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経済審議会政策推進部会政策小委員会(第2回)

日時: 平成 12年 4月 21日
場所: 経済企画庁官房特別会議室(729)
経済企画庁


経済審議会政策推進部会政策小委員会(第2回)議事次第

平成12年4月21日(火)16:30~18:30
経済企画庁官房特別会議室(729号室)

  1. 開 会
  2. 循環形成ビジネスの推進について
  3. 閉 会

(配布資料)

  •  資料1.経済審議会政策推進部会政策小委員会委員名簿
  •  資料2.循環形成ビジネスの推進に係る論点メモ

(出席者)

(委員)

水口 弘一委員長、植田 和弘委員、木村 陽子委員、清家 篤委員

(経済企画庁)

堺屋経済企画庁長官、中名生事務次官、牛嶋総合計画局長、塚田総合計画局審議官、藤塚計画課長、岩本計画企画官、川崎推進室長 他

(有識者)

上野三菱電機(株)リビング・デジタルメディア事業本部渉外部技術担当部長


経済審議会政策推進部会政策小委員会委員名簿

         植田 和弘  京都大学大学院経済学研究科教授
木村 陽子  奈良女子大学生活環境学部教授
委員長代理  香西 秦   (社)日本経済研究センター会長
清家 篤   慶應義塾大学商学部教授
委員長     水口 弘一  (株)野村総合研究所顧問
村井 純   慶應義塾大学環境情報学部教授

(50音順、敬称略)


〔 委員長 〕 ただいまから第2回政策小委員会を開催させていただきます。本日は、皆様におかれましてはご多忙のところをご出席いただきましてありがとうございます。

 また、大臣におかれましては、お忙しい中を前回に続きましてご出席いただきまして、誠にありがとうございます。

 それでは、早速、大臣から一言ご挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

〔 大臣 〕 今日は、環境ビジネスをテーマとして議論していただくことになっておりますが、実は、環境ビジネス、リサイクルというのはなかなか難しいものでございまして、我々はびんやペットボトルを分別で出しますと、それで何となくリサイクルをしたような気になっておりますが、新聞、古紙はまだいいようですが、あとのものは分別して出した方が、今のところ実は資源をたくさん使っているのです。これが大変問題です。特にペットボトルは今全国に何十万トンたまっておりまして全然使われていないのです。あれは、今のところは廃棄処分にして燃やしてしまう方が分別するよりもずっと地球環境にはいい。あれの使い途としては、細かく砕いて作業用手袋とか防寒着の中に入っている綿みたいなクッション、わずかに形状記憶型のワイシャツに縫い込むものとかあるのですが、集められるペットボトルに対して需要量は1割ぐらいしかないのです。どんどん各県にたまっています。

 これをどうやって使うかというのを開発しなければいけないという1つの問題があります。仮にこれを全部利用できるように使用目的が開発されたとしたらどうかというと、それでもまだ今のところはまだ追いつかないらしい。リサイクルとして分別をどんどんやっていますけれども、本当はどうかというのが非常に問題でございます。

 この問題はある自治体の清掃局がずっと提起しておりまして、そこは分別していないのです。分別しない方がいいという理論で分別していないのです。面倒くさいからということではなく、前の市長が詳しく調べて、分別した方が自動車の燃料とかそういうものを入れると費用がかかるだけでなく資源を使うのだということで分別しないということにしているのです。

 もし、本当に地球環境を良くしようとしますと、単に集めて再生するだけではなくて、集めて再生する収集、洗浄、破砕、再利用のためのエネルギー使用効率をうんと下げなければいけない。そのためにはどうしたらいいかというのは実は大問題でございます。今日も商工委員会でリサイクル法の審議がありました。この間からリサイクル法をやっているのですけれども、果たしてそれがいいことなのかどうなのかというのは、実はまだよくわかっていないのです。

 古新聞のようにまあまあいいものもある。古新聞もつい1年前はあり余って使い途がなくて輸出していたりしていた。最近また足りなくなってきてむしろ値段が上がりぎみになってきています。

 一番問題は資源的にどのようにすればリサイクルがプラスになるか。1番目は利用方法、2番目は収集、破砕、脱色にかかるエネルギーをいかに下げるか。3番目は費用の問題があります。最終的には費用を安くしなければならない。

 考えてみますと資源的にプラスになるリサイクルが全地球的に資源を減らすというためには、資源を何かに置き換えなければいけないわけです。何に置き換えられるかと考えると土地かもしくは労働力です、そのどちらかしかないわけです。したがって、リサイクルを地球環境にプラスにするためには土地を使って施設を作って資源を倹約するか、労働力を使って資源を倹約するか。ところが施設を作って倹約できる部分というのはたかが知れていますし、限界がありますから、結局、リサイクルによって利用する資源を相対として減らして、大気中に出す二酸化炭素を減らすとすれば、資源を労働力に置き換える運動以外にないということになります。

 私たちは、産業革命以来、労働力を資源に置き換える運動をしてきました。まず労働力を機械に置き換えて、機械は人間よりも力が強くて動きが正確ですから安くて精巧な商品ができる。機械は判断力がありませんから、それに代わる判断力を必要としないで作れるものを作る。単純な動きで作れるもの。したがって、木目のある材木よりも判断力のいらない鉄がいい、もっと判断力のいらないプラスチックがいい。それと同時に形を単純にして規格大量生産に部品から組立生産にした。

 今世紀の初めにフォードがこれを完成した。部品組立方法と、シカゴの精肉業者のベルトコンベアー方式と、テーラーのシステムの一元方式とを組み合わせて完成した。結局、機械に置き換えるということは、資源に置き換える、動力に置き換えるということで、そうやってずっと人力を資源に置き換える運動をしてきたのを、今、逆転して資源を人力に置き換える運動をしなければいけないということになってきたわけです。これは私たちぐらいの年配のものからみると大変な大革命で、200年間の動きを一挙に逆転しようということになります。

 そうすると、人間を資源に置き換えて引き合うためには、ものすごく労働生産性が高くないと引き合いません。ですから、今の資源回収産業の労働生産性を少なくとも10倍にしなければいけない。これが第1であります。

 第2番目に、10倍にならない部分は無料の労働力でやらなければいけない。これが分別をみんなやれという話です。

 第3番目に、回収資源の価格を上げなければいけない。ドイツでは、再生紙でラブレターを書かないと女の子にフラれるということがありまして、再生紙の便箋の方がわずかに高いのです。そうすると、一種の流行になっていいのですが、そうしなければいけない。 もう1つは、リユースという形で、部品をそのまま使う。この間、今、コンピュータが60%か何かリユースするという話がありました。

 リユースの一番優れた例として、私がいつも挙げるのが日本の樽なのです。樽を使うのは日本とヨーロッパで、ヨーロッパではウィスキーとか葡萄酒に使います。あれはウィスキーなり葡萄酒なりを入れてずっと置いておく樽なのです。しょっちゅう入れ替える樽ではありません、一代限りなのです。

 日本の樽だけがどんどんと使われ方を変えるわけです。そのためにリユースを徹底的に考えた。というのは樽というのは高いのです。私のところは林業で吉野杉を作っておりますから、おじいさんが書いたのを見ると、吉野杉は全部樽にするのが目的で、そのためには節があると水が漏れますから枝打ちして全く枝のない木を育てるという仕掛けになっています。ものすごく高いので、その材木を使って樽を作って引き合うためには樽を何回も使わなければならない。何回も使う方法はどうするかというと、匂いの薄いものから濃いものに順番に使う。一番最初は酒樽です。次が酢の物、3番目が醤油、4番目が味噌、最後が漬物になります。そうすると酒の匂いが残って酢の物がよくて、その匂いが残って醤油がよくて、醤油の匂いが残って味噌がよくて、味噌の匂いが残って漬物がいい。これを逆にやると酒が漬物臭くなって飲めない。

 コンピュータでも外して中を変えてもボックスだけ残すとか、そういうふうに初めから製作すればかなり効率が高くなる。これがリユースです。

 もう1つはリデュース。効率を高めることで製品を減らす。

 この3つなのですが、中でもリサイクルは一番難しい。人類が苦労して開発してきたことの正反対をやろうとしているわけですから。今、世の中でリサイクルを善意でやろうとしている人はなかなかそこを言いません。一体、リサイクルとは何ものなのかというと、資源を人力に置き換えることだということをあえて言わないようにしています。外国人とも議論していくと「実はそうなんだよな」という話になる。なかなかそこは言いません。

 リユースというのも、使うと劣化しますから、新品から劣化してくるというのはついているものですから、樽のような使い方、つまり、より残さが残っていいものに使っていかなければいけないわけです。同じようにリユースしても、それを同じ場所で、例えばびんのリユースをするにはだんだん色の濃いものにしていかなければならないわけです。最近、紫色のびんのワインがヨーロッパなどで出ておりますが、あれはリユースびんです。

 そういう構造的な問題を体系的に考えないと、ここだけ、ここだけとやってもだめらしいのです。是非、そういう技術、技能、施設、利用開発、そういうことを一貫のテーマとして今日は議論していただきたいと、この環境ビジネスではお願いしたいと思っております。

 もう1つ、大気中の炭酸ガスを固定化するという話もあります。鍾乳洞に閉じ込めるとかいろいろありますけれども、これはまだまだ先の話だと思いますので、是非、そういった厳格な定義と、総合的な発想でこの問題に当たっていただければ幸いだと思います。大変難しいことばかりお願いして恐縮でございますが、よろしくお願いいたします。

〔 委員長 〕 ありがとうございました。

 担当大臣の域を超えて、本当は特別委員としてご意見を伺いたいぐらいいろいろ問題点をご指摘いただきまして、ありがとうございました。

 本日は「循環形成ビジネスの推進について」ということがテーマでございますが、前回同様、委員以外の有識者の方にもご参加いただいておりますので、まず事務局からご紹介していただきたいと思います。

〔 事務局 〕 ご紹介させていただきます。

 三菱電機リビングデジタルメディア事業本部渉外部の部長でいらっしゃいます上野様でございます。上野様には総合計画局の循環型経済社会推進研究会の委員としてもご活躍いただいており、いろいろご教示を賜っております。

〔 委員長 〕 ありがとうございました。

 それでは、本日のテーマであります循環形成ビジネスについてご審議をいただきたいと思います。まず事務局から説明をお願いいたします。

〔 事務局 〕 それでは資料2の循環形成ビジネスの推進に係る論点メモという資料をご覧いただきたいと思います。

 本文では3部構成を予定しております。まず1.で基本的認識を述べまして、2.で循環形成産業がどういうふうに展開するだろうかという展望をし、3.で循環形成産業育成のためにどういう課題があり、どういうふうにそれに対処していくかということを記述する予定でおります。

 まず、1.基本的認識として、先ほど大臣もおっしゃったのですけれども、(1)変革への意識ということで、規格大量生産による効率性の発揮ということで経済成長を遂げてきたわけですが、問題として大量の廃棄物が排出される状況になっている。これらの問題については製造サイド、消費サイドの両方において早急に解決されなければならない課題の1つだということで、既にさまざまな取組みが始められている。しかしながら、廃棄物の廃棄量が減少するとか、あるいは先ほどお話もありましたように、回収量と再生品の需要量でミスマッチが生じているという困難に直面しているのが今の現実ではないかということを考えております。

 (2)物質循環に係る市場メカニズムということで、物質循環に係る市場において通常の市場と違うという特性があるということに留意する必要がある。つまり、廃棄物等の取引市場の特性として、まず1つは処理の費用を支払うことによりモノを引き渡すということで、逆有償という形態になっていることが多い。したがって、支払った費用による廃棄物の処理やリサイクルの内容になかなか関心がいかないということになりやすいということから、市場の中で適正な価格についての情報が伝わらない、いわゆる情報の非対称性ということが現出するという特性を有している。

 そういう特性があることから、不法投棄をはじめとする不適正な処理を行なう業者が選択されるという逆選択が生じる。その結果、すぐれた技術を有し適正な処理を行なう業者が市場から排除されていくということも生じるということがこの市場の特性になっている。

 また、市場の形成等、循環型経済社会の構築へ向けた取組みでございますが、基本的に物質循環という市場においては、処理に対して費用を支払う側と、それを収入として受け取る主体が存在するということが前提になるということでして、費用の発生が何らかの制度の導入や規制を契機にしているという、この市場の特性を述べております。

 そして、産業界における取組でございますが、リサイクルしやすい素材の開発、あるいは環境配慮型設計を導入する等の製造工程そのものを見直す技術、あるいは出てくる廃棄物、シュレッダーダストを利用した製品の開発があり、あるいは下水汚泥を利用したレンガ、セメント等の開発等のリサイクル技術などが実際に採用されてきている状況でございます。

 こういう新しい技術が採用されるかどうか。規制や制約のない市場経済では廃棄物等の処理・リサイクルに関する技術は社会的に望ましいものであっても、当該企業に直接収益をもたらさないということであると、その技術を採用しようとする動機がなかなか生まれないということに留意しておくことが必要であると考えております。

 (3)循環形成産業の育成については、実際にこういう状況の中で循環形成産業を育成するということですが、そもそも市場を適切に形成していくということに加え、民間事業者にとってこういう市場そのものの規模がなかなか長期的に見通しがたい、あるいはリサイクル財や、リサイクル財を使って作られた製品の需要が短期間で変化するということから、市場が不透明であるという問題があるとされているところです。

 こういう問題をうまく解決して循環型経済社会の構築と顕在化しつつある景気回復の動きを連動させていくということが非常に重要となっているということでございます。

 それでは実際にこういう社会になった場合に、どういうことになるかということで見通しを行なおうというのが2.循環形成産業の展望でございます。(1)は論点メモのとおりですので説明を割愛いたします。次に(2)経済成長の制約の緩和についてはいろいろ見通しを立てたところ、まず、現在のまま推移すればどうなるかということですが、これは最終処分場の確保が極めて難しくなるということで、それが制約要因になって経済活動が抑制される。その結果、持続的な経済成長は困難になるだろうという見通しとなります。

 これに対して廃棄物のリサイクルをどんどん促進した場合、中間処理費用は増加するということがありますが、最終処分量が減少するということで、基本的には環境と調和を保ちながら「あるべき姿」で想定された経済成長を達成することが可能という展望を立てております。

 (3)産業構造の変化においては、産業構造がどういうふうに変化するか。現状に比べまして循環経済の状況が生まれてきますと、直接波及効果としてはそれらの製品を供給する、いわゆる一般機械というようなところでプラスの影響は出る。

 (4)国際貿易及び雇用への影響ではこういう産業構造の変化がどういうふうにこれらに影響するかをみたものですが、結果は、資源の輸入量が減少するということで資源の依存度が低下する。雇用について、これは先ほどの産業構造の変化の結果として循環型経済社会においても雇用は維持されると見通しているところでございます。

 3.循環形成産業育成のための課題と方策は、以上のような基本的な認識、今後の展望というものを踏まえまして、こういう循環形成ビジネスを育てるために、どういうふうに考えていけばいいのかということへのたたき台と考えております。

 先ほど、大臣のお話にもありましたように、現在の〔資源投入-生産-消費〕という経済社会を、資源を労働力に置き換えた〔消費-資源回収-生産〕という経済社会に変えていくためには、労働生産性を高めることが不可欠である。このためには、民間業者が活力を発揮して、その民間業者が優良業者として育成されるという施策を進めることが重要ではないかと提案しようと考えております。

 そのためのまず第1に必要なことは、(1)適正な廃棄物処理・リサイクル市場の形成ということでございます。そのためには①廃棄物処理に係る情報の非対称性の改善を図るということが必要ではないか。それをすることによって排出事業者が最終処分にかかるコストを認識し、応分の責任を負うという仕組みを講じていくことが必要ではないか。

 また、異業種間で市場メカニズムに基づきリデュース、リサイクルが行われるという循環システムの発展を促進させることが必要ではないか。実際、こういうビジネスを行なうとなると、今、いろいろ許可を取るという状況、あるいは登録するという形で市場に参加するための資格が決められているわけですが、そういうことからISOのような基準を、民間の市場の中で決められるようなものを1つの基準として、それらが市場に参加するための資格として機能するシステムを考えていかなければならないという提案をしようと考えております。

 こういう市場を形成するということにおきましては、②違法行為の社会的な監視及び抑止ということが非常に重要になる。すなわち、市場で適切な価格が形成され、競争の中で優良企業が育成されるためには、廃棄物不法投棄に代表される不適正処理等の違法行為を排除していくことが必要である。このためには、警察組織による違法行為の取締り等を強化するほか、報償金を伴う通報制度やNPO等の協力を得た社会的な監視システムの導入・育成を検討するという提案しようと考えております。③企業努力が市場で評価されるためには必要な仕組の構築ということでございますが、実際、こういうふうにビジネスがうまくいくためには、先ほど言いましたように市場が非常に不透明だ、あるいは見通しがたいということもございますので、民間企業が行なう設備投資のリスク軽減を図るための支援措置を行なうことが必要である。また、企業の状況を客観的に見るということで循環形成産業で実行される企業努力を定量的・客観的に評価する仕組み、そして環境会計制度や製品LCA等の整備・普及を推進することが必要であると考えています。④公共機関の関与というところでございますが、こういう廃棄物循環形成市場というものがうまく機能するためには、基本的には公共機関はできるだけシステムに介入しないということが望ましい。しかしながら、次のような公的機関の介入が必要ではないかと提案しようと考えております。

 それは最終処分場の確保ということでございます。住民の反対などで最終処分場を確保することがなかなか困難になっております。そういうことを打ち破るにはやはり一定の公的機関の関与が必要ではないか。

 また、廃棄物循環形成という市場の中から生み出される資源として、1つは部品等のもの、それからもう少し元に戻った素材というものがありますけれども、素材については製造工程の関係から、とうしても他産業から提供されるバージン素材というものと価格的に競争することは非常に難しいのではないか。その際、やはり何らかの形で公的機関がそれを補正するということが必要ではないか。ただし、この場合でも市場の価格形成をゆがめることがないような方法をとることが重要ではないかという提案をしております。

 以上が市場形成という観点でございますが、あと幾つか追加ということで(2)循環形成産業の立地、インフラ整備でございます。こういう立地を考える際において効率性ということを考えると、地方自治体の枠組みを超えた広がりを推進される必要がある。これもやはり効率性ということを考えると、PFI方式の活用等を推進していく必要があるだろう。

 (3)円滑な静脈物流の推進でございますが、こういう廃棄物の収集については、地元の中小企業が一番ノウハウを持っておりますし、そういう業者さんを育てていく必要がある。そのためには、適切かつ確実な収集運搬を確保する観点から、収集運搬業の許可に際して、預託金制度の導入等を検討してはどうかという提案をしようと考えております。

 (4)技術開発、技術教育への支援ということで、こういう循環形成産業に必要とされる技術は、コストの低減と言う観点のみならず、環境保全等の観点ということから非常に重要なことでして、そのためには、何らかの公的な支援も必要ではないか。まず、①技術開発への支援ということで、実際、トップランナーといいますか、パイオニア企業というものがこういう市場においても出てきております。そういう企業が持っているノウハウを後発企業と共有化するにはどうしたらいいかということで、税制優遇施策等を実施するということでそれを推進するという提案をしようと考えております。②技術教育への支援というところですが、実際、これから環境に関する情報公開がどんどん進んでくると期待されております。ただ、それをきちんと評価するという市民教育の拡充を図ることが重要ではないかという提案をしようと考えております。

 (5)リサイクル製品の需要拡大策ということで、こういうリサイクル製品の使用については、呼び水的ということで公共分野での需要の促進を図ることが必要ではないか。ただし、こういう場合においてもいずれスケールメリットにより吸収されると考えておくことが必要だという提案をしようと考えております。

 (6)リサイクル等にかかるデータの整理でございます。こういう提案を現実にしていくためには、国あるいは行政全体で全国のマテリアルフローを明らかにしていくということが必要ではないかという提案をしようと考えております。

 以上、たたき台としての説明をさせていただきました。

〔 委員長 〕 ありがとうございました。

 それでは、委員の皆さん、ただいま説明のありました循環形成ビジネスの推進ということにつきまして、どうぞご自由にご意見、ご質問等お願いいたします。

〔 委員等 〕 それでは少し述べさせていただきますが、まず最初に、大臣のお話の中で大変感動したことが多いのですけれども、リサイクルというのは一番難しい。今、リサイクルというと誰も反対できないようなテーマにもかかわらず大臣ははっきりおっしゃったのですけれども、率直に言ってリサイクルというのは客観的に見た場合、トータルのエネルギーから考えるとやればやるほど地球環境に負荷を与えるのです。にもかかわらずこれをどうやってやっていくかというのは相当行政も政治も、あるいは教育界の方も、何か仕掛けを持たないと、そのうちばててくるという気がいたします。

 1つ例を挙げますと、先ほど大臣がおっしゃったように燃焼の話があるのです。マテリアルリサイクルを進めていくと、結局、燃やして熱回収をして、その熱で発電した方が楽だし、トータルでみると廃棄物も減りますからいいという考えになっているのです。にもかかわらず循環型経済にもっていくためには、やはりマテリアルリサイクルを進めないといけない、循環しないですから。そこら辺をどういう仕掛けでもっていくかということが、1つのポイントだと思います。

 もう1つ、ちょっと話が冗長になりますが、リサイクルで一番必要なのは貴重金属のリサイクル。これはもっともっと大いに宣伝しなければいけないことだと思います。昨今、家電業界などで話題になっている鉛ハンダの回収。これは、鉛は危険なものだから回収するというのではなくて、鉛が人類に許された非常に貴重な金属だから回収する。金や銀と同じようなものである。昨今、忌み嫌われている難燃剤なんかもありますが、難燃剤に使われている代替品としてのアンチモンといったものは、非常に貴重金属であるから回収しなければいけない。ともすると、地球全体に拡散してしまうものを回収していく、こういう論点が必要かなという気がいたします。

 あとこの手の議論において、私はいつも思うのですが、質が違うと思うのは「製造業」という括り方です。「製造業」という括り方をしますと、いろいろな意味で論点が間違ってくる可能性がある。私は製造業の中をあえて「素材産業」と「組立産業」に分ける。これは明確に違うのです、生い立ちも違えば構造も違うし、拠って立っている目的も違いますので、「製造業」の中をあえて「組立産業」と「素材産業」とに分けることによって、経済構造も少し見方が変わってくるかなという気がいたします。これは、時間があれば後でもう少し詳しく説明したいと思います。

 マテリアルリサイクルのことに関してですが、強いて言えば、先ほどの組立産業に関連するのですが、組立産業で作った製品は、組立産業の中でクローズドリサイクルできるような仕組みを作っていくことが大事だと思います。身近な例としてテレビのブラウン管はガラスという素材ですが、実は一般に使われているガラスびんというのは似て非なる性状のものです。これは品質上もそうですし、組成も違います。そういったブラウン管ガラスのような高級なガラスを単に砕いてしまって普通のガラスびんにするのではなくて、これはブラウン管に戻すということが一番大事なのです。少々お金がかかってもブラウン管に戻すことによって、元々非常に付加価値の高いブラウン管のコストを下げることになりますから、そういうことが必要だと思います。

 もう1つの例は、プラスチックのマテリアルリサイクル。先ほど大臣がおっしゃった樽のリサイクルと同じで、ダウングレードリサイクルといいまして、だんだん質の悪い製品にもっていくのです。そうしないと使えない。家電製品で言うと、人が触るところとか見えるところはピカピカの素材を使って、裏側の見えないところとか、そういうところにはリサイクルのプラスチックを使う。昔はそうしていたのですが最近使わなくなってしまった。そういう指向をこれからも強めていかなければいけない。それにはクローズドマテリアルリサイクルを強く進めることが必要だと思います。

 (3)の産業構造の変化についてですが、間違いなく相対的には縮小するのですが、果たして定量的に見るとどのぐらい縮小されるのかな、おそらく微々たるものではないかなという気がするのですけれども、あまりこういうふうに強調されるとどうかなという疑問がありました。

 長くなって恐縮ですが、雇用のことを記述していらっしゃるのですが、これは両方とも大賛成ですが、あえてここを区分するとすれば、雇用については2つあると思うのです。1つは循環型経済社会が進むことによって産業構造が変わることによる雇用の変化。ある一部の人たちは、こういうのが進むと雇用が減るのではないかという恐れを抱いているのですが、そうではなくて循環型経済社会になると、従来なかった、例えば電子マニフェスト制度が定着するとか、インターネットによる情報化が進むということによって従来の機械関係、いわゆる重厚長大の機械ではなくて新しい産業が増えることにより雇用の増大ということと、もう1つは、新しい職種が生まれることによる雇用増大、その2つあると思うのです。

 新しい職種というのは、例えばリユース産業が増えると修理技術者が増えます。従来の修理ではなくていわゆるリユースを前提とした修理技術者が増えます。リユースが増えてくると寿命管理というのが技術の要になります。そうすると、従来、寿命管理というのはともすると非常に高度な分野にしかいなかったのですが、一般大衆部品にも寿命管理技術者というものが増えてくるという気がいたします。

 そういう意味で、雇用のところには、2つの質があるなという気がいたしました。 2ページの3.④に「公共機関はそのシステムにできるだけ介入しないものとなることが望ましいが、システムが機能するために介入が避けられない場合もある」 とあります。これを見て、「さあ、どうしたらいいんだろうかな」という気がするのです。私、答えは持っていないのですが、一例だけ申しますとフロンの例があります。アメリカは色々ドラスチックなことをやるのですが、ヨーロッパに比べて環境に熱心でないと言われながら、インセンティブについては非常に熱心なのです。

 どういうことかと言うと、例えばアメリカではフロンの回収を義務づけております。回収しなかったらものすごい罰金が課せられるのですが、問題は回収したフロンを再生フロンにするのです。もう1回精製して再生フロンとして使わせるわけです。

 一方、モントリオール議定書でフロンの製造が禁止になっているのですが、作りだめをするのです。もうしばらく使えないからいままでの特定フロンを作りだめしておく。その作りだめしたフロンを使う場合にはものすごい課徴金をかけるわけです。結果的に再生フロンを使った方が有利になるような仕組みにしているわけです。そこら辺が非常にドラスチックで、フロンはもう過去のものですから今さら言うことはないのですが、例えばそういったような非常にうまいインセンティブを持った仕組みを設けるといいかなという気がいたします。

 それから、3ページの(4)の①ですが、これが、大変失礼な言い方ですが、お役所の方は、すぐ税制優遇措置という言葉をお使いになるのです。実は税制優遇措置というのは、もともとかけてほしくない税金をかけてやらないよというだけだから、そんなのでは足りない、いいことをやったら逆に賞金を出すぐらいに。これはある意味ではインセンティブですけれども、相当過大な表彰をするとか、ノーベル賞とは言いませんけれども、そのぐらいにしないと取るものを取らないでやるよという程度では弱いという気がいたします。

 ②教育等への支援。これも書いていただいて大変ありがたいのですが、強いて言うならば、もう少し小さい人たちへの教育もここでは論じておいた方がいい。幼少教育。前にも申しましたが、アメリカでは小学生が将来なりたい職業の第6番目に「garageman」というのがある。そういうことを考えると、小学生のような純粋な人たちに、こういった職業は大事なんだよと教える意味で幼少教育、倫理教育というのですか、そういうものをちょっと加えたらいいかなと思います。長くなりましたが以上です。

〔 委員長 〕 ありがとうございました。続いて、どうぞ。

〔 委員等 〕 全体的なトーンの話にもなるかもしれませんが、循環型経済社会というのは、今、ご説明がありましたが、そのイメージをどういうふうに描くかによって循環形成ビジネスのニュアンスがちょっと違いが出るようなところがあるかなという気がしたわけです。

 具体的に言うと、例えばもともとそういうのが出てきた背景は、日本の場合には廃棄物問題から要請されて「循環」というニュアンスで出てきた側面が非常に強いと思います。ただ、先ほどおっしゃられたように、本来、資源は貴重だから回収されるべきだ、そういう資源回収的な要素から「リサイクル」という言い方もあるわけです。そういう意味で言うと、そもそも循環をなぜするのかという問題は、大臣がおっしゃられらたように、現実には、リサイクルを進めると環境負荷が逆に大きいのではないかという議論に答えないといけないのではないかという気がします。ですから、従来は廃棄物の問題とか諸問題があるから循環型にいく必要があるということで、一言で言うと「リサイクルはいいことではないか」という観点で進めていくと、諸問題が起こってきている中で改めて循環型経済社会のイメージ、あるいはそれはどんなものであるかということをはっきりさせること自体が、循環形成ビジネスの推進に大変重要なシグナルではないかと思います。

 お話にもありましたように、低環境負荷とか、CO削減の目標達成とか、そういうことも併せて、つまり、一種の多目的で循環型経済社会の実現を図っていく、その目標をどういうふうに多目的に置いておくかということを基本的考え方のところで少し述べて方向性をはっきりしないと、民間の場合でもどういうふうに動けばいいのかということがわかりにくくなるとまずいのではないかという気がしました。

 その点では、どういう循環型社会かを判断するような尺度とか基準とかいう問題、これはやはり大変大事な問題ではないかという気がしました。これが全体的なイメージのことです。

 それと直接関係するのは、例えば産業構造の変化について、ここではどちらかと言うと産業部門間の問題という形で、あるいはリサイクル、再生品と代替財との関係の問題として議論されていますが、建設廃棄物の問題とか、家電でも出てくる長寿命化というような話を考えますと、これは我が国の1つの大きな特徴だったと思うのですが、都市の改造が、いわゆるスクラップ・アンド・ビルド的な形でやられているという面があった。そうではなくて、もう少し長寿命で長期化させていく。そうすると必要になるのは建設投資ではなくて維持管理のサービス業という側面も出てくると思うのです。産業構造の変化ということでいくと、むしろそちらの方がひょっとしたら大きい面もあるかもしれないというところがちょっとあると思いますので、ここに出ていることはもちろんあると思いますが、同時にその側面も少し考える必要があるのではないかという気がするわけです。それは、先ほどおっしゃられたこととも関係してきますが、つまり、循環型にすると新しい仕事が出てくる。新しくやらないといけない仕事が出てきますので、それは先ほどおっしゃったようにリユースを前提にしていくと、それにふさわしい新しい職種が必要だということがあります。そういう新しい仕事のかなりの部分が、適切な市場のメカニズムを整備することで、いわばビジネスとしてその仕事が担われるという部分がたくさん出てくるということが大事になってくると思うのです。そして、廃棄物市場の取引上の問題点、特性、その側面はあるのですけれども、むしろ循環型に進めていくときに、もう既に1つの大きなパラダイムの目標として循環型経済社会を打ち出しているわけですから、それに向けて進んでいくときにどういう仕事があってというニュアンスで、その一部として廃棄物取引市場の特性を踏まえた市場システムの改革問題を示した方が良いのではないか。つまり、循環型経済社会と言っているニュアンスはもう少し大きなパラダイムではないかと思うのです。廃棄物処理をちゃんとするというようなそういう小さなことではないのではないか。もちろん最初はそういう部分から始まってきたのですけれども、今度の国会もそうですけれども、容器包装だけではなくて家電もできましたし、建設廃棄物も食品残さもやるし、いわば要するにみんなやるということですから、すべてが循環型を前提にするような仕組みづくりにしていく、そういう構造改革をしていくというようなニュアンスがあると思うので、そういうことを少し積極的に打ち出した方がいいのではないかというのが大きな1つです。

 もう1つは、循環形成ビジネスの推進ということで、これはこれで私も賛成なのですが、それが成立する条件の問題があります。成立条件というのは、もちろん市場がいろいろな意味で整備されることが大変大事なことですが、同時に、よく言われるように、それを購入する人がいるのかどうかとかという問題。よくグリーン・コンシューマーだとかという言い方もされる。実際にリサイクルの仕組みを考えると、長く続く問題というのは、リサイクルの原料になるようなものが、例えば家庭から個別に分散的に出される。それを集めてこなければならない。そうするとある意味で極めて労働集約的な側面もあってコストがかかりやすいということで、簡単にはいかない部分もあるので、主体の間の連携をうまくやるとか、パートナーシップを組んでやるとか、NPOの力を活用するとか、循環形成消費者が成り立つためには、主体間の連携という側面も大事になってくると思います。ものによって多少違うところはあると思いますけれども、そういうニュアンスもちょっと入っている方がいいのではないか。

 つまり、循環型経済社会は一種国民的に作り上げるものというものだと思うのです。その大きな役割の一部がビジネスになっていく、こういうニュアンスだと思うので、その関連みたいなものがあるような記述をどこかに入れておいた方がいいのではないか。そうすると、雇用というニュアンスもかなり具体性が出てくる面があると思うのです。いろいろな新しい仕事があると同時に、今のような形で参加しないといけないところもたくさん出てまいりますから、そういうニュアンスがあるのではないか。

 あと、マテリアルリサイクルの話がありまして、これは先ほどのお話のとおりだと思いますが、マテリアルリサイクルは一言で言うとしんどいけれどもやらなければいけないというニュアンスでおっしゃられたと思うのですけれども、そういう側面はあると思います。その意味では、政策のところが、技術でもそうですけれども要するにダイナミックに、今の現状だけで市場で評価すると焼いてしまった方が安いということになってきて、将来的に必要になるであろうマテリアルリサイクルの技術がなかなか出てこないということがあるので、そこをどういうふうに作り出させるようなことをするかという、そういうニュアンスがちょっとあるのではないかと思います。これはなかなか簡単なことではないと思いますが、そういうダイナミズムが出てくることが必要だろうということになるのではないか。

 そのダイナミズムというのは、どこが引っ張ってくるというか、どこにシグナルがあるかと言われると、ここでのニュアンスはどちらかというと公共政策の規制とか制約というのが効くのではないかというトーンが一番主要なものとして出ているのですけれども、それはそれでそのとおりの面もこういう場合にはあると思いますが、同時に、もう少しISO14000 の流れだとかいろいろなことを考えると、あるいはグリーン・コンシューマーのような動きを考えていくと、市場自体のグリーン化みたいな話。そういうニュアンスも大事にした方がいいのではないか。あるいはISO14000 は事業者間の民間での一種の標準化という流れですよね。あの標準化が促しているものもあるのではないかという気もしますので、公共政策を含めた総合的な流れがダイナミズムを生み出すというニュアンスがあった方がいいのではないか。それをできるだけ確実なものにするために、グリーン購入みたいな形で、いわば需要の確実性を担保して、投資の確実性を促すというか、そういう仕組みづくりを入れておくというような、何かそんな感じではないかという、印象的なコメントですけれども、そんなふうに思いました。

〔 委員等 〕 前の方がおっしゃったことと似ているのですけれども、基本的考え方の中に、消費者も大きなキーファクターだと思うのですが、消費者の環境問題への関心の深まりとか、リサイクルへの参加が大きくなったこととか、そういったことも入れる方が循環型社会というのがよく出てくるのではないかと思いました。

 それから、公的部門の関わりの方ですが、実はある自治体でも新しい産業育成のためのプロジェクトがありまして、こういう環境問題もやっていまして、この間、少しヒアリングもしたのですが、そこで出てきた意見の1つとしてペットボトルの回収・再生で何かを作っておられる企業の方がおっしゃるには、今の行政は、廃棄物回収とリサイクルというのを一緒にしてしまっている、というものがありました。

〔 委員等 〕 これはいつも大臣がおっしゃるように循環型形成社会というのは、確かに資源を労働に置き換えますので労働生産性を向上させる必要があると思うのですが、その際に、おそらく労働生産性の向上というのは、例えば資源を回収したりする資源関係の産業における生産性の向上と同時に、回収された資源を使ってモノや何かを生産する産業の方の生産性の問題も出てくると思うので、その両面あるということを押さえておいた方がいいかなと思います。

 もう1つは、少しそもそも論みたいな話になりますけれども、そもそも生産性というのは生産量を労働投入で割ったものですから、アウトプットオーバー、インプットだと思うのですが、3.以降のところで示されているのは生産性を上げるための方法としてどちらかというと、まさにここでは民間企業の活力を生かすとか、優良企業が育成されるという形でアウトプット、つまり資源回収のアウトプットを増やす形で生産性を上げるという流れが中心に示されているように思います。ということは、生産性の定義によるアウトプット、すなわち資源回収等のアウトプットをいかに増やしていくかということで生産性を上げていくかというストーリーが書かれていると思いますが、しかし、生産性の向上というのは同時に、いかに少ないインプットで一定の、例えば資源の回収を行なうかということも非常に重要なわけで、そっちの方の流れがちょっと必要かなと思います。

 これもちょっと教科書的な言い方で言えば、より少ないインプット、あるいはより少ない労働量で同じ量の、例えば資源回収を行なうということをするためには、おそらく2つのルートが必要で、1つは労働を機械設備に代替する。人間が回収しているようなものを何らかの形で機械化するというようなことが場合によっては必要になってくるかもしれません。しかし、それはまた再び資源に置き換えることになってしまうのかもしれない。もう1つは一般的に言えば労働生産性を上げるためには、人数としての労働量が増えなくても、あるいは減っても、1人当たりの労働のクオリティーまで考えたレーバーインプットが維持されるわけですから労働の質を向上させる。一般的に言うと労働生産性の向上というのは、生産量のインプットが一定の場合には労働の資本設備、あるいは機械への代替及び労働の質の向上によって実現されるわけです。

 その2つとも実は市場を通じて実現されるための1つの重要な条件は労働の価格が上がるということです。すなわち、労働の価格が上がることによって要素相対価格が上がって労働と資本の代替が進む。あるいは労働の価格が上がることによってその労働に従事する人たちが、あるいはその労働者を雇う人たちが労働に投資をする、人的資本投資をして労働の質を向上するインセンティブが生まれるわけですから、したがって、1つの流れとしては、どういう形で循環形成産業に関わる人たちの具体的に言えば賃金が上がって、それが生産性を向上させる筋道につながっていくかということを、やはり示しておく必要があるのではないかと思います。

〔 委員長 〕 ありがとうございました。続きましてどうぞ。

〔 委員等 〕 循環型社会というのは、もう誰も異存のないことだと思うのです。その中で、本日の主題である循環形成ビジネスというものの位置づけというのは、これだけだと今ひとつはっきりしないという面があるように思われます。

 例えば、最近、IT革命がこれからの経済活性化の原動力になるということを盛んに言われている。これは誰も全く異存がないし、ちょっと行き過ぎてネット関連株なんかとんでもないものが出てきているという面があるくらいです。一方、アメリカでも新技術ということでバイオテクノロジー、次はバイオだということで今非常に大きな問題になって、あるいは株式市場でも花形になりつつある。あるいはこの間の介護ビジネスについてもそれぞれのところが相当入ってきて自由化したら1つのビジネスとして成立するというような状況になってきているのですが、何となく企業の産業界の一般的な受け方は、例えば環境会計にしても、これをやるところは「まあまあこういう時代だからひとつやるか」というようなところがあって、全体にはまだいっていないという点があるわけですが、そこで、官の役割分担とか、あるいは公共機関の関与という問題もございますが、税制優遇という問題も、先ほど話がありましたが、僕も、官が関与するとすぐ税制優遇するという、他にもう少しやり方がないのかという感じもあります。したがって、循環形成ビジネスの今後のビジネス、これはまた雇用の問題、あるいは生産性がどう上がるかという問題とも関連すると思いますが、何かITとかそういうものに比べると、「まあ、世の中そういう状況だから、こっちもどうにかしなきゃならんな」と。循環型社会ということが強く出ていて、その中でビジネスをどうしていくかということの位置づけが今いちちょっとはっきり、要するに前向きなとらえ方が、その辺はもうちょっと出す必要があるのではないかということを感じております。

〔 委員長 〕 いままで委員の先生から出た意見も含めまして、事務局の方で用意されたお答えなり何なり、あるいは委員同士の意見交換でも結構ですが、お願いしたいと思います。

〔 事務局 〕 今のご発言の一番最後の点ですけれども、確かにITとか、あるいは介護も含めて福祉ビジネスというものは、おそらく需要面から見てもこれからの日本の経済を長期的に引っ張っていく非常に重要な原動力と位置づけることができると思いますが、環境ビジネスの場合には、環境ビジネスだけをとらえて、それを需要面から「日本経済を引っ張っていく大きな要因なのだ」と言うにはまだまだ力不足だろうと思うのです。

 一方で、廃棄物の処分場制約というのは本当に深刻なものになってきていて、これ以上今のままの形を続ければ、そちらの方から成長が制約されるということで、持続的な新しい発展軌道に乗るということを考えたときには、環境の場合には需要面というよりもまさに環境制約を緩和して、環境と成長の両立を図るという観点から非常に重要なものとして位置づけたらどうだろうか。そのときに、それを実現する上で環境ビジネスという形で市場を通じて実現するという仕組みをきちっと作っていくことが重要なので、当面、これから中長期的な発展を続ける、発展軌道に乗るというこの時点で、市場を通じた環境と経済との調和が保たれる仕組みをここできちんと作っておく必要があるということで、むしろ成長のエンジンというよりも、制約を緩和するということで位置づけるということかなと思っております。

〔 委員長 〕 僕も、そういう位置づけをはっきりしておいた方がいいように思います。

〔 委員等 〕 おっしゃることは大変よくわかるのですが、実際は、ここでこういう処分場制約に対応するためにしないといけないことがあるとかというのは、これはこれで事実としてあるのですけれども、現実に企業のところで一番動いているのは、最初からリサイクルしやすい車に変えるとか、あるいはそもそも鉛の入らない家電製品に変えるとか、あるいはプロダクツとかデザイン、あるいは素材自体、エコマテリアル、エコプロダクツとか、これ、見本市なんかずいぶん開かれていますが、あるいは技術それ自体の言い方でよく使われているのはゼロエミッションだとか、クリーナープロダクションだとか、インバースマニファクチャリングというような、生産の仕方自体とか作るモノ自体の設計の考え方の変化なのです。ですから、それは循環形成産業といって何か別個に産業を取り出すという格好でやるとあまり位置づけがはっきりしないわけですけれども、従来からの産業の中である意味の大きな変化が起こっている部分があって、そこは実際のところとしてもずいぶん動いているところではないかと思うのです。自動車なんかは典型的ですけれども、それが競争力の一番の大きなところになっているので、私の定義で言えば、それも広い意味では循環形成していっているというニュアンスはあると思うのです。だから、産業の中に環境とか循環という要素が内生化されてくるといいますか、これが実は一番大きな部分ではないかと思いますし、そこが長期的には一番大きな流れではないかと思います。

〔 委員長 〕 そういう点は全くアメリカに遅れてしまったという話とはまた別に、こちらの方も新技術というふうになったら、既存の産業でもどんどん、自動車なんかが典型としたら、それで新しいエネルギーとして日本が世界に、あるいは発展途上国、アジアなんかにもフライングギース(雁)のまた先頭に立っていけるという前向きの評価をしていく。そういうようなご意見ですね。

〔 委員等 〕 ええ。

〔 事務局 〕 その趣旨は若干書き込んでいくつもりではおります。

〔 委員等 〕 今の意見に全く賛成です。1つだけ言葉のあやですけれども、最近、静脈産業の動脈化とか動脈産業の静脈化という言葉を目にしますが、1つ事例を申しますと、家電リサイクル法という法律ができて、これは製造者にとっても流通者にとっても、あるいは消費者にとってもそれぞれ痛みを伴うのですが、結果的には動脈産業の静脈化をやったのです。具体的には来年の4月から、家電メーカーはリサイクルプラント自分で作って実際に回収するわけです。

 一つの事例を申しますと、大企業が会社の定款を変えてまでリサイクル業をやるというわけにはなかなかいかないので、ほとんどの会社はみんな別会社にしているのですが、結果的にはリサイクル業に参入したわけです。そこで何が起こっているかというと、リサイクル工場に設計者が押しかけて来まして、新製品を分解するわけです。今、おっしゃったように分解しやすい、リサイクルしやすいDFEに本当に血眼になってやっているわけです。

 最近、一番リサイクル設計が進んでいる製品で、1995年代のものと最近のものを比べますと、分解時間が大体20%ぐらい短くなっている。そういったものはなかなか評価しにくいのですけれども、現実に起こっているわけです。多分、これは世界で日本が一番進んでいると思います。

 そんな事例がありますので、見えないといいながら1つだけ、家電リサイクル法という法律ができた1つの成果だと思います。

〔 事務局 〕 言われた中で1つ共通しているのは、今の関係でもあるのですけれども、世の中そういうものだからというふう受け身的にこのビジネスがあるということは確かにまだまだ色濃く出ていると思うのです。そこをダイナミズムということでもう少し事例等を研究して、そこら辺をどういうふうに伸ばすところは伸ばすのがいいのかという観点をちょっと研究したいと思います。

 ただ、やはりこういうものは特に廃棄物処理というところの規制がけっこうあるという現実があるのだと思うのです。それでは、規制を今すぐなくしてしまえばいいのかということは、これまた社会的厚生という意味から難しいのだと思います。したがって、まず規制をなくすための条件整備をどうすればいいのかという観点、それが1つは自らが市場の中で合理的に動けるような形に持っていって、それをきちんと業と業との間でうまくつなげていく。1つは、モノを作った産業は作ったモノが廃棄されるまでの費用をきちんと考慮する、責任を持つ。これは費用を負担するということではないかもしれませんけれども、そこは責任を持って、お金の出し手とお金の受け手ができるというものにきちんと作り上げていく。その中で自由な産業間の競争が、企業間の競争が起こるというものをまず作り上げることが大事ではないかということだと思います。

 他方、今度はその中で労働生産性ということになってくるのだと思うのですけれども、先ほどのお話にもありましたように、これがまず今回の根本的なところだと思うのですが、廃棄物の回収をスタートに置くのか、あるいはリサイクルをする、要するに資源を回収するという観点をスタートとして物事を考えていくのかということだと思いますが、リサイクルということになってくると、スタートは自動的に消費者になるということだと思うのです。

 他方、廃棄物ということになると消費者はただモノを出すということだけになるということで、労働生産性というものを考える場合に、全体のシステム、消費者の立場をどういうふうに考えるのかという観点からも分析して、何らかの答えを出したい。そうすることによって、廃棄物の回収とリサイクルを一緒に考えるのはよくないのではないかということに答えが1つでるのかなという感じがしております。

〔 委員等 〕 また同じようなことになるかもしれませんが、市場の特性の話を分析されて市場形成の話をされるのですけれども、今の話で一番基本的な点で大事な点は、環境全般について言えることだと思いますが、そういう取組みをしたりリサイクルを進めた方がいい、廃棄物を多く出すと損するという仕組みがはっきりないと、廃棄物をたくさん出した方がリサイクルに取り組むよりはずっといいぞというようなことになったら、やはり動かないと思うのです。市場にどういうルールが持ち込まれるかというときの基本的なプリンシプルといいますか、考え方みたいなものをはっきり打ち出しておいた方が、それにどう近づけていくかというニュアンスがあった方がいいと思うのです。おっしゃったこともそういう意味が込められていたと思うのですが、わかりやすく言うと、不法投棄した方が安い。

〔 委員等 〕 不法投棄をすると損するという仕組みが基本として必要だと思うのです。それをどう作るかというところを本当はもっと知恵を絞っておかないといけない部分があるのではないか。簡単ではないと思いますが、いろいろ考え方は出てきていると思うので、少なくとも方向はそういうことをはっきりしておいた方がいい。

〔 事務局 〕 そこが一番重要な点だと思いまして、そういうことをやるために「排出業者が最終処分に係るコストを認識し、応分の責任を負うという仕組みを講じることが必要である」、これがまずそもそもあるべきだということで、一応、それについて記述しようと考えているわけなのですけれども。

〔 委員等 〕 結果的にはこれ自体はこういうことになると思いますが、僕が言っているのは市場のルールみたいなもので、それは結果的にこういうコストを負担すべきということとも連動する話なのですが、ある排出業者がそういう意識を持って応分の責任を持とうとすると、別の排出業者は不法投棄の方が安いと言って不法投棄を実行する。それが認められている社会になると、応分の意識を持って努力した方がすごく大変になるという状況が現実に一面ではあったわけだから、そこは逆転させるべきところだというのが基本の問題。つまり、基本的な考え方としてはそういう側面があるのではないかなと思ったりするのですけれども。

〔 事務局 〕 ここでは応分の責任ということで、例えば不法投棄のようなことが起こった場合には、それを応分の責任を果たしてないということで改善をする仕組みにすべきだという書きぶりを考えておりますけれども、そこはもう少し考えてみたいと思います。

〔 委員長 〕 P2の3.(1)①に「廃棄物発生状況等のデータベース化、ネットワークの活用等を推進。」とありますから、現にもうかなりこういうものが行われているわけですか。

〔 事務局 〕 正直言ってこれからということで、基本的にこの市場において決定されている価格というものが廃棄物処理という観点からかなりリジッドに決められてきた。ところがこれからは廃棄物処理ではなく、リサイクルという観点を出すために、もう少し自由に決めるという状況になってくることがようやく途について、その価格を市場に浮かび上がらせたいという観点で考えているところなのです。

〔 委員等 〕 先ほど事務局がおっしゃった中で消費者という言葉が出てきたのですけれども、極めて大事なことをおっしゃったのです。実は、本来で言えば一般廃棄物と産業廃棄物の定義、あれは過去のものになりつつあるのですが、やはり大事なポイントで、家電製品とか自動車というのは、特に家電製品は一般消費者が出す使用済製品である。ところがOA機器とか業務用機器は業者が出す、いわゆる産廃です。

 大手家電メーカーは家電リサイクルプラントを昨年から運用していますが非常にうまくいっているのはOA機器なのです。あるいは業務用冷蔵庫のリサイクル。これは交渉が全部相対契約で、相手の方、例えば具体的に言えばOA機器メーカーと「こういうリサイクルをするからこれだけのコストがかかります、それに利潤をこれだけ加えてこれでいいですね」と、「いや、高い」、「じゃあ、こうしましょうか」という交渉が成り立つのですが、家電リサイクルの場合は一般消費者なので、まず価格交渉ができない。価格交渉ができないと無理が生じるわけです。なおかつもう少し言うと、循環型経済というのは放っておいてもお金が流れる方に回らないといけないのですが回らなくなってしまう。それではどういう答えがあるかと言われても答えを持っていないのですが、事務局がおっしゃったことは非常に重要なことだと思います。出すのが消費者か企業かによって取扱いはずいぶん変わってくると思います。

〔 事務局 〕 高い値段でくると、変なインセンティブが働いて、消費者はそこにもっていかないという。

〔 委員等 〕 これは政治の方は「受忍限度」という言葉を使うのですが、一般消費者が5万円も払えないよ、常識で言うと5,000円ですね、そういう話と、一方、技術的な面でこれを処理するとこれだけのコストがかかるということが冷酷に出てきます。そこのせめぎあいが難しい、一般消費者が絡むと。

 1つの答えは、いろいろあるけれども結局は税金かなという気がするのですが、そういう税金だとかはなかなか難しいですね。

〔 委員長 〕 それを説明する明確な解答がある方がいらっしゃれば、ご意見をお願いします。

〔 委員等 〕 持っておりませんね。ただ、ドイツは、皆さん「ドイツ、ドイツ」とおっしゃるけれども、結局見えないお金が回っています、公的資金が。個々の人がそんなに払っているかというとそうではないです。

〔 委員長 〕 それを公表する数字はあるのですか。

〔 委員等 〕 残念ながら数字は持っていませんけれども、例えば冷蔵庫の処理料金、マスコミがドイツに取材に行って、消費者は2,000円払っている、いや8,000円だという説もあるのだけれども、処理業者にインダビューすると「儲かってはいないけれども、適正な料金はちゃんといただいている」と。現にそういう処理業者がつぶれていないのですから、やはり自治体が何か補助を出しているのか、あるいは税金の形で出しているのか。わかりませんけれども。

〔 委員長 〕 アメリカはどうですか。

〔 委員等 〕 アメリカは非常にオープンでして、いわゆるリサイクルに関しては冷蔵庫の処理とかテレビの処理とか全くやっておりません。平たく言えば「砂漠に捨てておけばいいや」という感じです。ごく一部が非常にエキセントリックなことをやっていますけれども。

〔 委員長 〕 一番進んでいるのはドイツですか。

〔 委員等 〕 ドイツ、オランダです。

〔 委員長 〕 その辺は公開するデータは全然ないわけですな。

〔 事務局 〕 いくつかドイツの事例は委託調査等で若干。

〔 委員等 〕 指標の作り方の問題というと、公共部門がどういうふうに関わるかという問題はなかなか微妙な問題があるし、難しい問題があると思いますが、我が国の場合も容器包装リサイクル法と家電リサイクル法は全く仕組みが違うのです。同じモノのリサイクルなのですけれども。もともとは消費者が使用済で出すものですから、その意味での性格も一緒のはずなのですが、家電の方は自治体は基本的に関与しないという仕組みです。家電メーカーに責任があって、基本的な個々の消費者は買ったところとかそういうところに戻す、あるいは引き取ってもらってそれが回る。そのときにはお金を払うという仕組みになっているわけです。ところが容器包装の場合には、自治体が分別収集をするということになっている。ですから、税金がそこでは投入されている仕組みになっている。ドイツは全然そうではなくて税金を投入しないシステムになっている。ですから、非常に大ざっぱな言い方をすると、そういう仕組みの作り方について各国悩みながらいろいろな仕組みを作っておりまして、それのいい点とか悪い点とかいろいろあるので、それをよく調べていろいろやり方をどういうふうに作っていくか。あるいは一度作ったシステムでも、容器包装でもそうですけれども、97年から施行して今年から本格実施ということなので、やはりやっていったときに問題が起こったら是正するというふうにしておかないと、最初から答えが確実にあるようなものと違う面があるのではないかと思うのです。

 基本的にはこの報告のトーンはあまり公的な部門が、税金投入型では関わらない、市場形成がされる方がいいというものだと思うので、私は、基本的にそちらの方に賛成しますけれども、いずれにせよ微妙な問題はいろいろあって、同じ家電でも最初にその仕組みを作るときに、購入するときに最初から払えばいいではないかという議論もあったわけです。これも大変有力な議論で、かなり最後までそういう議論があって、そうだと最後のところで不法投棄するとかいうインセンティブはなくなるので、その意味ではいい面もあるわけです。ただ、最初に集めだすのは過去のものですので、今、集めるものには最初から価格には入っていないわけです。そうすると、それは取らなければいけないという問題もありますし、寿命が10年とかいうことになるので、かなり技術も変わるのでリサイクルにかかる費用が実際幾らかというのは、今、売ったものが10年後に出てくるわけですから、そうするとなかなかわかりにくいではないか。やはりその時その時の費用というものになるのではないか。これはだいぶ論争があって、どちらのシステムがいいのかずいぶん議論があったのですけれども、我が国は法律上は消費者が最後で払うというシステムを選んだわけです。ですから、いい面もあるのですけれども、逆におっしゃったような問題点も持つということになっていまして、今の時点では、やはりやってみて問題が起こったら直すということをしないと仕方がないのではないか。

〔 事務局 〕 これから始めるわけですから不具合がどこでどう出るのかというのはよく見て、出たら直していくという。

〔 委員等 〕 たくさん出ると思いますが、日本はできてしまったらなかなか直さないです。5年後に見直すと言っても、その頃には担当官もほとんど代わっていますから。

〔 委員等 〕 私は素人なので、むしろ質問なのですけれども、一番大切なのはどういうインセンティブスキームを作るかということに尽きると思いますが、そのとき、例えば「リサイクル法」みたいなものができると、それはそういう法律を守らなければいけないというのは非常に強い動機づけになりますから、その中でいろいろな工夫がされて、あるいはその技術自体が非常に高度な付加価値を持ったりするということがあると思うのですが、一方で、よく言われることですが、オープンエコノミーの下で、要するに輸入代替がどんどんあるような場合に、特に生産者にコストを帰着させるようなスキームを作ると、日本の国内の生産者はそのコストを負担して、海外の生産者はそのコストを負担しないということになって、当然競争条件が変わってきてしまうわけですから、そういうようなことを考えると、やはり生産者にコストを帰着させるよりは消費者に処理コストを負担させて、海外から輸入されたものでもコストを消費者が負担するような形にする方が、競争条件を整えるという面ではいいのか。それとも、それはまた国際的にはなかなか難しい問題があって、やはり生産者にコストを帰着させるような形のインセンティブスキームの方がいいのか、その辺はどうなんでしょうか。あるいはそういうようなことは、この中で検討される余地があるのでしょうか。

〔 委員等 〕 それは実は家電リサイクルのときも問題になりまして、この種の法律を作るときは事前にWTOに全部出しまして、今は輸入業者が払うことになっています。世界を見ましてもヨーロッパなどは非常に激しい法律を作るのですが、基本的には輸入業者が払うということになっていて、消費者には転嫁しないようですね。

〔 委員等 〕 そういう形であれば国内の生産者の競争条件は変わらないわけですね、国際的に。

〔 委員等 〕 はい。

〔 委員等 〕 今の話は、私は先生がおっしゃったような側面もややあると思います。一方では、ここでは明確な言葉にはなっていませんけれども、拡大生産者責任ということで基本的には作ったところが責任を持つということは、モノの作り方自体にリサイクル性ということを動機づけるという意味ではすごく意味を持っているのです。しかし、同時に、おっしゃったオープンエコノミー問題がもう一面ではあると思いますので、そのことが、今は確かに競争条件を一緒にするために国内に課したのと輸入ものについては輸入業者に課すということで一種の公正な競争にさせるというふうに、一応枠組みとしては作っているのですけれども、やはり今度の家電製品について消費者から取ることにした1つの理由はやはりそれがあったと、これは推察ですけれども、という気はします。ですから、今の問題は今後の論点になると思います。

〔 委員長 〕 いろいろ活発なご議論ありがとうございました。本日いただきましたご意見を参考にしまして、最終的なとりまとめに可能な限り反映させていきたいと考えております。それでは、本日の審議はこれまでといたします。

 三菱電機の上野部長、お忙しいところを貴重なご意見をありがとうございました。

 また、委員の皆さんもご参加いただきましてありがとうございました。

  週に2回ということで大変だと思いますが、今後ともよろしくお願いいたします。

以上

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