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経済審議会政策推進部会(第1回)議事録

時: 平成 12年 3月 6日
所: 経済企画庁特別会議室(436)
経済企画庁


経済審議会政策推進部会(第1回)議事次第

平成12年3月6日(木)8:30~10:07
経済企画庁特別会議室(436号室)

  1. 開会
  2. 経済企画庁長官あいさつ
  3. 議事の公開について
  4. 主要検討テーマ、スケジュール等について
  5. 経済企画政務次官あいさつ
  6. 閉会

(配布資料)

  1. 資料1.経済審議会政策推進部会委員名簿
  2. 資料2.経済審議会政策推進部会の公開について(案)
  3. 資料3.経済審議会政策推進部会の主要検討テーマ、スケジュールについて(案)

(参考資料)

  1. 経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針
  2. 平成12年度の経済見通しと経済運営の基本的態度
  3. 経済審議会の今後の運営について

(出席者(敬称略))

(委員)

水口 弘一(部会長)、香西 泰(部会長代理)、安土 敏、荒木 襄、伊藤 進一郎、江口 克彦、角道 謙一、嶌 信彦、清家 篤、高橋 貞巳、高橋 進、畠山 襄、濱田 康行、原 早苗、星野 進保、村田 良平、森尾 稔、森地 茂、八代 尚宏、鷲尾 悦也

(経済企画庁)

堺屋大臣、小池総括政務次官、中名生事務次官、坂官房長、牛嶋総合計画局長、永谷総合計画局審議官、塚田総合計画局審議官、仁坂企画課長、藤塚計画課長 他


経済審議会政策推進部会委員名簿

部会長 水口 弘一   (株)野村総合研究所顧問

部会長代理
香西 泰   (社)日本経済研究センター会長
安土 敏   サミット(株)代表取締役社長
荒木 襄   日本損害保険協会専務理事
伊藤 進一郎   住友電工(株)代表取締役副社長
植田 和弘   京都大学大学院経済研究科教授
江口 克彦   (株)PHP総合研究所取締役副社長
大田 弘子   政策研究大学院大学助教授
角道 謙一   農林中央金庫理事長
木村 陽子   奈良女子大学生活環境学部助教授
嶌   信彦   ジャーナリスト
清家 篤   慶応義塾大学商学部教授
高橋 貞巳   (株)三菱総合研究所代表取締役会長
高橋 進   (財)建設経済研究所理事長
田中 明彦   東京大学東洋文化研究所教授
畠山 襄   日本貿易振興会理事長
濱田 康行   北海道大学経済学部教授
原   早苗   消費科学連合会事務局次長
ロバート・A・フェルドマン
モルガンスタンレーディーンウィッター証券チーフエコノミスト
星野 進保    総合研究開発機構特別研究員
村井 純   慶応義塾大学環境情報学部教授
村田 良平   (株)三和銀行特別顧問
森尾 稔   ソニー(株)代表取締役副社長
森地 茂   東京大学大学院工学系研究科教授
八代 尚宏   上智大学国際関係研究所教授
八城 政基    日本長期信用銀行代表取締役社長
山口 光秀   東京証券取引所理事長
鷲尾 悦也   日本労働組合総連合会会長


〔 部会長 〕 皆さん、おはようございます。

ただいまから第1回政策推進部会を開催させていただきます。

本日は、委員の皆様方におかれましては、非常にご多忙なところを早朝からお集まりいただきまして誠にありがとうございます。

また、堺屋大臣、小池総括政務次官におかれましては、お忙しい中をご出席いただきまして、誠にありがとうございます。

さて、後ほど説明があると思いますが、参考資料3にございますように、去る2月24日の経済審議会におきまして政策推進部会を設定することが決まりました。この部会におきましては、昨年の7月に経済審議会から答申され、閣議決定されました「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」に提言されております政策方針の実施や検討の具体化の状況を把握するとともに、「あるべき姿」で示されております「多様な知恵の社会の形成」、「少子・高齢化、人口減少社会への備え」、「環境との調和」、「世界秩序への取組み」という4つの方向に沿いまして活力のある日本経済を再構築する上で、特に重要でありかつタイムリーなテーマを中心に調査審議を行ないまして、今後の政策の方向性について提言を行なうということになっております。

委員の皆様方には、どうぞ聖域を設けることなく自由で闊達な忌憚のないご意見を頂戴できればと期待しております。

本日は初回でございますので、お手元にお配りしました議事次第のとおり、当部会の議事内容の公開方法、検討テーマや、今後の進め方等を審議してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

委員に就任していただいております方々につきましては、お手元にお配りしております資料1の委員名簿のとおりでございますが、初回でもありますので事務局から委員の皆様を紹介していただきたいと思います。

それでは、よろしくお願いいたします。

〔 事務局 〕 それでは、委員の皆様をアイウエオ順にご紹介申し上げます。

安土委員でございます。荒木委員でございます。伊藤委員でございます。江口委員でございます。角道委員でございます。香西委員でございます。嶌 委員でございます。清家委員でございます。高橋(貞)委員でございます。高橋(進)委員でございます。畠山委員でございます。濱田委員でございます。原 委員でございます。星野委員でございます。村田委員でございます。森尾委員でございます。森地委員でございます。八代委員でございます。鷲尾委員でございます。以上でございます。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。

なお、部会長代理につきましては、部会長より指名するということになっておりますので、香西委員にお願いしたいと思います。香西委員にはお忙しいところを恐縮でございますが、よろしくお願いいたします。

続きまして、本日の議題に入る前に、堺屋大臣からごあいさつをいただきたいと思います。

〔 大臣 〕 委員の皆様におかれましては、ご多用の中をご出席いただきましてありがとうございます。

経済審議会では、昨年7月に総理大臣の諮問に応えまして、「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」を答申していただきました。

これは、我が国の経済社会の規格大量生産の工業社会から「多様な知恵の時代」にふさわしいものへと抜本的に改革することを明示したものであります。

当政策推進部会は、この「あるべき姿」に沿った改革を着実に実現することを目的として設置されたものであります。

小渕内閣は発足以来1年半、まず景気の回復と金融健全化に全力を上げ、続いて構造改革にも大胆に着手してまいりました。この結果、金融システムの改革、産業競争力の強化、雇用の創出と労働市場の改革、中小企業政策の抜本的な見直しなど、いくつかの分野で改革が実施されました。

今、日本が直面している変革は、産業の高度化や技術の進歩などという同じ平面上の発展ではなく、歴史的発展段階の飛躍ともいうべきものであります。したがって、新しい経済社会を創造するためには、従来とは概念を転換し、ハード・ソフトの両面で改革を推進していくことが不可欠であります。

特に「多様な知恵の時代」においては、情報環境の大変化が生じ、世界への情報発信が極めて重要になります。また、知恵の値打ちの創造者としての中小企業の育成と成長こそが、経済の成長と資本の蓄積の主要な源泉となります。日本も、この2点には特に力を注がなければなりません。その一方、急速に進行する少子・高齢化への対応、循環型経済社会の構築、世界経済の持続的発展への貢献の3点も目前に迫った重要課題であります。

当政策推進部会においては、これらの諸点を人類文明の流れに先んじて進めるための政策が、遅滞なく進捗しているかどうかを点検し、「あるべき姿」に示された基本的な方針を具体化していくため、政策の方向性や明確な指針を早期に打ち出していただきたいと思っております。

委員の皆様方には、一層のお力添えをいただきたいと思います。どうもありがとうございました。

〔 部会長 〕 大臣、どうもありがとうございました。

それでは、本日の議題に入らせていただきたいと思います。

まず、当部会の議事内容の公開方法についてお諮りいたしたいと思います。事務局から説明をお願いいたします。

〔 事務局 〕 お手元の資料2経済審議会政策推進部会の公開についてでございますが、読み上げさせていただきます。

「経済審議会政策推進部会の公開について(案)」

「経済審議会政策推進部会の公開については、以下のとおりとする。」

「1.会議の公開について

会議については非公開とする。会議の開催日程は事前に公開する。」

「2.議事要旨、議事録の公開について

議事要旨を原則として会議終了後2日以内に作成し、公開する。また、議事録を原則として会議終了後1ケ月以内に作成し、公開する。ただし、議事要旨、議事録ともに発言者名の公開は行なわないものとする。」

「3.配布資料の公開について

配布資料は、原則として議事録と併せて公開する。」

以上でございます。

〔 部会長 〕 ただいま説明のありました当部会の議事内容の公開方法について、ご意見その他ございますでしょうか。

特にございませんようでしたら、当部会の議事内容の公開方法につきましては、今、説明のありましたように取り扱いまして、本日の会議の冒頭にさかのぼってそのようにさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

それでは、引き続きまして事務局から「政策推進部会の検討テーマと今後の進め方」について説明をお願いいたします。

〔 事務局 〕 資料3経済審議会政策推進部会の主要検討テーマ、スケジュールについて(案)をご説明申し上げます。

お手元に参考資料1として「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」として、昨年の答申をお配りしておりますが、これを適宜参照しながらご説明申し上げます。

まず「1.政策推進部会設置の趣旨」でございます。

「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」(以下「あるべき姿」)については、「その実効性の推進を図る観点から、毎年、経済審議会は、内外経済情勢及び施策の実施状況と具体化の検討状況を点検し、毎年度の経済運営との連携を図りつつ、その後の経済運営の方向性につき政府に報告をするものとされている。」

この趣旨は「あるべき姿」の15ページの第2節 政策方針の実行というところで述べ られております。

このための調査審議を行なうために平成12年2月24日の経済審議会総会において 政策推進部会の設置が決定されたところである。

今回が「あるべき姿」策定後、最初の点検会合ということでございます。

次に「2.主要テーマ」でございます。

「あるべき姿」においては、21世紀初頭、今後10年程度を念頭に今後の経済社会の姿に関し1)多様な知恵の社会の形成、2)少子・高齢化社会、人口減少社会への備え、3)環境との調和、4)世界秩序への取り組み、の4つの基本的方向が示されるとともに、政府の役割も含めた広範な分野にわたる施策及び政策方針が提言されたところでありあます。

当部会においては、これらの施策や政策方針の実施時期及び具体化の検討状況を把握するとともに、「あるべき姿」で示された上記の4つの方向に沿って、活力ある日本経済を再構築する上で特に重要かつタイムリーな以下のようなテーマを中心に調査審議を行い、今後の政策の方向性について提言を行なう、ということでございます。

恐縮でございますが「あるべき姿」の3ページをお開きいただきたいと思います。

第2節「あるべき姿」の条件でございますが、2010年頃までに到達する日本の経済社会は、次の諸条件にかなったものでなければならないとされています。

「1.知恵の社会化対応」

「これからの多様な知恵の社会においては、絶えざる新しい知恵の創造による経済と文化の活性化が行われる。これに対応するため、世界からの情報が知識が入りやすく、世界への発信がしやすい状況を創るとともに、個性と創造性に富んだ組織と人材を育成する仕組みと社会的気質が必要である。」

「2.少子・高齢化対応」

「少子・高齢化は、21世紀に入ると一層深化する。これに対応するとともに、2005年頃から始まる労働力人口の減少に耐え得るシステムと慣習、そして絶えざる変革の活気を内蔵し、不足する機能と要素を補充し得る多様な供給の源泉を持つべきである。」

「3.グローバル化対応」

「3行目あたりからですが、モノ、カネ、情報知識、そしてヒトや企業が国籍を意識することなく移動する状況が想定され、日本の「あるべき姿」の経済社会では、モノ、カネ、情報知識が自由に出入りするだけでなく、世界の流動の「集散」の場となるべきである。」

「将来の日本は、内外様々な人や企業に、活動の場として選ばれるような社会的利便性、経済的効率性と生活の楽しさを目指すべきである。」

「4.環境制約対応」

「規格大量生産型の供給体制は、大量消費、大量廃棄の側面を併せ持つことから、環境保全との関係でも、その転換は不可避である。資源を使って製品を造る製造業に加え、製品を資源に戻す逆製造業も形成されるべきである。」

こういった4つの大きな環境変化への対応を中心にご審議をいただければと思います。各論の方で、まず1つの大きな柱1)多様な知恵の社会の形成ということで、最初の項目が情報化の進展への対応でございます。情報化につきましては、「あるべき姿」のいろいろなところで言及されておりますが、13ページをお開きいただきたいと思います。一番上に「1.多様な知恵の時代への移行」とあります。

「すでに付加価値の源泉は情報と知識の量と内容、そしてその処理技術にシフトする傾向をみせている。これからはこの傾向はますます強まり、多様な知恵を新たに創造したり、使いこなしたりすることによって生み出される価値が、経済成長、企業収益並びに人々の満足を高めるための原動力となる。」

次のパラグラフの下から3行目でございますが、「こうした情報通信技術の革新とその普及は、新たな発展基盤を形成し、経済全体の効率性を飛躍的に高める可能性をもっている。」

次に、27ページ以下に第三部としまして、経済新生の政策方針ということで、具体的な政策提言がなされております。

「第1章 多様な知恵の社会の形成の中ほど1.のア)の4行目あたり、物流、情報通信の分野について、21世紀初頭において世界の最先端を行く効率的で魅力的な事業環境を整備するための包括的な改革方策について早急に検討を行い、明確なスケジュールの下に施策を実施する。」

資料3にお戻りいただきまして、1)多様な知恵の社会の形成の「1)情報化の進展への対応」ということで言いますと

「多様な知恵の社会の形成のために、情報化は極めて重要な課題であると考えられる。情報化については個人、企業、政府等を問わず、これまでも様々な取り組みが行われてきており、特に最近、IT革命と呼ばれるように、情報化の急速な進展とそれにより経済社会の変化が進みつつある。こうした状況を踏まえ、情報化の進展による新しい経済社会の展望を行なうとともに、時期環境の整備等、時他の進展への対応策について検討を行なう。」

「2)創業・起業の促進」

「日本経済がダイナミズムを発揮していくためには、特に、多様な知恵の時代の経済活動の主体となる創造的なベンチャー企業・中小企業の振興を図っていくことが重要である。多様で創造的なベンチャー企業等の創業・起業の促進策については、最近大きな進展が見られるところであり、こうした状況を踏まえて今後の方策について検討を行なう。」

これは、「あるべき姿」の28ページをお開きいただきたいと思います。

「2.魅力ある事業環境の整備」の一番下のところに(創業・起業の促進)ということで、「リスクに見合った高い報酬が可能となる環境の実現」。また、「資金調達を容易にするため、店頭市場の改革を行なう」、といったこと。「産業界と学校との人的交流の一層の促進、インターンシップの促進等を通じ、起業家精神醸成に向けた教育」、といったことが強調されております。

また、昨年の通常国会、また、臨時国会では、中小企業またはベンチャー企業の促進策がかなり講じられたところでございまして、そういった流れの中でご審議いただければと思います。

「2)少子・高齢社会、人口減少社会への備え」

これは、ご案内のとおり人口問題研究所の97年の試算、中位推計でございますが、総人口は2007年をピークに減少していく。また、労働力人口が2005年をピークに減少していくと見込まれているところでございます。

1)この関係では、根本的な対応といたしまして、少子化対策の推進。

「今後深刻化する少子・高齢社会、人口減少社会の展望を行なう。さらに、少子化の進展に伴い経済活力の低下等が懸念されることから、急速な人口減少に陥らないよう、少子化への対策を講じる必要があり、最近進展の見られる少子化対策への取り組みの動向を把握するとともに、少子化対策を進める上での課題等について引き続き検討を行う。」

これは「あるべき姿」の38ページ第5節 少子化への対応

「結婚や出産は個人の選択であるが、固定的な性別役割分業や雇用慣行の是正、職場や地域における仕事と育児との両立支援など、個人が望む選択ができるような環境整備を行なっていくことが必要である。」

こうした観点から、少子化に対応するための基本的な方針を策定するとされているところでございます。

具体的には、昨年の12月に「少子化対策推進関係閣僚会議」で基本方針が決定されておりまして、その基本方針の中にはここでの「あるべき姿」の政策が盛り込まれているところでございますが、その基本方針をもとにまたご審議をいただければということございます。

2)この観点からのもう一つの柱が高齢者雇用の促進でございます。

「今後の少子・高齢化や人口減少に伴い、労働力人口の減少や労働力の高齢化が想定されるが、そうした中で経済活力を維持していくためには、高齢者が意欲・能力に応じて働いていける環境をつくることが重要である。このため、高齢者雇用を促進するための方策や課題などについて検討を行う。」

この関係については「あるべき姿」の36ページでございます。

第2節 年齢にとらわれない経済社会ということで、いくつか論点が書かれております。1つは厚生年金の支給開始年齢の引上げということで、当面60歳台前半層の雇用機会の創出は最重要課題である。65歳まで希望者全員が雇用される継続雇用制度の普及、促進を図る。

さらに、今後少子・高齢化の進展により、労働力人口が減少するとともに、労働力が高齢化すれば、年功的な賃金・処遇制度を前提としたこれまでの雇用システムの維持は困難となり、高齢者の意欲と能力を活かせる雇用システムに変更していくことが必要となる。

そして、このパラグラフの下から4行目でございますが、

「今後、個人の能力、貢献度に応じた賃金・処遇制度の普及状況等を踏まえながら、高齢者の雇用促進の観点から、年齢差別禁止という考え方について、定年制と比較し、検討していくことが求められる。その検討も踏まえ、高齢者雇用対策を推進する。」

資料3に戻っていただきまして3)環境との調和でございます。

「○循環型経済社会の構築」

「環境と調和した経済社会を実現するために、大量生産・大量消費・大量廃棄という現行の経済社会システムを見直し、循環型経済社会を構築していくことが重要である。廃棄物の発生抑制、リサイクル・リユース促進に向けた様々な取り組みがなされつつある背景を踏まえ、循環型経済社会についての展望や静脈産業の育成等、循環型経済社会構築のための課題等に検討を行う。」

この関係は「あるべき姿」では39ページから40ページにわたって記述されております。「第1節 循環型社会の構築の1.リサイクルのための行動基盤の形成、2.産業基盤・技術基盤の形成」について諸々の政策課題が書かれております。

最後、4本目の柱でございますが4)世界秩序への取り組みでございます。

「1)アジア地域の中での日本の役割」

「今後、国家間の障壁が低くなり経済社会のグローバル化が一層進展していくと考えられるが、日本は、世界において、また得に今後その役割が飛躍的に増すものと考えられるアジア地域にいて、主体的な役割を果たしていくことが重要である。そのため、アジア地域の中で日本の果たす役割等について検討を行う。」

この関係は「あるべき姿」では44ページ第2節、アジア地域の中での役割ということで、

「アジア経済は、21世紀の初頭には再び世界の成長センターとしての役割を担っているものと考えられる。その中で、アジアにおける日本の位置づけは大きい。日本とアジアのとの緊密な経済的結びつきを考慮し、日本はアジアの地域の中で次のような役割を果たしていく。」

例えば、アジア地域の域内連携推進に向けての先導的な役割を果たしていくといった提言がされているところでございます。

45ページ「第3節 世界への情報発信」

「世界における知的活動の拠点となるため、第一に、個別の情報を発信する個人や組織の自由な活動が生み出されるような社会を醸成する必要がある。」

資料3の方の「2)世界への情報発信」でございますが

「多様な知恵の時代にふさわしい経済社会への移行、IT革命におけるネットワーク型社会の形成とグローバリゼーションの進展を踏まえると、我が国において魅力あふれる知恵・情報を創造し、世界に向けて積極的に情報発信することにより、世界の発展と安定に貢献し、経済社会面で世界の主要なプレイヤーとしての地位を構築するとともに、我が国文化的・知的豊かさを向上させることが必要である。このような「日本が知恵・情報の創造・受発信にいて世界の中核の一つとなる姿」を実現するための方策について検討を行う。」

以上のようなテーマを中心にご審議いただければと思います。

次に3.スケジュールでございますが、今、申し上げたような主要なテーマについて関係省庁からのヒアリング、また総合計画局が設置した研究会、後ほどちょっと申し上げますけれども、その検討状況を踏まえて審議を行い、6月下旬を目処に政策推進部会の報告書の取りまとめを行ってはいかがかと思います。

非常に短期間で恐縮でございますが、次年度の概算要求に反映させる意味もあり、6月下旬までにお取りまとめいただければと思っております。

具体的なスケジュールでございますが、第1回が本日の主要検討テーマ、スケジュール。第2回目が、3月17日10時から12時、この同じ436号会議室で関係省庁からのヒアリングを行ってはいかがかと思っております。テーマは少子化対策、高齢者雇用、世界秩序への取り組み。

4ページにまいりまして、ヒアリングを合計3回ということで、4月4日につきましては情報化、世界への情報発信、創業・起業について。

第4回目は、4月24日、循環型経済社会、世界秩序への取り組みについて。

第5回、第6回は、現在、総合計画局長の私的研究会で5つの研究会を立ち上げておりますけれども、その研究会から中間的に検討状況を報告しまして、ご審議の材料としていただければと思っております。

第6回のときに部会報告書の骨子を事務局の方から提出させていただき、ご議論いただければと思います。

第7回目に報告書の取りまとめということでございます。

6月末までに経済審議会総会の方に報告し、了承を得る。そんなスケジュールを考えております。

(注)でございますが、経済企画庁の総合計画局長の私的研究会として5つの研究会、昨年の12月からこの1月にかけて立ち上げております。

この研究会のスケジュールは5月を目処に中間的な取りまとめ、最終報告を年末までとしてございます。

ちなみに、循環型経済社会の研究会は大阪大学の盛岡先生に座長をお願いしております。人口減少下の経済については、京都大学の橘木先生。

雇用における年齢差別禁止に関する研究会につきましては、慶應義塾大学の清家先生。

物流・情報通信ベストプラクティス研究会は、慶應義塾大学の国領先生。

世界にける知的活動拠点研究会は、東京大学の伊藤元重先生に座長をお願いしているところでございます。

説明は以上でございます。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。

それでは、ただいま説明のありました政策推進部会の検討テーマ等につきましてご意見をお伺いしたいと思います。1時間ちょっとございますので、今日は20人の委員の方ご出席でございますので、全員の方に忌憚のないご意見をお願いしたいと思います。

特に、部会長の立場から申し上げますと、今、ご説明がありましたように6月まで7回、と言っても最終は取りまとめでございますので、その前に6回の会合、そのうちの半分はヒアリングでございますので、これをまとめていくということになりますと、香西委員にいろいろお手伝いをいただいてやっていくにしてもなかなか大変な作業であるという感じもしておりますので、委員の皆様の積極的なご意見を取りまとめていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

こちらから指名はいたしませんので、どうぞご自由にご発言をお願いいたします。

〔 A委員 〕 今、事務局からまとめていただきました主要な検討テーマ、スケジュールと、昨年の7月8日に閣議決定された経済計画との関係で、確かに短くペーパーにまとめますので全部書き切れないことはそのとおりなのですが、まとめるに当たって重要な点がいくつか抜けているのではないかと思います。

第1は、少子・高齢化への対応ですが、ここで書いてあるのはもっぱら少子化対策の推進で、子どもをもう少し増やすためにはどうしたらいいかということばかりが書いてあるのですが、本文では明確に、例えば3ページに少子化対策というのは労働力人口減少とか出生率が、政府の予測を下回ってさらに低下した場合でも安定した経済社会を作れるような、一種の人口変動に対する制度の中立化というような観点が大事で、ある意味で出生率対策自体よりもこちらの方がはるかに重要ではないかと思います。そのためには年金制度がどうあるべきか、労働市場がどうあるべきかというか、そういう少子化への頑強性といいますか、そういうような観点が是非強調されるべきではないかと思います。

高齢者雇用につきましても、それと並んで重要なのは女性の活用でありまして、男女共同参画時代と言われてもまだまだその実態はむしろ逆行している面があるわけでして、是非、高齢者と女性雇用の問題は並行的に扱っていただきいと思います。

さらに、家族等のあり方というのも、最近、介護保険をめぐって、昨年からかなり揺り戻しがありまして、すでに決まったことですらどんどん後退していくような形になっている。もう古い形の家族を守るということは少子・高齢化社会では難しいことなわけで、いかに新しい形の家族を形成していくかというふうに変わらなければいけないと思うのですが、この点、現実の動きはむしろ逆行している。

最後に、規制緩和への動きが最近はむしろまた逆行しているわけで、そういう意味では、実はこの計画を作った後、むしろ状況は望ましい方向から、「あるべき姿」からは逆行しているのだという危機感といいますか、そういうような観点から作業を進めていくということが重要ではないかと思います。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。

特に最後に言われた点は、この間、私、ロンドンに行ってまして、向こうの連中から「日本はだいぶバックスライディングではないか、規制改革は非常に遅れてしまっている、後向きになってきたのではないか」という指摘が非常に多かったというのが印象的でございました。

〔 B委員 〕 この政策推進部会と他の審議会ですか、その他との関係はどうなっているのでしょうかということなのですが、何を申し上げたいかというと、例えば各省庁からヒアリングをするということになっている。それは各省の政策を伺って、各省は各省で違う政策、この政策推進部会とは違う政策をやるかもしれないわけですが、それについてはどう考えるのか。

小渕内閣であちこちに部会があったり、いろいろな会議があったりするわけですけれども、そこでもいろいろなことを言っていると思うのですが、それとの関係をどう考えるのか。

要するに、ただ各省のヒアリングをやって、局長の私的研究会の結論を聴いて、そして、それをただまとめていくというのがこの部会ではないかと思うのですが、そうなると、総花的なことではなくて、ややスペシフィックなことをいくつか特徴的なことを指摘していくことになるのか。それとも、各省のヒアリングをして、私的研究会のご議論の内容を聴いて、それを上手にまとめていくということになるのか、どちらをおやりになるのか、そこをお伺いしたいと思います。

〔 事務局 〕 今のB委員のご指摘、非常に重要な点だと思います。

私ども、各省からヒアリングをするわけですが、「あるべき姿」というのは、これから10年ぐらいの長期を見通した経済社会のあるべき姿を閣議決定として決定していただいて、その政策の方向づけについてもいろいろ具体的になっているもの、方向だけを示してこれからその具体化を図らなければいけないもの、いろいろありますけれども、お示しいただいて、それを閣議決定したというものでございます。私どもは、この方向に沿って各省でどういう政策がとられているのか、各省でどういう検討が行われているのかということについてヒアリングをさせていただいて、「あるべき姿」の実現という観点からそれで十分なのかどうか、もし、まだ不足であれはどういうことが必要なのかということを、2点目の方でB委員からご指摘がありましたけれども、総花的というよりもむしろできるだけスペシフィックに、それで何でもかんでもカバーして盛り込むということを考えますと、どうしてもまた薄く平板なものになってしまうと思いますけれども、私どもの気持ちとしては重点的に、もし、抜け落ちるものがあっても逆にそちらの方を抜け落ちさせて実現してほしいというものについて重点的に示していく。これは最終的には経済審議会の議を経て閣議に報告されるというものになりますので、実現可能性というものも踏まえた政府としてのこれからの対応を示すという性格の内容のものになると思いますので、そこはできるだけ重点を絞って、当面の1年、2年の間に是非やらなければいけないものというようなことを中心に取りまとめていただければというのが事務局の希望でございます。

〔 部会長 〕 よろしゅうございましょうか。

部会長としてもそういう方向できちんと、特に「あるべき姿」というのは閣議決定されているものでございますから、その大方針に基づいてきちんとした方向でフォローアップと政策提言をしていきたいと考えております。

〔 C委員 〕 私、前回、企業経営者の立場ということで企画部会の方に参画させていただきました。

この「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」に関与したのでございますが、そのときに、堺屋大臣がおられまして、経済戦略会議は短期集中型であって、これはスパンの長い10年を考えるということで、私どもいろいろ議論をしてまいったわけでございますか、経済戦略会議はその後継続していると聴いておりますが、よくわからないのでございますが、そういったことと、この会議との今後の関連性とか、先ほどのB委員の方からも若干そういう点もございましたけれども、そのあたりにつきまして大臣のお考えをちょっとお聴かせいただきたいと思います。

〔 大臣 〕 経済戦略会議は一応提言をお出しいただきまして、こちらは閣議決定ではなく、政策提言をいただいて閣議了解いたしまして、各提言を各省とすり合わせをすることなく出していただいて、出していただいた後で調整をして、できるものはできる、できないものもいくつか残っておりまして、それは鋭意総理大臣に実現していただきたいというような形になっております。

この経済審議会では、閣議決定した現実的な実際に行うべき方向性を表していただきまして、その代わり抽象的な部分がかなりございます。そういったものを当部会において実現方向に進めていただきたい。その内容が経済戦略会議と同じものになるのもたくさんあるだろうと思いますし、本来ならすべて同じ方向になれば、政府の各審議会が同じことを言っているということになるわけですが、必ずしもそうでなくてもいいと思います。

この政策推進部会におきましては、年々の現実的な政策の推進を具体的に示していただいて、この「あるべき姿」が示したまさにあるべき姿をどのような手順でどう近づけるかということが重要なポイントになってくると思います。

〔 C委員 〕 どうもありがとうございました。

〔 大臣 〕 ちなみに、今、ご議論がございました「日本が後戻りしているのではないか」、これは私自身も感じないわけではございませんので、この点について当部会としては、政策推進部会でございますので、そういう内外の批判があるということを非常に強く意識してご検討いただく必要があるのではないかと思っております。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。

大臣から大変力強いお言葉をいただきました。

〔 D委員 〕 印象的な意見で大変恐縮なのですけれども、2点、今のご説明の中から、私なりに感じたことを少しお話ししたいと思います。

1つは、これからの検討スケジュールで立てられているテーマですけれども、その全体的なトーンですが、世界の中の日本ということで、日本発信というのでしょうか、日本をもっと優位なところにもっていこうというような形での検討を求められているという感じがするのですけれども、一市民として考えたときに、必ずしも世界の中で日本が優位に立とうというところにはあまりいなくて、私たち個々からすれば、今の日本というのは、テレビでのニュースなどを見ていても非常に豊かということは感じるのですけれども、その豊かさがうまく実感できていない。それは長年ずっと言い続けられてきたことですけれども、私は、やはり同じところにあるのではないかと思っておりまして、とても私事で恐縮なのですが、一昨日の土曜日の夜に、私は子どもを学童保育クラブに預けていたものですから、それのOB、OG会ということで懇談会をしたときに、30代、40代の働いている世代になるのですが、今、ものすごく過重労働になってきていて、例えば学童保育クラブで、小学生のクラブですが、いろいろな行事をやろうと思っても土・日も親が働いている、夜もほとんど働きに出ていて来れないということで、行事なんかは成り立たないという話で、日本は豊かだと言われながらも非常に苛酷な労働条件というようなものが残っていて、リストラや不況とかがあるからだと思うのですけれども、やはり世界の中の日本というので日本が優位に立つというのではなくて、みんながもっと安心して豊かさを実感できるような経済政策であるべきではないかというのが1つです。

もう一つは、これは報告書としてまとめられているので、それ以上には言えないのですけれども、参考資料の9ページから10ページにかけて、今回のまとめ方ということで「効率」、「平等」と「安全」と「自由」が大きな項目で掲げられているのですが、この中に「公正」という言葉が効率と併せて並ぶべきではなかったかなと考えております。

それは、例えば、石原都知事が外形標準課税を言われたときに、みんなの感じとしてはあまり批判がなかったというところは、やはり公正さみたいなところがすごく問われている、公的な資金援助ということが丸坊主に金融機関や何かに流れることに対する、何かバクとした冷やかな目というようなのがあって、やはり効率だけではなくて公正さというものが世の中に少し欠けているのではないか。今、日本は規制緩和が少し後向きになっているのではないかと言われましたけれども、効率だけではなくて、効率プラス公正でいろいろな施策が進んでいるのかどうかということに対する少し批判もあるような感じもいたします。豊かの実感と公正さの2つを印象的な意見として持ちました。

〔 部会長 〕 ありがとうございました。

本日は、委員全員のご意見をいただきたいと思いますので、どうぞ。

〔 E委員 〕 「世界秩序への取組み」という課題の最初の課題は「アジア地域の中での日本の役割」ということになっているわけですが、昨年、一昨年の審議の経過を思い出してみますと、97年の7月からタイで始まった通貨経済危機が非常に大きかったのではないかという気がするわけです。

将来の日本のやり方でアジア中心ということには何ら異議はないのですけれども、まず「アジア地域」という場合に、韓国、中国、さらにASEAN諸国という地域に限定的に考えていいのか。あるいはより広くインド、ここは最近非常に重要な地域になっているわけですけれども、それから、日本の立場から言えばアジアの一部分になっている中東、中央アジア、旧ソ連の国々、そういった国々に対するアプローチも、10年というスパンで考えると検討する必要があると思いますので、あくまで東アジア、東南アジア重点はけっこうですが、関係省庁からのヒアリングについてもより広くアジア全体という見地からのご説明をいただきたいと思います。

〔 F委員 〕 私も、冒頭にA委員が言われたことに同感なのですけれども、この10年ぐらいの間というのは人口構造は過去に規定されたもので決まってしまっているわけですから、この中でとりわけ緊急を要するのは人口の少子・高齢化の中でシステムをどう変えるかという問題で、少子化対策というのは確かに長期的には何らかのインパクトを社会に与えるかもしれませんけれども、これが例えば少子・高齢化問題を議論する際の2つの大きな柱のうちの1つというのはちょっと疑問を感じております。

要するに、人口構造が若かったときに合理的だったシステムを、人口構造が少子・高齢化していくときに変えていくというのは緊急の課題ですので、それをむしろ取り上げるべきだと思います。その1つは社会保障制度、特に年金制度でありまして、「あるべき姿」の35ページに「公的年金」というのが書いてありまして、これは私どもも参加しておりました部会で議論されたので覚えておりますが、公的年金の一番最後に「各方面から指摘されている年金制度に関する諸問題については、今後とも幅広い議論の積み重ねが求められる。」と書いてありますが、これは決して長期的にゆっくりと議論するという問題ではなくて、年金制度の抜本的な改革について早急に議論して、少なくとも長期的なスケジュールを示すべきであるという趣旨であると思いますので、その辺をやはり今回の検討対象に加えた方がいいのではないかと思います。

もう一つは、雇用制度でありまして、同じく36ページに年齢にとらわれない社会経済ということの中に、高齢者の雇用の推進というのが挙げられているわけですが、これについてはすでに実態として、例えば今年の春闘等においても主要な労働組合が年金の支給開始年齢の引上げに合わせた雇用延長を取り上げておりますが、これをさらに長期的に本格的な雇用延長にどのように結びつけていくかということだろうと思います。

その際に、ここに出ております年齢差別禁止のことですが、おそらく年齢差別禁止法のようなものを作って定年廃止にもっていくためには、その前提として賃金を決定的に年功でないものにするとか、あるいは採用の仕組みを年功的でないものにする、あるいは場合によっては定年退職に代わる雇用調整手段についてのルールづくり等が必要になりますので、これはかなり長期的な課題になってくると思いますが、むしろ短期的には、ここでは必ずしも触れられておりませんけれども、年齢による採用差別の問題が特に中高年の失業者の就業を非常に難しくしているという面がありますので、できれば年齢差別禁止の話は必ずしも定年廃止の話だけではなくて、むしろ緊急の課題としては採用における年齢差別の問題を取り上げて議論する方がいいのではないか。

なお、その際には、政策的に、もう一方で年齢による優遇策があるわけで、中高年を雇用した場合には助成金を与えるとか、そういった、逆に言うと年齢による優遇政策等も、おそらく年齢差別禁止の問題を考える際には見直していくという議論が必要になるかと思います。

〔 G委員 〕 この部会の性格にかかわるのかもしれませんけれども、「あるべき姿」の第5章で政府の役割というのがございますが、これが「あるべき姿」については大変重要だと思うのでありますが、この「政府の役割」というのはどういう位置づけにあるのか、今回の部会では政府の役割についてどのように考えたらいいのか、その辺をちょっとお伺いしたいのでございます。

〔 事務局 〕 「政府の役割の重要性」につきましては、実は、経済審議会のご議論のときにも、それについてもきちんと検討すべきであるというご意見が出されまして、それも踏まえまして、資料3の(案)では、検討テーマの記述の中に「政府の役割も含めた広範な分野にわたる施策が提言されて、それがきちんと実施状況、検討状況について把握して、必要なものがあれば提言を行う」という形で、一応前文のところでは表現したつもりでございます。

基本的に「あるべき姿」の4つの方向性というのは非常に重要な方向性というふうに考えておりますけれども、それを達成する中での政府の役割というのも併せて非常に重要な課題だと考えておりますので、この報告書の中にきちんと取り上げていきたいと考えております。

〔 G委員 〕 それについてはまた別途議論があるわけですか。

〔 事務局 〕 ご提示して議論していただく機会は設けたいと思います。

〔 部会長 〕 これは4つの分野となっておりますが、それぞれ全部が政策運営に関わる話だと思いますので。

〔 H委員 〕 私も去年のこの会議に参加させていただきましたけれども、「あるべき姿」とかいうようなことについて、あるいは抽象論についてはけっこう書きやすいのだと思うのです。この委員会だけではなくて政党とか各省庁などが将来のあるべき姿に書いている。にもかかわらず、先ほどからいくつか話が出ているように、あまり豊かさを感じないとか、先行きが何となく不透明だとか、あるいは逆行しているのではないかという議論が出るというのは、やはり「あるべき姿」と書いたのだけれども、それをどういう手順で、どういうプロセスで、どこのシステムを変えたらいいのか、あるいはどこら辺に時期を明示してやったらいいのかということが、あまりきちんと書かれていないということが、何となくこういう議論でリアリティーをもってこない、あるいはこういう議論を発表しても国民がエキサイティングにならないということなのではないかと思うのです。

そういう意味で言うと、一体この「あるべき姿」を実現するためにはどういう問題が邪魔をしているのか、あるいはどういう規制が、抽象的な規制ではなくてどんな法律がいけないのかとか、邪魔をしている問題点をきちっと明示していくというふうにして、それを突破するためにはどうしたらいいのかという方法論を示していくというところが、非常に重要になっているのではないかと思います。

私は、石原新税については必ずしも全面的に賛成するわけではないけれども、あれはやはり国民が何となくエキサイティングになり、何となく抽象的に拍手を送ったりするというのも、やはりそこのプロセスを示し、具体的にこうするのだという方法論を示したところが、ある種、国民にウケたのではないのかなと思います。べつにウケる必要があるということではなくて、そこをもっと緻密に問題点や何かをきちっとした上でやる必要があるのだけれども、やはり「あるべき姿」の次にやるべきことは、どういうシステム、あるいは何が邪魔しているのかというようなやり方をきちっと明示するということがすごく重要だと思います。

〔 I委員 〕 私も政策方針の作成に参加させていただいたのですが、今、これを読み直してみて、また、今日のお話を伺って、何かちょっと抜けていたかなという感じを受けることがございまして、それは、技術の問題としてのバイオテクノロジーのことで、情報化のことについては非常に触れられておりまして、今日の「多様な知恵の社会の形成」の「情報化の進展への対応」でも、「IT革命」というような言葉が使われているわけですが、これからの10年、あるいはさらに21世紀にとってバイオテクノロジーという技術が極めて重要で、これをどう評価するかという問題はあるにせよ、遺伝子組換食品の問題というようなことが、食料の需給にも環境問題にもその他すべて影響していると思うので、そのことについて全然「あるべき姿」で触れていないような気かするのです。どこか私の見洩らしがあれば別ですが。それは何らかの形で触れないと、特に「多様な知恵」の中の最たる知恵の1つではないかと思うのですが、そのあたりはいかがなのでございましょうか。

〔 事務局 〕 バイオの重要性、十分承知しているつもりでございますし、また、政府の方でも「ミレニアム・プロジェクト」ということでバイオテクノロジーについて新しい総合的な調査研究を進めていくということで予算措置もして、対応を図っているところでございます。

今回の「あるべき姿」の実現に向けての報告作成の中で、ご趣旨も踏まえて検討してみたいと思います。

〔 J委員 〕 今回の進め方、これでけっこうかと思いますが、ただ、「あるべき姿」が10年スパンということになりまして、1年だけではどれだけ目指した姿が実現しているか、あるいはその方向に行っているかなかなかわからない点があると思うのです。これは少なくとも3年ぐらいのスパンでできるだけ定量的に、定量的に押さえられなくても定性的にでいいですから、それぞれのあるべき姿というものを実際そういう方向にどの程度向かっているかというようなこともする必要があるのではないか、この1年とかそういうことではなくて。そういったことも視野においてどういうことがあり得るかということも検討いただいたらよろしいのではないかということが1つ。

もう一つ、各論になりますが、先ほど、A委員、あるいはF委員からお話がありました少子化・高齢化の問題、これは少子・高齢化になることを前提にしてシステムをどう構築していくか、これは私も基本的に大事なことだと思います。

ただ、一方で、やはりここにもありますように少子化が個人の選択が狭められたことによって少子化になっていくという面もあるわけで、そこのところは、選択の幅はできるだけ広げる前提、社会基盤の整備ということが必要なわけで、具体的にはやはり子どもが育つ場合の住宅の問題、あるいは情報化社会との関係で、勤務の関係で言いましても住宅の問題は非常に大事かと思いますが、同時に住宅と町と職場との関係、職住の関係、そういったことの視点から基本的に重要かと思いますので、一言申し上げます。

〔 K委員 〕 情報化について一言申し上げたいと思います。

昨年末から正月にかけての例のY2Kの問題というのは、ほとんど大きな問題もなく大変よかったと思っておりますが、ほどなく中央官庁のホームページが破壊されたという事件がありまして、情報通信における脆弱性が非常に大きな関心を呼んでいるわけです。

私は、「あるべき姿」の中における情報化の重要性の位置づけから考えても、情報通信における脆弱性にどう対応していくかという問題は大変重要なポイントでありますので、今後のフォローアップにおいてもこの視点を是非重要視していただきたいということを1つ申し上げたいと思います。

もう一つの点は、情報通信システムの制度的、あるいは法制的な側面の問題として、もう古くから言われております、いわゆる通信と法制との融合の問題についてでありますが、放送のデジタル化等を見ても、事実はけっこう先行しているといいますか、いろいろな形で進行していると思いますが、依然として法制的な解決の先行きが必ずしも透明ではないような気がいたします。国際的な動向等も踏まえながら通信と法制の融合の問題を今後どういうふうに考えていくか。この点も情報化の問題にとって大変重要であろうと思いますので、是非、よろしくお願いしたいと思います。

〔 L委員 〕 「あるべき姿」ということで、これからいろいろ検討されることになると思いますが、いろいろご議論がございましたが、おそらくこの「あるべき姿」というのは、これからいままでのシステムが変わっていくとか、これからの世界的な流れと合うとどうもこういう方向だろう、こういうことで、さらに理念を交えたという考え方が「あるべき姿」に結晶しているのだろうと理解するわけですけれども、その場合におそらく「あるべき姿」が進んでいくと、それに対して何か別の問題が発生するということが、おそらくフォローアップしていくときに一番大きい問題なのかなという気がするわけであります。

というのは、個の時代という場合に、これは京都大学の中西さんか何かが非常にうまいことを言っていましたが「個」ではなくて「孤」の時代になるのではないか。個の時代が

進めば孤の時代も進む。同じように、男は会社に頼らない、女性は亭主に頼らないという時代になってくると、おそらく家族というのはどうなるのだろうか。つまり、家族という最小単位のコミュニティーがどうやってうまく接触できるのか、子どもを育てるだけの話なのかとか、個の時代が進めば進むほど未知の世界にどんどん入っていくのではないか。だから、みんな不安なのではないかという気がするのです。

それから、定年の話が今ご議論ありましたけれども、定年でいままで設計してきた人たちが、「どうぞ、選択の自由ですよ」って放り出されたときに、果たして自分はそういう能力があるのかとか、どういうところで自由が得られるのだろうかということを考えたときに、おそらく80%以上の人は不安なのではないでしょうか。

というふうにいろいろ個が進んだときに、逆に、個と公をうまく合わせると作文ではうまくできているわけですけれども、それを公が一体どうやって支えてくれるのかという具体的な手法は何もないわけでして、そうなると我々が「あるべき姿」に進めば進むほど、いいはずなのですけれども、そこで出てくる新しい問題は何だろうかということを1回あの中でよく検討していただいて、そういうものを克服すること自体が実は「あるべき姿」なのだというふうに理解するのも1つの考え方かなと思ったわけであります。

〔 M委員 〕 いくつかありますが、まず、高齢社会の問題ですけれども、年金の問題も重要だと思いますけれども、私は、高齢社会の本質は高齢者の雇用の問題だと思うのです。例えば、年齢差別禁止ということなどは、単なる方法論であって、やはり国としてとか、雇用者側として考えなければいけないのは、高齢者の雇用された人たちの生きがいをどうするかということだと思うのです。これは日本全体が今もっている労働力としてのリソースとして、日本全体が要求しているリソースがミスマッチしているということだと思うので、私は、政府としてできることの1つは、それで質を変えていくための仕組みを作る、あるいはそういうことに対して援助する。例えばハードウェアのエンジニアをソフトウェアのエンジニアに変えていくとか、高齢者がいままでしてきた仕事とは全く違う知的産業にかかわれるような能力を持ってもらうように仕向けるとか、そういうことがない限り、単に法律で年齢差別を禁止しても生きがいは与えられないのではないか、そういう観点からの施策が非常に重要ではないかと思っております。

それから「多様な知恵の社会」ということなのですが、どういう知恵に価値を置くかというのは、政府がリーダーシップをもって、日本としてはこういう方向の知恵に価値を置くのだということを示すべきではないか。その1つの手段としては特許法の運用ということがあると思います。従来、特許法というのはアメリカがどういうものを特許にするかというのをリーダーシップをもって決めてきて、日本はそれにフォローしてきている。最近ですとビジネス・モデルというのをアメリカはどんどん特許として認める。日本は従来そういうものを認めてこなかったので、そういうビジネス・モデルというような、これも1つの知恵だと思いますけれども、そういうものに政府は価値を置いていないのかというふうにみられると思うのです。ですから、これからどういう知恵に価値を置くのかということを示すのは1つは特許法の運用をどうするかということで、政府が自らリーダーシップを取れると思います。

それから、先ほどちょっと話が出ましたけれども、ネットワーク社会ではセキュリティーの問題というのが非常に重要で、これも、アメリカ政府は政府自身が暗号の例えば強さを評価するような仕組みを持っていると思うのですけれども、日本にはそういうものがありませんので、暗号についての輸出とか輸入の規制は、いままではおそらくアメリカ政府が決めたら、日本もそれに右にならえするということできていると思いますけれども、これからこういう情報化社会になったらセキュリティーの問題は非常に重要なので、これも政府がなすべき役割としては非常に大きなものがあると思います。

〔 N委員 〕 今日取り上げられている4つのテーマは非常に重要だと思いますし、研究会で勉強していおられるということでございますので、いろいろ思うことはございますが、それはまた、そういうことが終わってから申し上げたいと思います。

先ほどご指摘のあった政府の役割というところでございますが、他の審議会等で取り上げられていなくて、また、政策としていままで取り上げられていなかったことが2つ、私の専門の関連でございます。

1つは公共事業の時間管理概念の導入。もう一つは住民参加等、そちらの方向の話の片方で必要な意見の収束とか調停とか、こういう仕組みをどうやって作るか、この2つの問題はいろいろなところで正面からあまり取り上げられなくて、いままでの政府の動きの中でもなかったように思います。もし、可能なら、ここの主要なテーマというのは全くそのとおりだと思うのですが、この2つの問題はもし可能なら、各政府のヒアリングですとか、あるいは議論の対象にどこかでしていただけるとありがたいと思います。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。参考にさせていただきたいと思います。

〔 O委員 〕 冒頭にB委員がおっしゃいましたこと、それからH委員がおっしゃったことにも関係するのですけれども、私は、当委員会をおもしろくしてほしいというか、エキサイティングにしてほしいと思います。

システムの説明を聴いていましたらそういうふうになる可能性もあるなと。それは「あるべき姿」というのがすでに出されていて、それがいかに実行されるかということをこの委員会はチェックすることができる、チェックするというのが1つの機能になっている。だから、ただ議論するだけではないのだというお話をお聴きしました。

そこで、どうやって「あるべき姿」が実行されているかということをチェックするかという話になるのですけれども、これを読みましても非常にいろいろな提言が書かれているのですが、私は3つばかりチェックリストを作った方がいいと思います。1つは、各提言について誰がやるのか。もちろん民間がやるのが主体なのでしょうけれども、それをどの業界が中心になってやるのか、それをどの官庁が支援してやるのか、そういう「誰がやるのかリスト」というのが1つ必要だと思います。

2番目に、H委員がおっしゃいましたが、実行に当たって障害になっていることは何かということのリストが1つあればいいなと思います。

3番目に、これはどなたかがおっしゃいましたけれども、進捗状況、どの程度実施されているのだということのチェックリストがあったらいいと思います。

だから、これは「あるべき姿」というものを発表して、それをこの委員会がプッシュしていくわけですけれども、プッシュするためにはパワーが必要だと考えています。これはある人に聴いた話ですが、日本のパワーというのは3つ要素があって、1つはお墨付である。これは総理大臣が決めて堺屋大臣がいるわけですから十分だろうと思っています。

2番目は予算であります。やはりお金がないとだめですが、この前、衆議院の予算委員会に公聴人として呼ばれまして、そのときに私は膨大な予算書を見まして、経済企画庁のところを見たら実に予算が少ないのです。あれだけ世間に注目された「景気ウォッチャー制度」というのは、去年の予算が7,000万円、今年が1億円ちょっと。だから、日本というのは調査研究をやっているところというのは大学も含めて浮かばれないなという思いをしたのですが、予算の問題。

3番目は、やはり情報力だと思います。これは、要するに一番いいのは自分で集める。先ほどお聴きしましたら5つほど研究会があってなさっているということで、私はそれに非常に期待しております。もちろん他省庁から聴くということも必要ですけれども、やはり何と言っても自分で集めた情報が一番強い。そういう3つのパワーをもって、是非、「あるべき姿」をプッシュしていただきたいと思っております。

総論的なことですけれども冒頭に申し上げたいと思います。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。

〔 P委員 〕 総論的なことになりますが、昨年、私も企画部会に参加させていただきました。この答申がまとまったのが昨年の夏でございますので、それからまだ半年ぐらいしかたっておりませんので、フォローアップというのはちょっと中身がよくわからないので、むしろフォローアップというのは前の部会、あるいは審議会で十分検討が足りなかったものを中心に今回まとめるのではないかという感じがいたしております。そういう意味では、取り上げられた4つのテーマはこれはこれで十分よくわかりますし、また、今日、いろいろな委員の方からお話があった問題、これも追加されればいいかと思いますが、前回の部会、審議会で一番足りなかったのは官の役割といいますか財政問題だと思います。これは当時の経済状況、あるいは政府の予算等からみましても、財政再建をどうするかとか、あるいはその前提になります公的年金なり医療なり、そういう社会保障問題をどうするかというような問題が非常にあいまいでしたので、この問題についてはほとんど議論なしに抽象的なことが書かれております。だんだん世の中も落ち着いてまいりますし、これから経済も安定に向かうということであれば、今から財政の再建のあり方、その他、他の部会、審議会もございますけれども、やはりこの審議会でその全体の姿をまとめていく、少なくとも議論していく必要があるのではないかという感じがしております。

もう1点は、地方分権といいますか、地方行政のあり方だと思います。例えば、今回、石原知事が外形標準課税を出されまして、私は必ずしも賛成ではありませんけれども、これに対する47都道府県の反応は非常にバラバラでございます。これがまたバラバラにいろいろなことがやられるということになれば、国の財政、税制もおかしくなると思います。これの一番の問題は、今の都道府県、あるいは市町村があまりに数が多過ぎて、地域所掌範囲が非常に狭い。これだけ情報化、交通化が進んでいる状況でありますから、市町村合併なり、都道府県の統合問題、これは前の部会では「必要であり検討する」と書いてございますが、これについては今回は触れられておりませんが、全体的に何人かの委員がお話しになりましたが、官の役割が前回の部会では十分議論されてなかったという意味で、この問題も幅広く考えていただければと思っております。

〔 O委員 〕 この4つの方向で議論するということは、去年の1つの流れから大体絞られてきていると思うのですが、第1点目の多様な知恵の社会の形成、情報化の進展への対応ということは、我々はおそらくインターネットということを前提に考えていると思うのですが、インターネットというものを考えているとするならば、インターネットが1988年以降、いわゆるアメリカの世界戦略の中で構築されてきてるということを理解、認識しておかなければならないということになってくると、日本がこれからインターネットを取り入れていかなければいけないということは確かにわかるわけですけれども、思い切って情報化に対する世界戦略というものを構築して、早々とポスト・インターネットというものを考えるべきではないかと思うのです。

IT革命ということが言われていますけれども、IT革命というのはインターネットだけではないわけで、このままの状態だったら日本はアメリカに勝てない、ということであるとするならば、ポスト・インターネットというものの模索を打ち出すということが、この部会としてはインパクトがあるのではないだろうかと思います。

それから、創業・起業の促進ということでありますが、これは一にかかって規制の見直し、全廃ということに関連してくるのではないだろうかという感じがするわけです。

それから、少子・高齢化、人口減少社会への備えということでありますけれども、これは当然のことながら2007年をピークにいたしまして人口が減少するということであるとするならば、それでもなおかつ日本の国の経済成長率を維持しなければいけないということになるわけでありますから、そうすると労働力の多様化という問題が出てくる。先ほどからお話が出てますけれども、女性を活用するということは当然ですけれども、外国人労働者というものも出てくると思うのですが、とりわけ女性をもっと社会というか、男女平等という考え方はまだ多少問題があるかもしれませんけれども、女性が社会に出て仕事がしやすいようなシステムというか体制を作っていかなければいけない。そういう意味で教育システム。教育はいわゆる教える、育てるではなくて共同で育てる。社会が親を中心にして共同で育てる共育システムというような、そういう対応をどうしていくかということを考えなければいけないと思うのです。

それから、女性を縛っているもう一つは介護の問題だと思うのですが、これもやはり共同介護システムというようなものを、これから発想を変えて取り組んでいく必要があるのではないか。無意味なとは言いませんけれども、公会堂、公民館、シンフォニーホール、オペラハウス、国際会議場というようなものはもうとりやめて、むしろこういう共同介護システムのためのハードなりソフトを構築していくということを考えなければならないのではないだろうかと思います。

我々、企業で経営をやっておりまして、高齢者の雇用、この頃60歳といっても全然年寄りではないわけで、厚生年金の関係から65歳定年というようなことを言われていますけれども、年金と関わりなく65歳定年というものは考えたらいいと思うのです。ただ、年齢を廃止するというか定年制の廃止というものはいかがかなというふうに思います。90歳以上の人も運転免許を持てるということで問題が起こってますけれども、やはりどこか考えなければいけないという意味では、65歳以上の契約雇用制というものを新たに追加しなければならないと思いますが、この場合でも、60歳を超えると賃金を安くするというのは、高齢者のインセンティブを失わしめるものだというふうに思います。ですから、そのあたりも十分に考える方向で取り組んでいかなければいけないという感じがするわけです。

それから、環境との調和。今年の4月からリサイクル法が施行されるということでありますけれども、これは徹底的にリサイクルというものを、循環型社会を構築するためには、これは結局は企業の意識の問題になってくると思うのです。しかし、それを促進させるためには何か制度的なものを考えなければいけない。そういう意味ではリサイクル材料使用率別税率といいますか、そういうリサイクル材料を使用している率によって税率を決めるというような、そういう税金からの対応というものも考えてもいいのではないかということであります。

それから、世界秩序への取り組みということでいままでいろいろとお話が出ているのですけれども、台湾の問題が出ていないのです。やはり21世紀、少なくともこれから10年の中で台湾の存在が非常に大きな存在として浮かび上がってくる。すでに中台の問題が出てきているわけであります。そこで日本は中国との快適な距離、どの距離をとるかということ、あるいは台湾の位置づけをどうするかということを明確に考えていかなければならないのではないだろうかと思うのです。

〔 部会長 〕 恐れ入ります、時間が迫っておりますので簡略にお願いいたします。

〔 G委員 〕 そういうことでひとつ考えていただきたいと思います。

最後に1から4番の問題ですけれども、推進担当者を決めた方がいいと思うのです。進捗状況を公表するというようなことと、もう一つは委員会が短期すぎるのではないか、チェックのしようもない感じがしているということです。

〔 部会長 〕 それではR委員のご意見を伺って、最後にS委員からお願いいたします。

〔 R委員 〕 各論の部分についてはいろいろご意見がありましたけれども、また、それぞれのところで申し上げることにして、全体的な印象を申し上げたいと思うのですが、まず、11月に閣議決定された「あるべき姿」でありますが、私は、今のところ、「あるべき姿」をせっかく堺屋大臣も一生懸命宣伝しておられるのに、まだ半年ではありますけれども、あまり進んでいないような気がするのです。皆さんもおっしゃいましたが、逆行していると思うのです。それはなぜかと考えてみますと、ここでは「あるべき姿」として肯定的なものについて提示すると同時に、やはり過去を清算しなければいけないという否定的なものも書いてあります。ところが、否定的なものについては進んでいるけれども、肯定的な、前向きな部分についてはあまり進んでないという印象が私にはするわけでありまして、その意味で、もし、過去を否定することによって、それなりの痛みを享受するのであれば、進めなければいけないものを積極的にどう進めるかということをもう少し提示しなければいけないという意味でのフォローアップのための会議があることは、それはそれで大変重要なことなのですが、そのためには、先ほどH委員もおっしゃいましたけれども、どうしてそういう印象を持つのかという要因をしっかり分析する必要があると思うのです。

その1つには、やはり「あるべき姿」として提示された中でみんなの心配は、新しい格差が生まれるのではないかという心配なのです。新しい格差というのは例えば情報格差などというものは、情報革命が進めば進むほど自分たちはついていけるのかという気持ちが非常にあるということが1つです。

もう一つは所得格差もそうなのですけれども、いろいろな意味での格差が所得や資源の再配分ということで、これは世代間の再配分もあるでしょうし、同世代の再配分もありますが、再配分システムが効くのかという危機感が非常にあって、そのことについての心配が世の中に非常に強いということだと思うのです。

最近の政治の状況でさまざまな法案や社会保障の見直しとか、いろいろなものが議論になるし、税制の問題もかなり国民全般に広がっているのですが、それが明らかになっていないが故に、本当にあるかどうかはわかりませんが、新しい格差が生まれるのではないかという懸念が「あるべき姿」を促進できてないというような問題点が今の状況としてあるのではないかと思っています。

それから、何とはなしの不安というのは、やはりチャンスの平等というのは大変けっこうでありますし、それを進めなければいけないのでありますが、そのことによって社会的安全性が失われるかどうか。社会全体の底力といいますか、いままでは均等社会だからこそ我々が誇っていたのが、普通の人まですべてが政策決定に参加し、日本の国力全体を上げるために役立っていたという自覚がある。しかし、チャンスの平等を強めれば強めるほど自分たちはそれには関係ないんだと思う人たちが出てくる。

私たちも個人の生活でよくあることなのですけれども、大体人間を突き動かす行動原理というのは、ねたみ、そねみ、やきもちというのが非常に多いので、ねたみ、そねみ、やきもちが拡大しているような気がしてならないのです。したがって、ねたみ、そねみ、やきもちがありますと、社会的安全性は失われてくると思いますし、そのための社会的コストが膨大にかかるという危険性を、フォローする場合にはきちんと押さえておく必要があるのではないかという気がしてなりません。

〔 S委員 〕 最初、部会長が、この短い時間でこの大きな問題をどうやってまとめるのだろうという不安を洩らされたのですが、私も非常に不安な気持ちできておりましたけれども、今日の話を聴いていてだいぶ元気が出てきて、これはおもしろい会にできるかもしれないという期待を持つようになりました。各委員から非常にいい発言が多かったと感謝しております。

一言だけ申しますと、先ほどから出ている政府の役割、特に財政問題がやはりあると思うのですが、このアプローチの仕方でいくとすれば、例えば、多様な知恵の社会の形成とか、環境問題とか、少子化、それぞれについてマクロ経済的なインプリケーションをはっきり踏み込んでまとめておく、そういうことが非常に大事なのではないか。つまり、今、財政から民間需要に移らなければならないときで、こういう新しいことをやっていけばどれだけ移れるのか、その見通しも同時に示していくということをすれば、ある程度課題に答えることになるのではないか、そういう印象を持ちました。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。

私も、いままでのご意見を伺いまして、S委員のご発言にありましたように、この委員会、かなりエキサイティングなものになるのではないかということを非常に期待しております。

それでは大臣からひとつお願いいたします。

〔 大臣 〕 皆さんからいろいろな意見をいただきまして、受け取り方もいろいろ違うと思います。例えば、東京都の外形標準が公正なのか不公正なのかというのは、大方の方は不公正だからいけないと言っているのですけれども、受け止め方によっては公正だから人気があるのだという形もありますが、ここで出ました「政府の役割」、「財政の問題」、「家族のあり方」といったものがこの4つのテーマの中にも重要なのではないか。そして、フォローアップをするにつれて「誰がやるのか」、「どれだけ進んでいるのか」を明確にしていくというような大変難しい問題をいただきました。

財政問題は今大変話題になっておりまして、今年になってから急に財政も大事だという話が出てきたのですが、財政再建もしくは財政構造改革というウサギと、景気回復、経済健全化というウサギは、決して別々の方向に走っているのではないのです。これは非常に誤解されておりまして、「財政再建か景気回復か」というテーマの立て方が多いのですが、景気を立て直さなければ財政再建はできないことは明らかでございまして、一直線上にいるとは言いませんけれどもほぼ同じ方向に逃げている。ですから、まず経済再建をとらえなければ財政再建はあり得ないという発想を私たちは持っております。ですから、今、世間で言われている「どちらか」という選択の問題は、問題の立て方自体が非常に間違っているのではないかという気がしております。

当部会におきましても、この取り組みの中でこの問題は避けて通れないような問題だろう。特に多様な知恵の社会を形成すること、あるいは少子・高齢化を実現することの中で財政問題と政府の役割というのは避けて通れない問題だろうと考えております。

なお、私どもでは、別途、長期テーマといたしまして、研究所で国際研究テーマといたしまして、ミレニアム・プロジェクトで2年ぐらいの期間を取りまして2つの研究をやっております。1つは高齢化社会における全体像でございます。それは年金とか介護というような問題解決型の形ではなく、高齢社会を循環させるにはどのような状況、例えば産業組織、産業構造、雇用構造、雇用契約、あるいは勤務状態等々、技術から道具に至るまで全体像としてどのように考えるか。これが1つのテーマであります。

もう一つは、循環型社会でございまして、循環型社会も、ゴミ処理とか、地球環境とかいう個々の問題ではなく、全体として循環型社会を実現するためにはどのような産業、技術、施設を配置しなければいけないか。そして何よりもどのような美意識を持たなければいけないか。これを究極的に詰めていきますと資源を消費を節約して、その資源の代わりに何に置き換えるかということを考えると労働力に置き換えることになってくる。その意味では、資源を労働力に置き換えるというのは、近代工業社会がやってきたことの全く逆転でございますから、これは非常に大問題だと考えております。

3番目に、皆さんからお話がございましたIT革命でございますけれども、私が担当大臣になりましてインパクというのを始めております。今年の末から行うわけでございますが、この中でインターネットの普及とともにデスクトップ型のネットとモバイルとをいかに集約していくか。そこに日本的な新しい情報環境をどう作るか。これは非常に強い問題意識とともに実行を兼ねて行おうとしております。

そういうことも当会議で、6月までですから4か月しかございませんが、ひとつ議論をしていただいて、そういったものが日本社会にいかなる関わりをもってくるか、あるいは日本の世界的貢献にいかなる状況をもってくるかということもご検討いただきたいと思っております。本日は、どうもありがとうございました。

〔 部会長 〕 大臣、ありがとうございました。

時間も若干オーバーしておりますが、私自身は、今日の話の中になかったのですがファイナンシャル・マーケットの問題、これは国内あるいは国際を含めて非常に重要な問題でありますので、これもどこかの機会に触れられたらいいのではないかと考えております。今日は貴重なご意見をたくさん伺いましたので、非常にエキサイティングな委員会にすべく、次回以降は基本的には提示された4つの分野の方向をフォローアップ、さらに政策提言するという形で、今日のご意見を踏まえながら次回以降も議論を進めていきたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

最後になりましたが、小池総括政務次官にごあいさつをいただきたいと思います。

〔 総括政務次官 〕 本日は、冒頭等に、部会長の方から「聖域を設けない」というお話がございまして、本日の熱心なご審議、まさに聖域を設けない、特に私どもにとりまして耳の痛いところもございましたし、また、一番出てきた固有名詞が石原都知事であったというのも大変ショックなところでございます(笑)。

そして、審議会のあるべき姿についても何人かにお触れいただいたような気がいたします。

私もマスコミの一角におりましたことから、H委員がおっしゃいましたように、5W1Hの部分で、何を、どうして、いつということと、HOWの部分、これについても掘り下げていければいいなと思っているところでございます。

ご承知のように、景気はまだまだ本格的な回復には至っておりませんけれども、しかし、皆様方にご審議いただきます構造改革、そしてその方策をどのようにしていくかということ、10年のスパンではございますが、そうやって10年後の姿を考えることが、すなわち、本格的な景気回復への近道ではないかと考えております。

ということで、6月下旬まで時間は短いわけではございますけれども、本日のような大変ご熱心なご意見を賜りまして本当に実りある審議を今後もお願いしたいと思っております。引き続きご指導、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。

〔 部会長 〕 どうもありがとうございました。

それでは、第1回の政策推進部会の審議を以上で終了したいと思います。これで閉会といたします。これからもよろしくお願いいたします。

本日の審議内容につきましては、後ほど私の方から記者発表させていただきます。

皆様、本日は、どうもありがとうございました。

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