堺屋経済企画庁長官記者会見要旨
(平成12年6月6日(火)10:34〜11:25 於:記者会見室)
1.発言要旨
閣議後の記者会見を行います。
本日の閣議で当庁に関係あることは全くございませんでした。あえていえば、予備費の使用に関してというのがあったので、何か大きな話かと思うと、小渕前総理大臣の葬儀に7,500万円を使うということだけでありました。
それから、閣僚懇談会も主要な案件はありませんでした。報告としては、首都圏白書というのが出たぐらいでございます。
閣議の報告は以上のとおりでございます。
ほかには、景気動向指数が出ました。これでは4月の先行指数が28.6と久しぶりに、14カ月ぶりに50%を下回りました。一致指数は12カ月連続で50%を上回りました。遅行指数は30カ月連続で50%を下回っていましたが、今回は50%となりました。これをどう見るか、非常に意見の分かれるところでございますけれども、先行指数につきましてはまだわかってないものが多い、11のうち7つしかわかっておりません。そして、その7つのうちで5つがマイナスに出ているということでございまして、これからあとどんな数値が出てくるのか、推測の域を出ませんが、いろいろな見方があると思いますけれども、この1カ月だけの動向では、私たちは一時的なものかなという見方の方を強くしております。これが景気の先行きを示していると、1カ月の動向、11のうちの7つがわかって、5つがマイナスだったということではまだ判定はできないと考えています。ただ、注意深く見守るべきことだと思っております。
さて、もう1つの問題でございますが、再三にわたってGDP統計につきまして、不信感を感じさせるような記事が相次いでおりますが、これは経済企画庁のみならず、日本国全体に対する信頼にかかわる問題でございますので、見過ごすことができない重要な問題だと考えております。したがいまして、この点について皆様方には再三ご説明しておりますので、既にご理解をいただいているものだと思いますが、編集幹部の中にまだ風評を信じておられる方もなきにしもあらずと思いますので、重ねてお話を申し上げたいと思います。
99年10−12月の二次速報統計で、金融保険業の設備投資が減少していたことを5月11日発表の二次速報に加えなかったという問題が1つであります。これは何度も説明しておりますように、この段階では異常な統計と見られたために、精査するまで旧数値を暫置したものであります。このような判断は、統計学的に間違いでもごまかしでもありません。結果として異常値が現実の値に近かったということで、このとき暫置したのは必ずしも正しい判断だったかどうかは別ですが、このような異常値が出たときに暫置するのは統計の手法としてはむしろ多数の方でございまして、異常値を精査前に入れるということはしない方が普通だそうであります。このことを事実隠しをしたような報道がありますが、これは全く間違っております。5月11日発表の際、記者クラブに渡した資料はこれまでのものと比べていただきますと一目瞭然であります。ここに4回分書いてございますが、これが問題の5月11日にお渡ししたものです。それがこれ以前の3回でございますが、ここの変化の数値、これも統計を見る人は絶対見るところですね。ここを見ていただくとどう違っているか一目瞭然であります。それで問い合わせがありました、2名の方から。このときは説明しておりますし、翌12日には次官がこの点について説明したはずでございます。
したがって、隠していたというような記述が散見いたしますことは、日本国政府としてまことに許しがたい、許しがたいというとおかしいですが、残念なことでございまして、これが世界的に伝わるとか国民に伝わるとなりますと、統計というのは品物があるわけでも場所があるわけでもありませんから、非常に困ったことになります。だから、事実を隠蔽したことは一瞬もないと。これは先ほどの異常値の判断という問題は残ります。これは2つのとり方があるということで、私たちがとったのはよくやられる方をとったというだけでありますが、こちらが隠したというのは絶対ありません。一部には隠したのがまずかったという話がいまだに出ている記事があります。
それから、2番目に政治的配慮があったかということですが、日本の統計、特にGDPとか、その種の統計には判断の入る余地はありません。月例は初めから判断であります、統計じゃありませんから、判断の余地が入るわけですが、統計には判断が入る余地はありません。
3番目の問題ですが、日本の統計はアメリカなどに比べて上下の幅が、変動が激しくって、それから改訂幅が大きいという問題があります。これはご指摘のとおりでありまして、私たちも生データを重視していると。これにもし統計をとる人、つくる人が幾らか判断を入れたりしますと、もっとマイルドなものになるんです。これを入れないで生統計をできるだけ忠実に反映させているので、上下に大きく振れることこそ判断を入れて修正していないこととして私たちが誇りとしている部分なんです。だから、振れるのは、3カ月平均とか何かとらなきゃいけないだろうと思いますが、日本の統計のつくり方の厳正さ、言葉をかえて言えばばか正直さということになるかもしれませんが、そういった種類のものであります。
もちろん、そのもとになっております家計調査はサンプル数が少なくて、質にもサンプルにも偏りがあるんじゃないかという批判がございますが、これはあえて反論する余地はございません。そのとおりでございます。したがいまして、この改善方につきまして、経済企画庁と総務庁がこの4月から検討を開始しております。独身世帯が入ってないとか、あるいはサンプルの数が8,000ぐらいしかないとか、いろいろそういう問題がありますので、この改善については既に4月から検討に入っております。ただし、これもかなり古く決められた統計手法でございまして、家計簿からとるというような、今の若い人に余り習慣のないことをやっているという問題点もありまして、なかなか多くの人にご協力いただくのが難しいというのが現実で、8,000サンプルでも非常に現場は苦労しておるそうでございます。
その次の問題として、99年の10−12月の統計で、生産と需要、鉱工業生産や第三次活動指数とGDPとが逆方向に動いたと。これはアメリカなどでは考えられないことだという批判があります。日本は消費は家計調査からとっておりまして、需要の方は需要サイドから追求する。したがって、生産と需要が別々のソースによっておりますので、そういう差が出ることがままございます。米国などは生産、出荷、販売といったような統計から需要を推計するという方法をとっています。これは我々から見ると、需要は需要でとるべきだという考え方からいたしますと、一方向からしか見てないという批判もできるわけでありますが、そういう仕方をとっておりますので、生産と需要が一致いたします。だから、2四半期マイナスなら景気後退とみなすとかいうような話がございますのは、生産も需要も一斉に後退するという形になるからであります。これは日本の統計の1つの厳正さの証でございまして、結果を両方面から別々のソースでとって結果を突き合わすという三面等価を厳格にやっていることでございます。
ここで推計や修正を加えないから振れが大きいし、また次に正確な統計が出たときに修正幅が大きいと。これがいいことかどうか。これは皆様方の判断もあろうかと思いますし、我々としても両論あるところだと思います。統計というのはあらわれた数値、個票の集計をそのままあらわすのが正しいのか、そこにいわば常識というようなものを入れて修正する方がいいのか。これは議論のあるところでございますが、私たちはあくまでも数値でそういう判断や政治的な香りが入らないように特に厳正にしています。これは世界中で我々の統計が非常な誇りとしているところであります。
それから、6番目にニューヨークタイムズが報道したから事実を発表したんではないかというようなことが言われておりますが、これは断じてございません。精査がほぼ終わった時期に読売が、そして続いてニューヨークタイムズが動いたんでありますが、当庁は6月9日に正式に発表すると。そういう暫定といいますか、ほぼわかったところを申し上げたわけでございまして、外圧ということは断じてございません。これも日本の報道姿勢として非常に重要なことなので、対外的にもはっきりとさせておく必要があると思います。
それから、公共事業の数値でございます。これは所管官庁や自治省から情報提供を一層充実していただくように閣議でも申し上げました。これはなかなか難しいところがございまして、公共事業の統計が1年間では来るんですが、月々にはなかなか来ないんです。これは国の所管のところもそうでございますが、特に市町村になりますと、ある市町村がおくれているというのにはそれぞれ具体的な理由があるものですから、出したがらないというところもあります。それから、1カ月でとりますと、上がったり下がったりの変動が余りにも大きい。市町村になりますと、1本大きいのを出しますと、どんと何百%上がって、次の月がゼロ、次の月ゼロになるというのが出てきますから、そういうものを集計、即時3,300市町村から集めるのは非常に難しいということがあります。
そういうことで、主要なところだけをとって推計するとかいろいろな方法があるんですが、従来は公共事業の前倒し執行をしたときには本当に前倒ししているかどうか、そういう数字をいただくことになっていて、前倒し執行しないときには例年どおりに割っておけというようなことがあったんですが、今回は厳密な数値をいだたくように閣議でもお願いし、了解が得られております。この点、外国人の記者もかなり気にしているようでございまして、今度の99年度の初めの3四半期を見ても、一番予測からずれているのは公共事業でございますが、この点はご指摘のとおり、データの限界がかなり低いと言えるかもしれません。
以上のとおりでございまして、我々としては、日本の統計は迅速とはいえません。かなりの国が、期間が終わるとすぐ発表するような推定値を大幅に取り入れている国が多いんでありますけれども、日本の統計は迅速とはいえないですが、厳正かつ正確であることには誇りと自信を持っております。
私は就任以来、迅速化ということに目を向けまして、委員会その他も設立して検討していただいておりますが、まだ皆様にご利用いただけるような安定した値にはなっておりませんので、発表しておりません。
この1−3月の統計、あるいは99年度の統計が9日に発表されますが、これは大変注目を浴びています。今まで経済成長率が何ぼであったかというのはよく話題になったことがありますが、政府見通しが何%であったのかなんていうのは知っている人は少なかったんですけれども、今回に限り、0.6%というのは非常に有名になっております。これは1つには値が低いものですから、コンマ以下の数字が何割にもなるというようなことも影響していると思いますし、また非常に政治絡みで注目されているということもあるのでしょう。私たちは、統計数値というのは経済状況の判断に使われるのはもちろんでございますけれども、余り政治的に注目されるのはそれほどうれしいことではないと。これはそういった計算数値から出てきたものであって、それだけですべてを判断、経済状況のすべてを判断するものではないと考えています。重ねて皆様方のご理解をいただきたいところであります。
2.質疑応答
(問)まず、金融業の法人企業動向調査について何も言及していない資料を持ち出して一目瞭然だとおっしゃったことにちょっとびっくりしたんですけれども、そのことは後で話すとして、大臣は問題の所在をちょっと取り違えているのではないか。国のGDPの統計というのは、前にも申し上げたことがあるんですけれども、いってみれば企業の決算発表のようなものであって、その企業の決算発表のときに会計基準を変更したということをディスクローズしなければ、それは粉飾決算と言われてもいたし方ない。投資家の信頼を失うのも当たり前だと。今回の問題はまさにそういう問題であって、普段と統計のつくり方が違うのであればそれをアナウンスすべきであったと。ところが、今回の資料には金融の「き」の字もないじゃないですか。これが大臣のおっしゃる迅速でわかりやすくて正直な情報の開示のあり方だと思われるんですか。
(答)はい思います。それは明確に申し上げます。まず第1に、一次速報と二次速報と、それから確定値というのがあります。今おっしゃったのは、もしこれが企業決算だとすれば確定値で見ていただきたいと思います。これは一次速報から二次速報に変えた段階でありまして、私の聞いている話では、5月11日にこの件について記者説明をしようかと皆様方に問い合わせたはずであります。
(問)それはうそです。
(答)それうそですか。それで投げ込みになったと聞いておりますが、違います。
そこはどうですか。
(事務局)通常のルールどおり説明しましょうかと聞きましたが。
(問)説明しましょうかなんていう具体性はないでしょう。
(事務局)説明必要ですかというのは聞いたはずなんですが。
(答)そこはっきりしてください。それが重要なことです。
(問)そんなのはないですよ。いつもこっちから問い合わせてやっているんです。
(事務局)ちょっと確認してください。
(問)確認してくださいは違うでしょう。こっちから頭を下げてやってもらっているんでしょう。そっちから自分からやりましょうかなんてないですよ。
(事務局)幹事からの要求があれば説明するということで。
(問)それは事実と違うな。
(事務局)幹事さん、そこはちょっと言ってください。松井さんとあともう1人、確認をしたと思いますが。
(問)それは後でしましょう。
(答)それが実は重要なことでございまして、説明を求められて、なおしなかったんなら、確かに隠したと言えます。ところが、この資料を出しました。それで二、三の方はこの違い、これとどう違うのかということをお聞きになりました。それで、例年はこれが入っていますね、今度はこれしか入っていませんね。この違いはどこにあらわれてくるかというと、金融の統計にあらわれてくると、こういうことであります。わかりますか。
(問)何も書いてない資料をもって一目瞭然ですって何ですか。
(答)書いてないということはないでしょう。一次と二次の速報ですから、よく聞いてください。一次から二次で何で変わったかと書いてあるわけです、これは。
(問)大臣はそれは非常にわかりやすい説明だと、これがディスクローズだと、これが説明責任だとおっしゃる。
(答)当然でしょう。
(問)これが当然の対応ですか。
(答)はい。それで11日に、そこはちょっとまだ意見が分かれるんだけれども、11日にもしそういうことがあれば説明しましょうかというお話をしたわけですね。それで資料の、紙の投げ込みになったわけですね。
(問)説明をしようとしたら記者クラブが断った、違うでしょう。
(事務局)そんなこと言っていませんよ。
通常のルールどおりに資料配付をさせていただきまして、その資料をごらんになっていただいて、幹事さんにその場、これはもう何回か、4回目でやっておりますから、その場で要求があればすぐこちらからレクをするという段取りで、いつもどおりの段取りでやる予定にしていたと思います。資料配付をした後、しばらくして、しばらくというのは5分か10分だったと思いますが、その後特に要求はなかったということであります。
(問)各社がそれで個別の取材をしました。それで説明はなかったじゃないですか。
(答)各社が個別の取材をして書いているところもあります。
(問)どうしてこんな大事なことをムラのある対応をされたんですか。
(答)ムラのある対応というより、取材に来た人にそれぞれ答えたんです。質問のあった人に答えたんだと思いますよ。そうだよな。
(問)前回とどこが違うかと言って、全然答えなかったのは何社もあるでしょう。
(事務局)ですから、その後の取材というのはもうまさに個別の取材になるわけですから。
(問)何度も言うように、企画庁から積極的な情報の提供はなかった、そうでしょう。
(答)何度も申しますように、企画庁から何で修正したか、これ一次と二次の修正ですから、一次統計じゃないですから、どこを修正したかが問題なんでしょう。その修正の根拠を明確にしておるわけですから、それをごらんになったらこの統計から何が修正されるかというのは例月わかっているわけですから。
(問)そうではなくて、毎年10−12で改訂のやり方をやっていて、同じやり方をやると考えるのが普通でしょう。こんな1−3や4−6の比較じゃなくて、例年の10−12とどう違っているのか、どこかが変わったら説明するのが普通でしょう。それじゃ隠したって言われてもおかしくないじゃないですか。
(答)これ隠していますか。
(問)うそを言ったとは申し上げないけれども、積極的に事実を伝えようとしなかった、それはそうでしょう。
(答)積極的に事実を知ろうとしなかったんじゃないでしょうか。
(問)知ろうとしていますよ。
(答)じゃあどうしてこれを見て違うと聞きに来なかったんですか。
(問)聞きにこなかったんじゃなくて、そっちが言わないんでしょう。こっちだってどこが違うんですかって聞いて。
(答)あなた方記者でしょう。
(問)あなたコミュニケーターでしょう。わかりやすさで民間人で入った、入閣した意味は何なんですか。
(答)これぐらいだったらわかると思うけれどもね。月例なんかではずっと並べて、どこが違うかってやっているじゃないですか。
(問)今日配られた紙なんですけれども、操作はなかったという説明には通じるかと思うんですけれども、情報開示という点では、これを見て余計にやっぱり不十分だったんじゃないかなと思うんですね。といいますのは、例えばこれわかりにくい交通標識なんかと同じで、確かに書いてあるんだけれども、何か違うかなと思って見ているうちに車が通り過ぎちゃってもう見ることができないというか、わからない。
(答)わかりにくいということはそうかもしれない。だけれども、隠していたかどうかということについては私は隠してなかったと思う。
(問)当日配られた資料なんかも、この一角だけなんですね、10−12しか書いてないので、一目して比較はできないと思うんですよ。だから、そういう点では比較すればわかるという大臣の説明も。
(答)毎月このクラブにおられて見ておられたら、そしてその理由がわかれば、このことからは何が変わるか、このことからは何が変わるか。例えば、金融業のところ書いてないでしょう、これはやっぱり普通なら気がつく話だと僕は思う。我々が法律文書とか歴史とか、あるいは歴史資料で小説を書くときにも、こういうのは非常にわかりやすい違いだと。これが単に統計の資料だけ出ているんじゃないんです。金融業というのが明示されているのがないんですよ。これを毎年。
(問)ないものをもって書いてあるとは言えないでしょう。
(答)書いてあると言ってませんよ。
(問)書くのが普通じゃないんですか。
(答)ないのを。
(問)だって改訂のときも変更したんですよ。それをどうして開示しないんですか。
(答)これは新たに追加した資料を書いてあるわけですから、新たに追加した資料がないんですよ。そうするとわかるはずでしょう。
(問)何で説明しないんですか、そういうことを積極的に。隠すことがないなら説明すればよかったじゃないですか。
(答)隠すことなんて全然ないですよ。隠すことがあったらこんなもの書きませんよ。これをわかりにくかったとおっしゃればそうかもしれませんが。
(問)そうでしょう。
(答)すべての統計に脚注がついておりますが、ないという方の脚注をつけている統計はほとんどありません。必ずある方、例えば資料と書いて、これは何々国連統計資料からとっています、これは何々からとっています。これからはとっていませんという脚注をつけている統計はほとんど見当たらない。あったら見せていただきたい。これは同じ統計ですから、統計の常識に従って書いております。もし、これは何々を使ってませんという脚注のついてある統計がどっかに出てたら、それは非常にめずらしい。それを要求されるなら、何ぼ書かないといかんかわかりません。これは使っていません、これは使っていませんと。
(問)普段使ってなくて、今回使った、普段使っていて、今度から変更あったのはどうですか。
(答)だから、それは見ていただければわかる。これは統計を読む者の極めて基本的な姿勢だと思いますよ。それは隠していることではありません。だから、説明に来られた方にはそういうふうに、あれは研究所が直接説明したの。
(事務局)研究所の方に記者クラブにその当日待機していただいておりますから、待機していて来られた方に説明をしたんです。
(答)それは二、三求められた方にはそのように申し上げたわけです。それから、他の方は言うまでもなく、お気づきだと感じていたということです。
一度、このことについては皆様方にもぜひご了解いただきたいし、皆様方の論説その他にもぜひこのことはご了解いだたかないと、日本国政府の面目にかかわりますから、大変重要なものだと。
(問)今後改善されるおつもりはないんですか。
(答)改善のしようは、非常に難しいと思いますね。使わなかった統計を全部書けということは。
(問)使わなかった統計を書く書かないじゃなくて、普段と違う算出の仕方をしたら、それをアナウンスすべきではないかと、そう申し上げているんですよ。
(答)普段と違う算出を、もし一次速報と確報でやったらすべきでしょうね。変更段階でどこが変更してきたかというのを示しているわけですから、それはやっぱり変更部門を見せるのが普通だと思います。
(問)統計資料はそうだとしても、説明者の方が待機されているわけですから、その際に一言説明されればそれで済む話だったんじゃないですか。
(答)どうしてその日、5月11日に説明者が待機していたのに説明しなかったかどうかは私もその事情がよくわからない。それで、私の聞いたのは、その必要がないと言われたからしなかったんだと聞いているんだけれども、違うんですか。
(問)どうして必要ないと判断されたんですか、上の人は。
(答)上の人というか、待機している人ね。
(事務局)ちゃんと確認したいと思います。松井さんと、それから日経は間瀬さん、その2人と改めてレクはどうしましょうかということで、要らないと。それはちゃんと確認してください。よろしくお願いします。そこは重要なところですので、よろしくお願いします。
(答)そこは重要なことですよね。必要ないと言われたんだそうです。それは私はしらない。報告で聞いているわけです。
(問)質問がなかったから説明しなかったんじゃなくて、やはりこういう場合は、資料に書くかどうかは別として、説明者の方が一言アナウンスすべきじゃないんですかということを申し上げているんです。
(答)それは結構ですと言われても押しかけて言うべきかどうかというのは難しい判断ですよね。まあ、普通はしないでしょうな、どうでしょう。結構ですと言われても、いや、これ違っているから言いますというのも。
(問)結構です云々という前に、最初に一言、渡すときに一言。
(答)それこそこれをごらんになったらわかると。やっぱり始めての人を集めて説明会しているわけじゃないんですよ。去年のGDPのつくり方を6時間ずつ2回もやっているんですよ。こんなこと世界中でやったことないほどの公開をやっているわけですよ。それにも出席していただいている方もおられるはずですから、そういうことを前提として、まさにプロ同士の話として考えたら十分だと判断したんですよ。この点は皆様方にぜひ理解していただかないと、日本国の隠していたというような、わかりにくかったというとこはまだいいとして、隠していたという印象を与えられると、まことにこれはよろしくない、誤解を生むと思う。隠していたことは絶対ない、わかりにくかったというところはあるかもしれない。それで、かなり高度のプロを相手にしているという、統計専門家たちの立場というのは今全部そうなんです、実は。我々が見てもわかりにくい統計いっぱいあるんですよ。それは変えなければいかんかもしれんけれども、隠していたということは非常に事実に反すると思います。そう思わない。
(問)普段と違う出しかたをしていたんだったら、こっちが要求するまでもなく、そちらから説明があるべきなんじゃないですか。それは統計のユーザーに対してですよ。インターネット見て、普通の金融機関の人が見たって、こんなのわからないですよ。
(答)その点、わかるかわからないかというのはちょっとあれだけれども、わかったひともたくさんいたのよ。ここにもいたよ。わからないわからないというのはその人の注意力の問題ですからね。それから、これだけ何回もやっている馴れの問題ですから、私こんなこと言いたくないけれども、実際、今の世の中、余り事を荒立てないで、何でも放っておいた方がいいという習性だけれども、特に統計というのは日本国の信頼にかかわる問題ですから、隠していたというようなことはぜひ取り消してもらたいたいと思います。
わかりにくかったとか、それから説明すべきだったとかいうのは意見の分かれるところですけれども、隠していたということはない。これが第1点。
(問)長官のご認識としては、誤解を受けたのは誤解した方の責任だということでよろしいんですね。
(答)誤解というより、その後の報道で隠していたということになるのが私はちょっと理解に苦しむね。初めは隠していたんじゃなかったのに、だんだんエスカレートしたような感じがするんですよ、報道の中で。だから、皆さん方よりその次の人、その次の人といくと認識が違うのかなと思うので、初めは隠していたじゃなしに、むしろ今おっしゃったような説明が不十分だったとか、こういう使い方が間違っておると、暫定値を入れないでこちを入れるべき、先に低い方を入れておくべきじゃなかったという、初めは隠していたという報道じゃなかったのがだんだんエスカレートしているから特に申し上げているんですよ。初めは、たしか出てきたときには、実績見込みと実績値が出たときに、実績値の方が低かったのに、なぜか高い方の実績見込みがそのまま残したと。この判断がという議論があったのに、隠していたという話になると、非常に信頼を揺るがすものですから、特に神経質に申し上げています。
これは読む方の責任というより、読んだ人は最初の間は実績値と実績見込み値の違いを高い方をとったと、ここが一番問題にされたんですよ、5月25日ぐらいは。それがだんだんと隠していたという話が週刊誌にも新聞にもちょろちょろでるから、この点はまずなかったことを確認していただきたいということです。
それから、2番目には外圧でということも間違いです。それから、政治的にそういう判断をとったということも違う。この3点を申し上げているんです。よろしいですか。
(問)ちょっといったんGDP統計から離れます。
DIの先行指数が1年4カ月ぶりに50%を下回ったと。4月は一時的な要因だという説明があったんですけれども、5月についても50%を上回るかどうかまだ心配であるという説明が昨日あったんですね。これは先行き景気の2番底懸念というのがあるのではないかという気もするんですが、その点どのように考えていますか。
(答)それは先ほども申し上げましたように、1カ月の動向だけで判断できません。けれども、懸念が全くないとこの統計からいう根拠はありません。やはり、1カ月とはいえ悪い数字が出ているわけですから。いや、これは1カ月限りだよと言い切れる根拠はありません。しかし、まあ1カ月限りじゃないかな、あるいは2カ月続いても、それが2番底につながることはないんじゃないかなと思っておりますけれども、この統計から2番底の危惧を否定するわけにはいきません。
(問)DIでは景気回復の水準であるとか速度はわからないわけですけれども、今回の景気の回復というのは非常に弱いものであるという可能性はありますか。
(答)特に消費の回復が弱いと。それからもう1つは、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、公共事業の投資が意外と伸びていない。これは地方単独、その他がございますけれども、当初見通したのと比べて、99年度でも一番大きな差になっているのはそこでございます。
そういったことが重なりまして、意外とといいますか、景気の回復は、いつも書いておりますように、非常に緩やかなものであります。
(問)あと、ちょっと話変わるんですけれども、経済財政諮問会議に先立って財政首脳会議、これを常設するんじゃないかという報道もあったんですけれども、その辺、政府の見解はどうなっているんですか。
(答)それはまだ全然決まっておりません。政府と与党の間で何らかの協議機関が必要だろうという話はあります。経済財政諮問会議を中心としてこれからの新しい体制、来年1月から新しい体制で進めていくときに、与党のかかわりをどうすべきか、これは今後の1つの検討課題だと思いますね。
(問)与党の関与が強まり過ぎると、経済財政諮問会議で予算編成の骨子を決めること自体が骨抜きと見られてしまう、そういう心配があるんですけれども、いかがでしょう。
(答)議院内閣制として与党の協力を得なければならないのは事実でありますが、与党の意見に政府が引っ張られるということになると、経済財政諮問会議を民間の方を入れてつくったという趣旨と矛盾するといいますか、対立するようなことがないとはいえませんね。だから、むしろこの経済財政諮問会議の審議過程をどのようにお伝えし、どのように理解していただくかという問題、それからまた与党の方々の持っておられるご意見を経済財政諮問会議の審議にどのように反映していくか、そういった相互のキャッチボールが必要だと思いますね。
(問)GDPなんですけれども、法人企業動向調査の数字は9日に透明性を高めるという意味で、それを折り込んだ数字を同時に発表するというのは検討していらっしゃるんですか。
(答)ええ、しています。精査をいたしまして、三百数十の個票に当たって精査をいたしまして、その結果を折り込んだ数字は普通確報でございますから、12月に発表するんでございますけれども、今回は1回精査するということで一部見送ったところがありますから、6月9日にあわせて発表したいと思っています。
(問)米国の景気なんですけれども、この間の金利上げ0.5%、その前後を境にして、大分景気で減速の兆候があらわれてきたというふうな見方が若干ある。この辺はどうですか。
(答)景気の減速というか、消費、投資のブームに対して水を差された。これはアメリカの金融当局のねらいでもあったと思います。それが実行されたということで、どちらかといえば、景気過熱からハードランディングになるのを回避できたという方の見方が強いと思っています。株式市場などもそれを好感しているように見受けられます。
(問)設備投資なんかも、IT関連は伸びていますけれども、その他の設備投資は相当鈍化してきているというふうな傾向にありますけれども、そういった動きは。
(答)投資の内容の詳しいところまで必ずしもつかめておりませんけれども、いわゆる報道によると、統計じゃなしに、報道によるとそのようですね。それから、自動車なんかも久しぶりに売れ行きが下がっていますね。だから、アメリカの景気の過熱を避けてソフトランディングをするという目的にはこの利上げは効果があったんじゃないかという気がしていますけれどもね。
かなりアメリカの金融当局は細かい操作によって景気の維持を上手にやってきたという実績があります。今回もその一例になってくれればと思っています。
(問)大臣は前々からIT関連の何らかの対策がというようなことをおっしゃっていますけれども、今現在の大臣ご自身の具体的なイメージというのはなかなかわきにくいんで、例えばこういうプロジェクトというような腹案というのは幾つかお持ちなんでしょうか。
(答)1つは日本のコンテンツづくりを広げるという意味で、今インパクをやっております。昨日、大阪と神戸に伺いまして、各地方自治体のインターネット博覧会への参加及びその準備状況を伺ってまいりました。既に54の自治体が参加を表明していただいておりますし、120ほどの企業、民間団体も参加を表明していただいています。その中にはかなり我々が想像しなかったような変わったものもございまして、コンテンツの創造には相当大きな刺激を与えるんではないかと考えております。
(問)例えば公共事業的なものというか、ハード面なんかでは何かアイディアをお持ちでしょうか。
(答)ハード面はさまざまな話がございますが、それぞれ所管の官庁もございますので、そう具体的には申し上げにくいんですけれども、日本の情報環境の中で2つ特徴がございます。1つは光ファイバーの設置がなかなか進みにくい。特に最後の家庭なり会社なりに入るラストワンマイルというところです。この部分が非常に入りにくいというのが1つの特徴です。
もう一方でモバイル、iモードなどのモバイルが非常に発達しているというのがもう1つの特徴です。アメリカは非常に早い段階で各き線点に光ファイバーがつながって、そこからCATVが普及しました。この結果、現在のアメリカのインターネットはほとんどすべてデスクトップでございますけれども、日本はiモード型の、移動型のインターネット情報産業が生まれてくるんじゃないかと。そういう面でアメリカを再逆転する可能性も十分あると思います。そういったコンテンツ、あの移動型の機器の範囲内に入れるコンテンツというものを日本独自で開発できれば大きな成果だと思いますね。
(問)1−3のGDPなんですが、これはなかり高い伸びになると。そうすると、2000年度は高いゲタを履くということになりますね。そうすると、2000年度の見通しは1.0%とかなり低いんですが、年度後半から自律的回復に乗るという見通しと矛盾する感じがするんですが。
(答)1−3がまだどれぐらいになるかわかっておりませんが、仮にかなり高い伸びになってきたとすると、おっしゃるようなことが起こります。昨年も1−3の伸びは当初、一次速報では1.9、それから二次速報で1.5でございました。かなり高い成長率を示したんですね。それで、その後どうなるか。その実績を踏まえてかなり高い、99年度も1%台後半の成長をするんではないかと予想されたシンクタンクや国際機関も多かったんですが、私たちはその後の動き、特にボーナス等から出る消費の動き等を精査して0.6と。公共事業が引っ込んだ分を消費と設備投資が少し埋めるんじゃないかというような数字にいたしました。今後ももう一度、この1−3月が出まして、恐らく4−6が出た後になると思いますが、見直しをやりまして、1.0よりも高い成長が期待できるかどうか精査する必要があると思います。
私はここへ来まして、まずいったん決めたものを変えないというのは、誤解を生みやすいし、政策にも足かせになるので、中間見直しをやろうということにいたしました。今年もそれを継続したいと思っています。
(問)中間見通しというのはいつごろの見直し。
(答)一昨年は10月、去年は11月になったと思いますが。
(問)じゃあ今年もそのころに見直しを考えると。
(答)そうですね。だから、4−6がわかってからということでございます。
(問)経済財政諮問会議の関係で、森総理が 発足時に総理主導で考え方を前倒しでやるという発言があり、その後、宮沢蔵相の方が、この考え方を踏まえたやり方についてスケジュールと方向感を記者会見で述べたんですが、この日程についてどう思われるのかということが1点と、もう1点が先ほどの与党との会議も含めて、少し大蔵省の主導権が強まっているような、そういう指摘もあるんですが、その件についてどう思われるか。その2点。
(答)森総理は官邸主導でということをおっしゃったんで、大蔵省の主導が強まるというのは森総理のご意向、ご発言に反しているから、そんなことはないと思います。
それで、この予算編成をどういう形でやっていくか、これは選挙後の問題でもあるでしょうけれども、選挙前に一度協議することになっています。
(問)その後、7月とかにまたやるということですか。
(答)そうです。7月になったらばたばたとやらんといかんでしょうね、シーリングがあるから。
( 以 上 )