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第8回経済審議会政策推進部会

時: 平成 12年 6月 20日
所: 経済企画庁特別会議室(436)
経済企画庁


経済審議会政策推進部会(第8回)議事次第

平成12年6月20日(火)15:00~16:08
経済企画庁特別会議室 (436号室)

  1. 開会
  2. 政策推進部会報告案について
  3. 閉会

(配布資料)

  1. 経済審議会政策推進部会委員名簿
  2. 「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」の実現に向けて(案)
  3. 「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」の実現に向けて(案)の骨子
  4. 「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」の進捗状況

経済審議会政策推進部会委員名簿

部会長
水口 弘一    (株)野村総合研究所顧問

部会長代理
香西  泰    (社)日本経済研究センター会長

安土 敏    サミット(株)代表取締役
荒木 襄    日本損害保険協会専務理事
伊藤 進一郎    住友電工株代表取締役副社長
植田 和弘    京都大学大学院経済研究科教授
江口 克彦    (株)PHP総合研究所取締役副社長
大田 弘子    政策研究大学大学助教授
角道 謙一    農林中央金庫理事長
木村 陽子    奈良女子大学生活環境学部教授
嶌   信彦    ジャーナリスト
清家 篤    慶応義塾大学商学部教授
高橋 貞巳    (株)三菱総合研究所代表取締役会長
高橋 進    (財)建設経済研究所理事長
田中 明彦    東京大学東洋文化研究所教授
畠山 襄    日本貿易振興会理事長
濱田 康行    北海道大学経済学部教授
原   早苗    消費科学連合会事務局次長
ロバート・アラン・フェルドマン  モルガン・スタンレー・ディーンウィッター証券チーフエコノミスト
星野 進保          総合研究開発機構特別研究員
村井  純    慶応義塾大学環境情報学部教授
村田  良平    (株)三和銀行特別顧問
森尾  稔    ソニー(株)代表取締役副社長
森地  茂    東京大学大学院工学系研究科教授
八代  尚宏    上智大学国際関係研究所教授
八城 政基    (株)新生銀行代表取締役社長
山口 光秀   東京証券取引所顧問
鷲尾 悦也    日本労働組合総連合会会長


〔 部会長 〕 定刻になりましたので、まだ二、三お見えでない委員もいらっしゃいますが、ただいまから第8回政策推進部会を開催させていただきます。

本日は、委員の皆様方にはご多忙の中、しかも暑い中をお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

早速、本日の議題に入らせていただきます。

本日は、当部会の報告書の取りまとめを行いたいと考えております。

前回までの部会でもご審議いただいておりますので、前回からの変更点を中心に事務局から説明していただきまして、ご意見を承りたいと思います。

それでは、事務局から説明をお願いいたします。

〔 事務局 〕 お手元の資料2に沿いましてご説明いたします。

「『経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針』の実現に向けて」、副題といたしまして「IT革命を起爆剤とした躍動の10年へ」をつけております。

1枚おめくりいただきまして4枚ほど目次がございますが省略させていただきます。

1ページは「はじめに」ということで、アンダーラインが引いてあるところは、前回の報告書(案)に主な追加、修正のあった部分でございます。

「はじめに」は、新たに追加したものでございます。

最初のパラグラフで、この報告書の趣旨・性格、フォローアップの報告書であるということ。第2パラグラフで、全体の構成が、第1部、第2部の構成になっているということ。最後の2行に「政府においては、本報告の趣旨を十分踏まえ、今後とも引き続き、『あるべき姿』の実現に向け、各般の施策を推進されたい。」ということで政府に対する要請を掲げております。

以下、本文について主な変更点、また、委員の皆様のご指摘の点を中心にご説明させていただきます。

2ページにまいりまして、第1部 「あるべき姿」の実現に向けた当面の戦略的課題でございます。序章として日本経済新生への展望ということですが、序章については特に大きな修正点はございません。

5ページから第1章 IT革命を起爆剤とした新しい経済発展ですが、7ページをお開きいただきたいと思います。

7ページは、IT革命による企業活動の姿を描いておりますが、幾つか挙げた後に、5)の第2パラグラフですが、「以上のような変貌の中で、企業活動全般にわたる変革が進むものとみられるが、特に、我が国の競争力の重要な源泉でもある「ものづくり」の分野において我が国の強みを生かす形でITの活用が進むことが期待される。」ということで、ITを活用した「ものづくり」の促進という点に触れております。

11ページをお開きいただきたきいと思います。11ページ以下で具体的な政策課題について触れておりますが、1)の中ほどアンダーラインの3行目「ITに関連するあらゆる領域において部分最適でなくシステムとしての全体最適が図られるように、政府全体として整合性のとれた政策をより一層推進していくべきである。」ということで、縦割、バラバラではなく整合性のとれた政策の重要性を指摘しております。

同じページの下から3行目、ここは2)ネットワーク社会における経済取引に対応した新たな市場の枠組みの構築というところですが、「通信と放送の融合に関しては、今後一層推進していくものと予想される融合化に的確に対応するため、法制度の整備の検討を進めることが緊急の課題である。」ということでございます。「また、周波数割当手続の透明性の一層の確保を図ることを目的として法定化された、長期的かつ総合的視野に立った周波数割当計画の策定・公表により、電波の公平かつ能率的な利用が一層促進されることが期待される。」ということで周波数割当に関する最新の取組みを記述しております。

同じページで、1)のネットワーク取引に対応した制度の整備、7行目ぐらいに「個人情報保護」と書いてありますが、ここは以前は「プライバシー保護」と書いてありましたが正確に記述しております。

1つ飛んで、1)の下から4行目「いわゆる『ビジネス法の特許』については」ということで「制度の運用については国際的な調和を確保し、運用の明確化を通じて産業界の予見可能性を高めることが重要である。」としております。

14ページにまいりまして、経済社会システムの構築の中で1)企業活動面での変革へのサポートの(ア)コーポレート・ガバナンスの在り方ということで、規制緩和推進3か年計画にも同様な記述がありまして、そことの整合性をとった形で修正しております。「株主総会等会社の機関のあり方、会社の情報の適切な開示のあり方等を含む適切なコーポレート・ガバナンスのあり方について検討し、所要の措置を講ずる。」ということであります。

15ページにまいりまして、上から2行目「今後は、組織の変更・再編に伴い、雇用の安定及び能力開発の実施が図られることが重要である。また、企業の経営環境の変化に対応する観点や国際競争力の維持・向上に資する観点、さらには企業の経営形態に対する税制の中立性を図る観点から、会社分割に係る税制及び連結納税制度の導入を目指し、検討を進めることが必要である。」ということで、導入する観点についての記述を追加しております。

少し飛びまして17ページにまいりまして、労働市場の機能強化ということで、1)労働市場の需給調整機能(マッチング機能)の強化のところですが、ここはアンダーラインがずいぶん引いてありますが、大きな修正ではありませんで、労働市場における需給調整の民間と公的部門の役割を整理したものであります。

追加的な記述としましては、ここの項目の一番最後の2行の「なお」以下ですが、「なお、官民の情報を一元的に提供できるネットワークの構築を検討する必要がある。」ということで、官民が持っている求人情報を求職者に一元的に提供できるような検索システムを構築すべきだということでございます。

18ページにまいりまして、3)企業外部での職業能力開発システムの充実の第2パラグラフですが、「公的な職業訓練機関によるIT関連プログラムを充実するとともに、引き続き教育訓練給付制度の充実を図り、貸付制度の効果的な活用についても検討する」ということで、自己に対する投資ということで貸付制度の検討を入れております。

以上がIT関連でございます。

次に20ページにまいりまして、第2章 「静脈産業」の発展を通じた効率的な循環型経済社会の構築ということで、この章につきましては基本的に(注)を付けたりいたしまして、全体としてわかりやすくしたということでございます。

21ページにまいりまして、下の方に(地方公共団体における取組)ということで、前は(消費者における取組)の中の一部として記述しておりましたが、地方公共団体の役割の重要性にかんがみまして項目を立てて記述しております。

24ページにまいりまして、下の方に3)市場のグリーン化という項目がございますが、その下から2行目ですが、ここは国民に対するキャンペーンの重要性を書いた部分でございまして、キャンペーンを行なう必要性・目的を明確化しております。「廃棄物処理という極めて重要な分野に対し、国民全体がポジティブなイメージを持てるよう、循環型経済社会に対する理解を促すキャンペーンも重要である。」ということでございます。

25ページにまいりまして、循環型社会の最後の6)システムの普及と検証の2行目「ライフスタイルを環境保全型に見直し、国民を挙げて環境保全に取り組むことが極めて重要である。」ということで、ライフスタイル、意識の変化の重要性を入れております。

26ページにまいりまして、第3章 安心でき活力ある高齢社会の構築でございます。この章も基本的には記述を正確にしたという修正が多うございます。

31ページにまいりまして、一番上のアンダーライン、介護要員の確保のところでございます。「関係者による自主的な職業倫理規定の作成」ということで、前回の案では「職業倫理規定の作成」ということは誰が作るかということは記述されておりませんでしたが、いわゆるプロフェッショナル・コードのように専門家が作っていくものであるということで「関係者による自主的な」という主体を入れております。

2)利用者本位の仕組みの整備でございますが、アからエまで4つ課題が書いてございますが、エを追加しております。「提供されるサービス内容等を利用者に書面交付する仕組み」ということで、サービス内容など重要な事項を書面で明確にするということを入れております。

33ページにまいりましてIII. 少子高齢・人口減少社会における高齢者と女性の能力発揮システムの構築でございます。

ここは最初に1.基本的考え方の1)といたしまして、「これからの我が国経済社会においては、年齢・性別にかかわりなく個人が意欲と能力に応じて社会に参画していく条件を整備していくことが重要である。」ということで、人口減少にかかわらず個人が意欲と能力に応じて社会に参画する、そういうこと自体が重要であるという基本的な考え方を明確にしております。

34ページにまいりまして、上段の方に4、5行アンダーラインが引いてございますが、高齢者の能力発揮のところでございます。ここでは高齢者に適した作業形態とか、勤務形態、職場のあり方、職域の開発等を通じて雇用の機会の確保を図るということで、これは現在「ミレニアム・プロジェクト」で調査研究が始まっております。その部分を記述しているものでございます。

その2行後に、「高齢者の起業・創業やNPO・ボランティアへの参画も一つの形態であり、一層の支援が求められる」という記述を追加しております。

同じ項目の最後の3行でございますが、「このように65歳までの安定した雇用の機会の確保を図るとともに、様々な形態での高齢者の就業や社会参加ができる環境を整えることにより、70歳程度まで働くことを選べる社会を実現することも可能となろう。」ということで、70歳まで働くことを選べる社会、そういうビジョンに言及しております。

35ページにまいりまして、中ほど下の3)個人の能力が適正に評価されるようなルールづくりを含めた労働市場の整備の2行目「個人の能力、知識、経験等が適正に評価される労働市場を整備していく必要がある。」、「このため、今後、性差別禁止に向けた取組を一層推進するとともに、募集、採用時の年齢制限のような年齢による一律な取扱いを抜本的に改めるため、年齢差別禁止という考え方についても、個人の能力、貢献度に応じた賃金・処遇等年齢にとらわれずに働く社会実現の前提条件や様々な制度に与える影響を考慮しつつ検討していくことが求められる。」ということでございます。募集・採用面も含めて年齢差別禁止の検討が重要だということでございます。

以上が第1部でございます。

37ページから第2部「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」の進捗状況と今後の課題ということで、「あるべき姿」の柱立てに沿いまして、実施された施策、また、課題を鳥瞰的に整理しているものでございます。

38ページにまいりまして、第1章 多様な知恵の社会の形成 1.市場と事業環境の整備 1)透明で公正な市場と消費者主権の確立というところでございます。

1)の3)に、行政の事後チェック型への転換に関連しての記述で、中ほどでありますが、金融サービスの利用者保護を図る観点から、今国会で金融商品の販売等に関する法律が成立しておりまして、その記述を追加しております。

同じページの下から2行目、2)司法制度改革に触れたあと、「なお、裁判外での紛争処理機能の役割に対する期待に対応して、その充実・強化を図るほか、消費者教育の推進、情報提供の体制整備等を行う。」という記述を追加しております。

39ページにまいりまして、2)魅力ある事業環境の整備 2)の一番下ですが、「創業者、起業者及び中小企業者が、他企業、研究機関、専門家等の外部経営資源との連携により経営課題を解決するため、めぐり会いが円滑に行われるような仕組み(コーディネーション・ネットワーク)を引き続き整備していくことが重要である。」を追加しております。

少し飛びまして42ページをお開きいただきたいと思います。3)科学技術の振興ということで上から5行目ぐらいからアンダーラインが引いてございますが、現在の科学技術基本計画に基づきまして研究開発投資の拡充とか研究者への支援が行われておりまして、「具体的な研究開発については、ITやバイオテクノロジーに関する研究開発など様々な取組みが行われており、特に、12年度からは、『ミレニアム・プロジェクト』として新たな取組みか始まっている。」、2)「今後は、科学技術創造立国として知識の創造と活用により世界から尊敬される国、安心・安全で快適な生活ができる国、国際競争力があり持続的な発展ができる国を目指すことが重要である。」ということで、今後の目標なり理念というものをここでうたっております。

3.多様な知恵の社会における地域経済と社会資本ということで、主としてインフラ整備を中心に各般の施策が、以下、続いております。

43ページの下の方では2)独自の産業・文化を持つ地域づくり。

44ページでは4)多様な知恵の社会を支える社会資本整備ということで、いろいろな施策を追加、記述しております。

46ページにまいりまして、4.首都機能移転の検討ということで、昨年の末に答申が出されて、今度は議論が国会の方に移ってきているわけですが、下から2行ですが、「これに向け、政府においても国会の審議等が円滑に進められるよう積極的に協力していく必要がある。」ということで、政府の協力体制ということに触れております。

以上が多様な知恵の社会の形成でございます。

47ページから第2章 少子高齢・人口減少社会への備えでございます。

1.安心でき、かつ効率的な社会保障の1)公的年金でございますが、国民年金法の改正が行われたわけですが、「今後とも、現在各方面から指摘されている年金制度に関する諸問題について、幅広い議論を積み重ねていく必要がある。」ということで、まだまだ検討すべき課題があるということをうたっております。

48ページにまいりまして、3)社会保障構造の在り方でございますが、 第1部の方でも、年金、医療、介護を総合的に検討していく必要があるということに言及しておりますが、ここでもそういった総合的・基本的な検討の動きについて改めて触れているということでございます。

49ページにまいりまして、2)少子・高齢社会にふさわしい社会資本ということで、「ユニバーサルデザイン化」とか、50ページにまいりましてバリアフリーの関係とか、交通円滑化のための総合的な対策を進める必要があるということです。2)の最後の2行を追加しており、「さらに、これらを通じて、地域間の連携・交流を促進し、諸機能の分担、相互補完を図る必要がある。」としております。

5.少子化への対応 1)結婚や出産は個人の選択であるが」、「個人が望む選択ができるような環境整備を行っていくことが必要である。」ということで、労働力が減っていくから少子化対策ということではなくて、個人が望む選択ができるような環境整備を行っていくことが重要だという基本を確認しております。

51ページにまいりまして第3章 環境との調和 1.循環型経済社会の構築の関係は第1部の方で詳しく記述しております。

2.地球温暖化をはじめとする地球環境問題への対応 2)国内的な取組みということで、各分野における省エネルギー対策等を推進し、併せて新エネルギーの開発を推進するとともに、「原子力についての安全性の確保を前提に、国民の理解を得つつ、その開発・利用を進める必要がある。」というのを追加しております。

52ページにまいりまして、97年の京都議定書の早期発効を目指していろいろ取り組んでいく必要があるということを追加しております。

その下のパラグラフでは、「平成11年末の政府税制調査会の答申において、環境関連税制の検討を行うとされた」ということと、「今後、環境施策全体を視野に入れたより効率的な対策の実施に向け、規制的措置、自主的取組、経済的措置など幅広い観点から、総合的な検討を行う必要がある。」という記述を追加しております。

以上が環境の関係でございます。

53ページからは第4章 世界秩序への取組みでございます。

この関係では、下の方に2.アジア地域の中での役割と書いてございますが、54ページにまいりまして、例えば「東アジアの人材の育成と交流の強化のためのプラン」、また「経済構造改革支援のための特別円借款」、そういったいろいろな支援を行っているということ。

次のパラグラフでは韓国との間で日韓投資協定締結に向けた交渉とか、自由貿易協定に関する共同研究、シンガポールとの取組みといったことで、具体的にいろいろ積極的な取組みを行っているという状況をここで記述しております。

中ほどのところのアンダーラインでございますが、ここはいわゆる通貨危機の危機予防体制整備の観点の記述でございまして、ASEAN諸国では通貨危機の際の、いわゆる通貨のスワップ・アレンジメント協定が締結されておりますが、それが日本、中国、韓国にも拡大された。そういう協定がこの5月に成立しております。そういう直近の成果をここに入れております。

56ページにまいりまして第5章 政府の役割でございます。1.行政の効率化と財政再建 1)組織の簡素化と事業効率の向上の1)で、時間管理概念の導入について記述しております。「時間管理概念について検討が開始されているが、今後、さらに具体的かつ幅広い検討を進め、事業の遅延がもたらす時間的損失の算出、その公表を通じた情報の共有化、行政機関同士や関係者との調整を図るための制度整備を促進していく必要がある。」ということで、具体的かつ幅広い検討を強調しております。

2)生産性向上のための組織編成、人事管理 以下の記述は外部からの人材導入の意義とか、記述を正確にしたという修正でございます。

58ページにまいりまして、4)行政の透明性確保 ここではいわゆるパブリック・コメントの関係と国の財政事情について企業的会計要素も導入していくという2つの話が書いてございますが、ここの修正は、現在の動き、取組みを正確に記述したという修正でございます。

2.地方の自立 ここの修正点も、主としてこれまでの動き、内容をより具体的に記述したという修正が主なものでございます。

59ページにまいりまして、2)の上の方でございます。今後の地方の税財源のあり方ということで、アンダーラインの2行目「課税自主権を尊重しつつ、地方税の充実確保を図ることが必要である。」、次の行ですが「国と地方の税源配分のあり方についても検討しながら、税源の偏在性が少なく、税収の安定性を備えた地方税体系の構築について検討する必要がある。」、「今後」としまして、「地方分権を支える自主財源としての地方税の充実確保の方途について検討していくことが適当である。」としております。ここは前の案文では外形標準課税の早期導入という記述がございましたが、現在、税調で議論されていることもございまして、具体的な言及はしないということで整理しております。

60ページにまいりまして、上から3行目、住民参加のところですが、NPOの重要性ということで「NPO」を追加しております。

61ページ以下は「別添」として、世界の知的活動拠点の形成についての具体的施策が書かれておりますが、これにつきましては1 点だけ62ページの下の方、2.世界への情報発信ということで、「外国人に対する日本語教育等を通じて日本語の国際社会への普及を促進することも重要である。」ということを明確にしております。

報告書本文についての説明は以上でございます。

次に、資料4「『あるべき姿』の推進状況」というのがございますが、これは以前にこの資料の暫定版を配布させていただいております。それを、5月末時点で各省庁が行っている施策の実施状況を再度整理し直したものでございます。この厚いものは報告書本文の参考資料として添付する、そういう性格のものでございます。

説明は以上でございます。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。

かなり膨大なレポートですが、ただいま説明のありました報告書(案)につきましてご意見、ご質問等ございましたら、とうぞご自由にお願いいたします。

〔 A委員 〕 IT関連についてですけれども、いままで出席していて、最後の場面になってこういうことを言うのはなんですが、必ずしも修正要望というわけではありませんが、最近、ある情報技術に熱心な知事の話を聞いたことに関連してですが、よく読んでいませんが、要するにIT問題について地方公共団体の役割の重要性、その点は知事の話を聞いていると大事ではないかと感じました。生活の場、住民と直接接する行政の場での技術ということもあるし、また、教育の場、さらには産業との関係ということで、公共団体の果たす役割は相当大きなものがある。

それで、開発をしようとしても、最近の地方財政の問題があって、熱心なところがやろうとするのだけれども、そこのネックがあるので、そこのところが何か対策が考えられないかというようなことも言っておりました。

それと、印象的なのは、ITのハード、ソフトの面で、いわゆる弱者、特に身体障害者の人が使いやすいようなハード、ソフトの開発ということは、もちろん民間でもやっているのだけれども、そういったところにこそ地方公共団体がやるべきではないか。自分としては一生懸命やりたい、真剣にやっているという話がありまして、そういう目で見た場合、ちょっとここの記述が、そういった点があってもいいのかなという感想を持ったものですから、あえて、最後の段階ですが発言させていただきました。

〔 部会長 〕 いまのご発言に対して、事務局から何かありますか。

〔 事務局 〕 ご指摘の点ですけれども、この記述の中で1つ公共分野についてITを活用してIT化を図っていくという点が1つ。

それから、少子・高齢社会にふさわしい社会資本、そういう中で高齢者とか障害者が使いやすい機器のガイドラインという観点、そういったところで幾つか触れられているところでございますが、ご指摘の点、考えていきたいと思います。

〔 B委員 〕 あまり本質的な話ではなくて、これも後で取り入れていただけるのかどうかよくわからないのですが、単に報告書の用語ですが、カタカナ語は何とかならないのかなということを前々から、前の経済審議会の「あるべき姿」のときも少し思ったのですが、これはそもそも各省の政策の中にそういう用語が確立しているからしょうがないのかもしれませんけれども、教育で「リカレント型の何とか」とか出てきますが、「リカレント」とカタカナで言われて、何かイメージするところがあるのかどうか、私ははなはだ変な感じがするのです。

経済でも「エンプロイアビリティー」というカタカナ語も、本当にそういうふうに言わないといけないのかどうか。

それから、今、気がついただけでも、これも業界用語でしょうから変えようがないのでしょうけれども、「ユニバーサルデザイン化」とか、もう変えられないというものはしようがないと思いますが、何とか変えられるようなものがあればご考慮いただければということと、あとは、最終的には少しは(注)をつけていただくとかしていただくことでやっていただいたらいいのではないかという感じもするのです。

IT革命とかそれ以外のことで新しい事象がいっぱい出てきて、それが大事だということを言いたい気持ちはよくわかりますが、だからと言って、読み始めたときに「なんだかよくわからない」というのではやはり具合が悪いのではないかということで、はなはだ本質的な問題ではなくて申し訳ありませんが。

〔 部会長 〕 以前にもそういうご意見がございまして、できるだけ事務局も注意したと思いますけれども。

〔 事務局 〕 「あるべき姿」の本体で使われている言葉もずいぶんございまして、それをそのまま使わせていただいているという面が多いのですが、例えば(注)をつけるとか、少し工夫は考えてみたいと思います。

〔 C委員 〕 私、今回欠席が多くて、言う資格もないと思いますが、前回の「あるべき姿」の内容から比べると、経済再生といいますか活性化といいますか、そこに力点がバーッと動いているなというのが率直な印象です。

あのときは、もうちょっと何か人間らしい生活とか、ゆとりある生活とか、そういうようなことも相当議論されたような感じがするのですが、今回見ているとIT革命を核として経済活性化、もう一度頑張るためにはITをきちっとやらなければいけないというところが基本的な路線になっているなという印象を受けました。

なぜそういうことを言うかというと、もちろんこの中にもIT化を進めれば便利になるとか、安全性も高まるとか、そういうことも書いてあるのだけれども、ライフスタイルでゆったりとした人間らしい生活というようなことと、IT化ということとの関連みたいなものがもう少しあった方が、何か世の中は安心するのではないかという感じがするのです。IT革命を進めることによって格差が生じるという話がありますけれども、格差という問題よりも、日本みたいな豊かな社会になってくると、それに追いつかないと自分は生活が遅れてしまうのかなとか、そういうもう少し感性的な部分での心配というのがお年寄りなんかの間ではすごく出ているわけです。そういうようなことを少し考えたらどうなのかなという気が一つしました。

高度成長までは、モノが豊かになれば何となく我々の生活は豊かになるのだという形できたわけです。そして1980年ぐらいに大体モノはそろったのだけれども、結局、その後出てきた話というのは、もう少しゆとりのある生活とか、人間らしい生活とか、そして今、「失われた10年」と言われていますけれども、その間に実はゆとりがあり、人間らしい生活をするためのインフラとかそういうことが足りなかったというのが、この10年間の反省だったと思うのです。

そういう意味から言うと、今、ITとかいろいろなことをバーッとやっているのだけれども、それで走った後に、また10年後か20年後に、本当に人間らしい生活とは一体何なのかというような反省がくるとすれば、やはり今からそういう部分もきちんと考えておく必要があるのではないかと思いました。

遺伝子とかゲノムとかそういうようなこともいろいろ言われているけれども、これも30年後、40年後、一体、どういう影響が出るかということが今盛んに心配されているわけですが、おそらくITについてもそういうことが出てくるのではないかという気がするのです。その辺のことが、前のトーンと比べると少し経済を活性化するためにはここなのだというところに重点が、かなりトーンが変わったなという印象を若干受けたというのが1つです。

もう1点は、地方なんかに行くと、IT時代、グローバル化時代というのは、いい面でとらえると地方とか中小企業にとってはすごくプラスだと思うのです。つまり、どこからでも情報発信ができたり、市場に参入できたりするわけだし、そういう意味で言うと、地方というのはいい技術やいいモノを持っているのだけれども、なかなか情報発信ができなかったり、マーケットが開けなかったりという中小企業がすごく多いのです。何かもったいないなというところをあちこちで見るのです。それは地方にITのインフラとかそういうものの知識とか、そういうものが地方団体だとか商工会とか法人会、そういったところに共有されていないという感じが非常にするのです。

だからその辺を何か、IT革命って多分東京とか大阪とかそういう大都市圏を中心にものが言われていて、しかもそれもどちらかというと中身よりも株の方に連動するような形で言われているケースが多いので、何かもう少し裾野を広くこの話というのはもっていかないと、本当の日本経済の活性化にもなかなかつながらないのではないかという感じがいたしました。

〔 部会長 〕 「あるべき姿」は10年間を見据えて出しまして、この推進部会はもっと短いところでどうするかというところかありましたので、「あるべき姿」の方針は相当盛り込んでおりますけれども、特に現在重要だということに力点を置いたので、今、C委員が言われたような印象があるいは出るかもしれませんが、ご意見はそのとおりだと思いますが、何か事務局の方から説明ありますか。

〔 事務局 〕 今、部会長からお話がありましたように、今回、「あるべき姿」の実現にむけての道筋というものもやはり重要だということで、まず何を重点にやらなければいけないのかということで政策小委員会というものを作ってご議論をいただいて、当面、新しい発展軌道に乗せるという意味で重要な課題というのは、第1部に書いたような課題であろう。それに重点的にまず取り組めと言うメッセージを出すということが非常に重要なのではないかということでまとめさせていただきました。

「あるべき姿」と比べて少し人間らしさとかゆとりだとかというところが目指すべきものとして欠けているのではないかというご指摘かと思いますが、基本的に、この報告自体が「あるべき姿」というのがベースにありますので、そこは「あるべき姿」で今回、今の時点で何を強調したかということでご理解をいただければと思っております。

〔 D委員 〕 54ページですが、いわゆるアジア地域の中での役割ということですが、これは、いわば台湾がどこにも記述されていないというのは、書く必要がないとお考えなのか、それとも書けないということでお書きにならなかったのか、その辺、なかなか難しい問題だとは思いますが、経済的には日台の関係というのは非常に大きなものがあるわけです。アジアを考えるときに日台の関係を抜きには考えられない。その肝心な台湾の記述が一言もないということについては、どのようなご意図でまとめられたのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。

〔 事務局 〕 台湾の重要性は重々承知はしているつもりでございますが、我々、台湾を入れた形でまとめるという力量的な問題と、経済審議会という場で、外交的になかなか微妙なものについてどこまでもの言いをするかということがあろうかと思います。

〔 D委員 〕 外務省のまとめであるならば、そういう意図が働いてもいいと思いますが、純粋に経済ということからすると、やはりその辺は何らかの、経済という観点からすればするほどそういうようなものを考えてみる必要があるのではないかと思うのですが、拘泥はしません。

〔 部会長 〕 非常に難しい問題ではありますね。僕も台湾派の一人ですから、よくわかります。ここで政府間でやった事柄のあとづけを全部書いているので、どうしても台湾が出てこないという点はあるのですね。民間同士ということになりますと、これは非常に重要なポジションになってくるわけですけれども、ちょっと今後の検討を、考えさせてください。

〔 事務局 〕 台湾ということで記述するというのはなかなか難しいかなという気はいたしております。

〔 D委員 〕 経済レベルですから、何か記述があってもいいかもしれないと思います。

〔 部会長 〕 他にいかがでございましょうか。

〔 E委員 〕 12ページの「ビジネス方法の特許」のことですが、実は私、一月ほど前にある「ビジネス方法の特許」の申請を実際に自分でやってみて非常にびっくりしたのです。要は非常に機械的なというか工学的な仕組みとして出す以外方法がなくて、コンピュータの記憶をどうして使うかとか、そういう種類のところで申請をしなければならないということで、申請書そのものをプロの人に書かせたのですが、読むのが面倒くさくて嫌になるような長大なものになってくるのです。

ここで、そのことについて「制度の運用について国際的な調和を確保し、運用の明確化を通じて産業界の予見可能性を高めることが重要である。また、市場における健全な競争を不当に阻害することがないよう、必要に応じ、所要の対応を図ることが必要である。」という表現になっているのですが、そういう現実を考えてみたときにちょっと弱いというか、もう少し独創性を保護する、あるいはスピード、この「ビジネス方法の特許」の話が出てだいぶメディアなどでも騒がれているわけですが、これだけITのことが問題になっている以上、時間的に早くしておかなければ、せっかくのビジネスのアイディアが守られないということも出てくるという感じも受けるので、健全な競争を不当に阻害してしまうということはもちろん配慮しなければいけませんが、独創性を守ることによって新しいビジネスモデルが軌道に乗ってくるという面があるわけです。それができる前にワーッとみんなで飛びついてしまうと、できるものもできなくなるというようなことも当然にあると思うので、その意味で、ニュアンスみたいなものですけれども、もう少しスピードの問題と、もっと積極的に「ビジネス方法の特許」というものを取り上げて考えていくのだという雰囲気が出ていただいた方がいいのではないかという気がするのですが。

〔 部会長 〕 この問題は、方法というより、特にアメリカのプロパテント主義に対して日本が非常に遅れているという意味で、この問題は特に重要だということで、ここは私は特に強く要望して入れてもらったところなのですが、今、3局合意というようなことで、いろいろ政府間でもやっておりますけれども、ビジネス特許に対する特許法のアメリカとの違いとかいろいろな問題もございますけれども、表現をどうするかということについては、今、委員のご指摘についても考える必要があるかもしれませんが、事務局の方から何か意見があれば言ってください。

〔 事務局 〕 「ビジネス方法の特許」というふうに政府として呼んでいるわけでありますけれども、おっしゃるような観点での不満みたいなものもあるわけですし、また、一方で、ビジネスモデル特許というものについてそもそもどう考えるべきかというところもそもそも論として残ってまして、アメリカの方でもだいぶそもそも論的なところも議論されているようでありますし、ここで書いてありますような国際的な調和、運用の明確化で予見可能性を高めるという、我々としてはそのぐらいのところで、ともかく明確にしていくということがまず重要かなという認識ではあるのです。

そういうお考えがあるということは承知いたしております。

〔 部会長 〕 ここのところも「ビジネス方法特許」としないで「ビジネス・メソッド・パテント」としたところがかなりきちっと問題をよく把握しているという感じはしておりますけれども。

〔 C委員 〕 質問ですけれども、今年のサミットは何となくITを中心にやるという動きに、新聞を見ているとだんだん強まってきているようですけれども、そういう問題との関連というのは、裏では多少あるのですか。

〔 部会長 〕 私の個人的な見解ですけれども、もちろん、森総理にはIT国家戦略会議的な、これは東大の坂村 健さんなんかが、我々の小委員会でもそういう意見、提言としてありますけれども、IT憲章までサミットでできるかどうかということに対しては、私は個人的には若干疑問視しております。

〔 C委員 〕 論議の心得を作る過程の中で、外務省なんかは。

〔 事務局 〕 サミットとの関連でこれが重要だというふうな問題設定を我々の方としてしたのではなくて。

〔 C委員 〕 もちろん、そうです。

〔 事務局 〕 結局、世界的にもITというものが非常に重要な課題になっていて、新聞等で見る感じでは、サミットのITが議論される1つの切り口として、例えばデジタル・デバイドといったような問題が国際的な議論をされるようにも、これ、私も新聞で垣間見ているだけでありますけれども、いずれにしても、ITで国際的ないろいろな調整なり協調なりする必要のあるもの、安全・危機管理等も含めてだと思いますが、そういうものがおそらくサミットで議論されることになるのだろうと思いますけれども、これがサミットでやるからということで準備されたものではございませんので、もし、仮にサミットで議論がなされる場合に、これが日本政府の中で参考にされれば非常にありがたいと思いますが、特に関連は考えておりません。

〔 C委員 〕 別にサミット前なので、現状調整している、そういうこともない?

〔 事務局 〕 調整はやっておりません。

〔 F委員 〕 報告書とか、今回修文されたことは基本的にこれで大変結構だと思いますが、1か所、私が以前ここで報告したことに関連するところで修文された部分について確認だけしておきたいのですが、35ページの3)個人の能力が適正に評価されるようなルールづくりを含めた労働市場の整備というところです。

1つは用語の問題ですけれども、最初の修文のところ「能力、知識、経験等が適正に評価される労働市場」ということですが、ここで能力、知識、経験と3つ並べられていますが、大切なのは仕事能力が正しく評価されるということで、この「能力」というのは多分技能とか知識とか経験というのがトータルで「仕事能力」を形成すると思いますので、能力と知識、経験を並列的に並べると、ちょっと細かすぎるかもしれませんが、概念のディメンジョンが違うかもしれないということです。

もう一つ、「年齢による一律な取扱いを抜本的に改めるため、年齢差別禁止という考え方についても検討していくことが求められる」というところに、2か所新たな追加的な説明が入っているわけですが、1つは、「募集採用時の年齢制限のような」という事例が入っているわけですが、これは確かに、今、中高年の失業者の人たちが再就職できない最大の理由が年齢制限ですので、これは非常に大きな年齢による一律的な取扱いによる問題であることは間違いないわけですが、この前のところで定年のことについても相当言っているわけで、「年齢による一律的な取扱い」の大きな問題というのは「定年」と「募集採用時の年齢制限」と2つあると思うのですが、募集採用時の年齢制限をここで例示に取り上げたというのは、2つあるうちの特にこの問題が、今、緊急には深刻だというような問題意識があるというふうに理解してよろしいかどうかということです。

もう一つは、「個人の能力、貢献度に応じた賃金・処遇等年齢にとらわれずに働く社会実現の前提条件や様々な制度に与える影響を考慮しつつ」と1つの文章が非常に長いので、ちょっと確認しておきたいのですが、これは「個人の能力、貢献度に応じた賃金・処遇等年齢にとらわれずに働く社会実現の前提条件がどのぐらい整ってきているかどうかということや、年齢差別禁止が様々な制度に与える影響を考慮しつつ」という意味なのか、それとも「個人の能力、貢献度に応じた賃金・処遇等年齢にとらわれずに働く社会実現の前提条件や、様々な制度に年齢差別禁止という考え方が与える影響を考慮しつつ」という意味なのか、それをちょっと確認していただければと思います。

〔 事務局 〕 年齢差別の方ですが、前回の前提条件みたいなものをいろいろ書くべきだというご意見を踏まえて、こういう文章にしたのですけれども、その意味ではF委員ご指摘の前者でございます。前提条件とかあるいは年齢差別禁止が様々に与える影響という趣旨でございます。

確かに能力、知識、経験ということであれですけれども、これはもともと原文を「個人の能力が雇用関係上の基準となるような市場のルール」と書いていて、それが各省折衝の過程でややわかりにくいのではないかという意見を踏まえてこうしたものです。しかし、今の方がそういうディメンジョンとしてはいいのかもしれません。検討させていただきます。

〔 G委員 〕 私からは意見を1点と、もう一つは参考として意見を申し上げたいと思います。

1つは、問題提起ということで恐縮なのですが、ご意見を聞きたいというのが1つ。まず12ページの2)安全・危機管理対策の強化というのがうたわれております。それから、19ページに教育の問題がうたわれておりまして、つまり、ITをベースとして、今後の3年間、当面の政策課題の重力ということで大変よくまとめていただいてあるという点については大変結構だと思うのですが、国の安全・危機管理対策がうたわれていますが、つまりITに関しての倫理性というか、そういったものを国民の間にきちっとした植付けをすべきではないかということが必要としてないのかどうか。これは19ページに幼児教育というか、初等教育としてスタートしているのですが、私はもっと幼児教育でもいいと思うのです。年齢層がだんだんと高齢化していきますから若い人が活躍する年齢を増やすためにはITというのはもっと若いときからやってもいいのではないかと思うのですが、同時に必要な倫理性がITについてあるのではないか。つまり、他人のプライバシーをいたずらに浸食するようなことは基本的にはやらないのだということを教育するとか、そういうものがここでは全然うたわれていないのですが、そのあたりにはついてはどのようにお考えになっておられるのか。

2点目は参考意見ですが、第2部「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」の推進状況と今後の課題の53ページ、これは私の専門分野なものですからご意見を申し上げたところなのですが、2)国際金融資本市場におけるルールづくりの中で、確かに通貨危機の金融システムの問題、資本市場のグローバル化の問題が出ているのですが、もう一つの前提として会計基準の、つまり金融のアーキテクチャーというものの明確化とか、世界統一というところから、今、企業会計自体を世界的に統一していこうという動きがあるわけです。それについての世界的な大きな動きがちょっと漏れているのですが、これはあえて外したということでも結構だと思いますが、そういうことがあるということをこの前ちょっと申し上げたのですが、これは参考意見としてご認識賜れば大変ありがたいということであります。

〔 部会長 〕 事務局の方から何かありますか。

〔 事務局 〕 1 点目のご意見の倫理性の話は、例えば教育についてITに関して倫理性をきちんと教えておく必要があるというご指摘でしょうか。

〔 G委員 〕 そのとおりです。

〔 事務局 〕 ご指摘を踏まえて修文できるかどうか検討してみたいと思います。

〔 部会長 〕 他にいかがでございましょうか。

〔 B委員 〕 これは申し上げるべきことではないのかもしれませんけれども、本文ではなくて別添の知的な活動をするというところで、お話しにならなかったところで、私、世界における知的活動拠点研究会のメンバーなので、本来はそちらで申し上げなければいけないのですが、これも修文せよということではなくて、私の感想だけなのですが、61ページにアンダーラインを引いたところがあります。「大学評価・学位授与機構による大学の研究活動に対する客観性の高い評価」というものが付け加えられていて、これはまさにそういうことで大学改革も行っているわけですから、このとおりなのですが、私の個人的な単なる感想ですけれども、くれぐれも大学評価・研究評価に当たって、大学評価・学位授与機構による大学の研究活動に対する評価が客観的であろうとするあまり、官僚的になり過ぎないようにということを感想として一言だけ申し述べておきたいと思います。

ITというような、全体の構造でスピードが求められている中で、自然科学界もどんどん進めていかなければいけないし、社会関係も人文科学系ですら進めていかなければいけないというときに、ピュア・レビューというのはそれなりに各国で行っているやり方で、それ自体も時としてやや弊害がある評価の方法ですけれども、それでもいろいろ行っている普遍性の高いものだと思うのです。それに対してある種の機構を作ってそこで評価をするというのは、相当いろいろ考えるべき点が、私はあろうかと思って、これ自身はあるわけですからそういう方向なのでしょうけれども、運用というようなことから考えていきますと、よほど柔軟で研究状況の最先端部についての理解の深いようなあり方で評価をするということでないと、場合によると最先端的な研究についてやや阻害要因になりはしないかというような、これは危惧でありまして、特に修文とかそういうことではないのですが、一言だけ申し上げておきます。

〔 部会長 〕 今のB委員のご意見の取扱いはどうしますか。

〔 事務局 〕 そういうものとして十分処理しておきたいと思います。

〔 部会長 〕 他にいかがでございましょうか。

H委員にはいろいろ積極的なご意見を伺いましたが、もう大体よろしいですか。

〔 H委員 〕 はい。

〔 D委員 〕 C委員のご意見と関連するかもしれませんが、IT革命を起爆剤とした新しい経済発展ということですが、準備という意味ではIT以外にも幾つか、この10年間でやっておく必要があるものがあるのではないでしょうか。それは全くここには書かないのか、あるいは論じないのか、その必要はないのか、その辺はどうなのでしょう。

〔 事務局 〕 もちろん、この10年の間の新しい発展ということを考えたときに、他にもいろいろな要素、バイオ等の技術的な側面等々いろいろあるかと思いますが、その中でも特に重点を絞って当面やっていくべき課題としてITを取り上げたということで、IT自体非常に広がりを持ったもので、ここを重点として、取り組むべき課題として特に強調するという観点でこれについて触れております。

〔 D委員 〕 それは、先ほどのお話でもよく理解できたのですが、こういう記述の仕方というか展開の仕方をすると、この10年間ITだけしかやらないというような感じになってしまうのではないか。

〔 事務局 〕 それは第2部でバイオの技術にも触れてございます。

〔 部会長 〕 その辺はご理解いただきたいと思いますが、「あるべき姿」をベースにして、じゃあ、当面、何をやるかということでできていますので、全く触れていないわけではございません。そのベースの上でやっておりますのでご理解いただきたいと思います。

他にいかがでございましょうか。

いろいろご意見を承りましたので、できるだけ今日のご意見も踏まえて修文できるところはするという格好でいきたいと思いますが、当部会の報告書として基本は本案のとおりご承認いただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。


( 「異議なし」の声あり )


それでは、前のご意見も踏まえまして、当報告書の取りまとめということにつきましては、部会長の私にご一任いただきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。


( 「異議なし」の声あり )


どうもありがどうございました。

それでは、当部会の報告書は私の方でお預かりいたしまして、今月30日に開催予定の経済審議会総会に報告させていただきます。

それでは、最後に、経済企画庁事務次官からご挨拶をいただきたいと思います。次官、どうぞよろしくお願いいたします。

〔 事務次官 〕 一言御礼を申し上げます。

委員の皆様におかれましては、今年の3月以来4か月という大変短い期間に集中的に調査審議をいただきまして報告書の取りまとめをしていただきましたことに、心から御礼を申し上げます。

今の経済情勢について、今日、午前中に関係閣僚、与党の幹部の方々にお集まりいただいて、経済情勢がどうか、今後の経済運営のあり方について自由な討議をいただきました。そこでの共通の認識ということで、我が国経済は厳しい状況をなお脱しておりませんが、景気は緩やかながら改善が続いており、自律的回復に向けた動きが徐々に強まってきているという認識で、こうした動きを本格的な回復軌道に着実につなげていくとともに、21世紀の新たな発展基盤を築くため、大胆に日本経済の新生と構造改革に取り組むことが必要であるというのが今日の結論でございました。

こういう状況の中で、この政策推進部会で経済新生に向けて、当面、3年程度の間にIT革命の推進、循環型経済社会の構築、安心できて活力ある高齢社会の構築の3つの課題を、当面、3年間取り組むべき課題ということで提言をいただいたということであります。これらは21世紀の新たな発展基盤を築いていくために極めて重要な政策課題であると認識しております。

また、ご議論がありましたように、去年の夏に経済審議会で答申をいただき、閣議決定をいたしました「あるべき姿」といいますか新しい計画の中では、これは2010年頃までの長期の展望を示すものでありまして、これは年々その具体化、発展を図っていくという位置づけをいたしておりますので、本日、おまとめいただきました報告書もそういう趣旨に沿ったものと考えております。

今後、経済審議会の総会でご承認いただいた後、閣議にも報告されることになりますけれども、私ども経済企画庁といたしましても、政府が一体となってこの報告書の提言を積極的に進めていくように努めてまいりたいと考えております。

最後になりましたが、政策推進部会、その中に設けられました政策小委員会の取りまとめにご尽力を賜りました水口部会長はじめ部会委員の皆様方に改めて厚く御礼を申し上げまして挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。

それでは、これをもちまして政策推進部会の審議はすべて終了とさせていただきます。3月からの短期間の間に本日を含めまして8回行ないまして、また、その間、この2か月で小委員会を5回開催いたしました。委員の皆様方には本当に精力的にご審議いただきまして厚く御礼申し上げます。

また、企画庁の事務局の方々には非常に精力的に働いていただきまして、このご努力に対しまして心から御礼を申し上げたいと思います。

これによりまして当部会の取りまとめを行なうことができました。

皆様、大変ありがとうございました。


──以上──

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