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第3回経済審議会総括部会議事概要

1.日時:

平成12年11月13日(月) 14:00~16:00

2.場所:

経済企画庁特別会議室(436号室)

3.出席者:

香西泰部会長、荒木襄、伊藤進一郎、岩田一政、角道謙一、木村陽子、嶌信彦、高橋進、長岡實、原早苗、グレン・フクシマ、水口弘一、森尾稔、盛岡通、八代尚宏、吉川洋、鷲尾悦也の各委員

堺屋経済企画庁長官、小野総括政務次官、中名生事務次官、坂官房長、牛嶋総合計画局長、永谷総合計画局審議官、塚田総合計画局審議官、仁坂企画課長、藤塚計画課長、前川計画企画官 他

4.議題:

  • 経済審議会が担ってきた機能、役割を効果的に発揮させる上での対応方向
  • 報告書スケルトン(案)について

5.議事内容:

 「経済審議会活動の総括的評価と新しい体制での経済政策運営への期待(報告書スケルトン(案))」等について事務局から説明があった後、審議を行った。委員からの主な発言は以下のとおり。

  • 全体的に「コンセンサス」という用語の使い方が整理されていない。コンセンサス方式の限界として、各関係者への配慮から内容が総花的になる等と指摘しながら、一方で国民との情報共有や対話を通じたコンセンサスの形成が重要としている。また、経済計画よりも政策提言に重点を置くべきと言っているようだが、コンセンサス方式よりもむしろ総理のリーダーシップの必要性を指摘しているところもある。
  • ここでのコンセンサス方式の限界とは、関係省庁が生産者別に縦割りとなっており、所管する生産者の既得権益を擁護しやすいことから改革が進まないということを、念頭に置いているのではないか。消費者としての国民のコンセンサスの形成は、政治の役割である。コンセンサス方式の限界は、まさに既得権益の擁護と裏合わせになっている、という点を記述すべきである。その際には、既得権益の具体的な内容と国民の利益がどれだけ損なわれたかをはっきりさせないと、コンセンサス形式がうまくいかなかった理由が浮かび上がってこない。
  • 土地をみる限り、1970年代初めにもバブルがあった。1973年はバブルの崩壊と交易条件の大幅な変化の二つのショックがあったにもかかわらず、なんとか日本経済は乗りきれた。これに対し、2回目のバブルが克服できなかった背景には、既得権益の問題があった。バブルの発生自体も失敗であるが、その後の政策対応にもっと問題があったのではないか。1990年代のバブル崩壊からいまだに日本が抜けきれていない原因としては、金融仲介の麻痺の問題が大きい。米国では資本市場と銀行部門による金融仲介が代替的関係にあったのに対し、日本では法制度や金融税制によって資本市場の革新が抑制され、金融仲介機能が麻痺してしまったことが問題である。これも既得権益と関連があるのではないか。
  • 分野横断的、省庁横断的な取組みの必要性が指摘されている点についてまったく異論はないが、その指摘が分散しているためインパクトが薄い。また、「経済財政諮問会議及び内閣府の総合調整機能への期待」についても「期待」という表現では弱い。
  • 政策提言の活用の必要性はその通りであるが、それをすべて総理のリーダーシップに委ねるのはいかがなものか。特命担当大臣の役割も重要である。
  • 多様な外部専門家の活用には良い面と悪い面があることに留意すべき。すなわち、経済人か研究者等の外部専門家は、ともすると「時代の子」になりやすいことから、これを補完するため、「先進諸国の経験に学ぶ」必要性があることを記述すべき。
  • 1980年代以降、「先進諸国へのキャッチアップ」に代わる目標がなかったことが問題であったことは確かだが、それは現在でも変わっていない。経済財政諮問会議では、21世紀の国家像を描くことが重要な任務となるが、その際、10人の議員が消費者等の多様な意見を代弁することは困難であることから、何らかの手段で国民の意見を取り入れていくことが必要。
  • 経済審議会の機能、役割が発揮されない場合もみられた背景として、総理による政治的リーダーシップの役割の強まりがあったのではなく、むしろ、複雑かつ政治的な問題であったからこそ、総理のリーダーシップが必要とされたのである。
  • コンセンサス方式に関しては、長い目でみれば、既得権益の擁護が悪くない時代もあった。例えば、高度成長期に、取り残された農業、中小企業、過疎地等の部門に政府が所得再分配を行ったことは、社会の発展にとって望ましかったという面もある。しかし、低成長の時代にあってもそれが維持されていることは問題であり、過去には合理的であったシステムが、新しい時代には非合理的になっているという時代の変化をむしろ指摘することが必要。
  • 総理のリーダーシップが発揮されるためには、各省庁間の政策競争が不可欠である。政策競争を通じて対立点を明確化していくことが一段高い総理のリーダーシップ発揮の基盤となる。
  • 例えば、高成長頼みの制度が残されている社会保障制度や、企業による雇用安定から労働市場による雇用安定への変革を迫られている労働市場の問題は、コンセンサスも得られておらず重要な政策課題である。
  • 「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」では、付加価値の源泉が情報と知識の量と内容、その処理技術にシフトしていると指摘しているのに対し、ゆとり教育の名の下に、円周率を「3.14」から「3」に変更するとしている。こうした点で日本政府としての政策の統合性、整合性が必要。
  • 1970年代初頭のブレトンウッズ体制の崩壊、1985年のプラザ合意等で生じた為替レートの変動への理解や対応で間違いを犯したため、過去の日本経済は大きなつけを蒙った。こうした基本的判断を誤らないためにも、経済財政諮問会議には専門家の意見も必要である。
  • 経済財政諮問会議の提案が、国民の琴線に触れるものでないと説得力がない。1980年代まで何となく成功したのは、先進国へのキャッチアップという目標にテレビ、自動車、エアコン等のリアリティを国民が感じることができたからである。1980年代以降の経済計画は、改めて読んでみると、生活大国や文化の重視、国際社会での地位の向上等の優れた指摘をしているにもかかわらず、国民がリアリティを感じられなかった点が問題。例えば、生活大国のリアリティは何か。もっとリアリティのある言い方をしないとコンセンサスは出てこない。抽象的な表現をリアリティのある表現に変えていくことが必要であり、その背景に数字の裏付けがあるとよい。
  • 目標が実現できなかった反省として、経済社会情勢に対する認識の甘さがあったとされているが、やはり国民のリアリティを感じ取る感性が足りなかったのではないか。経済財政諮問会議においては、こうした認識の甘さを改善するとともに、いかなる既得権益が改革を阻害したのか、政治的リーダシップの欠如の原因は関係省庁の縄張り、経済界の主張、国民の不支持のいずれにあったのか、なぜ日本は自己改革ができなかったのか、外圧と自己改革の関係はどうであったのか等について分析した上で、国民の琴線に触れる具体的な提案を行うことが必要。
  • 日本経済に必要なのは市場に的確に対応することであり、経済財政諮問会議においては生活者や産業界の意見を重視すべき。学者には分析をしてほしい。
  • コンセンサス方式との関連では、多様性を反映させることが重要である。コンセンサスがなくとも、少数派意見や反対意見の存在を記録として残し、対立点や政策オプションを明確にすれば、一つの結論を出してもよいのではないか。
  • 政策の優先順位や政策方針形成に当たっての戦略性に加え、政策実施までのスピードが重要である。日本は政策について延々と議論し、色々なレポートも出して、実行までに時間がかかることが問題。むしろ経済社会情勢の変化に柔軟に対応することが必要。着手後も頻繁に修正する必要もある。
  • 政策の中身も重要であるが、世界に対し政策をわかりやすく発信することが重要。
  • 米国の商務省が4年前から公表しているITレポートのように、省庁横断的な内閣府のようなところがITの現状や経済社会への影響等について継続的に分析を行うべき。
  • ITの重要性を国民に訴えるためにも、経済財政諮問会議はIT活用の模範、show caseとするべき。
  • 審議会は、間接民主主義を補完し、政策決定に直接国民が参加するという役割と、専門家集団が政策案や対案作りを行う役割、という両者の機能を持っているが、これをどのように区分していくかが課題である。経済審議会に限らず、今回の省庁再編では審議会に関する位置付けが明確ではなく、これを今後議論してくことが必要である。また、複数の省庁による政策競争が必要という指摘があったが、これを止揚するのは、本来は、国会の役割ではないか。
  • 多様性をどう処理し、専門家集団として何を提起するかを明確化すれば、経済財政諮問会議の機能は明確になる。ITをいかに活用しようとも、10名の経済財政諮問会議の議員が多様性を代弁することはほとんど不可能であり、むしろ少数の専門家があるべき理論や政策案を提起する場と位置付けることが適切である。多様な意見を反映させるためには別のシステムが必要である。「多様化の時代における意見具申のあり方」を記述すべき。
  • 経済審議会では、時間と人数をかけたボトムアップ方式により経済計画等の策定に当たってきた。今後の体制は、こうした従来のボトムアップ方式からトップダウン方式に転換するということであれば、その際に、少数派意見も併せて公表すべき。また、経済審議会のプラスとマイナスの経験を書いて、よく参考にして下さいということを指摘すれば、報告書は十分ではないか。
  • 経済状態が悪いからこそ変化を望むのであり、経済状態が良い時には変化に気付かない。こうした変化にいち早く対応するためには少数派の意見を汲み上げることが必要。
  • グローバル化が進展するなか、知的財産権、サイバー犯罪の管轄権など国際的な調整を要する課題が増えている。こうした課題に対し、日本はリーダーシップを持って取り組むべき。
  • 日本の高コスト体質についてはこれまでも指摘されているが、分析は十分でない。経済全体の効率性が低いからではないかと考えられるが、この点をぜひ検討すべき。
  • 将来から現在をみるという観点に立つと、経済政策における持続可能性の問題は極めて重要な命題である。経済効率の低さは企業の方々がすぐ感知されるが、一方、グローバルなレベルでの環境効率の悪さは誰も検知できない。また、世界で成功国のない経済運営上の問題でもある。環境的持続可能性、経済的持続可能性、社会的持続可能性の問題として国際社会では議論されているが、日本ではまだ経済と環境の両立や循環型社会の形成というレベルに止まっている。持続可能性の問題は、ITや高齢化に比べると代弁者がいない問題であることから、経済財政諮問会議では、環境省の審議会とは異なった側面から、持続可能性について国民へのメッセージを発信していくことが不可欠である。
  • 経済財政諮問会議においても産業界の代表が参画することになるとは思うが、審議内容のディスクローズをぜひお願いしたい。
  • かつて経済戦略会議が国民の期待を担ったことがあったが、それはやはり国民のニーズを吸い上げていたからである。すべてを吸い上げるのは無理であるとしても、審議内容のポイントや短期と中期の経済政策の整合性といった点は、ディスクローズすることが必要。
  • 経済財政諮問会議は、財界が提出する要望や意見を、そのまま取り入れる必要はないが、財界との対話を確保することは必要。
  • 経済社会の状況変化への対応も重要であるが、一方で継続性も重要である。従来、政権が変わると新味を出すために経済計画を出すということがあったが、引き続き目標として掲げるべきものは継続すべきである。目標を変更する際も、なぜ変更する必要があるかを国民にわかりやすく示すべき。
  • 経済審議会が経済財政諮問会議に変わり、事務局の経済企画庁が内閣府に変わることで、これまで経済審議会がなしえなかったことが実現できるかについては不安が残る。やはり、審議会の根本的なあり方や総理のリーダーシップという問題に結局帰着するのではないか。

6.今後のスケジュール:

 次回の総括部会(第4回)は11月28日(火)14:00~16:00に開催する予定。

 なお、本議事概要は、速報のため事務局の責任において作成したものであり、事後修正の可能性があります。

(連絡先)
経済企画庁 総合計画局 国際経済班
Tel 03-3581-0464

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