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経済審議会政策推進部会政策小委員会(第3回)

日時: 平成 12年 4月 26日
場所: 経済企画庁官房特別会議室(729)
経済企画庁


経済審議会政策推進部会政策小委員会(第3回)議事次第

平成12年4月26日(水)8:00~10:00
経済企画庁官房特別会議室(729号室)

  1. 開会
  2. IT革命の推進について
  3. 閉会

(配布資料)

  • 資料1.経済審議会政策推進部会政策小委員会名簿
  • 資料2.IT革命の推進に係る論点メモ

(出席者)

(委員)

水口 弘一委員長

(経済企画庁)

堺屋経済企画庁長官、小池総括政務次官、中名生事務次官、坂官房長、牛嶋総合計画局長、永谷総合計画局審議官、塚田総合計画局審議官、仁坂企画課長、藤塚計画課長、税所計画官、山崎計画官、大脇計画企画官 他

(有識者)

岩田アスクル代表取締役社長、國領慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授

古川マイクロソフト代表取締役会長、前田NTTドコモMM企画部担当部長


経済審議会政策推進部会政策小委員会委員名簿

            植田 和弘   京都大学大学院経済研究科教授
木村 陽子   奈良女子大学生活環境学部教授
委員長代理 香西 泰   (社)日本経済研究センター会長
清家 篤   慶應義塾大学商学部教授
委員長    水口 弘一   (株)野村総合研究所顧問
村井 純   慶應義塾大学環境情報学部教授

(50音順、敬称略)



〔 委員長 〕 おはようございます。ただいまから第3回政策小委員会を開催させていただきます。本日は、皆様には、お忙しいところを早朝から、ご出席いただきましてありがとうございます。また、小池総括政務次官におかれましても、早朝からご出席いただきまして、ありがとうございました。

 なお、堺屋経済企画庁長官は、後ほどお見えになる予定でございます。

 さて本日はIT革命の推進についてご議論いただきますが、前回同様、委員以外の有識者の方にも多数ご参加いただいておりますので、事務局から紹介いただきたいと思います。

〔 事務局 〕 それでは、紹介させていただきます。

 株式会社NTTドコモ モバイルマルチメディア企画部担当部長、前田様です。

 アスクル株式会社代表取締役社長、岩田様です。

 マイクロソフト株式会社代表取締役会長、古川様です。

 慶應義塾大学大学院 経営管理研究科教授、國領様です。

〔 委員長 〕 ありがとうございました。

 それでは最初に、政務次官に一言ご挨拶をいただきます。

〔 政務次官 〕 皆様おはようございます。本日は、早朝からお集まりいただきありがとうございます。この後すぐにフル回転でいろいろとお話を伺ってまいりたいと思っております。

 ITにつきましては、まさに革命というとらえ方をするべきであると私も思っておりますし、また「ドッグイヤー」と言われるぐらい、猛烈なスピードで動いているところでございます。今日ご議論いただくようなことが、またある瞬間にすぐに変わってしまう、そういうとらえ方をしたいと思いまして、早朝からお集まりいただいたということでございます。

 景気回復の動きと、また新たな経済発展につなげて21世紀における新たな躍進を目指してまいりたい。そのためには、現在進行中のこのIT革命を戦略的に推進して、それを起爆剤として経済発展を遂げていくことが大変重要と考えているわけでございます。また、新たなビジネスチャンスが生まれ、生産性の向上、我が国の経済発展の原動力となるということ、消費者の利便性の向上など、国民生活にも大きなメリットを与えるものと、積極的に推進していくことが必要と考えております。

 ITは、自分自身がいろいろ体験してみないとわからない点もあるわけでございますが、私もホームページ上で、ただ体験をしようということでいろいろ試行錯誤もしております。

 いずれにいたしましても、今日は第一線の皆様方でございます。ご意見をお伺いし、有意義な提言に取りまとめをしていきたいと思っておりますので、忌憚のないご意見を拝聴させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

〔 委員長 〕 どうもありがとうございました。

 それでは早速、本日のテーマでありますIT革命の推進についてご審議いただきたいと思います。まず、事務局から説明をお願いいたします。

〔 事務局 〕 それでは、お手許の資料2に基づいて簡単にお話いたします。既にお渡ししておりましたので、大体ご覧いただいたという前提でお話したいと思います。

 「IT革命の戦略的推進」という題名についてはもう少し幅広い題名にした方がいいかとも考えておりますが、これは最終的にまとめるときに考えさせていただきたいと思っております。

 まず最初に、1.IT革命のもたらす経済社会の姿についての記述を考えております。 (1)として企業活動の姿にまず触れようかと考えております。1)取引及び経営のスピード化、2)顧客重視の経営戦略とダイレクト取引の拡大、3)企業組織のフラット化と取引のオープン化、4)インターネット上での世界規模での最適調達、ここのところでは今盛んにネットワークの調達のシステムが作られているところですが、それによって競争が一層厳しさを増す一方で、従来は特定企業とのみ取引していた小企業であっても、価格・品質等の面で高い競争力を有する製品を提供できれば、世界的な規模で販売先が拡大し、短期間に急成長を遂げることも可能となるという認識でおります。5)バーチャルカンパニー化による経営資源の集中、6)最新のアプリケーションの活用、ということをこれからの企業活動の姿として示そうと考えております。

 次に、(2)消費生活の姿でございますが、先月、株式会社情報通信総合研究所で行われていました調査によると、固定網と携帯電話を含めたインターネットの人口普及率は、既に2001年に日本がアメリカを上回る、というような調査もございます。恐らく、今の趨勢すれば、2001年かどうかは別にして、アメリカを上回るようになるというのはほとんど確実ではないかと考えております。

 そういうインターネットの普及を背景にして、いろいろ消費生活の上でも変化が見られるということで、1)広がる消費者選択の多様性、これは選択の幅が世界規模での広がりの中から選択できるようになるということでございます。2)消費生活の利便性の大幅な向上ということで、いつでもどこでも好きなときに注文ができるし、物流が高度化していくことで、いつでも、どこでも好きなときに受け取れるようになってくるだろう。3)高まる個々の消費者ニーズの充足、これは消費者個人個人の好みにあった製品・サービスが提供されるようになるという趣旨でございます。

 一方で、(3)懸念される側面についてですけれども、3つ挙げていまして、1)デジタルデバイドについての懸念。それから、2)雇用のミスマッチのところは、通産省とアンダーセンコンサルティングの今後5年間の情報化に伴う雇用の創出と減少の試算によると、5年間で情報化に伴って 249万人の雇用が創出される一方、 163万人の職が失われるということですので、非常に大きな雇用の中の構造変化があるわけですけれども、その際、ミスマッチが起こる可能性もあるということであります。

 それから、3)新たなシステミックリスクの発生ということで、私どもも今年の1月に経験いたしましたけれども、インターネットは非常に悪意の攻撃には脆弱性を有することですので、万一、システム上のどこかで非常に大きな問題があった場合には全体に波及しかねないということがあります。これは、従来の金融におけるシステミックリスクなどの従来のシステムに関するリスクとかなり性格が異なるもので、IT革命により社会は新たなシステミックリスクの要因を抱えることになる、ということを考えております。

 2.はIT革命推進の基本的考え方を示してございます。3つ挙げてありますが、

 (1)としてスピードの重視。これは、ITの驚異的な変革のスピードについていくためには、常に変革の中心近くに位置しておくことが重要である。中心から離れた位置では変革に気づいた頃には、最先端のフロンティアは手の届かない先を走っていることになろう。ITの世界では勝者の一人勝ちという事態もしばしば生じるので、変革に大きな遅れをとることは、市場競争力の面でも大きなマイナスである。様々な政策対応にあたっては、こうした点もスピードとの関連で念頭に置いておく必要があるということでございます。

 (2)は説明を省略させていただきまして、(3)として新しいネットワーク社会への対応に触れていまして、IT革命は経済社会を新しいネットワーク社会に導くものであり、政策的にも従来の発想では十分対応できないという自覚をもって取り組むべきということを念頭においてございます。1)新たな市場の枠組み作りということで、インターネット上の取引等のITを活用した取引は消費者保護や企業間契約とかで、従来の市場の枠組みでは十分対応しきれない新たな課題を内包するものである。2)システムの安全性の確保と求められるグローバルな視点ということで、これからは、セキュリティの維持・強化に十分な努力を払わなければいけない。それから、いつ、世界中のどこからでも、誰からでも、どこへでも攻撃の可能性があるということで、この問題についてはグローバルな視点に立って取り組むことが求められるということを考えております。

 次に3番目の大きな柱としまして、3.IT革命推進に向けた広範な政策課題を考えております。ここは、IT革命推進のためどういう政策が必要かということをざっと見ることを考えているところでございます。3つの視点を考えております。

 まず、(1)IT革命推進の核としての情報通信ネットワークの高質化ということで、4点考えておりまして、1)ネットワークの高速・大容量化と低廉・定額化でございます。これは、料金の問題も含めて事業者間の競争等を通じて推進することが基本であろう。2)通信と放送の融合。情報のデジタル化に伴い、両者の区別がつかなくなってくるということで、政府としても放送のデジタル化を推進するとともに、通信と放送の融合した法制度の整備が必要であると考えております。3)モバイルの積極的活用。モバイルについては、諸外国と比較して私どもが優位を有する分野でありますが、さらに今後、高速・大容量化が見込まれております。また、モバイル自体は、世界各国間での利用が可能になるということもございます。4)利便性の向上と外延の拡大。これから、テレビ等で情報家電がどんどん普及していくと思います。そうなりますと、誰もが使えるような、なじみやすいインターフェイスの実現が課題となるわけですが、政府としても、民間において達成が困難な国際的標準化等について積極的に取り組んでいくと考えております。

 第2の切り口が(2)IT革命の成果を普及させるためのネットワーク取引の環境整備を示してございます。最初に、1)ネットワーク取引に対応した制度の整備ということで、電子認証あるいはネットワーク取引の特性に対応した消費者保護、さらには、プライバシー保護、有害コンテンツ対策、商法等も含めた取引一般に関わる制度等のビジネスモデルのことについて、知的財産権との関係になりますが、触れてみたいと考えております。2)安全・危機管理対策の強化。これは、政府としても、電子政府の実現の前提として、この問題に積極的に取り組んでいく必要がありますし、法制度の整備も必要である。さらには、産官学の協力による恒常的な安全性強化の取組みが必要である、ということを考えております。3)ネットワーク取引を促進する物流のスピード化。アメリカでも、物流の重要性ということが再認識されているようですが、この問題を考える際に、物流というのは非常に大きな問題だろうということで入れてございます。

 第3の切り口として、(3)IT革命時代の変革とスピードに対応できる経済社会システムの構築ということで、これは広く経済社会のシステム自体をITに対応したものにしていく必要があるという観点でございます。

 これは最初に、1)企業活動面での変革へのサポートということで、①企業経営、組織の変革を支える事業環境の整備について考えております。これは、分社化等々、いろいろなことが必要になりますけれども、最終的には商法の改正も含めて、新しい環境にふさわしい市場の諸制度を構築することが重要であるという内容を考えております。

 さらには、②変革の主体となくベンチャー等へのサポートが重要であろうということ。最近の状況には、いわゆるネットベンチャーに対する投機的な面も見受けられるが、市場競争力を持ち、将来大きくビジネスとして伸びていこうという本当の意味での新しい技術とアイデアを持ったベンチャーを育てていこうとする強い機運も生じており、政府としても、この流れを本格的なものにするために支援していく必要があることを考えております。

 それから、2)IT革命に対応した人的資源活用システムということで、①労働市場の機能強化と労働者の能力開発、さらには、よく言われますけれども②教育におけるグローバルリテラシーの確保を考えております。3)政府部門の情報化で、政府部門も当然ながら情報化を進めていくということを念頭に置いています。

 最後に、4.IT革命の戦略的推進ということでまとめてございまして、全体のIT革命推進の課題の中で、どういうところに戦略的に取り組んでいくかということでまとめたいと考えているセクションであります。

 最初に、(1)我が国におけるこれまでの取組みと総合的なIT革命推進の必要性に触れてございます。政府も取り組んでおり、「高度情報通信社会推進に向けた基本方針」に基づいた「アクションプラン」が昨年4月に決定され、このアクションプランに基づき鋭意、情報通信の高度化に資する施策が進められてございます。また、物流のスピード化や企業経営、労働等関連する経済社会システム面への対応に関しましても、物流では「総合物流施策大綱」に基づいて施策が進められ、経済社会システム面でも、企業経営あるいは労働市場機能強化等について、産業競争力強化等の観点から取組みがなされてきております。

 ただ、これら全ての政策がIT革命の推進という観点から統一的に位置づけられた上で実行されているわけではない。世界の中で、日本をIT革命の最先端の国にしていくためにはIT革命推進に必要な重要な政策課題を、経済社会システム面での課題も含めて統一的に位置づけた上で、総合的な推進プログラムを策定し、戦略的な取組みを進めていく必要がある、という認識を書く予定でございます。

 (1)IT革命推進のための戦略的な取組みですが、1)予算・人員の重点配分と既存のネットワーク基盤の有効活用で、予算・人員の重点配分については、政府の政策全体の中でIT革命の推進の重要課題のところに予算・人員を重点配分する。一方、既存ネットワーク基盤の有効活用については、これまで政府その他の公的部門において整備されてきた有線、無線の大容量通信手段については、暗号化技術の活用等によって緊急時の対応を図った上で、その両端を広く民間に開放していくべきであるという書きぶりを考えております。

 2)『高度情報通信社会推進に向けた基本方針』に基づく『アクションプラン』の積極的推進については、現在アクションプランは①電子商取引の本格的普及、②公共分野の情報化、③情報リテラシーの向上、④高度な情報通信インフラの基盤整備、⑤ハイテク犯罪・セキュリティ対策の5つを優先分野として進められております。これは、非常に重要な取組みであるということですので、積極的に進めることを期待し、さらに、より広い視野に立った取組みが必要ということを書きこむ予定でございます。

 3)は、我が国をグローバルなIT革命の中心に位置付けるための方策への積極的取組みということで考えております。要するに、IT革命の中心あるいはその近傍に位置していないと取り残されてしまうという観点で考えております。そのためにいろいろなことを重点的にやる必要があるということで、次の4点を書きこむことを考えております。1つ目が日本がグローバルなIT革命を先導できるようにするための技術開発を官民が協力して促進すること、2つ目に日本がアジア太平洋地域の情報面でのハブの一つとして機能する条件を整備し、あわせて国際物流の結節点の効率化を高めること等により、世界の情報ビジネス、ネットビジネスが日本に立地するような環境を整え、我が国の経済主体が常に世界のIT革命の先端に容易にアクセスできるような状況を創り出すこと、3つ目にインターネットのグローバルガバナンスへの貢献等IT革命に付随して必要とされる世界的な課題に積極的に取組み、変革を主導したり、変革に積極的に参画すること、最後にIT関連の世界標準の作成に向けて日本のイニシアチブを発揮するためにもアジア諸国と協調してIT革命の推進に取り組むこと、でございます。

 4)IT革命の成果を最大限に生かすための物流のスピード化の促進は、物流がボトルネックにならないようにスピード化に重点を置いて積極的に推進していく。総合物流施策大綱に基づいてやっておりますが、その中でも特に物流のスピード化ということに重点を置いて、次の3点を書きこむことを考えております。1つ目が基幹的なインフラの整備、2つ目に物流システムの標準化・シームレス化・ペーパーレス化の促進、最後に新たなネットワーク取引き拠点の整備ということで、コンビニや駅等のネットワーク拠点化を考えております。

 5)IT革命時代の変革とスピードに対応できる経済社会システムの構築ということで、①企業活動面での変革へのサポートは、(ア)企業経営、組織の変革を支える事業環境の整備として、コーポレートガバナンスの強化と競争的事業環境の整備を考えております。また、持株会社化・分社化による組織変更及びM&A・MBO等の組織再編を一層容易にする制度の整備、商法改正も進んでおります。ただ、これと合わせて、企業の租税負担の問題で連結納税制度の導入が必要。これがないとなかなか実態面として再編が進んでいかないということでございます。 

 (イ)変革の主体となるベンチャー等へのサポートということで、これもまずは、技術力の強化と人材の確保が第1である。まず、実態がきちんとしたベンチャーを育てていくということを考えております。そのための施策として、例えばTLOですとかSBIR、これはこの数年力を入れてやってきているところですが、運用等でより使いやすいものにしていく必要がございます。その他のことも若干触れる予定でございます。

 それから、第2にベンチャー支援のため金融・資本市場の整備も考えられます。特に株式の最低額面については5万円とされているところで、なかなか分割ができないということになっていまして、法制度的にも整備していく必要があるということで考えております。

 さらに、第3にリスクへの挑戦に対する支援ということで、ストックオプション制度をもっと活用しやすくするということを考えております。それから、第4には個人や全国の中小企業の活躍の場を拡大するための環境整備ということで、ITになりますと、SOHOとかテレワークがかなり重要な役割を果たすようになるわけですので、その面での支援をしていくということを書く予定でございます。

 次に、②労働市場の機能強化と労働者の能力開発への支援につきましては、まず、(ア)労働市場の需給調整機能(マッチング機能)の強化を書く予定でございます。これは、言うまでもなく、非常に大きな雇用面での職種の転換ということが起こるわけですので、ミスマッチをできるだけ少なくするという観点で取組みが必要である。

  それから、(イ)労働条件、勤務形態の多様化、弾力化。これについても裁量労働制等を活用した弾力化が必要であるということでございます。

 また、(ウ)企業外部での職業能力開発システムの充実ということで、内部だけではなく、企業外部でいろいろな仕組みを作っていく必要があるということでございます。最後に、(エ)有能な外国人労働者の活用を書く予定でございます。アメリカでも、積極的に受け入れるという方策を取っているようですが、我が国においても、IT技術者の積極的な受入れという方向で取り組む必要があるということでございます。

 以上で説明を終わります。

〔 委員長 〕 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいま説明のありました内容につきまして、忌憚のないご意見をお願いいたします。

〔 委員等 〕 我々が新しい産業を起こしていくときには、当然、こういう構造的な問題だけではなく、実際の日本の社会の鎧とか重しという、いわゆる業界団体とか従来の既得権益、そういったものから世の中が縛られる、それが実態の経済としてあるわけです。それが、インターネット革命というのは、お客様中心の、お客様へ新たな価値を提供していく。それをお客様が評価して、構造が変わっていく中で、見えない規制といいますか、従来の日本型の非常に重たい色々な物が構造としてある。こういったものが全部変わっていくという、リコンストラクションが起こっていかないと、表面のIT革命が起こっても、産業構造全体が変わっていかない。そういう変革が出てくるだろう。そのときに、このIT革命が本当に国民全員のコンセンサスをどのようにとらえていくのか。

 ただ、価値の多様化している日本の中で、本当にそこへ、それが1つの大きな価値として持っていけるのか。また、そういう必要があるのか、という議論にもなってくると思うのですけれども、そういう精神的なバックヤードがないと、要するに抹消の問題でこういう大きな大事な変革が推進できないということが起こってくるのではないか。

 そういう意味では、大臣がよくおっしゃっているように、新しい日本の勃興のためにはもう一度「楽市楽座」を起こして、日本の経済がその世界に続いていくのだとか、そういう大きなコンセンサスといいますか、そういうものをどう形成するかというのがあってこそ、途中で変革の方向が歪まない。みんなが信念を持ってこの革命を推進していくのだ、ということが本当にやれるのかというのが大きな課題になってくると私は感じます。

〔 委員等 〕 インターネットがはやり始めたとき、自分のお嬢さんが就職するときにインターネットのアクセスができないと最近は就職できないということを聞きつけて、そのお父さまが、近くの郵便局へ行って、娘のインターネットアドレスを分けてもらえませんかと言った方がいらっしゃった。これは決して笑えない話で、今は就職活動もインターネットでしか受け付けない会社もあるようです。

 「IT化」という言葉も、ひょっとしたら、正しいアプローチでそれを導入するためには誰に相談したらいいのか、実際には、それを持っていないと自分自身の企業の今までの運営にインパクトを与えるのではないかという恐怖心をむしろ逆に煽っている部分が反面あるのではないかと思うのです。

 今までどおりに、いい製品をつくっていい商売をやっておられれば、それで安心なのです、ということを今度逆に納得していただき、その中でどの部分をIT化していくのかということ、もう一度冷静に判断いただくことが必要ではないかと思っています。

 今の株価を見ておりますと、「ドットコム」だと、瞬間に株価がすごく高くなって、一方で、IT化が遅れているという評価を下されたその瞬間に、非常に株価を低く評価される。このギャップをうまく埋めていくことが必要なのではないか。

 今、「レガシー型」という、旧態依然とした企業の方々にいかに効率的にそのアイデアを導入いただくかということも1つのテーマですけれども、「そんなに慌てなくても大丈夫です、こういう手順でやってください」ということをうまくご理解いただくことも、ある側面で必要ではないだろうか。

 今は、あらゆるドキュメント、それから、政府からのいろいろなご指示が、「IT化に遅れると全世界の潮流から遅れるのではないか、もしくは未来はない」というふうに語られます。しかし一方で、「ドットコム」という形に名前を変えれば、それでバラ色になるわけではないというところを冷静に見ながら推進をしていきたいと、まず、前提として考えたいと思います。

 それから、非常にマクロ的な方針以外に、具体的な施策として、政府の方から予算を付けられる各予算体系に対して、やはり抜本的な対策をぜひお願いしたいと思っています。

 米国の場合ですと、軍もしくは政府の調達した専用線を積極的に民間に開放して、ネットワークの効率化を図り、民間の通信事業者のコスト低減に即す。そして、いざ有事になったときには一定の帯域を確保する、というやり方で、政府関係の予算をどういうふうに付けるかということに対して適宜な割当があると思うのです。

 申し上げたいことは、マクロ的な視点では、資料2の中では全て正しいことが示されていると思います。正しいことが示されていることを実際に実施する段階でどういう施策を期待したいかというところで、実行に移す段階でのアクションプランとしての効果というものを、この施策に沿った形でぜひ推進していただきたい、ということを期待しております。

〔 委員等 〕 今のご発言のとおりでありまして、最後はやはり、極めて具体的な施策にちゃんと落とし込んでいくというところが大事です。それから、無限にお金もあるわけでもないので、ツボを押さえたところにやるべきことをやっていく、ということだろうと思うのです。

 ただ、その前に非常に大きな、今、どういう方向でこの国全体を、ITを活用しながら突破口を開いていけるかという絵や夢を、日本の人たちにどうやって見せてあげられるかというところが非常に重要だろうと思うのです。

 楽観的になっていい要素がいろいろあると思うのです。基本的な経営資源という観点から考えて、ネットに対する相性という観点から考えても、日本は、世界で一番潜在的な可能性が大きい国ではないかと思っております。教育を考えても、これだけ基本的な、水準の底がどれくらい高いかというのがものすごく効いてくるところでございます。それから、企業間で情報を共有しようなどという考え方も、実は昔からあるということで、素材的にも人材的にも非常にいいものがたくさんあるということは、これは楽観視していいのではないかと思います。それがいよいよ動き始めたという感じを、仲間うちでみんな持ち始めているということだろうと思います。

 情報通信総合研究所が、強気に「アメリカを抜ける」といっていますが、本当に抜けると思います。

 そういう中で、何が課題かというと、それだけ非常にいい経営資源が既存の仕組みの中にロックインしていること、つまり、極めて良質の資源、人材・経営資源、ほかにもたくさんあります。これを既存の仕組みの中からいかに解放して、再構築するチャンスを差し上げられるか、ということだろうと思います。

 「アウトソーシング」というのも、今の時代に非常に大事なのは、小さな何か新しいことをやろうと思った会社が、事業をスタートさせるときに、インフラから何から全部自分で投資するのではなくて、いろいろなサービスを活用して組み合わせていくことによって、コアの部分を自分のところで本当に革新的に取り組まれた会社に、そのリソースが集まってくるという仕組みです。それから、今、エクイティの話が何度も出てきましたけれども、エクイティの仕組みをちゃんと改革することが重要なのは、同じくビジョンを持って新しく取り組もうとされている方々に必要なリソースが集まってくるような仕組みを構築するためです。この基本的なところをちゃんと押さえる。そうすれば、新しい職場がつくられる、雇用が発生する。

 例えば、ベンチャーというと、若い人の方ばかりに目が向きますけれども、これから、恐らくかなり流動化してしまうであろう。50代から、60代に差しかかったぐらいの方々が起こすベンチャーというものがどれくらい活躍できるか、というあたりが非常に重要だろうと思います。

 1つは、何か新しいことをされようとする方のための事業リスクを下げてあげる、不確実性を取り除くいくつかの施策があると思います。制度的に、大きな不確実性になっているものがある。例えば、税制があります。また、知的所有権に関しても非常に大きな問題です。これがどういうふうに決まるかによって、ビジネスの採算がずいぶん変わってきますので、知的所有権についての議論を早急に深めて、スタンスを固めて、不確実性を取り除いていく。

 それから、個人的に非常に重要だと思っているのはプライバシーの問題でありまして、これも「何をやってはいけないか」ということを早めにきっちり決めることで、逆に「何をやっていいか」がわかる、というところがございまして、この辺についてきちんと制度を作っていかなければいけません。

 インフラの点については、「動脈」を整備するならば重要視しなければいけないのが「毛細血管」だと私は常々申し上げております。例えば、「SOHOで何か働こう。もう60歳になったのでフルタイムで会社に通うのはしんどいけれども、自宅でどこかのベンチャー企業の経理を手伝ってあげよう」というような方がいらっしゃったときに、その方のところでどれくらいちゃんとデータがやり取りできるか。それから、非常に小さな工場のようなところの情報化というのが非常に重要だと思っており、大きな会社の設計部門で設計した、例えば三次元CADデータのようなものが、いかにスムースに小さな工場のネットワークの中を流れていくようにするか。必ずしも、そんなに太い線ではなくてもいいのです。ただ、面的に全てのところが、そうやってカバーできる状態、この「毛細血管」の部分が太い動脈と連動したときに、本当に大きなパワーが出てくるのだろうと思います。

〔 委員等 〕 ネットへの接続ということでは、例えばiモードも 600万加入ということで、事実上、ネット接続者というのは、パソコンもさることながら、ワイヤレスといったところでもかなりの量で増えてきています。

 考えてみますと、ポケットベルという時代もございましたので、そういう意味では、ネット接続とか、いわゆるメールですとか、そういった非パソコンとパソコンという両方の立場から、日本がアメリカを抜けるかどうかというのはともかく、かなりの領域でいけるのではないかという感覚はございます。

 逆に言うと、むしろ、そういったところは、米国のインフラというところではあるかもしれませんけれども、日本の場合ですと、情報通信のインフラに対して非常にお金がかかることに関しては、ワイヤレスみたいなことが1つのキーワードになって全体のコストを下げるという可能性もあるかなと思っています。

 どちらの方向からきましても、ネットへの接続というものが急速な時代として出てくる。最近、「ドッグイヤー」から「マウスイヤー」へというふうに言われているようでございます。そういう意味で、インフラの方もかなり変化していかなければいけないというか、スピード的に追いつかなければいけないと思っている次第でございます。

 あと、今、ITといいますか、ネットの世界自体がGDPの2~3%に相当したコスト削減効果があるということもございますけれども、さらに、ワイヤレスというか、モバイルということが、それをさらに押し上げる効果というのが非常にあるのではないか、日本としての特徴ではないかと思います。

 あとは、全体的にビジネスを進めていく中では、情報通信だけではなく、流通その他の変われない体質といいますか、旧態依然とした物流ですとか、そういったものを変わっていける日本みたいなものをつくっていけるバックボーン、バックグラウンドが出てくる必要性があるのではないか。それがビジネスの種でございますし、逆に、日本としての成長性というものを上げるためには、そういうところが不可欠な政策ではないかと感じます。

〔 委員等 〕  「コーポレートガバナンス」というのが出てきましたけれども、今年になってから、例えば、ある経済団体で、IT関連の委員会というのをつくりましたら、 300人メンバーが集まってしまった。今まで一番大きい委員会などだと 150人ぐらい。これは、勉強のためということで、実際に人が集まるのは40~50人なのですけれども。第1回会合をやったら 190人ぐらい集まりまして、場所がないのです。従来的な会議室ではできないということで、商工会議所のホールを借りたりしてやった。しかも、内容は、トップクラスの人と、あとはまさに若い、今、ネット関連株でいろいろ持てはやされているような人で40代の方から、中には30代の方がいましたが、非常に幅広い人たちが入ってくるというようなことを伺いました。

 また、若い40代までの人たちでやっている会があるのですけれども、そこが『IT革命が日本経済を変える』というシンポジウムを、東京でやったのです。それには 300人ぐらい出ていただいて、非常に熱心な議論があったというようなことも伺いました。このように、民間の経営側は非常に重要視していますけれども、一面、ある程度の焦燥感があるのも事実です。それだけに、全体像をきちっと作って出すということも非常に必要です。

 それから、民主導といいながら、国家戦略というものがないと、アジアにさえ遅れてしまうかもしれない。そのためには、資源の有効配分という場合も、なかなか民間だけではできにくいという点も、先ほど言われたような法律制度の問題、税制あるいは商法改正を含めての問題もありますので、本当に全体的な全体像をどのように作っていくか。その中で、具体的な提案をそれぞれどうやっていくか、というようなことが非常に重要になってきたなと私も痛感しておりまして、役所の方でも、それぞれが別個にビジョンを出してやられる。そうなると、経済審議会でその辺をきちんとしてやっていくことが非常に重要になってきたな、というようなことを思います。

〔 委員長 〕 委員の方から具体的な問題を含めて、特に小委員会では、政策推進部会の中でも、IT革命の分野が一番ドラスティックに政策を推進していく一番柱になるテーマだろうと思います。環境ビジネスとか、介護とか、いろいろございますけれども、ここが一番重要なところだと思いますので、ぜひ、ざっくばらんに言っていただきたいと思います。

〔 委員等 〕 今、おっしゃった一番大事なところは、日本が市場のメカニズムといいますか、市場経済の原理がちゃんと効いているのかという、その辺が公正に運営されるかどうかというのが非常に重要だと思うのです。

 それは、情報開示を徹底的にしたり、それを健全な厳しい土壌でみんなが自由に競争できて、その中で本当に価値がある人たちが評価される、きちんとしたそういう評価システムというのが必要でしょう。もう一方では、ヤミ再販のようなものをつぶしていく。こういうものに対しても、きちっとその事に当たり、健全に市場を見ていく。そういう市場のメカニズムと、それをサポートする政府もきちっとしたフィルターというものを用意するというコンセンサスがあって、その上で自由に競争する。そこのところが、市場経済でいくのか、どういうふうに規制をするのかというところできちっとコンセンサスをもってゲームを始めるといいますか、みんながチャレンジをしていく。そこが歪んでしまうと、本質的なものもダメになってしまうような気がしまして、そこがすごく重要なフィルターなのかなとは思います。

〔 事務局 〕 先ほどの、「太い線と毛細血管をつなげる」ということを、もう少し具体的に、どういうふうにすればいいのかということも教えていただければと思います。

〔 委員等 〕 有効活用されて需要が盛り上がらないので、未来に向けて投資ができない。いつも、実験・研究ベースでしか行われなくて、本当の需要があると見込んで大きな投資が出てくるということがない。結論的に言うと、とにかく既存の設備で、この1~2年にできることと、3年後にもっとブロードバンドで全部面的に広げてしまうという話があって、この1~2年については、既存インフラをどれくらい絞って、目いっぱい活用できる制度を作ることができるか、ということです。

 通信料金の定額・低額については、今年中ぐらいに、かなりの地域で、既存設備を低額で使える状態を作れるようになったと思うのです。ただ、どれくらい早く、どれくらい広い範囲にこういったサービスを―これは特定の会社だけではなく、どの会社がやってくださっても構わなくて―いろいろな会社が競争状態の中で、とにかく、結果として全住民、日本の上に住んでいく全ての人がいつでも、追加負担コストの負担感なく通信を活用できる状態を作れるか。とにかく、結果として作りたいのです。その結果として作るインフラは、既にそこにある。そこにあって、それが、そういう使い方をされるようになると、すぐ欲求不満が出てきて、もっと太いのがほしくなってまいります。そうすると、次のもっと太い数メガとか、数十メガくらいのインフラも。もっと大拠点は「ギガ」とか「テラ」がほしいのですけれども、次の、3年後の「毛細血管」は「メガの毛細血管」だと言いたいわけです。「メガの毛細血管」を今度は、どれくらい早く作れるか。これも全国どこでも、しかも、願わくば競争で提供できる状態を作る。

 ツボは、少しスピードが遅くても構わないので全ての人間に低額・定額の通信サービスを提供することによって、例えばSOHOで、会計処理のアルバイトであれば、どこにいたってできる状態を作れるし、どんなに小さな工場でも、夜中のうちに工場からCADデータが送り届けられていたら、次の日の朝には製造に入れる、そういう状態を作ること。

 もう一段、少し「産業的な毛細血管」の話をすると、その上でアプリケーションの相互連携とか、例えば工場によっては、いきなり3次元CADデータをいただいても、それをどれくらい使いこなせるかは、限界があることがある。地域において核になるような会社が、周辺の会社の面倒をみながら、みんなでレベルアップしていくような話が必要になってくると思うのです。この辺の活動をどれくらい支援できるか。こうなっていくと、教育の話とオーバーラップしてくるわけです。学校での教育、職場レベルでの教育というものをどれくらい面的にできるか。

 だから、片側で、とにかく最先端、「ギガビットも遅くて、テラビットだ」と言っているのですけれども、そこをいかに国家戦略的に世界でリードできるか。ここを片側で重点投資して、あと面的に最低限どこまで保証できるかというところに、また重点投資していく。その間の真ん中のところは放っておけば民間がわりと動いていくのではないかと思っております。

 とりあえずは、既存設備を使って、全ての人にインターネットをアフォーダブルな価格で提供し、それは定額制でなければいけないと考えています。

〔 委員等 〕 各省庁を伺いまして、各省庁内のネットワークの張り方、それからIT化というのは、普通の企業の平均よりもかなり遅れていると思っています。

 わが社では若い社員もしくは中途で入ってきた社員には、最新の一番いい道具を渡す。これは最新の道具を新入社員が最初から使い始めることによって、今の最先端の技術を有効に活用できる人材が育つだろう、ということです。そこには贅沢といいますか、最先端のものを使わせる。

 したがって省庁の中でお互いに情報を共有するということを考えたときには、一番いい道具を率先して使っていただくことが必要なのではないだろうか。ですから、外に向けて予算を付ける前に、その中の1%でも、省庁内のIT化に予算を振り分けることによって、「これだけ情報網をオープンに外部に開示にできるようになったし、省庁間のお互いの情報共有がここまで進んだ」ということを、自ら示していただくことも必要だろうなと思っています。

 もう一つ、IT化の中では、物は購入したのですけれども、魂入れずということになりかねないような状況があるのです。というのは、そこにコンピュータを置いて、キーボードがあって、画面にインターネット風なものが映っていれば、それでIT化が進んでいるのではないか、という勘違いを起こすのですけれども、重要なことは、業務分析をして、正しくその業務内容をどういうふうに改善すべきかということを、ITという魔法の線を使って実施できる、ITコンサルタントの育成というものが、ひょっとしたら一番重要な要素なのかもしれない。

 今は、物だけ導入すれば、というところで一生懸命にこれを買いなさいという、要するに煽りというのは、むしろ逆にマイナスの効果。それよりは、どういうふうにITの技術を使えば、この業務がどういうふうに改善するかということを、ITの立場ももちろん大事ですけれども、正しく、その会社が抱えている古い今までの膿をどうやって出すかという外科手術ができる、ITコンサルタントの育成というものが非常に必要になってくるのではないかと思っています。それを積極的に育てる新しい教育の現場というものを、もっと積極的に支援されることを期待したいと思います。

 慶應大学のビジネススクール、それから、先週の土曜日に青山のビジネススクールを拝見して、もう驚愕しました。例えば、今、UCLAのビジネススクールに行きますと、講義室の机の上にネットワークが出て、20メガビットなんていうのが生徒さんのところに出ているのです。授業を聞きながら、それに関連する資料は、その場でどんどん資料を検索しながら、今、先生が言っていることは正しいか、もしくは反論するに必要な情報を、机の上で検索しながら議論に参加するということが当たり前のようにあるわけです。そういう環境というのは、教育の現場にまだないと思っていたのですけれども、建物は古いのですけれども、中に入ってみたら、全部にネットワークが引いてある。最新の映像技術で情報を共有するだけでなしに、各机についた方が、最新の状態で議論武装ができている。

 そこで実施されているプログラムというのは、カーネギーメロンと同時進行するビジネススクールのプログラムで、仮想的に1つ会社をつくって、ビジネスプランを作って、日米の間で、その企業が果してどのくらい上場した後に儲かるかというシミュレーションをしながら、戦いながら、それに対する仮想企業を成功させるということを同時進行でネットワークをつないでプログラムをやっておられる。

 そこに、今の学生さんではなしに、企業の中に存在した方がもう一度勉強するために、学校に帰ってきてビジネススクールに参加されている。海外の間でコミュニケーションをするビジネス・プレゼンテーションとしてのプレゼンテーション・スキルを身につける、ビジネスモデルを構築するというスキルアップを、企業におられる方がもう一度戻ってスキルアップを図られて企業に戻る、もしくは自分自身の企業をつくるということを取り組もうとされています。

 広く、もうこういう動きが確かにあるのだということを啓蒙していく必要もあるでしょう。一般の方がそういうものを活用する、もしくは一般の方がそこへ戻ってもう一度勉強されるということを積極的に促進することも必要ではないか。

 ちょっと話が長くなりましたけれども、そんなことも期待したいと思っています。

〔 委員長 〕 アメリカと比べて、日本の大学は、大体同等水準まで来ていると見ていいですか。

〔 委員等 〕 学生さんの水準は、もちろんそうだと思います。企業と大学間のコラボレーションのあり方、そこはまだまだ不十分なところがあると思います。

 日本では、大学の資源には卒業していない人間はほとんどアクセスできないのです。でも、アメリカでは、中途で編入しようとしている学生にまで、全ての大学に対するアクセス権が許可されているので、USCも、バークレーも、スタンフォードも、そこにある資源というのは全部、どこの研究所が何をやっているかというのに自由にアクセスできる環境の中で、遊学生をやることが可能なのです。

 一方日本では、東京大学も、東工大も、京都大学もシャットダウンなので、一度アメリカにいって、アメリカ経由で日本の大学にアクセスするというような話も聞きました。

 そういう閉鎖性というのが、もっと幅広く、大学を卒業していない人にも大学の資源は開放されるべきだし、企業と大学のコラボレーション、例えば、スタンフォード・リサーチ・インスチチュート(SLI)、そこへ行きますと一般閲覧資料で、この研究所で幾ら予算を必要としているというようなものがレストランのメニューみたいにたくさんあるのです。そこに、企業として投資されているのは、ほとんどが日本の企業です。今は、台湾、韓国の企業もたくさん投資をしています。

 日本の大学の場合には、研究室で予算が足りないので、 出資を募るとしたら、「産学協同でそんな金儲けをするのはけしからん」という話で、おそらく、絶対に前に進まない。かといって、その研究資金がないために成果を上げられないというジレンマがある。

 一方、アメリカの大学は、それを開放しているために、日本からアメリカに学生が行き、例えば向こうにおられるプロフェッサーが実は日本人で、日本の企業からお金を受けてそこで成果が上がってくるという状態を実際につくっている。

 こういう状態を改善しようということで、開かれた大学で健康的な産学協同をつくろうというアプローチを既に実施されているケースがございますけれども、一般の企業にも広く公開していくアプローチも必要なのではないかと思います。

〔 委員等 〕 ビジネススクールの話ですけれども、この1~2年、入ってくる人の考え方がすごく変わってきたなという話を聞きました。以前は、正直いうと、大きな会社の事業部長を育成するという恰好だったようなところがあったのですけれども、最近は、会社を辞めて来て、出て行く先も、もう一回会社に就職するというよりは、自分の会社をつくるということを考えて来る人たちがずいぶん増えてきたようです。

 それから、社会人開放というのもあるようですが、科目と履修生制度というのですけれども、科目単位で取れるのがあります。これにも、募集をかけると、非常にたくさん応募してくるようです。

 確かに、制度の話があって、完全にカスタマーニーズに応えた形で提供できるかどうかは、ややぎくしゃくしているのですけれども、ただ、出すものを出していくと学習意欲は非常に強いということがあるようです。

 インターネットとテレビ会議システムが、ISDN1本あると同時接続できるという仕組みを使って在宅も考えられるのではないか。そうすると、福岡や札幌から受講可能になり、非常に社会的ニーズは強いのではないかと思っています。

 ベンチャーといえども、結局は人間関係の中で信じられる、信じられないの世界になってくるので、学びの場で出会った人間というのが一番後まで、組織の壁を越えてお付き合いできたりするようなところがあります。ですので、1度社会に出てしまったが仕事をしているうちに何か問題意識を持ってもう一回勉強し直して何か新しいことをやろうというような方々が、いきなり会社の枠からポンと飛び出して自分だけ一人でやるよりも、一度そういう場所で同じような問題意識を持った人間が集まって議論して卒業したときに、コミュニティが作られるわけです。

 今の日本の大学はその機能をちゃんと果しているかというと、果たしているとは言いがたくて、一応やっているのですけれども、規模があまりにも小さくて、アメリカの何分の一か何十分の一ぐらいのサイズでしかやっていないことも事実です。最先端で取り組んでいらっしゃる方は、結構いい線は行っていると思うのですけれども、いかんせん、量的に全然足りないということは、これは間違いない話だろうと思います。ですから、この部分は一生懸命頑張ってやらないといけないと思っています。

〔 委員長 〕 今の人間の信頼関係というのは、去年11月何日かの「ファイナンシャル・タイムス」に、その論文がありました。シリコンバレーといっても、バークレーであるとか、スタンフォードであるとか、共通の人間関係を持っている人たちが集まってやっているというのが非常に大きな要素だということを言っておりました。そういう点は非常に大きいと思います。

〔 委員等 〕 たしかに、制度は、直したつもりでいて、動かしてみると細かいところに引っ掛かる部分がたくさん出てきたりするので、現場レベルで気になる在宅の教育も、遠隔教育と通信教育の間の垣根が、定義がはっきりしていないなと思いながらやっていくことになるのです。

 ただ、こういうのは、ちゃんとビジョンを持って、こういう方針でいくのだという意志を持てば、あと制度的な話というのは後からついてくるのではないでしょうか。根幹の部分はちゃんと直していただいて、あとはとにかくやってみている人をどれぐらい仲間でバックアップしていけるか。新しいイニシアチブを取る人たちをどれくらい仲間うちみんなでバックアップしていって、ロールモデル、お手本を作っていただけるか、この辺が勝負だろうと思います。

〔 委員長 〕 IT関係では、いろいろな法律の問題とか制度の問題というのは、どのようになっているのでしょうか。

〔 委員等 〕 日本では何をやってはいけないかというのがはっきりしていないので、何をやっていいかがよくわからない。それが不確実性になって、気の弱い人だとやらないで終わってしまうし、やった人にとっては、後から爆弾を抱えることになりかねないというような状況なので、制度のインフラがちょっと足りない。

 つまり、インフラストラクチャアとしての制度というものがほしい。それから、トランスペアレントな制度がほしい。これは、ITといわず、新しいことを起こそうとする人の、共通のフラストレーションではないでしょうか。

〔 委員等 〕 ITといいますか、インターネットといいますか、そういったものはある意味ではインフラとかプラットホームとして認められるかということが、1つあるかと思います。

 カバレッジの問題とスピードの問題、そこら辺は、今のインフラを使ってでも、何よりプラットホーム形成を優先して作っていくといいますか、誰もネットに接続するというところをプラットホーム形成と認めて、それである程度法制度みたいなことを柔軟にしていく。もちろん、危険性とか、先ほどのプライバシーの問題とかの乗り越えるべき問題は多いのでしょうけれども、それにおける次なる可能性みたいなのは、たくさん出てくるのだろうと思います。

 確かに制度ありきのところは、あとは、そういうプラットホーム形成したものを、あるいは形成していこうという形で進めていったときに、逆に、カバレッジとかスピードという問題が克服されたとき、それを認める社会といいますか、制度というものが、どんどん生まれてくるのかどうかということではないかと思います。

〔 委員等 〕 ビジネスをやってきて、誰よりも早くお客様に対して最も価値を提供する。そのための手段として、ITの今のプラットホームを含めてあるわけです。

 そういう意味では、インターネットビジネスは、まさに戦後時代に使ったものが崩れていって、そこで新しい価値をこの5年間で、「よーいドン」でスタートして作っていって、多分、2005年というのが次の固まってしまう時期だと思っている。その時点で、誰が一番大きな価値をお客様に提供しているか。それが、市場の中で決まっていく。この5年間で優勝劣敗が決まってしまうだろう。そういう意味では、「ドッグイヤー」で走らなければいけない。この5年間で最大の価値を提供できる会社になろう、ということでみんなが競い合っていくわけです。

 その中で最大の価値を提供しようとする時には、従来のいろいろなしがらみがある、これをどうするかという問題がある。

 インターネットというものには、インターフェイスだけの問題と、その後ろにあるプロセス改善という問題があって、事業構造全体を切って、優勝劣敗の最も優れたサービスを提供するためには、後ろの改革をしなければいけないと思うのです。ですから、IT革命で入り口をどんどん立派にするのはいいのですが、実際の企業の競争というのは、後ろをどう改革するか。バックヤードをどう短くして、お客様に対して最大価値を提供できるようにしていくか。これは、証券でも全て同じだと思うのですけれども、そういった競争だと考えています。

 その中での、先ほど言った見えない壁にみんながチャレンジをしていって、それを乗り越えた人たちが2005年なりに、先頭を走っていることになる。そういう意味で、プラットホームの整備というのは非常に重要ですけれども、それぞれの事業者が自由に競争ができて、お客様が価値を認める。市場がそれを判断して、いいものを選んでいく。自由に選べる公正な市場メカニズム、これがIT革命を推進するに当たって非常に重要な、本質的な価値になってくるのではないかと考えております。

〔 事務局 〕 私ども、モバイルの積極的活用を図らせていただいているのですが、モバイルと固定網はこれから、どういうような役割分担で進んでいくとお考えですか。

〔 委員等 〕 よりハイスピードのところというのは、光ファイバー網みたいな世界でやっていかざるを得ないでしょうし、逆に、今ある既存網みたいなものは、今のモバイルといいますか、ワイヤレスでそのまま置き換えができているような形というのは、ある程度見えていると思います。

 少なくとも、諸外国を含めてデジタル化 100%進んでいるというのは、多分、日本が相当なアドバンテージになるのではないかと思います。

 例えば、ワイヤレスに対してアメリカ人は全く期待していないですけれども、逆に、日本の場合ですと、モバイル的なところの方が、むしろ進んでいるという点は強いだろう。

 だから、先ほどもちょっと言いましたけれども、パソコンだけが端末ではないと思いますけれども、それはパソコンと非パソコンの両方が補完し合って、ITといいますか、インターネットといいますか、そこが伸びていけるのではないかと思います。形だけの、端末がどうかということは、本質的な問題ではないと思っています。

〔 委員等 〕 例えば株の取引をするときに、パソコンを開いて、立ち上がってインターネットにつながるまで20数秒かかってしまいます。携帯電話だったら、本当に数秒でつながる。空いた時間でも簡単に、例えば取引ができるとか、株価が見られる。結局、価値の大きいところへ、お客様は流れていくということで、競争になったときに、インターフェースが簡単なものへどんどん走っていく。そこは自由なプラットホームの競争になっていくと思います。

〔 委員等 〕 1つ危険なことは、「こちらの借金を返済し終わってから、こちらに移り替わる」という発想を持たれる方が非常に多いのですけれども、相互に関連を持ちながら、その複合的なサービスを提供していくのが、多分、理想形だと思うのです。

 一例として、単にインターネットとして発信されたメッセージを携帯電話だけで見るのではなしに、例えば、病院の中で管理されている患者さんの状態が全て電子的にデータベースに乗り、自動的にホームページを閲覧して、ゴルフをやっている医者のズボンのポケットには、どの患者さんがどういうステータスにあるか、いつもモニタリングできる。そういう環境が整えば、これから先、固定網とワイヤレスの世界、パソコンとテレビと携帯端末との世界というものが、有機的に結びつくことが可能になるだろう。

 具体的なプロジェクトとして、例えば、在宅の介護老人の方には、テレビを中心にしたリモコンで操縦していただいて、ヘルパーに、「今日の夕方、来られるときに、ミカンを買ってきてください」とか、「このお買物をお願いします、今日はこういうものが食べたいのです」と伝える。そういうことは、在宅の方を考えますと、多分、テレビを中心にしたリモコンが中心でしょう。ヘルパーが来て介護されたときには、携帯電話で連携をとられる。

 そういうときに、今の状態というのは、例えば、テレビにつながる機器と携帯電話、それからパソコンと携帯電話との間を相互につなぐためのプラットホームの充実がまだ十分図られていないので、それが単独のループになっている。それを複合的に完備することによって、これから先、携帯電話で受けた情報を、近くのコンビニに行ってコピーマシンに印刷してくれというと、いきなりぐるぐると印刷されたフルページの印刷物が出てくるとか、携帯電話で出た情報を、これを映像で見たいなといったとき、恐らく2年先には、携帯電話はこの内側にも映像が映りますけれども、テレビに向かってリモコンの代わりに杖を振るだけでテレビが、国会中継の発言をそのまま放映してくれる。そんな環境がきっと整備されてくるだろう。そこのところを、とにかく期待したいところであります。

〔 事務局 〕 そこら辺のところで、お互いにテレビとパソコンとか、携帯電話とかをつなぐという中で、黙っていれば、民間の方がやられるということで、政府としてやる分野というのはあまりないと。

〔 委員等 〕 「その整備が図られないときには、国が自らその規範を作るべきだ」というコメントがあったのですけれども、これに関しては非常に慎重に受け止めたいと思っています。

 欧米の放送は、インターネットと相互乗り入れができて、インターネットの画面とテレビが相互にできるような画面を設計もしくはコンテンツとしてつくれることになりました。その結果、CNNも、ワーナーブラザースも、ディズニーも、インターネットと融合したテレビ番組というのを 1,000時間ぐらい作っています。欧米のテレビ放送というのは,それを送出し、それを受信できる端末がテレビとしても充実が図られて、またソフトだけでなしに、そういうテレビをつくっておられるところがあります。複数の企業がサポートする放送設備と受信端末でそれが実施できるようになったのですけれども、日本だけは、それが映らないというものになってしまった。

〔 委員等 〕 モバイルの話があったので、論点は2つだと思います。片方は、電波という、この辺は広い意味での「ライト・オブ・ウェー」、電線を張るインフラストラクチャー及び電波、そういった公共のリソースをどのように活用するかという話でございます。そのときに、これも意見が非常に分かれるわけですけれども、要は、とにかく先が読めない時代なので、いろんなビジョンを持った人に、どれくらい自分のビジョンを実験してみるチャンスを差し上げられるか。特定のどこか1つの技術の体系だけではなくて、いろいろな技術体系、いろいろなビジネスモデルに実験をしてみるチャンスをどれくらい差し上げられるか、その包容力をどれくらい持てるかが、制度設計をする方々にとっての腕の見せ所ではないかと思います。

 電波のことについては、電波という稀少資源を使ってできるアプリケーション、これは残念ながら、全部に許してあげるわけにいかないようなところがあります。そこで、とにかく新しいことをトライしてみる方に、どれくらいチャンスをあげられる、試行錯誤できるような制度を、広義での「ライト・オブ・ウェー」で、特に電波について差し上げられるかどうかということが、1つのことです。

 もう1つのポイントは、モバイルなので、場所がどんどん動いていく話になってくると、これは必然的に、例えばITSについて考えると建設省や郵政省、警察庁等の官庁をまたがった話にすぐつながってまいります。とにかく、今、携帯電話とか電子メールの方にイメージが寄って、あと音楽も非常に大事なのですけれども、物流では、パレットに、例えばロケーションをずっと追跡できること。箱、ケース単位の物流をずっと追跡できること。リアルタイムに、トラックがどれくらい、その積載数はどうなっているかということが把握できること、このあたりで革命的な変化をもたらすことが可能なのがモバイルだと思うのですが、これを現実的に運用していこうとすると、官庁のそれぞれの所管みたいな話がどんどん出てきてしまいます。これをどれくらい調整する能力を持てるかというあたり、これも制度を作って運用する方の腕の見せ所ではないかと思います。

〔 委員長 〕 先ほど、パソコンでなく全部が携帯電話だというと、そうではない、両方が非常に重要だと。この種のコンサルタントであるとか、非常に重要だなと思います。冷静な判断をするということですね。

 ここで、お忙しいところを大臣にお越しいただきましたので、特にこの問題は、一番集中的に熱心に考えていらっしゃる大臣でございます。一言、どうぞお願いいたします。

〔 大臣 〕 本日は、お忙しいところをわざわざお集まりいただきまして本当にありがとうございます。

 IT革命は、日本の景気浮揚の先端でもあり、産業改革の先兵でもあるわけですけれども、もっと言えば、知価革命、そして生活革命の根源だと考えております。

 今、IT投資がかなりの量になってまいりまして、去年の10~12月から設備投資が増加している、その一番の根源はIT投資だということになっております。

 IT投資に関連しまして、今、お話がございましたように、最近は航空貨物の追跡というのがはやっていまして、自分の貨物が関西新空港に着いた。今、生駒トンネルを越えた。何分に工場に着くというのが、逐一報告される仕掛けになっているんですね。これは、またそういう商売があるようでございまして、相当時代が変わったなという感じがいたします。

 ITが、一体世の中をどう変えるかのか。便利になったことは非常によくわかります。BtoBのEコマースはかなりはやってまいりました。この結果、日本の持っていた系列がどうなるのかというのが重要な問題でございまして、最近、銀座のバーがはやらない理由はEメールだ、と。Eメールで取引するから、接待する必要がないのだという話か出てまいりました。そうすると、やがて天下りももう必要ない。ネットビジネスで探すのなら、天下りに来てもらってもあまり意味がないという、従来型の日本の系列とITとのせめぎ合いというのは、一体どういう形で、どういう段階で収束するのか、私にも全くわかりません。

 もう一つ、そういった便利なためのITと別に、楽しみのためのITが生まれてくるだろう。万物、その経歴を見ますと、最初は必ず、資本財から始まります。テレビが入ったときも最初は、ホテルや喫茶店に置いてあった資本財でありました。それが、大体昭和31年かに消費財になります。乗用車は、昭和43年に消費財、マイカーが多数を占めます。水洗便所はもう少し遅くて、昭和44年だそうであります。資本財から消費財になるところで販売量が飛躍的に増えるのです。そこで価格が大幅に下がる。

 このITがいつ消費財になるのか。ITを自宅でやっている人も、パソコンをやっている人もずいぶん増えましたけれども、まだ楽しみにやっているという感じがないのです。これが本当の楽しみになると、大変普及もするだろうし、内容も変わるだろうと思うのですが、それがいつ来るのかというと、私は、今年か来年かという感じがしております。

 そうすると、通信料の問題もまた変わってくるだろう。大体、日本では二重価格制がありまして、現行法上のものは大変高いのです。料亭、クラブのたぐいからハイヤーまで、企業が雇うものは非常に高い。個人のものは、大体ファミリーレストランクラスでございまして、一桁というか、5分の1ぐらいは違うような仕掛けになっています。したがって、消費財になると、ITの値段も機器も通信料も、うんと下がるのかなという気がしております。

 そのとき、消費財としてのITが、どんなコンテンツを持つのだろうか。これが、私の一番関心のあるところです。

 テレビの例、電話の例、それからファックスの例、そういう通信機器の内容が消費財化した瞬間に、どれほど変わっていたかというのを、今、いろいろな人に調べていただいております。これがまた、専門に調べる人がいるんですね。昭和31年を境とした番組の変遷などというのを調べている人がちゃんとおります。それから、乗用車がオートドライブになるのと、マイカーが増えるのとがどういう関係になっているか。それは、教習所の教程を調べると、こういう後付けができるとか、そういうことをちゃんとやってくれる人がいるのでありますが、それを見ると、我々が今考えているITとは大分違ってくるかもしれない、という気がいたします。

 過去のこういうものの例を見ますと、例えばレコードができたとき、レコードという名前がありますから、記録だったのです。エジソンがレコードを発明したときは円筒だったそうでありますが、最初に入れたのはビスマルクの演説でありました。要するに、記録、偉い人の声を残すというのがレコードであります。これが音楽ソフトになるまでに十数年、20年近くかかりまして、音楽をこれで普及すればいいと考えたのはずっと後なんです。エジソンは夢にも思わなかったらしいです。

 それから、映画。これは今はシネマと言っておりますが、昔は、ムービングピクチャー・活動写真でございまして、まさにこれも記録でございました。だから、最初にできた劇映画というのは、シェークスピア演劇を一等席で見ているそのままなのです。一向にカメラは動きません。それが1910年代になって、カリフォルニアにハリウッドというのができて、途中で消したり早めたりする方法が、映画的演出というのができました。当時の文芸評論を見ると、映画的演出というのは、下劣とほとんど同じ意味でございまして、非常に冷やかされているのです。

 では、ITに一体どんなものがこれから乗ってくるのかこれが1つの興味でございます。

 もう一つは、携帯とデスクトップといいますか固定型、これの関係でございます。アメリカは今、非常に線が発達していますから、固定型が圧倒的に多いです。それもブラウン管主義が今でも多くて、まだ液晶は少ないようであります。日本は、携帯型の方は急速に発達しております。携帯型になりますと、どうしても画面は限定されるわけで、情報の縮小という問題が起こってまいります。アメリカ式の画面、大体1つの画面がありますけれども、ああいうものと携帯との関係がどういう具合になってくるだろうか。情報短縮という問題がどの程度起こってくるか。それによって、世界中の言葉がどう変わるのか、生活習慣がどう変わるのか、これも大変おもしろい文化的問題だと思います。

 今、私は、インパクという名のインターネット博覧会をやっておりますけれども、これにモバイルがどの程度参加してくるのか。あるいは、2005年に考えられています愛知万博などは、どんな影響を受けるのか。

 私は、70年の大阪万博をやったのですが、あのときは、テレビが普及し尽くしたところでございまして、このテレビの普及のお蔭で6,600万人も来てくれた。テレビがなかったら、恐らく3,000万人ぐらいだったと思います。ところが、その頃、マクルーハンという学者がおりまして、情報学の権威でございましたけれども、テレビの発達した時代に博覧会などにわざわざ行く奴はいない、という論調を書きまして、私とずいぶん論争しました。

 携帯モバイルがどんどん発達した状態で、どんなことが起こるのか。あるいは、人間の時間帯とか所在といういうものがどうなるのか。マクルーハンは、「街は崩壊して、村になる」と言ったのですが、オフィスがどういう形になるのかということまで気になります。

 そういったことが、結局、人間の情報革命が生活革命につながってくるのではないかということを感じるわけなのですけれども、それだったら、消費と需要の関係も相当変わってくるのかな、というようなことを漠然と思っております。

 皆様方には、ぜひそういった面を徹底的に追及していただきたいと考えている次第です。

 これは、アメリカでもまだビジネスの分野が多くて、遊びの分野というのは3分の1ぐらいのようでありますが、間もなく逆転すると思いますので、そのとき、どんな文明が起こるのか、新しい知価革命を期待している次第であります。

 ぜひ、難問でございますけれども、皆様方によく教えていただきたいと思っています。

 どうもありがとうございました。

〔 委員長 〕 大臣、どうもありがとうございました。

 それでは、残りの時間、今の難問に応えて、これだけは言っておきたいということを、お願いしいたと思います。

〔 委員等 〕 今の話に触発されて。最後は、結局、まだわからないので、仮説検証をし続けるしかないのだろうと思うのです。

今のお話に関連して、コンテンツの提供が、1対Nか、M掛けるNなのか。要するに、M対N、違う多数が別の多数に流しているM掛けるNなのか、ないしは、もっとフラットなN×(Nー1)なのか、によって全然違うだろうと思います。

 インターネットがもたらしたのは、誰でも発信ができるという機能だろうと思うのです。インターネットの本質、全部を一言でいえといえば、それだと思うのです。だから、会社の中での階層も変わるし、消費者側が引っ張っていくような市場形成も行われていくし、生活の場にそれがどんどん入っていくことによって、政治とかも、誰が、どこで、どんな発進をしてくるかわからない、この状況ですね。

 そういうことで、最後行き着くところは、とにかく今まで細かく分断されて孤立してしまっているような情報が発信されてきて、それが結合されて、価値として編集していく。このプロセスを可能にしているのがインターネットということで、それがビジネスの場では、企業組織の構造変化というところにつながってきていますし、政治の場でも出てきますし、おっしゃったとおり、生活の場が極めて大きいわけで、だから、これから生活の場から発信されてくるような情報、これこそ広範囲でネットワークの上で流れていくような世界、これが大いなる可能性。逆に言うと、そこの可能性を開拓しきれないと、インターネットが放送と比べてコスト的に勝っているかというと勝っていないような気がする。結論から言ってしまうと、N×(Nー1)、この構造のものが広がってきたときに本当に大きな力が出てくるのではないかと思います。

〔 委員等 〕 IT化が進行することよって、物の普及という側面ももちろんあると思うのですけれども、大きな変革というのは、ビジネスモデルの変革と、組織もしくは企業間、それと企業と個人の構造が変わってくるということになると思います。その側面を支えていくような時代をIT推進化によって実現していきたいと考えています。

 例えば、閉鎖的に閉じてしまわずに、開放する結果、イギリスの経緯などは非常にいい状況を生み出しています。というのは、イギリスのIT産業、インターネットの価格は、インターネットのアクセスはただに近い状態になっています。その背景というのは、政府が、通信事業者に、どこまで放送をやっていいのか、放送事業者に、どこまで通信をやっていいのか、そこの壁を一つ取り払う、海外から入ってきたケーブル事業者に積極的に通信という根幹の部分もやって構わないという施策を取ったその瞬間に、最終的にインターネットがただになってしまった。そんなアプローチを既に取っているのです。

 これから先の政府に積極的に関与していただきたいという部分では、そんな取り組み方をしていただければとご提案させていただいた次第であります。

〔 委員等 〕 ITの技術を使って最新のサービスを、大臣が生活革命とおっしゃいましたけれども、生活が変わる価値創造をどれだけ追及できるかということでどんどんやっていきたいと思っています。

 その中で、逆にお願いすることは、歴史的に見て今、すごい大きなポイントに来ているし、この5年間が、世界の潮流、日本の将来を変えてしまうすごく重要な時期だと思うのです。このときに、歴史的にみて、「あの時、国民がこういうコンセンサスをもってやったからよかったね」とそういう気持ちになったときに、初めてみんながITのところに参加していける。そういう国民の大きなコンセンサスを作れるような、そういう大きな流れを作っていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

〔 委員等 〕 アミューズメントといいますか、そういう世界へどう広がっていくのかというのが、多分、1つこれからのキーであると思います。おっしゃっていた、コンテンツといいますか、最終的にはそこが。

 個人的な意見とすれば、そういったコンテンツというのは、カリスマにありますような、大衆といいますか、全体なのかもしれませんし、ちょっと今後、モバイルというのはどこら辺がコンテンツとうまくリンクしていくのかというところかと思います。

 あとは、全ての人間がネットに接続していくということが、今おっしゃっていたようなオフィスの革命ですとか、全体のコストを削減するとかという仕組みに入っていけるのでしょう。

 逆に、モバイルということに逆になりますと、どこでもネットと接続できるということが、逆に、オフラインできない自分、そういう自分としての律し方みたいなもの。そういう社会とか、教育とか、制度とかいうところも、社会通念とかも必要なところかなと感じております。

〔 委員長 〕 どうもありがとうございました。本日いただきましたご意見、最終的な取りまとめに可能な限り反映していきたいと思います。

 それでは、本日の審議はここまでといたします。本日は、慶應大学の國領さん、マイクロソフトの古川さん、アスクルの岩田さん、NTTドコモの前田さん、お忙しいところをどうもありがとうございました。また、大臣と政務次官にも、お忙しいところをありがとうございました。

以上

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