第2回経済審議会政策推進部会政策小委員会議事概要

1.日時

 平成12年4月21日(金) 16:30~18:30

2.場所

 経済企画庁官房特別会議室

3.出席者(敬称略)

 (委員)

水口 弘一 委員長、植田 和弘、木村 陽子、清家 篤

 (有識者)

上野 潔

 (経済企画庁)

堺屋長官、中名生事務次官、牛嶋総合計画局長、塚田総合計画局審議官、藤塚計画課長、岩本計画企画官、川崎推進室長 他


4.議題

 循環形成ビジネスの推進について


5.議事内容

 (1)堺屋経済企画庁長官あいさつ

 リサイクルする方がむしろ資源を使用するという現実が存在するが、全地球的に使用する資源を減少するには、①利用方法の検討、②収集、破砕、脱色といったプロセスにかかるエネルギーの節約、③コストの低下、が必要。つまり、資源を労働に置き換えるという、人力を資源に置換してきた産業革命以後と逆の動きを起こすことも必要。そのためには、①労働生産性の引上げ、②分別収集等におけるボランティア労働の活用、③回収資源の価格の引上げ、を行わなければならない。本日は以上のような構造的な問題を体系的に考えながら、技術、技能、施設、利用開発を一貫のテーマとして、議論していただきたい。厳格な定義と総合的な発想でこの問題に当たっていただければ幸いである。


 (2)循環形成ビジネスの推進について

事務局からの説明に続き、以下のような意見交換及び質疑応答があった。

  • 貴重金属(鉛等)の回収という論点が必要。
  • 政策の実施に当たっては、製造業のうち素材産業と組立産業とでは、循環型経済社会における役割が異なることを考慮すべき。
  • 鉱業等天然資源中心の産業等が相対的に縮小の見込みとあるが、定量的には微々たるものではないかと考えられるので、ここで強調するのはどうか。
  • 雇用への影響については、新産業の創出による雇用の変化と、新たな職種の誕生による雇用の変化という2つの側面がある。
  • 税制優遇措置というよりは、優れた開発には賞金や表彰を与えるといった支援策の方が効果的。
  • 幼少教育についての記述を加えたほうがよい。
  • 産業構造変化について、都市構造の長寿命化により、維持管理のサービス業が増加するという側面もある。
  • 循環形成ビジネスが成立する条件として、市場の整備はもちろんのこと購入者の存在、主体間の連携、NPOの活用という側面も重要。
  • 公共政策や規制と同時に、市場自体のグリーン化というものが、マテリアルリサイクルを推進するダイナミズムを生み出す。そして、それを確実なものとするためにグリーン購入による需要喚起が重要といった位置付けにすべき。
  • 基本的認識の中に消費者の環境問題への関心の深まりやリサイクルへの参加の増加を付加すべき。
  • 資源を労働に置換する意味で、労働生産性をあげる必要があるのは、資源回収産業だけでなく、資源投入産業もそうである。
  • 生産性を高めるために、資源回収のアウトプットをあげるという観点で書かれているが、いかに少ないインプットで一定の資源回収を行うかというストーリーも必要。
  • どのような形で、賃金が上昇し、労働の機械設備への代替、あるいは労働の質の向上が図られ、生産性が高まるのかというシナリオを記しておく必要がある。
  • エコデザインやゼロエミッションという物の設計及び生産方法の採用を通じ、既存の産業の中ではすでに環境という要素の内生化という変化が起こっている。
  • 屋上屋の規制は不必要。不適切な行動の防止を目的とした規制については強化すべき。
  • 不法投棄をしたほうの損失が大きくなるという仕組みづくりが必要。
  • 公共部門の関わり方は各国で様々であるので、そのメリット・デメリットを比較検討するのに加え、不具合があれば見直すという姿勢が大切。
  • 生産者が責任を持つべきだという議論がある一方で、生産者に処理コストを帰着させるよりも、国際的な競争条件を整える意味では、消費者に負担させるほうがよいという意見もあり、いつ、誰が負担するかという問題は非常に重要な論点である。

以上


本議事概要は速報のため、事後修正の可能性があります。


(連絡先)経済企画庁総合計画局計画課
 宮原、中村
 電話 03-3581-1041