第4回物流・情報通信ベストプラクティス研究会議事概要

1.日時:

平成12年4月26日(水)16:00~18:00

2.場所:

経済企画庁長官官房特別会議室(729)(第4合同庁舎7F)

3.出席者

(研究会)國領二郎座長
石原和幸、石原誠一郎、井出一仁、岩田彰一郎、花輪順一、藤田周三、前田正明の各委員
(事務局)牛嶋総合計画局長、塚田審議官、永谷審議官、税所計画官、その他総合計画局職員

4.議題

  • 中間報告書(素案)について

5.議事内容

  • 第3章(ネットワーク取引のビジネス特性を最大限に発揮させるための方策)が第2章(最先端のネットワーク取引が有するビジネス特性)から導き出せるものであるという構成をとるべき。ネットワーク取引の特性は、「勝組」と「負組」が明確に分かれること。したがって、第2章においては、勝組と負組の発生を記述し、第3章で勝組のための政策及び負組のための救済策を記述するという構成にすべき。両章の繋がりをうまく記述すべきだ。
  • 第3章の背景としては、日本企業が国際競争で勝つべきであるという考えか、それとも日本に海外企業も含めあらゆる企業が進出し活き活きとした社会を築くべきだという考えかによって分かれる。
  • まず大きなコンセプトを提示し、日本全体が新しい時代に向けてこのコンセプトをどのように実現させていくかを示すべき。この意味で大きなアピールを打ち出すのも効果的だ。
  • ネットワーク取引による調達は、製造業に対してその社内の効率化・活性化を含め変化をもたらす。その意味でもう少し製造業への言及をすべきだ。
  • ITS等を使うことが物流のバックエンドの効率化向上にどのように益するかということをもう少し具体的に記述するべき。
  • 諸方策を実施したらどうなるかという結果を数量的に示して、ベストプラクティスが実現されているかどうかを検証できるようにすべき。
  • 実態把握も困難であり、数量的指標化は難しい。
  • 定量的に目標値を設定し、インパクトを表すべき。またこの目標値をベンチマークとして何をいつまでにすべきか検討していくべきである。こういう政策ではこういう結果ができるという意味での目標値を設定すべきだ。
  • インパクトのあるアピールとしては、例えば、①誰が競争相手か考えよう、②日本独自の強みのある技術を世界に広めよう、③大企業のリストラ策を支援しかつ救済策も考えよう、④既得権益をいたずらに保護しない(規制緩和をすべき)が考えられる。
  • 「とにかくつなごう」という意味は、どこでも情報にアクセスできる、別々になっている情報通信分野と物流分野をつなぐ、国と民間の情報をシームレスにするという色々な意味を有する。
  • 「とにかくつなごう」は、ネットワーク取引のビジネス特性を達成するためには、最適の考え方であろう。ネットワーク取引では、とにかくつながっていないことには、話にならない。
  • 安全・安心ということがあって「つなごう」という意味があるのだと思う。日本のネットは安全だということであれば世界からも日本に入りやすくだろう。つまり信頼性の仕組みを構築すべきだ。そういう意味での「つなごう」ではないか。今の環境のままで「とにかくつな」いでも安全・安心とは思えない。
  • 安全性や信頼性は人間生活の基本でもあり、これらを確立していくべきだ。
  • 料金等に関する地域格差を政府が是正する方策を少しでも言及すべきではないか。
  • 「とにかくつなごう」の裏には「ユニバーサルサービス化」が含まれる。
  • いつでもどこでも何をしていても、とにかくつながる。これをどこのレベルまで目標として高めるか。その目標を設定することをアピールすることは可能であろう。
  • 定量評価について、実施主体(実施省庁又は民間)や実施期限を明記すべきだ。アクションプラン的な要素を入れずに一般論で終わってしまうような気がする。定量的にできるものは積極的に定量化すべきだ。
  • 地域間の情報化への取組みの差を目に見える形で明示することも必要。ネットワークは目に見えないのでネットワーク取引により何が便利になるのか伝わらない。それを象徴的に示す場としてネット上の楽市楽座やインパクがある。まずはネットが「とにかくつなが」ってどういう便益が生ずるのか、夢を描き、それを明示すべきだ。
  • 地域格差を是正するという発想より、そのような差異を個性として認めることも必要ではないか。
  • 高速道路はある意味でプラットフォームとして認められているけれども、インターネットはまだそこの域にまで達していない。まだ一部の人間のものとしてしか、見られていないのではないか。
  • インターネットは便利であるけれども、万事をインターネットで解決するのではなく、使い分けが必要。
  • 高齢者にはインターネットを使う機会を与えることが必要であろう。当面は、インターネットを教える立場にある者を支える制度が必要になるかもしれない。
  • 米国と比較して遅れている分野は、教育の歴史であろう。米国と日本の経営者の情報化に対する認識の格差は歴然としている。これも情報化教育を受けているかいないかの差であろう。
  • 何でも民間に任せておくのでは、なかなか進まないものもある。手続き関係が特にそう言える。Sea-NACCSが現在稼動しているが、これはそれを利用してもしなくてもよいという制度になっている。これでは「とくにかくつなぐ」ということができない。公がある程度強制的に書面を認めない、というようなことを言わなければ進まない。
  • 政府部門の電子化は重要。インターネットでなければ認めないという強制力もある程度必要かもしれない。
  • 総括として、第2章と第3章の関係をもう少しつながりを持たせる。また第2章には夢を記述することも重要。緊急アピール的なものは1つくらいに絞りインパクトのあるものを出すことも良いであろう。また安心・安全性を根底としたネットワークをつなぐことを記述すべき。インフラやソフトを含めた格差を地域の情報化への取組の精化認め得るような考えも取り入れることもあろう。さらに公的な機関の電子化を記述することは重要であろう。

(本議事概要に関する問い合わせ先)
経済企画庁 総合計画局 社会資本班
TEL:03-3581-0764