市場のルールの整備を前提として……」というふうになるべきだと思うのです。「図りつつ」で図っている間に一方は需給調整、いわば労働需給をマーケットに委ねることによって失業が起こってしまったのでは、私どもは断固として、先に労働市場のルールの整備を図れと言わざるを得ない、こういうことになると思うのです。

それから、11ページの【2】労働・資本等の柔軟な移動の確保。私自身も、我々労働組合の中では、ずいぶん流動性なり柔軟な移動の確保については個人的には主張している方だと思いますけれども、確かに上の方の「モニタリングする機能の強化というものが市場による競争を有効に働かせる前提条件になる」ということはよくわかるのですけれども、やはり、柔軟な移動の確保をするためにはルールの方が先行すべきであって、それをもっともっと強調すべきではないかと思うのです。

それから、12ページから13ページの「結果の平等」と「機会の平等」については、言っている趣旨はわからないわけではありません、いままでの経済と違っていることはわからないわけではありませんけれども、「結果の平等」を指向したということが、いわば労働者というか、雇用側のモラルを上げて、技術に再挑戦するということになってきているかどうかということは、私は経験的に感覚的にはわかっているわけです。ですから、グローバル・スタンダードと言うけれども、それは逆に世界に発信しなければいけない、逆に、そうした方がいいですよということをアメリカに言わなければいけない、こういうぐらいに思っているわけでありまして、私は「結果の平等」というものを相当程度尊重した上でチャンスの平等がきちんと図られ再挑戦可能なシステムを作るべきだというふうに提言する方が、ちょっと立場上の発言かもしれませんけれども、というふうに思うわけであります。

したがって、最も大事なことは、21ページに書いてある流動性と安定性を兼ね備えた労働市場というところで、確かに労働者の自己選択に基づく職業開発能力を積極的に推進するということはいいのですけれども、これが本当に社会的に準備できるかという不安を、失業の危険にさらされている人は持っているわけです。ですから、どちらかと言うと、職業能力開発だとか、外部労働市場が強化される際に、お互いに交渉する相手側として、我々労働側がどのようなことが提起できるのか、それが安全に図れるのかどうかということを是非この中では強く提言していただきたいと思います。それは結果的には社会保障制度にもつながっているわけでありまして、私は、社会保障制度についても、確かに今大きな問題があると思います。しかし、財政改革だとか世代間の分担の問題についても、逆に言うと、高齢者労働を有効活用することによって、世代間の分担というのはもっともっと前提条件としては軽減される、後世にツケを残すなということについても、高齢者がある程度働く条件を整備することによって分担関係はそこの条件を是非もっともっと入れていただきたい。そのことは提言されているわけですから、世代間の分担の公平化についても、わかりやすく言えば高齢者が働くことによって、その分は稼いで後世に負担させないということだってあると思います。

社会保障だけではなくて税の問題だって同じことだと思うのです。税負担の問題についてもそうした仕組みをとることによってもっともっと世代間の公平感を分担するやり方がある。社会保障制度だけを目の敵にして世代間の不公平が起こるという発想自体はある程度修正すべきではないかと思っております。

〔B委員〕不良債権の問題についてちょっと。

昨日、経団連のミッションでヨーロッパに行って帰ってきたのですが、ヨーロッパ各国ともやはり日本の金融機関の不良債権問題については非常に不安を持っていて、ことに東アジアの問題等がありますので、さらにそれが拡大するのではないかということで、日本に対する投資というものに対して非常に不安感を持っているわけでございます。

ただ、そのときに、不良債権と一口で言いまして、日本の場合は非常に大ざっぱに30兆円だとか60兆円だとか、いろいろな角度から取り上げておりますけれども、私ども銀行に在住したものにとりまして、いわゆる長期化債権と不良債権というのは全く違う。要するに時間をかければ回収できるものと、償却しなければならないものというのは全く違うのですが、その辺について非常にあいまいに十束一からげで不良債権が何十兆円というようなことを発表しているケースが多いのですが、4ページにございますような、「稀少な経済資源とみなされ収益性に基づいた地価形成がなされると考えれば……」というのは、こういうような土地は決して不良債権ではなくて、若干時間をかければ回収できる債権でありますので、この際、ことに海外の投資家というか、の信頼を維持するために、不良債権というものは、本当の不良債権と若干長期化すれば回収できる債権というのははっきり分けて発表していく必要があろうかと思います。

現実問題として、例えば東南アジアの投資家が東京駅の近くを買ったり、あるいは銀座あたりにはブランド物の店がデパートから出て自前で店を出すようになっている。あるいは日本の土地問題というのは宝の山だというようなことを言われるほどになってきているわけでございますので、すべて不良債権が多くて大変だということではなくて、政府の金融対策等も着実に行われているので、これは時間をかければ不良債権問題というのは必ず片づくのだから、ひとつそういう目で見てくれというようなことをどこかに入れておかないと、悲観的な発表だけ、ことに経済審議会の発表は当然外に発表するわけでございますので、そういう悲観的なものではなくて、日本のファンダメンタルズは強いのだということが根底にある態度というのは必要ではないかと思います。

〔部会長代理〕大変基本的な問題が続出しているのですが、何人か他にもご発言ご希望の方があると思いますので、申し訳ありませんが、先にご発言を一括進めさせていただいて、後でお答えいただきますし、ややテクニカルにわたるような点がありましたら事務局から別途ご説明させていただくということで、とりあえず先に議論を積み重ねていきたいと思います。

恐縮ですが、既に何人か名札をお立ていただいているのですが、もし、ご発言のご希望がありましたら名札を立てていただきたいと思います。

〔C委員〕いろいろな委員からいろいろな問題点が出ているのですが、改めてこれ送っていただいて、私、全体をゆっくりとは言えませんが読んでみて、1つ基本的なところで聞きたいところがあるのです。

もちろんこれは、総理に出すというか、経済審議会はそういうことなのですが、報告書の主要な対象というか、どこを相手に、あるいはどこを目指して書かれているのか、そこのポイントがあまりよくわからなくて、ある面では国民全体というか、そういうメッセージも意図されているのか、それとも経済界とか産業界とか政策担当者なのか。というのは、後でいくつか具体的に指摘してみたいと思いますが、表現の仕方とか用語の問題とか、読んでみると専門家としてはわかるのですが、もう少し広い意味で読んでいくときに本当にわかるのかどうか。この報告書は形式的な話ではなくて、一体どこに向けて狙っているのかというところが全体として気になりました。

2番目は、前回、私これを申し上げて、そのように書かれているので、その点は文句はないのですが、どちらかと言うと現状は悲観的な状況で縮小均衡の悪循環みたいになっているので、そういうものを打破して将来ある程度拡大均衡というか、そういう良循環構造ができるように書いてもらえたらうれしいということを申し上げたのですが、私どもの地球環境ワーキング・グループの例を出して指摘させていただこうと思うのですが、本質的な意味で問題所在を解いていくためにいろいろな対応をしなければ問題があるように思われてならないにもかかわらず、むしろ解くべき問題がうまく提示されていない、あるいはある部分だけが強調されているのではないかというふうに感じました。

第3点は、もう少し具体的に申し上げたいと思うのですが、ここでは基本方向はどこに書かれているかというと、9ページの第II章我が国の経済社会の構造改革後の展望の1.長期に目指すべき我が国経済社会の方向-3つの視点と書かれているわけです。先ほど事務局から説明がありましたように、この3つの視点というのは「透明で公正な市場システム」、「環境と調和した社会」、「プラスのストックを将来世代に継承していく」ということで、この1.で2つの視点は書かれているのですが、あまり細かい議論はしたくないのですが、10ページの上から3つ目のパラグラフがまとめになっていて、「このような『透明で公正な市場システム』」、『環境と調和した社会』……」のところ、私が読んでもよくわかりませんし、他の人が読んでも、この3つ目のパラグラフというのは書き直さなければ何を言っているのかわからないのではないかと思われるのですが、細かい文章上の問題は別として、2つのインフラを構成してプラスのストックを将来世代にというふうには書かれているのですが、3つ目の視点としての「プラスのストックの将来世代への継承」というのがここで出てくるかというと、最後のところにわずかに触れられているだけであって、最初のところに明確な3つの視点が明示されているとは思えませんし、あるいはこの2つの「透明で公正な市場システム」、「環境と調和した社会」というのとで、すべて透明で公正な市場システムで環境問題が解けるのか。

あるいは10ページの2つ目のパラグラフでは、「環境と調和した社会」というのは何かというと、大量生産、大量消費、大量廃棄といったようなものを180度転換して、より環境への負荷の少ない社会であり、持続可能な発展が達成できる社会だというふうに大上段にふりかぶって書かれているのですが、私どものワーキング・グループのものを使って次のところでその方向づけが書いてあるのですが、本当にうまく両立して簡単にできるのか。基本的に市場メカニズムが貫徹されると書いてあるのだけれども、少々心配なのは環境問題の多くのものは、いわゆる表面的な市場メカニズムではカウントされない外部不経済効果があって、これを内部化するメカニズムとして市場メカニズムを活用しろということはわからないのではないのですが、何となくつながりがうまく……、ある面ではトレードオフの関係に立ちがちなものを総合して、それを解決する方向づけがこの中でなされているのかということを考えてみますと、私はかなり問題が残っているような感じがしてならないのです。

4番目のコメントは、これは私どもの部会の性格上、経済社会展望部会で内向きの方向づけで、国内のいろいろな問題がどう変わりどうなっていくかということで、ただ、佐々波先生の部会のグローバリゼーションというようなところがあって、先ほども付属資料で出ましたように、内外経済の長期展望とそのインプリケーションというような意味では論議はされているのですが、それは、世界はどうなるか、それに対して日本はどう対応していったらいいのかということでありまして、何か一国主義的な感じがしてならない。日本はアジアの危機であるとかいろいろな意味で、サミット参加国の1つとして国際的な貢献が求められている。そういう面で、最後に外向きのメッセージというか、これは環境問題もまさにそうでありまして、国内的に省資源とか産業構造を転換しても、結果として世界全体として見ると日本が一番エネルギー利用効率が高くて、利用効率が悪いところに産業構造の転換で産業を押しつける。そうすると、トータルでCO2の削減をするという場合には、日本が積極的に対外的な技術移転とか、そういう手段なしには全体としてうまく解決し得ないということで、ですから、何かもう少し、日本の国内の経済、産業を展望するという意味で一国的になりがちではあるのですが、もう少しメッセージとして外への問題、最後のところとか、あるいは部分、部分でそういった点があったらいいのではないかという感じがしてならないわけでございます。

問題の認識とのかかわり合いで大変申し訳ないのですが、具体的にご説明させていただいた方がいいというので、前回もちょっと指摘したのですが、読んでみますと、ある意味では前向き、積極的に経済成長率もうまくやっていけば落ちないし、問題解決の余地は高いというふうに15ページの3.環境と調和した社会というのは書かれていると思うのですが、ここのところについて具体的にコメントしながら、私が申し上げたポイントがどこにあるのかということを説明してみたいと思うのです。

3.環境と調和した社会の第2パラグラフですが、「市場的な側面」と「非市場的な側面」の2つがある。市場的な側面を中心にやり、非市場的な側面で解決をさらに図ろうということなのですが、環境問題が起こってくるのは基本的には市場の失敗であって、基本的に失敗とか外部性をどういうことに対応するのか。これは後で環境税とかその他の話はないわけではないのですが、基本的なスタンスとしてこういう点でいいのかどうか。

(1)CO2排出削減対策の経済成長等への影響ということですが、ここの議論は例のCOP3の、いわゆる京都議定書のことで6%というふうになっているのですが、専門家たちがもしまじめに地球温暖化に対応しようと考えているとしますと、これはIPCCの報告書その他でもあるように、もし地球温暖化を防止するのなら、現在の温室効果ガスの排出量を直ちに6割とか削減しなければならない。そういう意味で言うと、COP3の京都議定書というのはほんの第一歩にすぎないわけであって、さらにこれをどんどん強めていかなければならないということになると、これは非常に重要な挑戦であって、今、ここでやられていることはその第一歩にすぎないのだという認識があった方がいいようにも思いますし、16ページまでのところはシミュレーションした結果として「こうだ」というふうになっているのですが、17ページの最初の行の後のところに、まず1つは、合同会議対策というのは供給面における新エネ供給とか原子力というのが実現されることを前提としてなっているわけですが、これがもし実現できないとしたら省エネにどれだけ積み増しになるのかというような意味で、供給面の対応をちゃんと周到にやっていく必要性がありますし、それから本当に合同会議対策、これは専門家たちがいろいろ検討しているわけですが、ここの線に沿ったような発想で実現できる可能性はほとんどないのではないかというのが専門家の意見であるわけで、そういう面で言えば、これをやるためには非常な困難があって、是非、これを実行……、そのメッセージはあるのですが、もっとそういう面での困難性があるとか……。

17ページの第2パラグラフですけれども、国際的な相互関連性が十分に考慮されていないということで産業構造を転換することによって転換が図られたときに、世界全体としてCO2を減らすためには、先ほど言ったような意味での国際的技術移転とか国際的な貢献ということが必要であるとか、そういうメッセージが書かれていてもいいのではないか等々、確かにシミュレーションはしたわけですが、こういうものが本当に実行できるのかどうかというようなところについてかなり大きな問題が残されているように思いますので、ある意味では成長率を下げず、あるいは産業構造の転換、それをドラスティックに行わなくても問題は解けるというメッセージもあるのですけれどもその前提としてどういうことが必要になっているのかという意味で、もう少し真正面に取り上げて問題を投げかけるという、そういう書き方ができたらいいのではないかと思えてならないわけでございます。最後ですが、これ全体を読んでみまして、表現の仕方が難しくてよくわからないということと同時に、1ページの「はじめに」のところを読んでみると、第2パラグラフですけれども、いろいろ不安感があるということはわかったのですが、4行目ですけれども「という点について漠然とした不安感あるいは誤解がある」、国民はそういうふうになっているというのですが、「漠然とした不安感あるいは誤解がある」という文章を国民が読んでみて、本当にそう思っているのかどうか。将来がよくわからないから、それで不安感を持っているというわけですけれども、不安感は「漠然とした不安感」ではなくて、重大なあるいは決定的な不安感を持っていると思うし、「誤解がある」というのは表現としてあまりいいとは思えない。「不透明感を持っている」というのならまだしも、あるいは3ページの上から4行目もそうなのですが、「国民の間に漠然とした不安感をもたらしている。」というけれども、前に書いてある、こんな重大なことに対して国民は「漠然とした不安感」で収まっているのかどうか。

それから、先ほど誰を対象にして誰に向かって言っているのかと言いましたけれども、2.政策体系における優先度と重点のところをちょっと見てみても、あまりに外国語が羅列されている。「政策スタンス」、「改革のモメンタム」、「4つの柱がパッケージになっている」等々。

それから、これは基本方向を提示しているので具体的な対策がないという、あるいはそれに欠けているというところはわかるのですが、例えば「透明で公正な市場を作り出す」という形で、いろいろな意味での点が出されていて、例えば14ページの【2】セイフティネットの基本的な考え方、(4)システミックリスクへの備えと危機管理というようなところ、「システミックリスク」という言葉が使われていて、それがすべて体現していて具体的な内容がそこで明示されているならまだしも、この言葉だけが使われていて、これが具体的に何を意味して、どういうことなのかというようなところは、私の読み方が悪いのかもしれませんが、14ページから15ページを見たときにシステミックリスクという用語に依存していて、内容的な検討がされているのかという意味で、何となくこの書き方全体について、私は誰を対象に書いているのかによってべつに文句をつけることもないかと思うのですが、私が読んだときには非常にわかりにくいし不親切だし、また、国民に対してのメッセージ、あるいは国民に対するというような意味では「漠然とした不安感」だとか「誤解」であるとか、非常に気に触るというか、国民は読まないからいいのかもしれないのですけれども(笑)、そういう感じがしてならないし、国民も納得させて、あるいは国民に訴えかけて何かをみんなで考えていこうという姿勢も、これを読んだときに若干問題があるのではないか。ちょっと言い過ぎたような気もしますが、全体を通して見て、国民の立場というか、そういう立場でこういうことを考えたときに問題がなしとは言えないのではないかと感じましたので、最後のところは蛇足でありますし、あるいは6ページのところもすごく気になるのです。例えば6ページ(5)雇用問題に配慮した政策展開の4行目「ここ最近の消費者態度の悪化の背景にも……」ど書いてあるのだけれども、態度が悪化しているのですかね。ですから、もう少し神経を使ってお書きいただいた方がいいのではないか。すみません、具体的でないと言いがかりをつけているのではないかと思われると困りますので、そんな点をちょっと率直に辛口で言わせていただきました。

〔D委員〕ページ順に意見と要望を述べさせていただきます。

まず4ページの真ん中ですが、「破綻した金融機関は円滑に退出を促す」、それからそのパラグラフの終わりに「不採算な金融機関の思い切った整理が必要である。」と書かれているのですが、私はこの意見にべつに反対するわけではないのですけれども、是非、ここに但書のようなものを付けていただきたい。それは、A委員がおっしゃったことを、ある事例で申し上げるような格好になるのですが、退出を促したり思い切った整理をすれば、必ず雇用が失われるということがあります。北海道はご承知のように、昨年の11月17日に五千数百人の雇用を一時的に失うという格好になって、ようやく何とか再雇用をして、それでも現在でも数百人は決まらないで残っているということがございます。ですから、市場原理なので当然なのだということはあるのでしょうけれども、是非、「雇用の維持の努力ということを前提に」というようなことを入れていただきたい。それから、「地元経済とか、地域経済への影響を配慮しつつ」というようなことを、是非ここに、但書的にでも書いていただきたい。先ほども「失業の苦しみ」というのがありましたけれども、これはそうなった人でなければわからないし、誰が読むのかという話がありましたけれども、多分、国民の誰かが読むのでしょうから、そういう配慮が必要なのではないか。これは、そういう地方に住む者の要望ということで聞いていただければと思います。

次に14ページですけれども、これは質問ですが、私、前回、欠席しましたので、議論されたのかもしれませんけれども、下から2行目から3行目にかけて公的資金の導入の話がございますけれども、「公的資金の導入は市場メカニズムの原則に則って……」というふうに書いてあるのですが、公的資金は実際に1兆数千億円入ったのですけれども、ああいうものを想定してあれが市場メカニズムなのかというふうに思うと、ちょっとそうではなかったような気がしますので、ここら辺はちょっと言葉を補っていただきたいというか、どういう意味なのか、私にはちょっとわからなかったということであります。

細かいところはとばしまして、23ページですが、23ページは私が関わった産業構造のところですけれども、図の下の方ですが、比較劣位のところが縮小していって、優位のところに労働力が動いていくという筋書きなのですが、我々のワーキングのところには多分書いてあったと思うのですけれども、比較優位というのは比較的省力化産業というか、あまり人を雇わない産業が多いわけで、この図式だけでいくとどうしても雇用に無理がかかる。そこでいわゆる新規産業というものを育成するという、そういう筋書きを確か付けていると思うので、単純にこういうふうに比較劣位で出て行った労働力が優位に入って吸収されるというのは、それはそういうふうになればいいのでしょうけれども、そこのところに新規産業に力を置こうという話があったということを申し上げておきたいと思います。

それと同じような話というのは、34ページにも実はあるのですが、34ページでも「比較優位喪失産業から速やかに撤退し……」という話がありますけれども、労働力移動を押し進める、ここのところも同じようなことをちょっと申し上げたいと思います。

印象なのですが、私も速達で送っていただいて急いで読みまして、非常に大胆な言葉、例えば「失われた10年」とか、昔聞いたどこかの国の言葉だと思っていたのですが、それが日本で使われるとか、「結果の平等をやめる」とか、いくつか大胆な表現があるのですけれども、結論的には、楽観的と言うとちょっとあれですけれども、展望を持たせるような、そういう落ちになっているのかなというふうに思いました。

質問と要望をゴチャゴチャに申し上げましたけれども、以上でございます。

〔E委員〕全体のトーンとしまして、今、日本の国民に一番必要なのは将来そんなひどいことはないよという安心感を与えることだと思うのです。基本的にそういう方向で組み立てられているということにつきましては、結果的に大変いいのではないかと考えております。そのための条件がいくつかあるのですけれども、労使の論争はまた後ほどやらせていただきますけれども、先ほどの失業の問題に関わって言いますと、失業の問題については政府の政策は確かに重要ですけれども、日本の場合ほとんど大半というか、大部分を解決しているのは民間労使ではないかと思うのです。ですから、その点に十分留意することが必要だと思いますし、今、そういう労使関係にありますので、労使関係が変わればまたわかりませんけれども、そんな意味で民間の努力をベースにして、今、こんな不況でも未曾有の好況のアメリカよりも失業率は低いわけですし、しかもその中で不況による失業というのは1%そこいらという状況でありますので、そうした点の判断も何か入ったような文章にしていただくと、労使がまた張り切って一生懸命やるということも考えられるかなと感じるわけであります。

中の景気回復に関わる問題で2つまだ書いていただいてないところがありまして、1つは不良債権の問題でありますが、不良債権の問題は、ここで拝見したアプローチでは銀行のバランスシート調整についてはずいぶん書かれておりますけれども、実際に不動産のどうにもならないものをどうやって流動化するのかということについてはほとんど触れられていないのですが、実はこれがなければどこまで土地が下がるかわからない。マーケットがないところに評価はできないわけでありますので、マーケットを早く作ってほしい。極端なことを言いますれば、2年間ぐらい譲渡所得税を完全にゼロにするというようなことをやれば、民間が自分で徹底的にその期間に動かすだろうと思うのです。そうすると、そこでマーケットができて、ほとんどのものが7割、8割、知りませんが解決をして、あと、どうにもならないところを政府の手でやるということが、私どもの仲間でもよく論議にのぼるのですけれども、そういう何か思い切ったことで実際の土地をどう動かすかということを是非、これもかなり思い切ったところで書いていただければなと思います。

〔F委員〕先ほど、この報告書は誰にあてたものかというお話もございましたが、この中身を拝見いたしまして、将来、悪くならない、こういう展望があるのだということを国民に示すという意味では非常にいいことだと思います。ただ、これが発表されるのが6月あるいは7月といいますと、総合経済対策の効果はまだ出てこない、むしろ今のインドネシアとかそういうような状況等を見ておりますと、むしろ経済実体は悪くなるかもしれません。そういうときにこれを発表される場合、将来はいいとしても、うまくテイクオフできるのかどうかということを、もう少し書き込まないとまずいだろうと思うのです。総論の方もそうだと思います。

非常に抽象的な計算では、既に総合経済対策が公表されたときに、企画庁から総合経済対策の効果というものが計数で公表されておりますが、これについてはマスコミあるいは財界その他、あまり反響を見せていない。むしろ総合経済対策そのものについても非常に冷淡な受け止め方をしております。そういうことを踏まえて、これを発表される時期、やはり中身について丁寧にわかりやすく書くということが必要ではないかと考えます。

最後に、環境問題でございますが、これはこの間いただきました両部会の合同報告にもあるのですが、いままで環境部会がやってこられたのはCO2中心で議論してきております。CO2の排出をいかにして抑制するか、それが経済にどういう影響を与えるかということを中心にやってきております。これ以外にも、今度、展望部会報告にはわりに全体の抑制の仕組み等が書かれておりますけれども、前回の部会にC委員からご指摘がございましたけれども、排出権取引の問題であるとか、あるいはCO2以外の5つの温室効果ガス、これ全体についてどう考えるかとか、あるいは森林造成のようなCO2を吸収する施策、これもCOP3では強く出されております。そういう意味で、全体の報告の中ではCO2だけでなしに全体の問題としてもう少し幅広く取り上げていただければありがたいと思います。

〔G委員〕不良債権について、おそらく日本の見通しを悪くしているのは不良債権の問題なので、これがどういう道筋で解消されていくのかということを示すことは、やはり国民にある種の安心感を与えるエクササイズではないかと思うのです。その面では非常に高く評価したいと思うのですが、そのために必要な政策が果たして十分かというと、やはりまだまだ不足で、市場メカニズムというのはどういうものかともう少し書けというご意見もありましたけれども、1つはやはり不動産の方で言いますと、不動産のビジネスというものが今よりもっとやりやすいものになるという、例えば税制の面で言いますと、今回、担保不動産に関してSPCを作るということで、多分、証券化が進むのだろうと思いますが、アメリカの場合ですとREITというような不動産業そのものを証券化するというような対策もとられて、もちろんこれが今税制の抜け穴になっているからいけないとか、いろいろ副作用もあるのですが、もう少し不動産のビジネスを活性化するために証券化についてももっと市場メカニズムといいますか、プライベート・ビジネスを、インタレストを引き出すような政策がやはり必要なのではないか。

もう一つ、不良債権額については情報の非対象性があるわけで、銀行が本当に正直に申告してくれない限りは誰も知ることができないという問題だろうと思うのです。

こういう情報の非対象性があるときには政策としてはアメとムチを使い分けるということが非常に必要で、アメリカの場合も、ここで教訓として7ページに2つほど挙げてあって、この2つはそのとおりなのですが、さらにやはりアメとムチの面、早くそういうことを正しく言った人、あるいは償却、ライトオフをしたところには、そういう方が得をするというメカニズムをどこかに入れておかないと、今のままですと、例えば今度みどり銀行と阪神銀行の話がありますが、つまり、アメだけしゃぶってしまってどんどんなくなっていく、ムチの分がやはりないと、組み合わせで考えないと、本当には解決しないで、あとは、じゃあわからないから第II分類そのうちなくなる、不良債権がなくなるからと言っていると、やはりこれまでずっと7年間放ってきたのと同じことになってしまうと思います。

〔H委員〕私の個人的な問題意識を鮮明に理解していただくために、ちょっと過激な言葉を使うかもしれませんがご容赦願います。

また不良債権というか金融の問題なのですが、70兆円の話が出ても誰も驚かないしパニックにならないですね。もう半年以上前から大体60兆円から120兆円、海外はみんな120兆円と言って議論していたわけです。問題なのは、そんなに不良債権を抱えながら、他の産業、製造業あるいは90年代初めにアメリカで起こった金融不安のときの、アメリカの銀行のリストラクチャリングと比べて、日本の金融のリストラは全く進んでいないということが驚きであって、だから、極端に言えば金融機関の失業が増えれば増えるほど、マクロ経済的に見た全体の失業が小さくなる。不良資産を作っているのは金融であって、貸出を回収して極端な信用収縮を起こしているために実体経済の面でどんどん不況、貸し渋り、信用収縮倒産が起こって、それが分類でだんだん悪い分類に資産が劣化しているというプロセスがおそらく始まっているのだと思うのです。製造業の方の話を聞きますと、現役ですらマネジメントが責任を取って賃金カットをしたり俸給カットしたりしている。今、都銀19行、あるいは都銀はおそらく1行も税金払ってなくて、しかも公的資金で支えられている。支えられた資金は補助金としてリストラに使っているというよりも、リストラしないで償却に食いつぶしている。もっと厳しく言えば、公定歩合の大幅な引下げの中で短期金利をどんどん下げていたという中で、もう数年前から巨額の準公的資金が預金者セクターから金融機関にシフトしていたわけです。それをみんな補助金として使ってしまって、じゃあ、それに対応するリストラ部分というのはどのぐらいあったのか、何十兆円あるか。おそらく他の産業の常識、あるいは海外における金融不安が生じたときの金融機関のリストラの常識からすると、全く何もしていないに等しい状況が続いているのではないか。もう不良資産の状況というのは91年にバブルがはじけた瞬間から始まっているわけですが、7年間何をしていたかということが問題であって、金融機関の貸し渋りというのは、貸し渋りではなくて実は誰が作り出したかどうか、現実には信用収縮であり、貸出回収なわけです。この前発表された4月の5業態の合計の貸出残高を見ますと前年比で3%ぐらい縮んでいるわけです。おそらく償却した部分は貸出から減りますからその分はあるのでしょう。しかし、相当の収縮があるわけです。その辺をどうやって理解するのか。ここにいくつかのシナリオがありますが、金融の本格的リストラなしにはあらゆる措置を他に講じても、現実には経済は動かないと思うのです。

最近、公定歩合をまた下げろという議論がありますが、下げるときに効くための条件というのは、リストラがそこにあって、そこにおける資金コストの低下のメリットが実体経済に広がっていくということが前提なわけですが、今、みんな途中でアメだけしゃぶる産業が出てきているということが一番の問題ではないかと思います。

さらに言えば、去年の11月の金融パニック以降、消費性向がガタンと落ちました。異常な赤字に落ちました。なぜ落ちたか、銀行がつぶれるからとか何とかではないのです。よく見ると、これまで一般の市民がずっと持っていた感覚があります。超低金利による政策というのは、短い資金を扱っている金融機関の救済のために、長い資金を扱っている制度や機関を犠牲にしているわけです。生命保険は破綻します、年金は破綻します、その次に出てくるのは要するに拠出金を増やします、あるいは支給開始年次を先延ばしします、あるいは仮に支給しても金額は減ります、しかし負担は変わりませんとか、あるいは増やす、生命保険も積んだものが返ってこないかもしれない、元本すら返ってこない、日本の生命保険の過半はみんな将来のための貯蓄としてやって、リスクをカバーするためのものではない。そうなると、当然、庶民的な感覚からすれば、雇用調整の話もありますし、将来心配になる。当然、もっと貯蓄しなければいけないという話だと思うのです。だから、そこが原点であって、それから、リストラについて関連して言えば、最近の数字を見ますと、銀行が日銀に積んでいる準備預金、法定準備預金よりもさらに何兆円も多く積んで、しかもこの1,2か月で余剰準備、過剰準備が膨れ上がっているわけです。預金を受け取ってそれを無利子で積んでいるわけです。あるいは国債を買っているわけです。そのために国債はイギリスの産業革命まで歴史をさかのぼってもないぐらいに10年金利が1.3%を切るような状況になっている。それは実体経済にその資金が回ってないということです。なぜ、そうなるか。リストラが他の産業の常識からして、あるいは海外のそういう状況になったときの金融機関の常識からして行われていないということであって、もし、そうだとしたら、金融機関に対する異常な状況に対してのメッセージも発したいなというふうに思うのですが、ちょっと過激な言葉を使いましたが、むしろご意見をお伺いしたいと思います。

〔部会長代理〕I委員が挙手されておられますのでお願いいたします。

〔I委員〕たくさんの意見が出されましたけれども、私が読ませていただいた印象からしますと、経済社会の展望部会ということですので、どういう立場からこれを表現していくのかということはあると思いますけれども、できれば、読んで、やはり展望の持てるような表現を期待したいと思っております。

ところどころの表現の仕方についてもたくさんご意見が出されましたが、出なかったところの問題として、22ページには女性や高齢者が参画しやすいといいますか、そういったところで具体的な表現で踏み込んでいただいていますので大変うれしいわけですけれども、23ページの「第2に、……」の項のところについてちょっと気になるわけです。「我が国経済の比較劣位産業が途上国に代替されるという……」という表現は、あまり好ましくないかなというふうに読み込んでしまったのですけれども、ご検討いただければと思います。

〔部会長代理〕ずいぶんたくさんご意見をいただきまして、しかもそれぞれ非常に重要な御意見であったと思います。私個人として言えば、これはまとめるのはなかなか大変だなというのが率直な印象でありまして、率直に言えばこれを明るく書くという話と厳しく書くという話の間にはかなり大きなギャップがあると思うのです。

それから、B委員には悪いのですけれども、まだもっと待ってくれとおっしゃいましたけれども、7年たって待っていて、まだ待つというのは商業銀行ではないと思うのです。不動産会社がそうおっしゃるならいいと思うのですけれども、銀行がそれを言ってはもうお終いよというのが率直な印象でございまして、それはどうなのでしょうか。しかし、私、個人的には厳しく書くというのなら、つまり、日本経済は一度死んで出直そうよと書くのなら書けると思うのです。大丈夫だけれども……。

〔B委員〕それが外に洩れたときに……。

〔部会長代理〕いや、外の方がもっとよく知っているのですよ。

〔B委員〕知っているけれども……。

〔部会長代理〕どんどんバレてきて、日本の新聞より、いや、失礼、脱線……。外のを読んでいた方がずっと早く予見できることになっていて、こういう事態こそやはり危機だと思います。

ですから、そういう点で、これ、どういうふうにまとめたらいいのかということを、皆さんの意見を聞きながら、いままで実はノンシャランでいたのですけれども、深刻に考えましたが、率直に言って、一々ご質問にお答えするのは時間的な余裕がありませんので、文書で質問に対する、どうせ議事要旨をまとめられるでしょうから、それと同時に委員の方々に対しては、質問された方だけではなくて全員に、少なくとも技術的な点を含めて、質問なり反論なりがあれば、一度文書で配っていただくということにして、とりあえず今日のところは部会長もご欠席ですので、もう一度部会長ともよく相談させていただきたいと思いますから、とりあえずそういう形で次回ということにさせていただきたい。

まとめるとすれば、かなりいろいろな個別にご意見を承ることをもっとやらなければいけない場面が出てくるのではないかと思いますから、その点、事務局も大変でしょうが、こういう時代ですのでひとつ覚悟していただいて、そういう形にさせていただきたいと思うのですが、よろしいでしょうか。

経済情勢全体等について、糠谷次官、もしご意見があればこの機会に。政府はこう考えているというのがあれば、ごく簡単にお話しいただきたいと思います。

〔糠谷事務次官〕私としては、今回のレポートは、計画ではないわけでございますので、かなり自由度が高い経済審議会の建議としてまとめていただくのがよろしいのではないかと思っております。

一昨年12月、J委員等にご尽力をいただいた「破局のシナリオ」というものを出して大変反響を呼んだことがあったわけでございますが、あのときは「大変だ、大変だ、財政はこんなことになるよ、日本沈没よ」という数字を出して警鐘を鳴らしたわけでございますけれども、これはそれで大変意味があったし、その後の財政構造改革の議論につながっていったと思っておりますが、そこに欠けていたのは、どういうことをやれば将来は何とかなるのだということがなかったところだと思っておりますので、今回は、我々できもしない明るい見通しを出すということを求めているわけではないのですけれども、こんなことをやれば、まあ、何とかなるんだよというような展望が出せればというのが狙いではないかなと思っておりますので、今、部会長代理がおっしゃいましたように、なかなかまとめるのは大変だなという気はいたしますけれども、是非、そんなような主旨でさらに議論を詰めていただければと思っているところでございます。

〔J委員〕今日、第2の議案に入るのかどうか。私、議案の第2のところで申し上げてもいいかと思っていたのですが、何人かの委員からご発言があったように、一体これは誰に読んでもらうのだということになると、それは広く読んでいただきたいのですけれども、広く読んでもらうためには、率直に言って第2の議案のいわゆる合同報告までであって、次にくる部会報告までちゃんと目を通して見てくれる人というのは非常に数が少ないと思うのです。だから、部会報告はどうでもいいという意味で申し上げるのではなくて、逆に、部会報告まで見ればちゃんとこういうふうに各部門別にワーキング・グループで細かく議論したものに裏付けられた総論なのだなということが分からなければいけないわけですけれども、それにしても、総論をサッと見せていただいて、わりあいよくまとまっておりますけれども、この中のいくつかの疑問の中の2つ、3つ、例えば失業率はどうなるか、生活はどうなるかという問題について、さらにこれとは別に、それこそ1枚紙か2枚紙で誰が読んでもわかるような瓦版みたいなものがいるのではないか。しかもそれはどなたかにご相談になってもいいのですけれども、こういうふうに書くとみんなが読んでくれるのだというテクニックがあると思うのです。そういうようなものを作って、できるだけ数多くの方に読んでいただくことによって、先行きの不安感に答える効果を期待したいという感じがしておりますので、それは、これが終わってから申し上げようと思っておりましたが、この機会に一言申し上げたいと思います。

〔部会長代理〕どうもありがとうございました。

それでは、とりあえず部会報告の方については、次回までに事務局から今日の問題に対する回答もお願いしますし、それから、少し各委員の間でいろいろご議論をさせていただく、ご意見をさらに伺うような機会も作って、なるべく、一応予定が決まっているのであればその予定に合わせて少し……。

〔A委員〕部会長代理の話で結構なのですが、今日、欠席の方がおられます。私もしょっちゅう欠席していますから、あまり言えないのですが、そうであれば、今、個別の委員から1つ1つの問題について指摘がありましたから、全部取られたらどうですか、もし、意見がある方であれば。送っていただきましたのでみんなお読みいただいていると思うので、もし、そういう手続で次回まとめられるのであれば、各委員から、もしあるのであれば、指摘の事項を、こうではないかということをお取りになった方がずっと、部会長代理のまとめがはっきりするのではないでしょうか。

〔部会長代理〕それは、各委員から、意見のあるところについて意見を出せと。

〔A委員〕意見書を出させたら?

〔部会長代理〕既に問題になっているところについて?

〔A委員〕でもいいですし、今日、もう1回出したいということであれば。

〔部会長代理〕こちらからお願いしたいと思っていたところでありますので、A委員の意見を大変歓迎いたしますので、是非、皆様からもさらにコメントをいただくように。細かいところだからと言ってご発言をご省略になった方も何人かいらっしゃいましたから、場合によっては電話でお話しいただいてもいいでしょうし、その辺は事務局の方で少し足で回っていただいてもいいと思いますので、是非、よろしくお願いしたいと思います。

それから、もう一つの議案でございますけれども、これは合同報告ですので、部会報告が固まらないと本当は移ってはいけないのですが、一応、先ほどJ委員からお話がありましたように取りまとめられておりますので、大変申し訳ありませんが5分ぐらいの短い時間でサッとご説明いただいて、あともし、これについてもご意見があれば別途文書で出していただくということで結構でございますけれども、とりあえずこの席で一言という方は、その後さらに5分か10分時間を延ばさせていただきたいと思いますので、よろしいでしょうか、そういう形で進めさせていただきたいと思います。

〔事務局〕資料3でございます。手短にご説明いたします。

2ページ目に「はじめに」ということで、イントロを付けてございまして、2つ目のパラグラフのすぐ上のところでございますが、海外からも日本の動向について強い懸念材料視されているということを入れたりしております。

第1章から構造改革の推進と成長軌道回復への道筋ということで、前回、ご覧いただきました事柄を文章に落としておりまして、3ページにまいりまして1.で構造改革の痛みへの対応というのを少し書いてございます。

2.は、財政構造改革と足元の景気停滞の話を整理しております。

3.は、金融システム改革。

4.は、不良債権処理の目途はいつつくのかということで、今、ご議論いただいた事柄をこういうところにまとめていく予定でございます。

5ページのロ)で、先ほど金融機関のリストラの話をご議論いただきましたが、アメリカでもかなり大規模なリストラが進められておりまして、「日本においても」ということで、ロ)に入れてございます。

その後に試算などを盛り込みまして、5ページのヘ)では、不良債権担保土地の流動化ということで、今回の総合経済対策でもこの点が入っておりまして、そういったことを、このあたりでもう少し強調することかと思います。

6ページにまいりまして5.成長軌道回復のシナリオということで、総合経済対策、経済構造改革、中期的な展望といったことで整理をしております。

7ページ第2章構造改革後のマクロ経済の展望というところでは、先般、見ていただきましたように6つの不安材料ということで、1.で、経済成長率や生活水準は低下していくのか。7ページではまだ○%ということになっておりますが、ここに数字を入れまして、1人当たりでは着実な伸びを進めるし、国際的に比較してもそんなに遜色はないということが8ページにかけて書いてございます。

8ページの2.は、我が国経済は少子・高齢化の負担に耐えられるかということで、ここのあたりは役割分担の固定化をしないでいこうという話で書かれておりまして、9ページにまいりまして社会保障改革の話に言及するということであります。

9ページの3.は、地球環境問題による成長の制約はあるかということでございます。

10ページの4.で、失業率が上昇し、生活不安が高まるのかということで、これは前回もあまり楽観的になるなというご指摘もございまして、少しこんなふうに書いてみたところでございますが、まだ楽観的かもしれません。

11ページに、非自発的失業率と自発的失業率の表が入っております。

12ページにまいりまして、5.我が国経済はグローバルの波に耐えられるかということでグローバルの話が書いてございまして、前回のスケルトンに従って書いておりますが、空洞化に対する対応ということを中心に書かせていただいておりまして、外国企業の国内企業への参入を促そうということを12ページの下の方に書いてございます。

6.の経常収支赤字国となり、豊かさが失われてしまうかというところですが、これは以前は「なってしまうのか」という表題になっておりましたが、この点「豊かさが失われてしまうか」という題に直しております。

13ページにまいりまして、前回いただきましたご指摘でございますが、(図表8)の上のところのパラグラフで、本来、長期にわたって経常収支は黒字を維持し続ける必要はないということや、その後に、一時的に経常収支赤字が出ることはあるだろうというようなことを、こんなように表現をしております。

14ページから第3章新しい経済システムの姿ということで書かせていただいておりますが、1.は、従来型システムの特徴とは-その変革の必要性と方向性ということで、以前、骨子でお示ししたこと。

2.は、新しい経済社会システムの基本原則といたしまして、「透明で公正な市場」とそれを支える4つの視点ということで、「機会の平等」以下4つの原則を書いております。

16ページに枠で囲っておりますが、いくつかコラムを挿入しまして、読みやすさを出してみたいと思って、こんなことをしております。(日本型システムか、米国型システムか)ということで、これまでの日本型システムのメリット、デメリットを精査して変革の成果を最大限発揮するように実験をしていこう。そしてそれが世界に通用する我が国に適合した新しいシステムを見つけ出していく必要がある。こんなコラムを作ってみました。

3.新しい経済社会システムの具体的姿のところは、前回ご覧いただいたことを文章に落としているもので、(1)企業システムということで(コーポレートガバナンス)、17ページにまいりまして(企業の発生と退出のシステム)、18ページでは(2)公共システムということで(行政関与のシステム)、(公的金融)ということでございます。

19ページにまいりまして、ハ)で社会保障について、年金、医療、介護全体について総合的に設計される必要があるという観点から少しまとめ的に書いております。

20ページにまいりまして、(3)社会システムということで、(社会的規律と信頼の回復)ということで、イ)では、新しいシステムでは市場ルールの確立が国民の行動のよりどころとなって社会的規律と相互の信頼を回復していく方向となることが重要であるということを、下から4行目あたりに書いております。

(教育改革の重要性)ということで、ロ)でございますが、21ページの上から4行目あたりに、不要な公的規制を撤廃し、競争原理を働かせる方向での改革が重要であるということを書いております。

それから、ハ)が(個人の社会参画システム-エイジフリー、ジェンダーフリー社会)。

(4)NPO-経済社会の新しい主体としてということで、NPOについての機能を、ワーキング・グループの報告に基づいて整理しております。

22ページにまいりまして「結び」ということで文章に落としておりますが、この中で3つの原則であります「透明で公正な市場システム」、「環境と調和した社会」、「プラスのストックの次世代への継承」というものをここで1つまとめて書いております。

なお、これに加えて、〔補論〕として、2010年頃の生活の姿といったものを、先ほどの展望部会の【補論】にございますが、そういったものを付けましてさらにわかりやすくする。誰に読んでもらうかという議論が今日も出ておりますが、できるだけ多くの方に読んでもらえるように平易にかつ読みやすいものにするといったことで、このような素案を作っているところでございます。以上でございます。

〔部会長代理〕時間を制約して申し訳ございませんが、これについてここでご発言いただける方ございましたら、どうぞお願いいたします。

〔A委員〕一言だけ言いますと、私は、部会の報告と審議会の報告でずいぶんトーンが違うような気がするのです。先ほど言い忘れたのですけれども、部会の報告はちょっと暖かみが足りないですよね。部会長代理がおっしゃったように厳しい現状はきちんと言わなければいけないというのはそのとおりだと思うのです。その上に、どうするかというときに「どうするか」という主体は企業もそうですし、いろいろな人がその主体たり得るわけですから、国民にアピールするのであれば、「こういうことをやればできるのだよ」という方向性がないと、明るい展望を形成することができないわけです。

その意味から言うと、本審の答申の方がトーンがずっとそうしたものが出ているというような気がしますから、細かいことはまた言いますけれども、是非、全体のトーンはこれでいっていただきたい。審議官には申し訳ないのだけれども、こっちの方がトーンはいいと思いますよ。

〔部会長代理〕珍しく好評を博したわけですが、他にご意見ございますでしょうか。

〔K委員〕最後に一言だけ申し上げます。

新しいシステムということで、システム論をおやりになっているわけですけれども、その前に、いわゆるアングロサクソン型のシステムと、日本型あるいは大陸型のシステムを比較して、それぞれいいところを取りながらやっていこう。これは全く異存はないわけですけれども、今、システム問題を考える場合に、いわゆるデファクト・スタンダードとかグローバル・スタンダードという問題なのですけれども、それは比較は本来不可能なのですが、しかし、何かあるシステムがデファクト・スタンダードとして採用されてしまったらどうするか。そういう非常に難しい問題を我々は抱えているということを念頭に置いてほしいと思います。

ですから、アングロサクソン型、大陸型、日本型を比較してどちらがいい、どちらが悪いという議論をしていたのでは、どこまでもラチがあかないわけでありまして、今は自己資本比率規制とかあるいはアカウンティングの問題にしろ、あるいはコーポレートガバナンスの問題にしろ、現実にデファクト・スタンダードというものが作られつつあるわけです。であるならば、もし、我々が我々のシステムがいいと思うのであれば、それをデファクト・スタンダードとして採用されるような努力を払わなければいけないということでありまして、もし、我々がツンボ桟敷に置かれている間にデファクト・スタンダードができてしまえば、その次に残される選択はそれに合わせるしかない。そのことは是非書いておいてほしいと思います。

〔部会長代理〕ありがとうございました。

それでは、これにつきましても、各委員から是非ご意見をメモその他でご連絡をお願いしたいと思います。

委員会に参加していることにも責任を伴う時代でありますので、大変負担をおかけして申し訳ございませんが、よろくお願いいたします。

それでは、今後の進め方等について、日程について事務局からお願いいたします。

〔事務局〕お手元の資料4として1枚紙でお配りしておりますように、次回は6月9日(火)10時から、この部屋で開催させていただきます。

(注)にもございますように、このスケジュールにつきましては、今後追加、変更があり得るということをお含みおきいただきたいと思います。

部会長代理からご指示がございましたように、本日、ご欠席の先生方を含めまして改めてご意見等賜りたいと思いますので、郵送とかファックス、電子メール、何でも結構でございますので、改めて送り先とかをお送りしたいと思いますので、できましたら恐縮でございますができるだけ早いうちに、今週できるだけ早いうちぐらいに事務局までお寄せいただきたいと考えております。

〔部会長代理〕どうもありがとうございました。

本日は大変長時間、本当にご苦労様でございました。

---以上---

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