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第5回人口減少下の経済に関する研究会

議事録

平成12年5月10日10:00~12:00
経済企画庁総合計画局会議室(732号室)
経済企画庁

第5回人口減少下の経済に関する研究会議事次第

平成12年5月10日(水)10:00~12:00
経済企画庁総合計画局会議室(732号室)

  1. 開会
  2. 検討事項等について
    • 人口減少と日本経済
    • 報告書の基本的考え方
  3. 自由討議
  4. 今後のスケジュールについて
  5. 閉会

(資料)

  • 資料1 「人口減少下の経済に関する研究会」委員名簿
  • 資料2-1 「長期マクロモデル」の概要
  • 資料2-2 「長期マクロモデル」のシミュレーション結果
  • 資料2-3 「人口減少と日本経済」に関する補足資料
  • 資料3 「人口減少下の経済に関する研究会」報告書の基本的考え方
  • 資料4   今後のスケジュールについて(案)

「人口減少下の経済に関する研究会」委員名簿

  • 井堀 利宏  東京大学大学院経済学研究科教授
  • 岩田 一政  東京大学大学院総合文化研究科教授
  • 小川 直宏  日本大学人口研究所教授
  • 小塩 隆士  東京学芸大学教育学部助教授
  • 橘木 俊詔  京都大学経済研究所教授
  • 外谷 英樹  名古屋市立大学経済学部助教授
  • 長岡 貞男  一橋大学イノベーション研究センター教授
  • 永瀬 伸子  お茶の水女子大学生活科学部助教授
  • 伴  金美  大阪大学大学院経済学研究科教授

(五十音順 敬称略)


〔 座長 〕 ただいまから、第5回の人口減少下の経済に関する研究会を開催させていただきます。

 本日は、皆様ご多用のところお集まりいただきましてまことにありがとうございます。 本日の検討事項は、人口減少と日本経済についてでございます。5月24日にこの研究会の親である経済審議会政策推進部会における人口減少下の経済に関する研究会の座長報告をする予定ですが、その報告に対して皆様のご意見を反映させたいと思いますので、約一時間の時間をかけて皆様のご意見をお聞かせ願いたいと思っております。

 したがいまして、きょうは2つ議題がございまして、1つは長期マクロモデルによるシミュレーション、それと後半はフリートーキングという予定で進めさせていただきたいと思います。

 [長期マクロモデル]

 では、人口減少と日本経済につきまして、事務局より、マクロモデルのご説明をお願いしたいと思います。事務局お願いします。

〔 事務局 〕 今までこの研究会で世代重複モデルというものと、ORANI-Gモデルという多部門一般均衡モデルによる分析について報告してまいりましたが、今回は現実の日本経済に人口を入れてタイムパスをたどっていく「長期マクロモデル」をご説明します。

 資料2-1でモデルの説明をいたしますと、この長期マクロモデルの沿革は平成8年に経済審議会のもとで東京大学の宮島先生を座長として設けられた「財政・社会保障ワーキンググループ」で国民負担率等に関する検討を行って作成されたものです。

 今回、人口の変化が与える影響をさらに長期の2050年ぐらいまでの分析が可能なように、手直しました。

 これは、人口構造の変化がマクロ経済・財政・社会保障に与える影響を分析するための計量モデルということで、ここに特徴が書いてありますが、①社会保障制度、年金、医療などの改革のシミュレーションが可能である。②人口を明示的にモデルに組み込み、消費関数・労働供給なども人口要因を取り入れて、これは年齢階層別に細かく分けておりまして、年齢階層・性別の変化を取り扱うことができるものです。

 2のモデルの概要というところで若干だけ申し上げますと、これはあくまでも長期の経済の姿をあらわす、追跡するというものでございますので、基本的には供給決定型のモデルでありまして、生産関数にその時点その時点の労働力と過去からの貯蓄の蓄積である資本ストックが入りまして、それがGDPを決定します。

 3ページの制度別部門概要のところで消費性向(消費関数)の説明変数のNO65/POPは年齢別の人口関係の変数です。こういった形で、消費関数にライフサイクルの過程を入れまして、この場合は人口高齢化が進むと貯蓄率が下がる(=消費性向は上がる)といった動きをとらえるものとなっております。

 それから4ページ目以降に労働力率が年齢別・性別にきめ細かく入っています。

 それから8ページ目からの社会保障基金部門で、厚生年金、国民年金といった年金の制度について組み入れております。

 これから、このモデルの舞台となる2000年から2050年にかけての経済社会の見通しについて簡単にご説明します。

 人口が減少していく社会の特徴といたしまして、1つは労働力の方はもちろん減っていくわけでありますが、資本の方が1人当たりで見ますと高まっていきまして、資本装備率が高まるというのがございます。これはもともと日本は高い成長の中で資本装備率というのは、労働者の資本装備率が高まってきたわけでありますが、人口が高齢化する中で、労働力が減る中で、またこれは資本装備率を高める要因になるということでございます。労働力はかなり減少していく中で資本が増えて、1人当たりの資本装備率はこういう形で上がっていくということであります。よく言われますように、労働力の減少というのはトータルとしての制約要因になるということがあるわけですが、資本がふえる、資本装備率が上がるということによってある程度成長を維持する、こういうことになっております。

 それから、このようにストックの方の資本ストックがふえていくわけでありますが、貯蓄をフローとして見た場合は、貯蓄率は下がっていきます。

 しかしながら、貯蓄率が下がっていくと同時に、実はもともと貯蓄をする動機が投資をするためである、そういった投資動機そのものが減っていくということもありまして、その裏では投資の方も減ってまいります。その結果、海外経常余剰が大幅に下がっていくということにはなっていないということでございます。ここには書いておりませんが、例えば住宅投資などはやはり人口の高齢化が進むにつれてトータルの経済に対する、例えばGDPに対する比率は下がっていくということになっております。

 以上モデルについて簡単にご説明いたしました。

〔 座長 〕 ありがとうございました。

 では、この長期マクロモデルに応じたシミュレーションに関して皆さんのご意見、ご質問なりをいただきたいと思います。どなたからでも結構ですから。では委員。

〔 委員 〕 公共部門が持っている資産を時価評価するとします。つまり、国有財産などを民営化して売ったら幾らになるかという計算をやると、評価方法は難しいのですが実はそんなに高く売れないと思います。それから政府の資産ですが不良債権が、どのくらいあるのかという問題があります。例えば直近の数字は解りませんが国鉄の債務というのは一時期28兆円位あったかと思います。それで同じようなものを足すと結構100兆か 200兆ぐらいになってしまうのではないかと思います。あと社会保障基金ですが、積立金残高があるように見えるけれども、実はそれは将来の偶発債務を考えれば実はマイナスではないか、それらを考慮すると本当に足もとでもPHP研究所の推計したネットの政府債務残高517兆というような計算になるのではないかと思います。

 年金掛金や医療の保険料などの公的な負担の想定をどう置いておられるのか、それをどのくらいに見ておられるのかというのが1つ目の質問であります。

 それから、2つ目の質問として、金利が一応内生化されているように思うのですが、モデルの式を拝見すると余り説明力がない。貯蓄投資ギャップで基本的には説明されているように見えるのですが、余り頼りにならない金利の決定式になっているのではないかと思います。金利水準は、対象の将来の債務予測と支払能力から決まりますので、今は国債の10年物は1.7%近辺で推移しているのですけれども、現状は国債バブルであり、高すぎる価格がついていると言っている人もいる。株式の方も高過ぎる価格がついている株がたくさんあります。それでハイテク株がこのところ、アメリカのナスダックが下落し、日本はもっと下落した。それと同じように、今の国債の金利が低過ぎるといいますか、もちろんゼロ金利政策とかという政策で一応何とか支えているのかもしれませんが、でもそれは本当に国債の価格がファンダメンタルプライスなのかというと、少し危ないのではないかと思います。そうすると、その金利が仮にこれで少し倍のレベルに行くとか、今想定されているのは何%か私知りませんけれども、そういうふうになった場合には、例えば一般政府の財政収支というのはもっと悪くなるのではないかと思うのですね。

 ですから私はむしろ、社会保障基金の話もありますけれども、金利がどういうふうに動くかというのが、本源的赤字がどのくらいになるのかということに関係があると思います。つまり例えば金利が今の倍の水準になったらどのくらい悪くなるのかというような問題があるのではないかと思います。

 2番目は金利についてどういう想定なのかという質問で、最初の方はコメントです。

〔 事務局 〕 年金基金への公的負担については、モデルの中で定義式的にこうなっていると思いますので、詳しいことは省きますが、社会保障基金の分は一般財政がかぶっているというような形になっていると思います。

 それから2番目の金利ですが、これは一般財政の方は金利が高いほど赤字が膨らみます。一方、社会保障基金の方は金利が高いほど運用益が上がる形になっています。社会保障基金の資産残高と一般財政の負債残高では一般政府の負債残高の方が大きいこともありまして完全な形ではないのですが、両者足し合わせればかなり相殺し合う形になります。

〔 委員 〕 今のお話の関連なのですけれども、何年か前、経済審議会の研究会で出された試算は非常に暗い将来が描かれていて、例えば潜在的国民負担率とかいうのを見ても、確か2025年で75%でしたっけ、どうしても内容の暗い数字になっているのですけれども、やはり今回の年金制度改革で説明できるということなのでしょうか。あるいは逆に言うと年金制度改革なかりせば、それはないと仮定して、昔の制度で今回のモデルを回すと非常に悪い結果が出るのだけど、新しい制度に直したからこういうふうになったというふうに解釈してよろしいのでしょうか。もしそれだったら非常に結構なことなのですけれども。

〔 事務局 〕 確かにまだ昔の制度でシミュレーションしてというテストはやっていないので、どの程度が今回の年金制度改革によるものかというのはテストし切っておりません。かなりあるだろうということは考えられます。ただそのモデル自体を4年前に回したときとは変えていまして、2050年の長期に回るようないろいろの手直しをしていますので、単純な比較はできないというのが実際のところです。

〔 委員 〕 普通、金利を貯蓄投資バランスで推計しますと非常にモデルが不安定になる傾向があると思うのです。長期の場合は資本の限界生産力で推計すると非常に安定した結果が得られるのですけれども、ISバランスとつなげると深刻な将来が描けるか、あるいは非常にむちゃくちゃバラ色な将来が描けるか、どっちかなんですけれども、前回の経済審議会で出された試算というのは金利が恐らく悪い方に働いて悪い結果になったと思います。

〔 座長 〕 ほかにございませんか。

〔 委員 〕 非常に長期のモデルを非常にうまくコントロールされている感じがするのですけれども、ただ先ほど先生が最初にご指摘された金利の問題というのは、先生の領域なので私のような素人が言うあれではないと思うのですが、金利というのはそんなには重要ではないのではないかなという気がするのですね。ただここのモデルが多分重要になるだろうというのは、それがいいのかどうかわからないのですが、ISバランスの中の海外のバランスがある意味では変化し得る。通常いわゆる長期のモデルはそこを多分フィックスしてしまっていて、ある意味では為替レートをフィックスして、ある程度金利を内政的に動かすかという形になると思うのですが、今金利も動いて、かつ海外バランスも動いているというときに、今のこのシナリオを見ると少しわからないところがあるのですね。

 私は個人的には日本の経済を少し明るく見ているのは、いわゆる純資産残高です。国内的には悪いのですが、海外的にはどんどん増えていて、それがもう円高がどんどん今の並に推移するとすれば確かにこれでいいと思うのですけれども、恐らくもう打ち止めに近くなると思います。そうすると基本的には資産残高の増というのは外からのネット関連株等への投資。今も、かなり大きな比重で入ってきています。それが経済をカバーしてくれる。そういう側面がここ少しなって、そこのところの数値、つまり為替を聞かないとこれはわからないのですよね。だけど、少なくとも海外経常余剰から出てくる、あるいは海外資産残高から出てくるリターンというのを考えなきゃいけない、これが第1点。

 それから、さっきの金利が重要でないというのは、金利というのは基本的には国際的なことを考えれば、さっきの海外バランスを一定にしない限りは基本的には幾ら政府が赤字になったって、赤字になって金利が上がればそこから入ってきて海外摩擦が悪化するだけですから、そこら辺、自動調整メカニズムが働いてしまうので、それほど僕は思ってはいないのです。

〔 委員 〕 ちょっと済みません。今金利のお話ですのでちょっと補足させていただきたいのですけれども、私の申し上げたのは、余りモデルの内部での長期的な金利の問題というよりは、ある意味で足もとの問題を私は関心があって、それでそういうことを申し上げた。つまり今銀行は貸付を積極的にやらないから預金は国債購入に回されています。それでものすごい安い金利すなわち高い価格で国債を購入しています。それが例えば金利が2倍か3倍ぐらいに跳ね上がったときにものすごいロスがまた銀行部門に生ずる。2日前に知人と話していて、その知人はそういうふうに金利が上がれば銀行はまたロスが膨れ上がってもう一回国有化をやる。それで国有化を終わってそれを抜けたらようやく日本はよくなるという、そういうお話だったのですが。(笑い)つまり非常に足もとのところで危うい問題があるということを申し上げたかったので、モデルでの金利式とは別の事を申し上げたのです。ただそれでも重要で、足もとで例えば金利が上がると財政が将来赤字が悪循環に拡大するのではないでしょうか。マーケットが予測した場合は、やはりそれが実現するという、株なのかと同じですけれども、金融の世界というのはそういう世界なのではないかと思います。以上です。

〔 委員 〕 このモデルで、2050年まで回すのはどうしてか。2025年ではなくて2050年というのは何か意味があるのですか。

〔 事務局 〕 これは大変重要なご指摘だと思うのですが、人口が増加時代から減少時代に変わるというのは大体100年ぐらいかかる。1950年ぐらいから、今想定される定常状態のようなのは2050年ぐらいに、団塊ジュニアが死亡する時期に大体終わるというふうに想定されていて、1950年からの前半の40~50年は人口は出生率が減少し始めてから生産年齢人口比率が上がっていた時代である。これからの2000年からの50年というのは下がり始める時代で、どこかで定常状態に達する、ちょうどそれが2050年ぐらいというのがありまして、最後に団塊ジュニアの波動が2030年代、40年代にあるのではないかということがあったためにそういう2050年ぐらいまでを想定したということでございます。

〔 委員 〕 人口推計からいくと、確率モデルなのか最近研究されていますけれども、ものすごくエラーが多くなって急激的に幅が大きくなってくるわけですね。だからその辺の選択が難しくて、アメリカも基本的に推計をやらなきゃいけないのじゃないか。今日米の共同のエージングのアジェンダでもこれが取り上げられていまして、この辺が1つポイントになると思っています。

 それから、もう1つは、よくわからなかったのは、3ページの消費性向のところに初めてこの式を見たのですけれども、高齢者の中で働いている人の割合が出てくる、これはどういう概念からこういう式が出てきたのですか。高齢者で働いていると消費性向が下がるということですか。

〔 事務局 〕 ちょっとこれは古いのが残っている可能性がありまして……。

〔 委員 〕 これは初めてこういう式を見たので、これはどういう経済的な根拠か理論的な根拠があってこれが出てきたのかなという印象なのです。

 それからあと全般的に、人口経済学者がやるようなモデルとちょっと違って、本来人口の構造をつかむのだったらもう少し人口の変化をセンシティブにとらえるようなスペシフィケーションがかなりいろんなところで考えられると思うので、ぜひその辺を。例えば具体的に労働力のところを申し上げますと、65歳以上の労働参加率を各年齢グループを足してきて掛け合せてやっていますけれども、この65歳以上の年齢構成の労働参加率そのもの自身が高齢者の年齢構成で影響を受けてしまうわけですね。ですからそういったモデルの矛盾がいろんなところで出てくると思うので、もしも今回のこのモデルの売りが人口の年齢構造をつかまえるということであればもう一回その辺をチェックされた方がいいのではないかと思いますけれども。

 それからもう1つ、どなたかが前に言っておられて、おもしろいなと思ったのは、ヒューマンキャピタルとフィジカルキャピタル両方ありますよね。このヒューマンキャピタルのエージングというのはつかまえられると思うのですけれども。

 それからもう1つ、前回も申し上げたのですけれども、ウエルスがふえてきますよね。堺屋太一さんによると、このウエルスが日本の救世主みたいになるというようなお話がスピーチの中にありました。それがどういうふうに実際にモデルの中で今回生かされているのかなというのがちょっとわからないのですけれども。ウエルスが日本の社会の中でこれから50年間どういうふうに変っていって、それがどういうふうに経済に影響が出てくるかというのをつかまえるとおもしろいかなと思っているのですけれども、ぜひやっていただきたいと思っているのですけれども。

〔 委員 〕 その追加でいくと、だからさっきのお話で、多分これはすごい円高を想定しているので、そうすると円ベースでは確かに悲惨なのだけれども、ドルベースではすごいウエルスが高まっていますので。

〔 座長 〕 この長期マクロモデルはつくったときは、私の記憶によると、とにかく将来の社会保障負担がどうなるかということを調べるのが最大の目的だったのですよ。

〔 委員 〕 それじゃ、ついでにちょっとお願いしたいのは、今後、僕はこれは非常によくできたモデルだと思うのですが、何も年モデルでやる必要ないのですね。5年を1つの区切りとしたモデルでやるべきだろう。大体その間隔の方がいいのではないですか。これは1年ごとにやっているからちょっと無理があって、さっきの人口の問題でも少しこのやり方は難しい。僕もよくやりますけれども、難しいのではないか。5年区切りでやればそれだけは完全に世代ごとに分かれていきますから。だから50年という長期のモデルの場合には何も1年ごとにやる必要はなかろう。環境モデルの場合は例えば20年とか25年、50年も1つの区切りでやるので。それをやると随分方程式も、あるいは説得力ができる。

 それから、賃金の話ですが、1ページと2ページのところ、2ページの上に雇用者所得の決定式があるのですね。これだとボラリティーが 0.88なのだけれども、結局その前の潜在GDPを定義するのはコブダグラスでされているのですね。だから本当はちょっとインコンシステントなのです。だからここまでされるのだったら、2-1のをやって、本当は実質のところをPSでやればいい。

〔 事務局 〕 ちょっとこれも、申しわけありません、資料が古くて、定義式的に変えていったと思います。そうしないと長期にずれていく。古いのが残っていたので。

〔 座長 〕 では、ちょっと何か言いたそうなので。

〔 委員 〕 4年前との比較の話が委員の方から出たのですけれども、社会保障の改革が今度あって、それを入れられたということなのですが、それは社会保障基金に関してはかなり効くと思います。しかし直接の収支としては年金にはもちろんプラスとマイナスが効いてくるわけですけれども、それ以外のところはそうじゃなくて、例えば貯蓄性向とかいろんな形で間接的に効いてくるはずで、そこの効果がそれほど4年前と比べて極端に変わるほどの効果をもたらすというのはちょっと理解できなくて、それは多分前提が違うのではないかという気もするのです。

〔 事務局 〕 政府支出についての前提というのはちょっと違う可能性がありまして、今回公的資本形成の中に実質横ばいというふうに見ていますので、それでもかなり伸びといいますか、ストックはすごいように伸びていくわけですけれども、それがその改善になっている面があるということと、それからあと、これはちょっと原因を調べようがないといいますか、アウトプットで見るしかないのですが、マクロの部分も変えておりますので、そういうのが微妙に影響している可能性がある。

 ただ、4年前は金利が途中から猛烈に上がるというような形になっていて、それが一般財政の赤字を雪だるまにしていったというのはあるのですが、今回はそういう形にはなっていない。

〔 委員 〕 これはちょっとわからないのだけれども、年金の改正をしたときに、今回物価スライドしているけど賃金スライドは基本的にしていませんよね。今回ウエイジをアジャスとしてない、どうも式の中に何かウエイジが入っているような感じがするのだけれども。

〔 事務局 〕 この式が最新なものかどうかというのはちょっとあれですけれども、基本的には物価スライドです。

〔 委員 〕 法律ではね。

〔 事務局 〕 ただ、先の方にいくと、それまでの8割という下限のところですね、そこに張りついて賃金スライドになっていくという姿になっていたのではないかというふうになっていく可能性はあります。

〔 委員 〕 今回の法律ではそういうのも、一応賃金スライドしないでプライスだけでいくというものであったと思うが。

〔 事務局 〕 プライスでいくのですが、それでももともとウエイジアジャストでいったパスに比べて2割以上下がった場合はまたウエイジの方につくという形ですので、先の方に行きますとだんだん所得がふえてきますから、賃金スライドの方についていく可能性はあります。

〔 委員 〕 そのメカニズムはここに入っているのですか。今回の中に。

〔 事務局 〕 少なくともそれを入れています。

 [経済審議会政策推進部会報告について]

〔 座長 〕 次の話題に移りたいので済みません。経済審議会政策推進部会において人口減少下の経済に関する研究会で我々の報告をする事になっています。そのための皆さんのご意見を聞きたいと思いますので、それに移らせていただきたいと思います。

 事務局の方で人口減少下の経済に関する研究会の報告書の基本的考え方というのをまとめていただきましたので、これをもとに皆さんのご意見をお伺いして、これからの1時間はちょっとフリートーキングをさせていただきたいと思います。

 それで、たたき台として事務局から出ておりますので、それを簡単にご説明していただきたいと思います。

〔 事務局 〕 今、座長からございましたように、5月24日に経済審議会の政策推進部会というのがございまして、そこでこの人口の研究会の報告をするということがあると同時に、6月10日ごろに第6回の研究会を開催したいと思いますが、6月をめどにその報告書をまとめるということで考えております。その件もあわせていろいろご相談したいということでございます。

 このページ自体は報告書の考え方、どういう方向でいくかということをディスカッションしていただくためのものでございまして、まず報告書の目的ということですが、日本経済の姿を展望する、人口減少が予想される日本経済の姿を展望する、それで長期的な政策の方向生を探るということでございますが、この報告書の方は基本的には展望の方がややウエートが大きくなるだろうということで考えております。

 それから検討対象期間は、今モデルでも2050年まで申し上げましたが、そういったことまで視野に入れた期間になるということでございます。

 基本的な認識ですが、これは人口減少をどの程度楽観的に見てどの程度悲観的に見るか、こういうようなそれぞれの見方もあるかと思いますが、私どもの方の考え方というのは、人口減少、高齢化というのは労働力人口の割合の低下、高齢者の費用負担の上昇、あるいは組織、意思決定の硬直化、そういったことによる活力の低下を招きやすくなり、経済成長や生活の向上等に対して制約となる可能性があるということでございます。

 もちろん、そのような制約を緩和することは可能でありまして、社会経済システムを新しい人口構成に対応したものに変えていくということで、それが重要であるということでございます。

 さらに、ただそれだけでカバーできるかということで、生産性の向上のようなものはやはり必要なのではないかということでございます。先ほどモデルでお示ししましたが、TFPが0の世界ではああいうことも起きてしまう。これは財政プロパーの問題もございますけれども、人口の問題も絡んでああいうことになっていくということで、こういう認識でございます。もちろんいろんな対応をするわけですが、少子化の問題にも気を配っていく必要があるだろうだろうということでございます。

 それから2ページ目に、これはもうたたき台といいますか、素材ということですが、これまでの研究会で私どもが出してきたもので、7項目ぐらいの、これはどちらかといいますとこの研究会の報告等のベースとなる7つのファクトといいますか、予測されるファクトといいますか、そういったものがあるということで書いてあります。

 最初の2つがどちらかといいますと高齢化、人口減少というのは著しいという面を書いてあるわけでありまして、労働力人口の減少、これはもういろんな制約になるということで、その制約をどうするかということでございます。

 それから2番目、これは高齢者の費用というものはやはりいろんな意味でかかるということでございます。これは第2回目、第3回目の研究会などでいろいろその数値をお示しいたしましたが、やはりトータルとしては人口減少で高齢化が進んでいる時期の方が社会的なコストというものはかかりやすいということでございます。どの程度という点はいろいろあるかと思いますが、そういうことでございます。

 それから3番目、4番目は、どちらかというとそういったマイナスに出やすい問題をオフセットする方向でして、労働力の方は何となく少なくなっていくけれども、資本が出てきたりあるいは労働節約型技術の方が出てくるだろうということであります。

 それから4番目は、国内が仮にそういった投資機会がなくなるというようなことがあったとしても、海外にいろいろ出ていけばそういった機会はある。言ってみれば資本の豊富な国が労働力の豊富な国に資金を提供してそこから収益を得るということで、相手にとっても世界経済にとってもプラスになる、こういったことでございます。

 それから5つ目の予想されるファクトといいますか、これはリスクというふうに考えた方がいいと思いますが、人口減少化になって経済成長が低くなる可能性は当然ある、トータルとしての可能性はある。そうなると先ほどのシミュレーション結果にもありましたように政府の負債の膨張を招きやすいということがあるのではないかということでございます。こういった意味では、やはりトータルの経済成長みたいなものが何らかの形で全体のウエルフェアようなものにもかかってくるという1つの例かと思います。

 それから社会保障制度については、これは財政の方もそうですけれども、あとの世代がどんどん少なくなっていくときにいろいろな負債を残したり、あるいはあとの世代に負担を、少なくなっていくところに余りかけると、これは非常にいろんな問題が出てくるのではないかということと、それからこれからどの程度少子化になっていくのかというのはわからない、わからないだけにそういったリスクがある。先ほどお示しした年金制度の問題につきましても、やや前提が楽観的な材料などもあるということを申し上げましたけれども、団塊ジュニアが高齢化するときにはやはり次第にその残高というのは減る方向になっていくということで、さらに少子化が進んでいった場合、やはりいろんなリスクが残っているのではないかということでございます。

 以上の状況の中で、やはり成長を高めることができればいろんな問題を解決できるのではないかということがモデルの結果としても出てまいりまして、そういったマイナス面を打ち消してリスクを軽減できるようにいろんな構造的な改革を進めていく必要があるのではないかということでございます。それから、前回もシミュレーション結果をお示しいたしましたが、IT分野に期待したいということでございます。

 以上が主として経済の生産面、供給面にかかわる話でございましたが、7番目として需要面、巨大なシルバー市場ができるだろう、これは先回、金融資産などが60歳以上の人が全体の金融資産の7割近くを占めるようになるというような外生シミュレーションの数値をお示ししましたけれども、そういった巨大なポテンシャルに対してどうしていくか、そういう問題があるだろうということでございます。

 以上、これは7つのベーシックなファクトということでございますが、いや、この7つではなくて8つ目がある、あるいはこの7つをめぐって政策的な意味合いとしてはこういうことがある、そういうことなのかもございましたらいろいろご議論いただきたいということでございます。

〔 座長 〕 ありがとうございました。

 この研究会の目的というのは1つは少子・高齢化が進行しているので、将来の展望、どうなるであろうというような予測が1つあるけれども、それはいろんなモデルに基づいてこうなるであろうという予測を出すのが我々の1つの大きな目的でありまして、それはいろいろやっていただいた。

 2番目は、そういう予測をもとに少子・高齢化というのが、ここのトーンはやや楽観的な見方にとらわれているという批判もあるかもしれませんが、そういう状況のもとで将来の展望、これでいいのか、これでよくないならどういう政策があるかというようなことも当然出てくるわけでして、その辺の印象を皆様委員の方の個人のご意見を今からお伺いしたいというふうに思っておりまして、それを踏まえて我々この研究会で展望と政策というのをまとめていきたいというふうに思っております。

 それで、先ほど太田さんが言われたように7番目の問題以上に8番目、9番目、10番目という問題もあるのではないかというような指摘も含めて、皆様将来の世界がこのような楽観でいいのか、いや、悲観の方がおれは自分の趣旨に合っているよという方もおられると思うので、1人ひとりのご意見をお伺いしたいというのがこれからの目的であります。

 先ほど、意見をちょっと置いたので、あなたはこういうような楽観でいいと思う、それともいやもっと悲観した方がいいという、どちらのご意見ですか。

〔 委員 〕 先ほど申し上げようと思ったこととあわせて申し上げます。モデルの中で女性の動きというのは明示的に取り入れられているのかということです。年齢階級別の労働力率を与える、という形でのみ入っていると思いますが、それ以上に、女性の行動が人口変動・労働率力・社会保障会計に与える影響とその相互依存関係は大変大きいと思います。人口に関していいますと、就業構造基本調査の82年と92年を少し調べたところ、20歳から34歳の既婚者を分析しようと思うと、82年ですと女性人口の64%が既婚者に該当し分析できたのですが、92年ですと47%に落ちてしまっていました。97年の就調をまだちょっと見てないですけれども。92年時点では女性既婚者のみ分析では、一部のサンプルのみしかカバーしないというふうに急速に変化しています。女性の晩婚化が見て取れます。もっとも44歳まで広げますと82年と92年であれば、既婚者割合はほぼ同じでした。

 ですが34歳時点で見ると大体15%ポイントぐらい落ちてしまっていて、そのことは、人口減少につながっています。なぜなら、出産年齢が上がれると、出産率が下がるという関係があり、日本のデータでもそうした傾向が見られるからです。

 次に、女性の未婚時代が長くなり就業継続期間が増えれば、社会保険上にも変化が引き起こされます。例えば厚生年金加入者である可能性が高いわけで、厚生年金の受給権者となり、その一方で保険料の負担者になる期間が伸びるということでしょう。一方、出産することと第3号被保険者となるということも非常にリンクしています。第1子3歳未満の家事専業者は大変多いですから。

 また非婚のまま年齢を重ねると、社会保険上どうなるか、というのを92年データで見ますと、独身者であっても女性、30歳代後半、40歳代を見ると、正社員の比率が大きく落ちていたと思います。つまり、社会保険の定義で言えば第1号被保険者が増えるということでしょう。就業状況と第1号、第2号、第3号というのがリンクしており、それぞれで給付も保険料も違いますので、女性の行動は、社会保険上、随分違った影響を与えることになります。

 ですから、そういった女性の結婚、出産、就業形態選択を含めて、女性のライフサイクルがどう変化するかは、人口の影響へも労働力率の影響へも、社会保障の影響にも大きいわけで、ここを少し取り上げる必要があると思うのです。

 また労働力率とういう面でも、結婚や出産行動が大きい影響を与えます。未婚者の労働力率は、大体8~9割くらいと高いですが、結婚するとがたんと5割程度に落ちる。子供が生まれてなくてもがたんと落ちて、さらに出産し、長子0歳だと大体2割程度に落ちる。次に子供が成長していくと、子供を持たない女性よりも、持っている女性の方が、私には意外だったのですが、中年期の労働力率はより高くなります。おそらく子を持たない場合よりも教育費等の負担があるからしょうか。子どもが2人いる世帯の妻を見ますと、40歳くらいになると、おそらく末子が10歳から中学くらいになっていると思われますが、子供がいない同じ年の既婚女性よりも労働力率が上がるのです。もっともどの程度本格的な就業か、という点で見ますと(非課税限度内かどうかなど)また随分違う姿となるでしょうが。

 そういう意味で、モデルの社会保障部分を見ますと男女合わせてた人口比率でのみやっているようであって、不十分という感じがします。それから、厚生年金の受給権者の統計をどうやって出されているのかわかりませんけれども、もし雇用就業者数で出しているとすれば、雇用就業者の全員が厚生年金でありませんから、女性の場合例えば既婚者の3割ぐらいは第3号で働いていますから、その辺もやや違うし、また将来の制度のあり方によって、ここは変わりうる部分だろうと思います。

 また、分析を見ますと、年金の新・旧制度でどう、といろいろやっていらっしゃいます。77年から97年の実際の実績ベースや、受給権者数というのは社会保険庁の統計から実数を取っていらしたのでしょうか。おそらく人数をとるのも、わかりにくい統計の中でとても大変なのではないかなと想像します。また確か86年から表示が変わりますので、人数が男女別にとれるのかどうか。ですから統計をとりそろえるのも大変だっただろうとご苦労を思います。ですが、せっかく、データをとったのであれば、もう少しケースを分けてシュミレーションをしてみたらどうでしょうかとも思います。

  50年先のシミュレーションの結果というのは、すごくぶれるでしょう。ちょっとした加減で終着点は大きく変わるだろうという気がします。ですので、やはり10年ぐらいの単位で、こういう制度だったらこういう結果になるかもしれない、ここの制度を変えて、その結果こういう行動が起きるとすれば、こういう結果になるかもしれないというのを、女性の出産行動と労働力率でありますとか、それから社会保障の諸制度の中のどこに女性や世帯がどう入るのか、あるいは社会保障制度自身をどう変えるとどうなるのか、というったケースも入れた上で、シミュレーションによって、差異を示すことにより意味があるのではないかなと思います。

 いただいた推計は、私が理解する限りではほとんど制度の変化は想定しておらず、10年先まで延ばしたというように見えます。そして労働力から非労働力への出入り、出産するかそうしないかとか、そういう出入り、さらにそうした行動に影響を与えうる政策変数等はほとんど明示的には扱われておらず、外生的な現在の労働力率のカーブに従い、労働力になったりならなかったりするという形で扱われているように思います。もちろん推計上のさまざまな制約がある中でこういう形になっているとう面もあるのではありましょうが。

  将来は悲観か楽観かという座長の質問に関して言えば、どっちにも十分なり得るようなおおいに先の将来だと思っております。ただし、今のままで変わらないとすると悲観ケースとなりうる、いろんな問題が起きると思います。そして82年から92年の就調のデータを見た限りでは、晩婚が進んだだけで、夫婦間の分業といった家族の姿はたいして変わってないことがわかります。結婚時期が後ろにずれただけで、そのほかの基本的な形というのは変わらないままに、出産年齢も上がったし出生力も落ちたという形のように見えるのです。今後も変化がないままに10年を延ばしたら私はすごく悲観的なケースとなると思います。ただ人間には大きい叡智があります。うまく変化を誘導すれば、悲観ではないケースに行く余地と可能性は十分にあるのだろうと思うのです。そこのところを具体的に、こういうケースとこういうケースとこういうケースというのを3つぐらいを示した方が私はいいのかなと。というのは、50年先の確実な予想などは、いくら一生懸命やってもわからないだろうと思うのです。ただ起こすべき変化の方向があるとすれば、それを見て知るということに意味があるかなと。

〔 座長 〕 委員の言われたいことは、ここでいろいろ我々がモデルをやっているのは、女性の労働力率だとか出産とか、そういうことをエクスプリストに考慮をしてないと。TFPとか金利だとか外国との労働力の移動とかをやっていて、本質に入ってないのではないかと。少子・高齢化が基本の問題は女性の労働力参加と出生率がどうなるかというのが一番大事な問題であると。それを無視してやっているのはナンセンスだというのが言いたいことですよね。これは我々に対して大変なチャレンジングな質問で、それをどう答えていいか私としても全くわかりませんが。

〔 委員 〕 先だって、86年と97年の女性の年金の加入状況を見て比較したのですが、受給権者の構成もほんの10年で大きく変わっていました。家族従業者が減るといった就業構造の変化も反映していますが、話題の第3号被保険者の割合も変わっていて、予想外に増えていました。

 当然のことながら男女の年金受給額の差もあります。今後男女賃金格差等が現在よりも縮まるかもしれませんが、92年データを見た限りでは、年齢が上がると、未婚者も意外と非正規に移ってしまっている。そういうようなところをもう少し明示的に考慮してみないと、晩婚、非婚化が社会保障会計にどう影響するのか、会計に対してプラスに支出する人なのか、それともマイナスなのかというのはわからないでしょう。それに出産・育児ということ自身は、年金保険会計上、まったく外生的なものとして扱われているように思います。ですが保険料の拠出のようなものとして、出産を評価する方向に制度改正をすると、出産行動自体もかわる可能性がないわけではない。それを言うと、年金の掛金と受給額との対応関係を独立のものとして計算している人には怒られるのです。それは違う、出産と、保険料拠出は全く違う話ではありませんかといって叱られてしまいます。でも賦課方式の色彩が強いのですから、経済全体で見れば、労働力人口を育てたという時間とお金の支出は年金制度への拠出だと私は思うのです。そこのところをリンクしたら、どうなるか、というのはシミュレーションされても良いかもしれない。

〔 座長 〕 わかりました。大変重要な指摘なので、これは事務局どうされるか。事務局、何かありますか。彼もなかなか答えがないと思いますので。

〔 総合計画局長 〕 今のお話をこの中間報告までの一月の間にここの中に入れていくというのは恐らく現実問題としては無理です。むしろこれは最終報告の年内までの課題であり、このそもそも今のシミュレーション自体もやっとモデルを動かして出している状況で、もっといろんなご意見をいただいたようなことも入れて、もっとこれから整理なり中身の検討をしていかなければいけないので、恐らく今回中間的なまとめですけれども、年末までに最終的には最終的なまとめもしていくわけですから、その過程の中でおっしゃったようなことが、本当にこのモデルケースで扱える話なのかどうか、ちょっと私もデータの整理とか、いろいろありますからわかりませんけれども、問題意識で入れられるような形があれば入れていって、おっしゃったような制度の変更とか行動の変更がどう結果に影響してくるかというのは、それこそ多分そのモデルのシミュレーションをやる意味もある問題でしょうから、非常に重要な論点だと思いますので、受けとめて最終報告書のまとめのときまでにどうにかに反映させたいと考えています。

〔 座長 〕 局長の答弁でほとんど満たされると思います。12月が最終報告なので、来月の中間報告では、これはもうちょっと無理だと思います。でも、こういう問題があるということだけは私も書いていますので、ぜひとも当日経済審議会の中で話したいというように思っています。

 ほかの方、楽観論、悲観論、個人的な意見で、最初にすごいのが出てきたので、ちょっとみんな、いかがでしょうか。

〔 委員 〕 いいですか。

〔 座長 〕 悲観論、楽観論、どっちですか。

〔 委員 〕 3つほど申し上げたいのですけれども、まず、楽観、悲観という前に、目標の置き方なのですけれども、つまりGDPだけを見るというのが本当にいいのかというのを私、最初のときからそういうのは問題提起をしましたが。つまり豊かだというのはどういうことなのかと中身が問われているのではないかと思うのですね。だからGDPが1%ふえるのは、あるいは2%になるのか 0.5%なのか、あるいはもしかしたら0%、だけどそのときに人々がどのくらい生きがいを感じていて、しかも豊かさを感じられるかということの方が本当の問題なのではないかというふうに思うのですが、やはり日本がGDP至上主義で戦後ずっと走ってきて、ここまで一応到達してしまったら、後、次の目標がなくなってしまったのだと思います。

 それで、その問題は実は、今問題提起された出生率と私は関係あると思っていて、つまり生きがいがないのではないですか。つまり子供をつくってやっても別にいいこともない、おもしろくもない。社会生物学のドーキンスやウイルソン、ああいう見方からすれば、要するに子孫の数を増やすことが生物の本能だ、30億年も遺伝子はそうやって生き延びてきた。そういう見方からすれば、福祉国家や安心国家というところに達した国は、そういう意欲が基本的に失われるのではないですか。でも人類全体としては増えているので、社会生物学的に言うと人類全体として考えれば数が増えているからいいかもしれません。やはり生きがいとかあるいは生き残った方が、自分の子孫がたくさん生き残った方がいいという、その意味でのオプティミズムというのですかというのが失われているというのが本当の問題なのではないかという気がするのです。

 そんなことを言っても全然役に立たないのですけれども、それは例えばGDPだけで見ているとそういうことはつかまえられないのだと思うのですよね。私は政府がいろいろなことをおっしゃっているのは、GDPではかられないこと、例えば潜在能力ですとか、あるいはパーティシケーションとか、産構審などでも、例えばNGOの活動とかNPOとか、そういうのが2020年には2倍か3倍か、そういうふうになるというでしょう。だけどそのNGO活動とかはGDPに余り入らないのですよね。環境保護のために一生懸命労働力、労働時間を使っても、目に見える生産物などないです。お金だって別に入るわけではない。だけどその方が、生きがいがあるというのですか、お金、給料が減ってもそっちの活動をやった方がいいというようなことがやはりあるのではないですか。つまり生きがいの問題だと私は思っているのですけれども、ですから出生率が下がるというのはもちろん就業構造と就業条件と何かミスマッチがあるというのは、1つは明らかにそういうことがあると思うのですね。

 それが私の言いたい2番目で、不平等の問題というのですか、これも政府がそういうことを一生懸命いっていると思うのですが、パーティシケーションというのも、それはやはりイコール・パーティシケーションが必要であって、今の日本はそういうことがちゃんと保障されてないから、つまり潜在能力を発揮できないような状況に置かれているのではないかと思うのですね。ですから、それは男女のイネクォーリティーの問題もあるし、年取った高齢者と若い人のイネクォーリティーの問題もあるし、それから外国人と国内の人との差別というのかな、何か不合理な差別が日本はやはり随分残っているのではないかという気がするのですね。それはやはりポテンシャルを奪っているのではないかというのが2番目です。

 3番目は、やはりストックということをどのくらい考えるかというのがやはり非常に重要で、中でもやはり人的資本の質的な向上ということがキーなのではないかと思うのですね。それはだから国内ではやはり教育の問題というのはもっと強く言うべきなのではないか。

 それから人的資本の質的向上という場合に、国内の労働力だけを別に考えることは全くなくて、国外の質の高い人をどんどん活用する、それはこちらに移民するということだけを別に前提としなくたって活用できる余地というのは幾らでもあるのではないかと思うのですね。

 以上3点です。

〔 座長 〕 ありがとうございました。

 皆さんの意見は非常に大事なので、次の方どなたでも。

〔 委員 〕 僕は先生のも全く重要だと思うのです。ただ、楽観か悲観かというと、むしろ僕自身は一番最初の見解で余り悲観ばかり出すのはよくないと言いましたので、むしろこの方がいいのですが、結局これはモデルが1つのシナリオなので、基本的にはいろんなシナリオを出す、そのときに、例えばさっきのTFPの動きであるとか、それからさっきの指摘、モデルにすべて入れるのは難しいかもしれないけれども、そこがモデルのどこかの係数に入っているとしたら、それをいろいろといじったときにどうなるかとか、そういういろんなシナリオを出すと同時に、そのシナリオを決定するキーの変数というのは一体何なのかということをやはりある程度はっきり出した方がいいですね。だからいろんな可能性をみんな指摘するわけでありまして、ただその指摘した可能性が動いたとしても、このシナリオは変わらなければいいわけですよね。だけど変わるかもしれない、だからそこら辺のところは必ずこういうものは提出された方がいいだろう。いろんな人がいろんな可能性を指摘するはずですので、それをあらかじめ考慮した上で、内生化することだけではなくて、そのバロメーターをチェンジさせればそれで多分処理できるだろうと思っています。

 ただ、楽観に関して1つだけ、これだけで気になるのが、実は(3)と(6)のところに関係しているのですが、人口が減ってくると資本装備率が高まる、それで労働減少を補うというのですが、理論的にはそうなんですが、基本的には人口の減少というのは老齢化なので、それはさっきの人的資本から言えばキャッチアップがどんどんみんな遅れてくるわけですよね。だからそういう意味でのビンテージ、人口のビンテージの遅れというのがやはり単純に資本装備率の上昇だけで補えるかという話があって、それで(6)の方にIT革命なんてあるのですが、特にITなんか本当にフォローできるのというのは若い人しかないわけで、年寄りはほとんど何回言っても意味がつかめない。そういうIT革命というのはいいのですが、やはりそのIT革命を支える若い人たちがやはりいないといけないわけですね。だからそこら辺のところを、一方の方で資本装備率が高くなる、一方の方でIT革命に期待できるというだけだとなかなか難しい。そこら辺のところを少しうまく書いておかないと必ずやられるのではないかという気がします。

〔 座長 〕 もう、自由に。

〔 委員 〕 コメントは3つあるのですけれども、最初は人口減少化をどういうぐあいに受けとめるかということで、この報告書の基本的な考え方は人口減少化についてはしようがない、そのもとでどうやったら展望と対策がとられるかという、そういう書き方だろうと思います。それはある意味では私も楽観的でありたいわけですけれども、それは人口が減少しているというのが、個人レベルで言うと、先ほど委員の方からも出てきましたけれども、その個人レベルではある意味では最適化行動しているわけですね。ただそれが経済全体、社会全体の中での最適化と必ずしも結びついてないところもあると思うのですが、ただそこのところを余り、だからといって人口減少を変える方向にどんどんやるのがいいのかどうかというのはこれはまた別の話で、つまり日本の場合は産児制限を強烈にかけた結果として人口が減っているわけではなくて、ある程度自主的な判断の結果として人口が減っているわけですから、それはそれなりの合理的な根拠があるはずで、そこをかなり打ち消すようなことをやるのはコストが非常に大きいのではないかと思います。 その意味で、1ページの最後のところで少子化が行き過ぎないようにするというのは、これは要するに少子化に歯どめをかける対策が必要だということなんですけれども、こういった少子化自体をコントロールするような政策を本当に打ち出すとすれば、展望の2ページ以下のところでも、少子化対策として、少子化をコントロールするような対策をもう少し書かないと、その最初の基本的な認識との差が出てくるので、むしろ少子化が行き過ぎないようにするということを余り強調しないのであれば、ここの展望以下の書き方というのは余りそれを強調してないのですけれども、そうであれば1ページの基本認識からこの最後の文章を落とした方がいいので、どちらかにするかはっきりさせて、基本的に人口減少がしようがない、そのときはどうするかという形でやった方がすっきりはすると思うのですね。それが第1点です。

 それからもう1つは、3ページの(5)の社会保障のところでリスクの話が出ているのですけれども、少子化が進んだ場合のリスクということなのですが、これはただ人口変動のリスクを考えているのだろうと思うのですが、そのリスクとそれから(6)のところの経済が活性化した場合に人口減少に伴うマイナス面を打ち消してリスクを軽減できるという場合のこのリスクは、多分別のリスクを考えていると思うのですけれども、そこのところのリスクの意味はもう少し区別した方がいいのではないかと思います。

 人口変動をリスクとしたことに関しては、例えば積立方式とかあるいは個人勘定別の年金に移行すればかなりのところは解消すると思うのですが、もちろんその場合は確定拠出ですから将来の収益に関するリスクは残るわけですけれども、そのリスクと経済活性化リスクの場合には、むしろそのリスクは軽減できる方向を主張するのはむしろマイナスで、つまりリスクを軽減するような形で経済活性化を図るというよりは、経済活性化というのはいろんな意味で運、不運が伴いがちですから、リスクをむしろ許容して、リスクがあっても、もしくは取れるような社会に持っていかないと、いろんな形のIT革命に対応していろんなベンチャーの人もできないはずですので、(6)のところでリスクの軽減を主張するというのはちょっと政策的にはむしろ逆で、ここではむしろリスクを許容するようなそういったいろんな制度的な対応ということを主張した方が、むしろ少子化社会でいろんな形のIT分野への活性化というのを期待するのであれば、結果として差がつくのはしようがないというような、そういった方向を出さない限りは、リスクの軽減ということを全面に打ち出して経済活性化というのは矛盾するのではないかと思います。

 それから3点目は、先ほど先生の方からちょっと出てきたのですけれども、ここの展望の(1)から(7)のところでは余り国際的な相互依存関係の話が出てないので、もちろん外国人労働を入れるかどうかは別にしても、国際的ないろんな相互依存関係で少子社会あるいは人口減少社会でのデメリットを相殺する方法というのは考えられると思いますので、そういった側面をもう少し強調した方がいいのではないかと思います。

 以上です。

〔 座長 〕 ありがとうございました。

〔 委員 〕 今の委員のおっしゃられた1ページ目の少子化が行き過ぎというような議論がありましたけれども、これは私も落とした方がいいと思うのですけれども。出生とか死亡とか、かなり細かく見ると、さっきから言っている利子率をどうするかという問題なんかすっ飛ぶぐらいの変化が出てきてしまうわけですね。この人口に関することともう少し詰めてモデルを精密化していくと、その辺が簡単に変わってきてしまう。ただ1つ抜けているというか、幾つか抜けているのは、家族という単位で考えてモデル化するかどうかというのは非常に重要だと思うので、委員は女性という観点、私は家族の構造、これがかなり変わってくるのではないか。そのときにここでは出てこないが、介護の問題とか、介護保険がスタートしましたが、介護の、シルバーマーケットは少しふえていますけれども、介護の女性への負担とそれからレーバーマーケット、それから社会保障がどう変わるかによって女性のホームヘルパーの数や何かが減って、家庭の介護負担が変わってくる。このレーバーと社会保障と人口というのはパッケージで考えないとどうしようもないのですね。

 ところが今回の研究というのは、これはワンウエーなのですね。同時決定をとらなきゃいけないのに、ほとんど片方が与えられたもので、政府の公式推計、人口推計の影響がどうなるかというコンシクエンスサイドだけを数量化しようといっているのですけれども、我々がいろんなリクエストを出してみても、そもそも政府の人口推計の中にそういったコンシダーレーションがなければギャップが出てきてしまうわけですね。片方の推計にそういったものが入ってないわけですから、明示的にとらえられていませんので、そういう点で我々がコンシクエンスサイドだけでいった場合になかなか、人口の出生率、死亡率、そういったものに影響を与えるような、そういうメカニズムをこのモデルの中に加えていった場合に、ワンウエーではなくてツーウエーになっていきますので、何かモデルそのもの自身が、このエクササイズ自身が矛盾を起こしてしまう可能性を1つ心配しています。

 もう幾つか言うと、介護の問題とこれから50年先、この推計、モデルを皆さんやっておられてよくご存じのとおり、5年間で全く違ったシナリオになってしまう可能性もあるわけですよね、いろんなことで。それで、特にこれから5年間で出てくるだろうというのは、データ的に出てくるというのは介護のデータがかなり出てくる。今まで我々一生懸命女性の介護と労働参加率の問題を一生懸命やってきたのだけれども、データがなかなかないのですよ。今後これがぐんと出てくる可能性がある。

 それから、寿命ではなく健康度調査が急速に進んでいますので、これが医療に対する影響というのは急激に出てくるので、そうすると50年のスパンでこれから考えますと、将来21世紀の医療の問題、それから介護の問題、あと離婚ですね。計量的にやってみるとこの離婚も家族形態と非常に密接な関係があるのですけれども、そういったこのシナリオにはない新しい次元の人口ないし女性の負担とか、そういったものに影響を与えるものが急激に今後出てくる可能性があるのではないかと思いますので、今度のシナリオというのをどういうふうに解釈するか、皆さんこういった推計が経済企画庁でこんな研究会に出されたというと、それがシミュレーションであってもマスコミの方とか一般人が受けるのは、予測というか、こうなるのだというとらえ方をするので、こういったのを出すのは結構なのですけれども、かなり、これはあくまでもシミュレーションだ、こういう仮定を与えてやるとこんな結果になるということを明確に伝えていった方がいいのではないかと思います。

 ですから、私が言いたいのは何かというと、今後ここ2~3年のうちに、もう今まででも確かにおっしゃられたように足りない部分がいっぱいあるのですけれども、このモデルの中に入れようと思えば入れられる部分がかなりあるというのに加えて、新しい次元の問題がここ1~2年のうちに急速に出て来て、それが21世紀の前半非常に大きな役割を果たすのではないか、そういう要素があるような気がいたします。

〔 座長 〕 それじゃ最後、締めてください。

〔 委員 〕 いえいえ、発散してしまいます。

 少子・高齢化は私は行き過ぎという判断はやはりしておいた方がいいのではないかという……。

〔 座長 〕 ということはもうちょっと悲観論も入れた方がいいという……。

〔 委員 〕 というのは、確かに子供の数を減らしているというのは我々の合理的な判断であるわけですけれども、私は全然それに反対しないですが。だからといって少子化が進んでもいいという判断までジャンプできないのです。なぜなら制約条件が果たして社会的に見ていい制約条件かどうかというのをもう一回違う角度から議論しないといけないものだと思うのです。何か非常にゆがんだ制約条件のもとでその人は合理的な解を導き出しても、それが本当にいいのかというと、違うと思います。

 そう考えると、余り少子化が人々の自主的な判断で生まれた結果だというふうにとらえていいのかというのは少し判断に迷うところと思います。

 それで、とにかくこれは報告書を出さなければいけないということですので、そういう制約のもとで書きますと、1番目に指摘しないといけないのは、今の制度のもと何もしなかったら日本経済はどういうふうにになりますかという、標準ケースといいますか、ベースラインを出すというのはやはり必要だろうと思います。

 その場合、いろんな視点があって、もちろんストックの分を含めてGDPとかマクロ経済の動きを示すのが必要だろうと思います。それだけではなくて、子どもの数が減ると、例えば財政収支にどういうふうな影響が出てくるかというのはあるでしょうし、それから世代ごとに少子化の影響というのは違っているかもしれません。というようなのもお示しあれば尚良いでしょう。

 それから、モデルではなかなか難しいかもしれないですけれども、前々回でしたか、それから資産格差、所得格差の問題も出てくるかもしれません。余り学校で教える授業のカリキュラムが薄っぺらなものになると勉強に力を入れる人、入れない人の差がついて、差が出てくるということも少子化の帰結としては出てくるのかもしれません。

 そういうのを一応押さえておいてざっと見てみると、少子化でいいこともあるのでしょうけれども、ネットで見たら悪くなるのじゃないかというふうな結果になると私は思うのですけれども、それはちょっとやってみないとわからないです。それが1番目のポイントだろうと思うのです。

 ただ、政策提言をやはり含めないといけないと思うのですけれども、3つぐらいあると思うのですよ。1つは、やはり少子化のマイナスの影響を阻止するような政策体系をちゃんとそろえるということですね。そんなにすぐに少子化はだめですよというふうなことを言ってもその効果は出てきませんので、ある程度少子化は続くであろうということであれば、そこから出てくるマイナスの影響を阻止するような政策というのはどういうようになるかというのをまとめるというのは1つあると思うのです。

 2番目は、少子化も仕方がないのです、じゃそれに応じて社会の仕組みを変えましょうというふうな政策体系が次にあると思うのですよ。社会保障を変えましょうとか、そういうふうなことがあると思うのですけれども、それも20年、30年ですぐにできるような話ではありませんので、それだけでは話は完結しない。

 そうすると3番目としてやはり行き過ぎた少子化を阻止するような政策体系というのが必要になると思うのですよ。どこまで効果があるかわからないですけれども、育児施設を充実させるとか、女の人も男の人も子供を育てやすいような環境を整備するとかいった政策が必要になると思います。

 その3つの政策それぞれ、1つだけ集中して追求すると負担がかかるというふうに思うのです。例えば少子化を所与として社会の仕組みを変えるというと、極端なことを言えば、例えば年金だったら積立方式にすべきだというような話になるのでしょうけれども、それは多分無理だろうというふうに思うわけです。それから、行き過ぎた少子化を阻止するために、例えば育児にお金をかけましょうというようなことになると、ものすごい財政負担が出てくるというようなことになります。

 それから、少子化のマイナスの影響を相殺しましょうといっても、IT革命に期待しますというようなことしか書いてないわけですから、ここにも企画庁の報告書としてどこまで全面的に打ち出すかと言われると限度があるわけです。

 ですから3本柱でちょっとずつ負担を分かち合いながら少子化を乗り切るというふうな、非常に日和見主義的な方法しかないのではないかというふうに思います。

 以上です。

〔 座長 〕 ありがとうございました。

 皆さんから1人ひとり非常に貴重な意見をいただいて、私の感想を言えば、やはり悲観論と楽観論が入り乱れているなと。彼が言ったように、いやこれは個人の選択なのだから、社会でどうせい、こうせいということを言うのがおかしいというのも一方であるわけですよね。しかしながら、いや、そんなことはない。このまま続いたらそんなことになるという意見も当然あるわけで、私としてもどう対処していいか非常に難しいのですが。

〔 委員 〕 済みません、1つだけ言うのを忘れたのですけれども、きょうまでに既に世代重複モデルと多部門一般均衡モデル、きょうきは長期マクロモデルのシミュレーション結果を報告していただいたのですけれども、それぞれモデルに得手、不得手の分野があると思うのですよ。だから1本だけで話を完結するのではなくて、その長所だけ、短所はほっておいて、いいところだけ政策提言に結びつけるというような作業も必要なのではないかと思います。済みません。

〔 総合計画局長 〕 委員からご指摘あったのは非常に重要な問題ばかりで、恐らく今本当に問われるべき問題ということで考えれば、委員が言われたようなことだろうなと思うのですが、この研究会のスタートからいくと器が古いと言えば古いのですが、従来の手段で、しかも数量的に何かを表現したいということがあってやっているのですけれども、そういう中で委員がおっしゃったような話を、人的資本のところは何か工夫すれば……。

〔 座長 〕 TFPをポジティブにするための人的資本強化策というのはできるのではないのですか。

〔 総合計画局長 〕 特に1番目の話なんというのもなかなか、どうとらえるか、潜在能力というなかなか翻訳が非常に難しいなという感じ。

〔 座長 〕 だからGDPだけではだめだというのを言い出すと、ちょっとこの研究会もしんどいですな。もう基本は3つのモデルのGDPですからね。

〔 委員 〕 いや、別にGDPを使うこと自体反対はしてないのですけれども、だけどそれだけ見ていると、それが間違いなのではないですかね。

〔 座長 〕 そういう、いや、GDPだけではないのだということはこの研究会でもやはりみんな共通認識として持っているというのはわかります。

〔 委員 〕 それからもう1つはやはりストックというのがあって、ストックは要するに国民所得会計上のストックだけを見ていていいのですかというのがやはりあると思うのです。人的資本はすっぽり抜けてしまうわけですから……。

〔 座長 〕 もう1つ皆さんにぜひともお伺いしたいのは、お2人に回答するなら外国人を入れたら相当解決するのですよ。国で頑張って子どもを生んでください、生んでくださいと言うよりも、外国人を入れたら一遍に解決するのですが、皆さん、外国人、特に知的能力を持った外国人を入れる、あるいは単純労働まで含めて、どうですか。委員に聞きたいのだけれども。どうです。先生はいつか言われたね。外国人を入れるよりも日本人の子どもを増やした方がいい。

〔 委員 〕 いや、入ってくるでしょう、きっと。団塊の世代が介護を迎えるときには、政治的な圧力もあって、必ずきっと入ることになるのではないか、そういう気がしますけれども、でもすべて自由な選択だからいいのだというふうに、政府がそういう立場で発表して、少子化仕方なしという発表をすることのインパクトというのがやはりあるのではないかなという気がするのですよ。

〔 総合計画局長 〕 政府自体の立場は非常に明確で、少子化は問題で、少子化を解消するというか、子ども数をふやすためにどうすればいいかというのは、もう政府の中で基本方針をつくっていろんな施策をやりますともう既に打ち出してやっているので、今の日本政府の立場は少子化は問題であるという、そこはもう非常に明確だと思います。

〔 委員 〕 だけど、それは人口推計に入っているのですか。

〔 総合計画局長 〕 その効果がどうかというのはまたありますけれども、人口推計は人口推計でやって、それはもちろんそれに基づいて社会保障関係の設計はなされていますけれども。やはりそうやって大変だから一方で少子化をできるだけ緩和して、子どもの数を少しでもふやした方がいいというのは一方であって。

〔 委員 〕 区立てのところに人口減少の社会ってあるわけですから、それが与えられた与件としてこの研究会では扱っているわけで。

〔 総合計画局長 〕 研究会という立場で言えば、もちろんそこにフレキシブルな相互関係を想定してもやっていいのですが、政府という形では日本国政府という、今の政府が少子化は問題であるというふうに言って政策を進めているというのは一方であります。

〔 委員 〕 ただ、多分もう来月ぐらいに出るだろうけれども、TFRは恐らく低位推計よりももっと下ですね、多分ね。

〔 座長 〕 あなたの意見も十分みんなわかっているから。

〔 委員 〕 そうなってくると、先ほど言ったようにもう一回モデルそのものをワンウエーにしないで同時決定みたいにして、出生そのものにフィードバックするメカニズムにして推計しないとだめかもしれないですね。そうしたら本当の意味でこういう政策を聞かれたら出生にどのくらい、女性にこのくらい負担がかかって出生がこうなりますよというようなシナリオが描けるのでしょうけれども。そっちの人口の方を与件にしていった場合にはちょっと難しい問題がいろいろ出てきてしまうのではないかなと思います。

〔 総合計画局長 〕 この会の最初のころ出たように思うのですが、そこのメカニズムがどの程度因果関係が、政策と出生率への影響というのはどうもいろいろ外国の例を見ても効いたような効かないような、一時効いたように見えてもすぐまたなくなってしまってという、そこの出生率自体がどうやって説明できるかという、政策的にどのくらいコントロール可能かというのも非常にあやふやですよね。

〔 委員 〕 私の言ったのは政策ではなくて、例えば女子労働参加率が、出生率との関係とか、そういったものをある程度つかめるところまではあるわけですから、そういったのは同時決定、介護も同時決定できるわけで、モデリング的に。

〔 総合計画局長 〕 ある程度はっきりしている部分についてできるだけ追い込んでいくということは必要です。

〔 座長 〕 そろそろ時間になったのですけれども……。

〔 委員 〕 ただ、最後の外国人労働の話でいくと、最初先生に私がいろいろ質問した、要するに50年という対応の長さを考えたときには、多分供給ないだろう、つまり今おっしゃったように解決できるとおっしゃるけれども、それは外生的に入ってくるわけであって、内生のものがなければ入ってこないのです。だから10年、20年のだったらそれで解決できるけれども、50年のだったらまず解決できないということは言っておかなければいけないと思います。

〔 座長 〕 では、それは外国人を入れてもだめだということですね。

〔 委員 〕 だって外国人がいなくなってしまうわけですよ。

〔 委員 〕 アジアはみんなそうですよ。

〔 座長 〕 アジアは人口減少って委員が言われたですからね。

〔 委員 〕 人口学の視点に基本的には、委員が入ってくると言ったのは確かにそうです。国際労働移動のいろんなケースを検証してみると、デマンドとサプライの要因があります。しかし、圧倒的にデマンドで決定します。その国にデマンドあると必ず人は来ます。だから日本で外国人に対するデマンドがあればどんな方法をとっても来ます。だからそのときに委員がおっしゃられたようにサプライサイドがなけりゃもうアウト。人口の視点から言うと今後は台湾、韓国、シンガポール、タイ、ほかの国もまず間違いなく労働不足になります。そうすると海外からの労働力輸入は期待できない。

〔 委員 〕 一方、自分の老後を面倒見てもらおうと思って外に出るということはないですか。

〔 委員 〕 どこに出るかという。

〔 委員 〕 たしか通産省だったか、シルバーコロンビアプランというやつ。オーストラリアに行けばいいじゃないか。

〔 委員 〕 オーストラリアもそんなに人口がいるとは思わないですよね。面倒を見てくれる人がいそうにもない。

〔 委員 〕 コミュニティーみたいなのが非常に重要だから、突然金だけ持って行っても恐らく面倒を見てくれるとはとても思えない。

〔 座長 〕 時間になりましたので、どうも済みません。いろんな問題提起をしていただきましてどうもありがとうございました。

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