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平成12年経済審議会総会議事録

日時 : 平成 12年 2月 24日
場所 : 内閣総理大臣官邸ホール
経済企画庁


経済審議会議事次第

日時 平成12年2月24日(木)8:30~9:30
場所 内閣総理大臣官邸ホール

  1. 開会
  2. 会長の互選
  3. 経済企画庁長官あいさつ
  4. 経済審議会の今後の運営について
  5. 内閣総理大臣あいさつ
  6. 閉会

(出席者)

(経済審議会委員)

伊藤委員、稲葉委員、角道委員、金井委員、香西委員、小林委員、佐々波委員、下村委員、末松委員、鶴田委員、得本委員、豊田委員、長岡委員、那須委員、星野(進)委員、水口委員、村田委員、諸井委員、師岡委員、山口(光)委員、和田委員

(内閣官房)小渕内閣総理大臣、青木官房長官、古川官房副長官、江利川首席内閣参事官

(経済企画庁)堺屋経済企画庁長官、小池総括政務次官、中名生事務次官、新保経済企画審議官、牛嶋総合計画局長、河出調整局長、鹿島物価局長、貞広経済研究所長、永谷総合計画局審議官、塚田総合計画局審議官 他

(配布資料)

  1. 委員名簿
  2. 経済審議会の今後の運営について

(参考資料)

  1. 経済審議会の公開について
  2. 経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針
  3. 平成12年度の経済見通しと経済運営の基本的態度

経済審議会委員名簿

  • 伊藤 助成   日本生命保険相互会社代表取締役会長
  • 稲葉 興作   石川島播磨重工業(株)代表取締役会長
  • 角道 謙一   農林中央金庫理事長
  • 金井 務   (株)日立製作所取締役会長
  • 公文 俊平   国際大学グローバル コミュニケーションセンター所長
  • 香西 泰   (社)日本経済研究センター会長
  • 小長 啓一   アラビア石油(株)取締役社長
  • 小林 陽太郎   富士ゼロックス(株)代表取締役会長
  • 佐々波 楊子   明海大学経済学部教授
  • 下村 満子   (財)東京顕微鏡院理事長
  • 末松 謙一   (株)さくら銀行常任顧問
  • 鶴田 卓彦   (株)日本経済新聞社代表取締役社長
  • 得本 輝人   全日本金属産業労働組合協議会議長
  • 豊田 章一郎   トヨタ自動車(株)取締役名誉会長
  • 長岡 實   (財)資本市場研究会理事長
  • 那須 翔   東京電力(株)相談役
  • 畠山 襄   日本貿易振興会理事長
  • 星野 進保   総合研究所開発機構特別研究員
  • 星野 昌子   日本国際ボランティアセンター特別顧問
  • 水口 弘一   (株)野村総合研究所顧問
  • 村田 良平   (株)三和銀行特別顧問
  • 諸井 虔   太平洋セメント(株)取締役相談役
  • 師岡 愛美   日本労働組合総連合会副会長
  • 山口 光秀   東京証券取引所理事長
  • 山口 泰   日本銀行副総裁
  • 鷲尾 悦也   日本労働組合総連合会会長
  • 和田 正江   主婦連合会会長

〔 牛嶋総合計画局長 〕 時間もまいりましたので、ただいまから経済審議会を開会いたします。

ご承知のとおり、経済審議会の委員につきましては、去る2月21日付で改選が行われております。新しく委員の任命が行われましたので、お手元にその名簿が配布してございます。

まずはじめに、経済審議会令の第2条第1項に基づきまして、会長の互選をお諮りいたしたいと存じます。

どなたかご推薦はございませんでしょうか。

〔 伊藤委員 〕 よろしいでしょうか。

〔 牛嶋総合計画局長 〕 はい。

〔 伊藤委員 〕 これまで会長として取りまとめに当たってこられました豊田委員に、引き続きお願いしてはどうかと考えますが、いかがでございましょうか。

( 「異議なし」の声あり )

〔 牛嶋総合計画局長 〕 それでは、ご異論もございませんようですので、豊田委員に引き続き会長をお願いいたしたいと存じます。

それでは、恐縮でございますが会長席の方にお移りいただきたいと存じます。

〔 豊田会長 〕 皆様のご推挙をいただきましたので、引き続き会長をお受けいたしまして、全力を挙げまして経済審議会の運営につとめてまいりたいと思っておりますので、宜しくお願いいたします。

我が国をめぐる内外情勢は依然として厳しいものがありまして、解決すべき課題は山積いたしております。

こうしたことから、皆様方のご意見を集約いたしまして、国民的な立場に立って今後とも経済審議会の運営を積極的に行ない、積極的に提言をしていきたいと存じておりますので、皆様方のご協力を是非ともお願いする次第でございます。

なお、経済審議会令第2条第3項におきまして、会長代理につきましては会長の指名によるところになっておりますので、長岡委員に会長代理をお願いしたいと存じます。よろしくお願いいたします。

さて、本日は、堺屋経済企画庁長官においでをいただいておりますので、ここでご挨拶をいただきたいと存じます。

〔 堺屋経済企画庁長官 〕 委員の皆様におかれましては、ご多用の中ご出席いただきましてありがとうございます。

当経済審議会は、昨年7月、総理大臣の諮問に答えまして「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」を答申していただきました。

これは、我が国の経済社会構造を、規格大量生産型の近代工業社会から、多様な知恵の時代にふさわしいものへ、抜本的に改革すべきことを明示したものでございました。

政府は、景気の回復に全力をあげておりますが、また同時に各方面の構造改革についても鋭意これを進めている次第でございます。すなわち、金融システムの改革、産業競争力の強化、雇用の創造と労働市場の改革、中小企業政策の抜本的な見直し等々を行なっております。

こうした構造改革を定着させ、「あるべき姿」に沿った新しい経済社会の創造をするために、従来とは概念を転換いたしまして、ハード・ソフト両面での改革を進めていくことが不可欠だと存じております。特に多様な知恵の時代においては、情報化の飛躍的な進展、世界への情報発信、創造的な中小企業の創業と成長の支援、急速に進展する少子・高齢化への対応、循環型経済社会の構築、世界経済の持続的発展への貢献等が重要になってまいります。

これらの点に関しまして、政府の政策の進捗状況の点検と、「あるべき姿」で示されました基本的な方針の具体化について、経済審議会において積極的に審議をいただき明確な指針を早期に打ち出していただきたいと考えております。

このために、委員各位にあらせられましては、一層のお力添えをいただくようにお願いしたいと思っております。

どうもありがとうございました。

〔 豊田会長 〕 どうもありがとうございました。

小渕総理、青木官房長官は9時頃に、お見えになる予定と伺っておりますので、まず、経済審議会の今後の運営を中心にご議論をいただきまして、総理、官房長官がお見えになりましてから、今後の経済運営全般につきましてご自由にご発言をいただきたいと考えております。

それでは、経済審議会の今後の運営についてお諮りしたいと思います。

「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」が昨年の7月に経済審議会で答申されまして、閣議決定されましてから半年余りが経過したわけでございますが、毎年、経済審議会におきまして内外の経済情勢及び施策の実施状況と具体化の検討状況を点検していくこととされておりまして、経済審議会の今後の運営につきましてご議論をいただく必要があると考えます。

こうした点につきまして事務局より説明をお願いいたします。

〔 牛嶋総合計画局長 〕 それでは、事務局より資料に基づきましてご説明をさせていただきます。

資料の2をご覧いただきたいと思いますが、ただいま豊田会長のお話にもございましたように、「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」におきましては、この政策方針の実効性のある推進を図るために、毎年、経済審議会は、内外経済情勢及び施策の実施状況と具体化の検討状況を点検して、毎年度の経済運営との連携を図りながら、その後の政策運営の方向性につき政府に報告するものとされているところでございます。

このため、以下のような検討体制及びスケジュールにより運営を行うということでお諮りしたいと存じます。

まず、1番目でございますが、経済審議会の下に政策推進部会を設置するということでございます。

この政策推進部会は「あるべき姿」の施策の実施状況と具体化の検討状況を把握するとともに、「あるべき姿」で示されております、以下ご説明しますような4つの方向に沿いまして、活力ある日本経済を再構築する上で特に重要かつタイムリーなテーマを中心に調査審議を行いまして、今後の政策の方向性について提言を取りまとめるというものでございます。4つの方向でございますが、その第1は多様な知恵の社会の形成でございます。参考資料2としてお配りをいたしておりますけれども、昨年、ここで答申をいただきました「あるべき姿」で、その本文の16ページにも記述されておりますように「多様な知恵の社会におきましては、『個』の自由と自己責任が基本的な行動原理となって、人々は自らの価値観に従い、より自由に人生の選択を行なう」というふうにされております。また、「社会におきましては、独創性、多様性が尊重され、人々はそれぞれの個性をより強く発揮する。個々人の『夢』に挑戦できる環境が整備され、人々は自己実現に向けて活発に行動する。」というふうにされております。

また、「あるべき姿」の本文の27ページ以降に、そうした社会を実現するための種々の方策が示してございますが、この政策推進部会におきましては、最近のいわゆるIT革命等の動向も踏まえまして、情報化の進展への対応、それから創業・起業の促進といった点に重点を置いて検討を進めてはいかがかということでございます。

第2の方向は少子・高齢社会、人口減少社会への備えでございます。

政策推進部会におきましては、この問題に対する根本的な対応といたしまして、少子化対策の推進に焦点を当てるほか、高齢社会の最重要課題の1つでございます高齢者雇用の促進という点に重点を置いて検討をしてはいかがかということでございます。

第3の方向は環境との調和でございます。

「あるべき姿」の本文の38ページ以降に、それを実現する方策が示されてございますが、最近における廃棄物問題の深刻化等を踏まえまして、政策推進部会におきましては循環型経済社会の構築に向けた諸課題について重点的に検討いただいてはどうかということでございます。

第4の方向は世界秩序への取り組みでございます。

「あるべき姿」の本文42ページ以降にグローバリゼーションに対応した我が国の今後の取り組みが示してございます。

政策推進部会では、日本とアジアの緊密な経済的結びつきを踏まえまして、アジア地域の中での日本の役割について重点的に検討するほか、「知恵の時代」という流れを踏まえまして「知的な側面における世界への情報発信」という課題について重点的に検討いただいてはどうかということでございます。

また、スケジュールでございますが、当面、政策推進部会におきまして、今、述べましたような方向で調査審議を行い、その結果を踏まえて「あるべき姿」策定後ほぼ1年を経過する本年6月末頃を目途に当経済審議会において経済審議会報告を取りまとめることとしてはいかがかということでございます。以上でございます。

〔 豊田会長 〕 ただいま説明のありました、経済審議会の今後の運営につきまして、ご意見、ご質問等ございましたら、どうぞ宜しくお願いいたします。

〔 小林委員 〕 2つございまして、1つは今の「4つの方向に沿って」ということに絡んで、ここまではよくわかりますが、本文の方は第5章のところに政府の役割という部分があって、これは2番目の問題にも絡みますけれども、最近いろいろ議論されている財政再建問題も、もちろんそこで触れられているわけですが、その第5章の部分は今度の場合はどういう形で検討されるのかということが1つ。

もう1つは、もともと「あるべき姿」は2010年あたりを想定してということでありますけれども、2010年に至る道程とか、あるいは前半・後半であるのか、あるいは3期ぐらいに分けるのか。特に「あるべき姿」がこういう形で具体的に検討を始められるということになりますと、いわゆる2000年を含めて当面の3・4年というのがどうかということが、広く国民的には非常に関心の強いところでありますので、そういったタイムスパンの問題についてはどういうふうに考えておられるのか、この2つについて伺いたいと思います。

〔 牛嶋総合計画局長 〕 それでは、まず「政府の役割」でございます。非常に重要な問題でございますので、当然、今回の政策推進部会のご議論の中でも、これらの方向性を実現するために政府がとるべき方策ということについてもご議論がなされるわけですし、その中で、あそこにありましたような政府の効率化等々非常に重要な課題が政府に課されておりますので、それについても検討してフォローアップしていくというふうに考えてございます。

それから、2番目で2010年に至る道筋ということでございますが、これも現状から出発するわけでございますから、2010年に至るまでどういうふうな道筋を踏んでそこに到達するのかということは非常に国民の関心事でもあると思いますので、政策推進部会での検討の過程で、そういう時系列的な動きをどうみるかということについても、なかなか明確に示せるかどうかというところはございますけれども、十分念頭に置いて検討を進めていければというふうに考えております。

〔 堺屋経済企画庁長官 〕 小林委員ご指摘のとおりでございまして、特に、ここにまいりまして緊急経済対策が一応下支えの役割を果たした。去年の秋に経済新生対策ということになりまして、軸足が1年目は景気対策に9割、そして2年目には構造改革と景気対策とを車の両輪として、そして、おそらく3年目には構造改革に重点を移したような形で政策が運用できれば非常にありがたいと考えています。

となりますと、当然、この2000年、2001年、あるいは2002、2003年あたりに新しい1つの社会が現れるということになろうかと思いますし、そういうことを政府としても目指したい。現在、たいへん財政の問題も広く議論されておりますけれども、経済が新生したときにどのような形になっているのかというのが、フォローアップの一番の問題点かと思います。

この4つのテーマのいずれもが同じテンポで進むとは限りませんが、少なくとも全面的に、まず、ここ3、4年のこと、そして10年後のことというような問題意識をもって、この6月頃を目処に審議をしていただければ幸いかと思っている次第でございます。

〔 下村委員 〕 質問なんですが、今の4つの中で、私は特に非常に緊急を要するというか、もちろん、すべてが大事な問題ですけれども、2番目の少子・高齢化、人口減少社会ということに関してでございますが、これはいろいろと対策、高齢者雇用の促進というようなことが書いてございますが、どの辺まで踏み込んでこれを考えるというか、具体的な政策、例えば非常に広い観点から外国人労働者の導入というようなところまで幅を広げて考えるのか、それともあくまでも当面の少子化を何とか食い止めるという方の政策が中心なのか、ちょっとその辺をお伺いしたいと思います。

〔 堺屋経済企画庁長官 〕 昨日も社会保障問題に関する有識者会議というのがございました。その方面からの検討は別途なされておりますが、この少子化対策、これはすぐ来年から効果が発揮されるような方法が発明されたといたしましても、効果が出てくるのは20年先なんですね。従いまして、当然、この問題についてはそれと同時に、それ以上に当面の問題が重要になってくると思います。

その中で、これは少子・高齢化社会に備えるということでございますから、もちろん年金その他の問題もございますが、それ以上に高齢化が進む中で労働人口対扶養人口といいますか、従属人口といいますか、これの比率を一定に考えていく。いままでは年齢で考えて自動的に労働人口が減少して扶養人口が増えると考えていたわけですけれども、それをどのような方法でバランスをなるべく保つか。つまり、高齢者の雇用ができるような、働けるような社会をどのように作るか。これがおそらく1つの問題だと思います。

もう1つは、下村委員ご指摘の外国人移民の問題。これは昨年の7月の答申でもかなりはっきり書いていただきました。その後、法務省などの動きも我々の答申に沿って、2年前には考えられなかったほど前進しております。これをどのような状況で、どのような分野に取り入れていくべきか、これも重要な問題として是非ご研究いただきたいと思っております。

〔 鶴田委員 〕 ただいまの4つの項目の中で、いずれも魅力的なんですけれども、特に3番目の環境との調和という点で、循環型経済社会の構築という方向を出しておりますけれども、大変重要だと思うんですけれども、環境との調和の中での循環型経済社会の構築というのはやや狭いんじゃないかと私は思うのです。経済社会というのはヒト・モノ・カネが循環していろいろ動くわけです。ですから、先ほどから話が出ております少子・高齢化問題、人の問題を中心にした循環型の経済社会とかを含めて、あるいはここには具体的には出ておりませんけれども、お金も含めた循環型の経済社会の構築という、そういう幅を広げた概念での取組みが必要ではないかと思うのですけれども、その辺いかがでしょうか。

〔 堺屋経済企画庁長官 〕 実はこの循環型社会というのは、単に公害を防止するとか、ゴミ処理を上手にするということじゃなしに、社会経済全体としてリサイクル型の社会、それが経済的に継続的、持続的に続く社会を作らねばならない。そのためにはどのような組織、事業、人材、設備、それから技術、そしておそらくその技術を育てるための教育、いわゆる公害防止、自然保護教育だけではなしに、そういった1つの学科としての教育、そういったものがワンセットして必要だと思います。

私どもの研究所では、この高齢化社会の問題と、それから循環型経済社会の問題の2つを国際研究テーマとしまして、鶴田委員のところにもお世話になっておりますが、国際研究テーマを行う。この3月20日には東京でシンポジウムを行うようにしております。

これは長期でございますので、この審議会には直接お役に立たないかもしれませんけれども、我々の問題意識は、そういう高齢化が年金や医療や介護という問題、あるいは循環型社会というのは公害、自然保護、ゴミ処理の問題ではなく、新しい社会の構築だという観点からご研究いただき、その3年、4年後に1つの段階があり、10年後にもう一つの段階があり、おそらくそれより先にまた段階があるのだと思いますが、そういったことでお考えいただければ幸いかと思っております。

〔 長岡委員 〕 大臣の先ほどの話で、まずは経済安定だと、そして構造改革に取り組んでいくんだという順序のように、施策のウエイトをどこに置くかというふうに伺ったのですけれども、今の経済の安定を図っているこの現段階においても構造改革は進んでいると思うんですね。それがあるために、いままでのような景気対策をやって大型公共投資をやっても、大量生産・大量消費時代とは違って、それが直ちに経済成長率を引き上げるということには反映されない。ということは要するにプラスになる面があれば必ずマイナスの面があるもんですから、そこで遅々として進まないような印象を国民に与えがちでございますけれども、その辺は何か知恵を絞って、これからの月例報告でも何でも結構でございますけれども、数値化して説明することが難しい場合であるならば文章ででも結構でございますけれども、構造改革で進むべき分野はある程度進んでいるんだ、出来るならば、その程度が数字で言えるといいですけれども、しかし一方において構造改革の結果変わっていくべき分野でマイナス要因が働いているからこうなっているので、方向としては間違っていないのだ、心配いらないのだという感じをもう少し政府の説明の中にお入れになったらどうかなという印象を持ちます。

〔 堺屋経済企画庁長官 〕 先ほどの挨拶でも、「景気対策とともに各方面での構造改革を進めており」ということを申し上げまして、金融、産業競争力、雇用、労働市場、中小企業政策等々を挙げさせていただき、これは国会でも記者発表でも繰り返し申し上げているところでございまして、金融などはだいぶ合併などございまして目に見えた変化が言われていると思うのですけれども、どうも構造改革には時間がかかるものですから、まだ実感が乏しいことが1つあります。

もう1つは、それに伴ってリストラが起こり、配置転換が起こり、かなりしわ寄せといいますか、そういう苦しい状況に置かれる方もおられますので、なかなか理解が浸透しないという点もあるんだろうと思います。

いろいろな方々から、構造改革をやれという話がありますが、私の感じでは、今の小渕内閣がやっております構造改革は相当なスピードで、各業界では限界、これ以上速めると振動が激しくなってきしみが起こるというところまでいっているんじゃないかという気がするのですけれども、あらゆる面で相当なことが進められていると思うのですが。

〔 豊田会長 〕 いろいろとご意見がございましたが、ただいま総理もお見えになりましたので、いろいろご意見を斟酌いたしまして、ご異論がなければ、先ほど提案しました(案)のとおり、今後の経済審議会の運営を進めてまいりたいと思っております。

それで、政策推進部会の部会長につきましては経済審議会令第6条第3項によりまして会長が指名するということになっておりますので、部会長には水口委員にお願いしたいと存じます。お忙しいところでございますが、よろしくお願いをいたします。

〔 水口委員 〕 よろしくお願いいたします。

〔 豊田会長 〕 部会の委員につきましては、水口部会長や事務局と相談の上、別途決定させていただきます。

ただいま総理がお見えになられましたので、ここでご挨拶をお願いいたしたいと思います。

〔 小渕総理大臣 〕 経済審議会の委員の皆様方におかれましては、ご多用中にもかかわらず快くご就任をお引き受けいただきましたことを厚くお礼申し上げます。今後のご活躍に大変期待いたしております。

特に豊田会長には、会長という大役を引き続きお引き受けいただくこととなりました。ご多忙のこととは存じますが、政府の経済運営を適切なものとしていくために、是非、お力を貸していただきたいと存じます。

私は、「経済再生内閣」と銘打って政権をお預かりして以来1年7か月間、さまざまな政策を大胆かつスピーディーに実施してまいりました。その結果、景気は最悪期を脱し、ほのかな明るさが見えるところまでたどりついたと思います。しかし、民間需要の回復力はまだ弱く、目の前の明るさを確かなものとするため一層の努力が必要と考えております。併せて、経済構造の改革を確実なものとすべく経済新生のための政策の推進に全力で取り組んでまいります。

より重要なことは、我が国の経済社会構造の抜本的な改革であります。この点に関し、昨年、経済審議会からの答申「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」において、我が国の長期経済政策の基本方針として「多様な知恵の時代」にふさわしい「最大自由と最少不満」の経済社会の実現を打ち出していただきました。私は、これを速やかに閣議決定し、その実現を目指しておりますが、今後も全力で粘り強く努力していく決意であります。

経済審議会におかれましては、政策の進捗状況を点検するとともに、「あるべき姿」で示された基本的方針を具体化していくために積極的にご審議をいただきたいと思います。本日は、経済運営全般について委員の皆様から意見をいただける貴重な機会であると考えておりますので、忌憚のないご意見をお願いいたします。

今後とも、各界でご活躍いただいている委員の皆様のお力添えを重ねてお願い申し上げまして、私のあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。

〔 豊田会長 〕 ありがとうございました。

本日は、総理に15分ほどのお時間をいただいておりますので、せっかくの機会でございますので、皆様方、ご自由にご発言をしていただきたいと思います。

〔 長岡委員 〕 皮切りに。ただいま総理がお見えになる前に企画庁長官に申し上げた点についてでございますけれども、いろいろ政府が一生懸命景気対策をやっても、何となく経済成長が緩やかというか遅々として進まないような印象を与えがちですけれども、それは一方において構造改革が進んでいるから、進むべきものは進んでいるけれどもリストラ分野等もあってプラスマイナスすると全体としてはなかなか目に見えて経済が非常に回復してきたという印象を国民に与えないけれども、しかし、基本的には「あるべき姿」というか、向かうべき方向に着実に向かっているのだという点について、もう少し政府が月例報告その他で国民に発表される場合に自信を持っておっしゃってもいいのではないかという意味のことを私から申し上げまして、長官からもお答えをいただいているのですけれども、私は決して今の政策が手緩いとかテンポが遅すぎるということを申し上げているつもりはないので、着実に進んでいるということを印象づけるべきであろうということを申し上げたつもりでございます。

〔 水口委員 〕 私も長岡委員の意見に全く賛成でございまして、昨日のテレビでの党首討論なんかを拝見しておりましても、とかく日本では極論に走りがちだという感じが非常にいたしまして、例えば、昨日の問題を別にしましても、私ども経済界では市場経済ということを非常に強く主張してきておりますけれども、どうも片方では、我々の言うことを、市場主義万能主義でそれはよくないという反論がすぐ出るわけでございますけれども、先日もロンドンでギデンスとかその他の第三の道を言っている人たちと会っても、結局、やはりマーケットメカニズムの良いところをとりながら、それでも足りないところは新しく加えていくというのが本当の考え方だし、その実行方法だと思いますし、企業経営の場合もまず利益を出さなければだめだと言うと、利益至上主義で他のことを何も考えないのかという極論にいきますので、やはり環境問題とか従業員のことも考えなければ利益は上がらないということでございますので、その辺を、今、長岡委員が言われたように、やはり経済再建に向かってやっていると同時に構造改革もこれだけ進んでいるということは、これからの私どもの部会でも十分フォローアップしながら実証的な問題も含めて出していきたいと考えております。

〔 鶴田委員 〕 ただいま、お2人の委員からご意見が出ましたけれども、基本的には私も今の景気情勢は、先ほど総理が言われたほのかな明るさではなく、もっと強い明るさが出ているのではないかと思います。とりわけ、いままで長い間眠っていた設備投資が少し出てまいりましたので、これがこれからの1つの景気回復の起爆剤になっていくんじゃないかと思うんですけれども、ただ消費は依然として停滞しているように思いますので、何とかもう少し消費を奮い立たせるような施策がないものかなと思うんですけれども、そういう時期にもう既に早くも消費税の問題なんかが登場すると、どうも、いつか来た道をまた戻るんじゃないかという心配がないでもないんで、そのあたりは相当慎重に考えていかなければいけないのではないかと私は思っております。

もう一つ、最近マーケットの問題がちょっと出ましたので、その関連で申し上げますと、全般は今の市場経済、順調にいっているんですけれども、ただ一部に妙な価格を出しているような株があるわけです。ご存じだと思いますが、銘柄はちょっと申し上げると具合が悪いから控えますけれども、これは何らかの方法で規制すべきではないかと思うのです。企業の実態と著しくかけ離れた株価が形成されるというのは何かどこかに異常があるんじゃないかということで、どういう方法で規制したらいいかとか、いろいろ問題があると思います。しかし何か考えなければいけない点があるような気がします。時価総額主義ということがよく言われますけれども、こういうものをベースにして取引が行われるということは一体どういうことなのかなというふうに、私はその点が疑問だと思います。マーケットメカニズムを最大限に尊重するということは極めて大事だと思いますけれども、ただ、そこに行き過ぎがないかどうかということ、それはちょっと注意深く見ていった方がいいのではないかと、思います。これは私の私見でございますけれども。

〔 佐々波委員 〕 ただいま、明るさが見えたというお話がございましたけれども、中でもアジア地域での影響が大きいように思うのですけれども、それにつきまして、世界への情報発信という中で、今後とも日本側の留学機会の充実という項目がございますけれども、是非、日本に来ている留学生、もしくは教育機会の充実ということが、アジアでの活力をこの国に取り入れて、より多様性を増すことになるのではないかと思いますので、是非お願いいたします。

〔 師岡委員 〕 総理がおいでになる前に、下村委員から少子・高齢化のお話がございましたけれども、私も大変この問題については、施策の方向性というところについて関心を持っているものでございます。少子化ということと高齢化ということに関しましては、女性がキーワードというふうなこともよく言われるわけでございます。この報告書にもございますように、「あるべき姿」のところに性別にとらわれない社会、そして、知恵を出し合う社会ということがございます。女性の就業率は現在4割程度でございますけれども、ここに社会参画をして、こういった経済の発展にも貢献をするということを考えてみますと、これから女性の社会参加のための環境整備、支援策は極めて重要であるというふうに思っているわけでございます。

参画社会基本法もできましたし、いろいろな検討が進められておりますけれども、さらに外国人労働者というところにいく前に、我が国の中における女性の就労支援ということが極めて大事ではないかというふうに思っているわけでございますが、この辺に対するご見解がありましたらお尋ねしておきたいと思います。

〔 和田委員 〕 今後の4つの課題につきまして、どれに優先順位があるというわけではありませんけれども、環境との調和というところで私どももいろいろな運動に取り組んでおります。そして各省庁も確実にこの問題に取り組み始めていること、それから消費生活者の方もそういう意識が芽生えていることは間違いありませんけれども、今のやり方というのは、どちらかというと、出てきたものをどういうふうにするかということに非常に、今の状況がやむを得ないのかもしれませんけれども、そういうことになってしまっていると思います。

それで、「発生抑制に最大限努力した後に、やむを得ず排出された排出物について」という前提がありますけれども、この「発生抑制に最大限努力する」というのは文章では簡単なんですけれども、現実にこういうものの発生抑制となったときには、なかなか簡単にすむ問題ではありません。それでやはり各省庁の壁を取り払って、循環型経済社会というところを強く目指してというところに、是非、前向きに、積極的に、いろいろな障害はあると思いますけれども取り組んでいただきたいということをお願いしておきたいと思います。以上です。

〔 得本委員 〕 構造改革はどれぐらいのスピードで進んでいるのかどうかということはいろいろな面で判断が難しい面があるだろうと思いますが、特に競争力の回復という視点で見てみますと、例えば企業分割であるとか営業譲渡であるとか、または、いわゆる持株制会社の問題という時に、例えば労働者保護、事前の協議であるとか、そういった点で今度の商法改正の原案でも、そのあたりについて非常に不十分な側面等があるように思うものですから、もう少しこの面では、改革に伴う痛みというのはある面で仕方がない面はありますけれども、もっとその前に納得ができるような事前の協議であるとか、またはそういう面での保護の視点を是非、強化していただきたいと思います。

特に構造改革の問題に当たっては、リストラと非常に言葉が同じような形になって、結局、すぐに解雇だとか、いわゆる人減らし自体が何かあたかも利益に直ぐに直結するというような、そういう風潮が最近いい方向に変わりつつありますけれども、是非やっぱり労働者保護の視点を私はもっと意識していただきたい。これを要望しておきたいと思います。

〔 豊田会長 〕 委員のご発言に対しまして、総理より何かございませんでしょうか。

〔 小渕総理大臣 〕 いずれも、もっともなお考えでございますので、おおいに参考にさせていただきたいと思います。冒頭、長岡委員からご発言がございましたように、一方では景気回復といいますか経済再生をやっておるわけですが、その過程の中で構造改革を進めている。したがって、構造改革の中には、それは経済成長に一時はそれを抑制する力も働くわけですが、それを合わせて最終的に0.6%なら0.6%プラスにできるということが極めて大切だろうと思いますので、昨日の党首討論などでもそうですが、一方に、そうした形で経済構造改革というものがかなり着実に、パーフェクトとは言いがたい点もあるのだろうと思いますが、やっているということも少し説明をしながら、かつ、全体的にプラスの成長をしていくということであるという冒頭のお話、もう少し長岡委員に早く聞いておいて、昨日、しゃべれば良かったと思っているのですけれども、そういうことだろうと思うのですが、出てきた数字だけで問われるものですから。

それから、最後に得本委員が言われたように、構造改革というものについて、もう少しきちっと見直しはしなければならないと思いますし、また、やっていることに注意を払わなければなりませんが、これを両立せしめていくということは可能なことだし、また、それをしなければならないんじゃないかと思っておりますので、大いに参考にさせていただきたいと思います。

それから、留学生の問題等のお話がありましたが、東南アジアに関しては、いわゆる小渕プランというのを出しまして、できる限り、その人材育成という点も含めて努力していくということで評価をいただいております。

それから、日本に来る留学生については、かなりダウンぎみでございましたけれども、ここ1年数字としては上がっていると思っております。しかし、これもしばしば言われていることですけれども、やはり日本に来た場合には、まず日本語の学習に1年余時間がかかる。だから、英語を公用語にするという話も21世紀懇談会でいろいろ出ておりますが、語学の問題も含めていろいろ検討しなければならないと思いますが、数字的には、たまたまアジアで非常に経済がダウンして、したがって日本に来られなかったという、特にマレーシアなんかはそうですけれども、そういう事態がありまして、それに特別のお金を出して処遇したということもあってかもしれませんが、是非、ひとつ、留学生問題、より真剣に考えていかなければならないのではないか。

それから、先ほどの挨拶についてお話がありましたが、これは、私が謙虚なせいかもしれませんけれども、あまり「それ行け、ドンドン」とあまり言うと、またやりすぎだと言われるし、なかなか難しい。言葉は、経済企画庁長官がいろいろ工夫して、毎月の月例報告で発表するわけですけれども、メディアの方もおられますがなかなか難しい。全体をどういうふうに、今の経済状況を表現するかということは難しいことだと思いますけれども、これも国民の皆さんにも勇気を持って前進をしていただかなければならんと言って鼓舞激励もしなければならないけれども、一方では、言葉だけ元気がよくてもだめじゃないかというご批判も生まれてくるので、ひとつ、適切な用語を研究しながら努力をしていきたいと思っております。

ただ、実体的に設備投資のお話がございました。本当の意味で数字を経企庁もとっていると思いますけれども、本格的にこれが出てくれば大変すばらしいことだと思っております。

ただ、昨日も申し上げましたけれども、数字的に見ると、いわゆる広告費といった点ではかなり伸びておりまして、これもある種の先行的指標になるのかどうか、私も専門でないのでわかりませんが、昨年マイナス7、8パーセントだったのが、前年同期で今年はプラスへかなりいっていますから、マイナスからプラスに転じたということは相当大きな数字になっているのではないかということもありますが、消費の面については、いろいろな工夫を生産者の皆さんもされておられるわけですけれども、実際にこれぞというものが、どういうものがあるのかわかりませんけれども、一方で批判されるのは「将来に対する不安があるから財布の紐が固い」ということもありますが、一方で何かそれにふさわしい、お金が出ていくような製品というものがこれからどういうふうに開発されていくのかというような問題もあろうかと思いますが、いずれにしても消費がきちっと確実なものにならないとですね、経済全体の活性化にならないということは言うまでもないことですから工夫をしていかなければならないと思っております。

少子・高齢化の問題について、昨日も社会保障構造に関する有識者会議をいたしまして、非常に活発なご意見が出まして非常に勉強になったわけですけれども、その際も、今のご意見と同じようなご意見も出ておりましたので、いずれのことを言っては申し訳ありませんけれども、来年の1月6日から厚生省と労働省が一緒になって厚生労働省になります。したがって社会保障の問題と労働問題こういうものを、役所としては、今でももちろん政府の部内ですけれども、より一体として考えていく必要があるのではないかという話もございまして参考にさせていただいているところですが、今のご意見も十分拝聴しながら努力していくべきものとして考えております。ありがとうございました。

〔 豊田会長 〕 どうもありがとうございました。

なお、総理、官房長官はご所用のためにここでご退席になります。どうもありがとうございました。

その他、本日の議題も含めまして、何かご意見がございますでしょうか。

特段、ご意見がないようでございますので、本日はこれで終了させていただきたいと思いますが、経済審議会の公開につきましては、従来どおりとさせていただきます。

確認のために事務局から簡単に説明をお願いいたします。

〔 牛嶋総合計画局長 〕 経済審議会の公開についてでございますが、参考資料の1にございます。

現在の形には平成8年3月の経済審議会の総会からなってございます。簡単にご説明しますと、会議の公開でございますが、経済審議会の会議は非公開。ただし、会議の開催日程は事前に公開する。議事要旨と議事録の公開でございますが、議事要旨を原則として会議終了後2日以内に作成して公開する。また議事録を原則として会議終了後1か月以内に作成し公開する。この場合には発言者の名前の記載も行なうということでございます。配布資料の公開については、原則として議事録と併せて公開するということでございます。

先ほども申しましたように平成8年3月の総会から、この形でやらせていただいております。以上でございます。

〔 豊田会長 〕 ありがとうございました。

経済審議会の公開につきましては、そのようにさせていただきます。

また、本日の審議の内容につきましては、後ほど私より記者発表をさせていただきます。

本日の総会で、政策推進部会というものができまして、今後の調査審議を行ないまして、その結果を踏まえまして、この「あるべき姿」の策定、ちょうど1年ぐらいになる6月頃までにこれを終わりまして、経済審議会報告に取りまとめるということと同時にですね、来年度の概算要求にも反映させて実行にゆくように努力したいということでございますので、水口部会長さん、また委員の皆様方、よろしくお願いいたします。

本日は、どうもありがとうございました。

──以上──

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